改めて開心術士としてのハリーについて「炎のゴブレット」編(2)(4回シリーズ)

日曜日の午後5時にウィーズリー一家がハリーを迎えに来るという事でダーズリー一家の緊張と苛立ちは極限に達していました。ところがハリーが魔法省から車を借りて来ると思っていたらウィーズリー一家は極めて意外な方法でプリベット通り4番地にやって来たのでした。その方法とは?(全3項目)

3-1.ウィーズリー一家の来訪を告げると
こうして今回ハリーはウィーズリー夫妻の正式な招待を受けてクィディッチ・ワールドカップの決勝戦を観戦するために「隠れ穴」に行く事になりました。交渉を終えハリーが自分の部屋に戻るとそこには豆ふくろうがいました。

先学期末にシリウスがスキャバーズの代わりとしてロンに贈ったピッグウィジョンで持って来たロンの手紙にはダーズリー一家が何と言おうがハリーを迎えに行くと書かれてありハリーはバーノン叔父さんにその事を告げました。

「きちんとした身なりで来るように言ってやったろうな。連中に。お前の仲間の服装をわしは見た事がある。まともな服を着て来るぐらいの礼儀は持ち合わせたほうがいいぞ。それだけだ」

ウィーズリー一家が日曜日の午後5時に迎えに来るとハリーが告げると叔父さんは間違いなく度肝を抜かれました。そしてすぐさま歯を剥き出しこう怒鳴りました。叔父さんの物言いを聞きハリーはちらりと不吉な予感がしました。

それと言うのもウィーズリー夫妻はよれよれの度合いこそ違えいつも長いローブを着ていて叔父さんが言う所の「まともな格好」をしていたのを見た事がなかったからです。隣近所が何と言おうとハリーは気になりませんでした。

ただもしウィーズリー一家がダーズリー一家が持つ魔法使いの最悪のイメージそのものの姿で現れたらダーズリー一家がどんなに失礼な態度を取るのかと心配でした。その日プリベット通り4番地の空気は極度な緊張状態でした。

魔法使い一行が午後5時に我が家にやって来るという事でダーズリー一家の緊張と苛立ちは極限に達していました。叔父さんは一張羅の背広を着込んでいました。他人が見たらこれは歓迎の気持ちの表れだと思うかもしれません。

しかしハリーは開心術で叔父さんの意図を見抜きました。叔父さんは威風堂々又は威嚇的に見えるようにしたかったのです。一方ダドリーは何故か縮んだように見えましたが恐怖のせいでした。先回ダドリーは被害に遭いました。

ハグリッドに魔法をかけられ尻に尻尾が生えてしまいダーズリー夫妻はロンドンの私立病院で尻尾を取って貰うのに高いお金を払いました。そのためダドリーは敵に同じ的を見せまいと尻を頻繁に撫でつつ蟹歩きをしていました。

昼食の間はほとんど沈黙が続きました。ペチュニア叔母さんは何にも食べません。腕を組み唇を固く結びハリーに向かって散々投げつけたい悪口雑言を我慢するかのように舌をうごめかしていました。叔父さんがこう吼えました。

「当然車で来るんだろうな」

ハリーは叔父さんにこう言われて初めて「ウィーズリー一家は一体どうやって迎えに来るんだろう?」と思いました。持っていた中古のフォード・アングリアは2年生の時ハリーとロンが学校に乗って行き行方不明になりました。

ところがウィーズリー一家はハリーが思ってもみなかった極めて意外な方法でハリーを迎えに来たんですよね。

続きを読む »

改めて開心術士としてのハリーについて「炎のゴブレット」編(1)(4回シリーズ)

これもこの時期に毎年恒例という事になっています。この夏休みイギリスでは30年ぶりにクィディッチ・ワールドカップが開催される事になりハリーは「隠れ穴」に行く許可を貰うためバーノン叔父さんと交渉する事になりました。その場でもやはりハリーは・・・(全3項目)

3-1.シリウスのお陰で
先頃の3年生の学期末にはハリーはあの輝かしい1時間の間だけついにダーズリー一家と別れる事ができると思いました。シリウスが汚名を払拭できたら一緒に暮らそうと言ってくれたからです。しかしその夢は叶いませんでした。

シリウスの無実を証明するピーター・ペティグリューが逃げハリーたちは百体もの吸魂鬼に襲われました。ハーマイオニーが持っていた逆転時計で3時間先から戻ったハリー自身が助けたもののシリウスは捕まってしまいました。

そんなシリウスをハリーとハーマイオニーはヒッポグリフのバックビークに乗らせて逃亡させました。シリウスは逃げなければ吸魂鬼に魂を吸い取られ生きた屍になる所でした。だからシリウスは逃げるしかなかったんですよね。

それ以来ずっとシリウスは逃亡生活を続けています。ペティグリューさえ逃がさなかったらシリウスと暮らせたという思いが夏休みに入ってからハリーの頭を離れずプリベット通り4番地に戻って来るのは2倍も辛かったのでした。

一緒には暮らせませんがシリウスはハリーの役に立っていました。全ての学用品を自分の部屋に持ち込む事ができたのもシリウスのお陰です。あの危険な殺人犯がハリーの名付け親と判るとダーズリー一家の態度が一変しました。

シリウスは実は無実で実際に12人のマグルを殺害したのはペティグリューなのですがハリーはダーズリー一家にそれを告げるのを忘れる事にしました。そんなシリウスからは夏休みに入ってから2通の手紙が届けられたのでした。

シリウスは手紙が途中で他人の手に渡る事も考えられるので居場所を明かしませんでした。元気で暮らして欲しいとハリーは願いました。2通とも元気そうでシリウスの手紙はベッド下の床板の緩くなった所に隠してありました。

そんなシリウスの存在はハリーがあの交渉事をバーノン叔父さんとする際にも大いに役に立ったというわけなんですよね。(笑)

続きを読む »

ハリー・ポッターの夏休み「不死鳥の騎士団」前編(28)(シリーズ最終回)

魔法大臣コーネリウス・ファッジはダンブルドアが怖い?ハリーは当初その理由が分りませんでした。しかしそれこそが大問題なのだそうです。ところが説明が佳境に迫った所でウィーズリーおばさんが「もう沢山!」と言って説明は打ち切りという事になってしまいました。(全3項目)

3-1.ファッジはダンブルドアが怖い?
でもどうしてファッジはそんなに間抜けなんだ。こう言った後にハリーがダンブルドアの名前を出すとアーサー氏が苦笑いを浮かべながらハリーはまさに問題の核心を突いた。そしてそれはダンブルドアだとそう言ったのでした。

それを受けてトンクスが「ファッジはダンブルドアが怖いのよ」と悲しそうに言いました。ハリーは「ダンブルドアが怖い?」と訊きながら到底納得ができませんでした。ハリーのこの問いにはアーサー氏がこう答えたのでした。

「ダンブルドアが企てている事が怖いんだよ。ファッジはダンブルドアがファッジの失脚を企んでいると思っている。ダンブルドアが魔法省乗っ取りを狙っているとね」

これに対してハリーは「でもダンブルドアはそんなこと望んで」と言いましたがアーサー氏がその後の言葉を引き継いで「いないよ。もちろん」と完結させたその後にダンブルドアとファッジの関係について説明したんですよね。

ダンブルドアは一度も大臣職を望まなかった。ミリセント・バグノールドが引退した時にはダンブルドアを大臣にと願った者が大勢いたにも関わらずダンブルドアは魔法大臣にはならなかった。その代わりにファッジが就任した。

しかしダンブルドアが決してその地位を望まなかったのにも関わらずいかに人望が厚かったのかをファッジが完全に忘れたわけではない。アーサー氏がこう説明した事を受けて今度はルーピンがハリーにこう説明したのでした。

「心の奥でファッジはダンブルドアが自分より賢くずっと強力な魔法使いだと知っている。就任当初はしょっちゅうダンブルドアの援助と助言を求めていた」

それが引き続きルーピンが言うにはファッジは権力の味を覚え自信をつけて来たのだそうです。魔法大臣である事に執着し自分が賢いと信じ込もうとしている。そしてダンブルドアは単に騒動を引き起こそうとしていると考えた。

「一体どうしてそんな事を考えられるんだ?ダンブルドアが全てをでっち上げてるなんて。僕がでっち上げてるなんて?」

ハリーは腹を立てながらこう訊きました。

続きを読む »

ハリー・ポッターの夏休み「不死鳥の騎士団」前編(27)(28回シリーズ)

シリウスの「ハリーにちゃんと説明すべきだ!」という意見にアーサー氏とルーピンが賛成し他に異論を挟む者も出なかったのでウィーズリーおばさんも負けを認めハリーに不死鳥の騎士団の活動内容を含めた現在の状況を説明する事になりました。説明の主役はやはりシリウスでした。(全3項目)

3-1.ようやく結論が出て
「このテーブルに着いている者でハリーの事を気遣っているのは君だけじゃない」ウィーズリーおばさんにこう厳しく言った後ルーピンは暗に「ハリーを子供扱いするべきじゃない」という意味を滲ませてこう言ったんですよね。

「ハリーもこの事で意見を言うのを許されるべきだろう。もう自分で判断できる年齢だ」

これを聞いてハリーは「僕知りたい。何が起こっているのか」と即座に答えました。こう言いながらハリーはおばさんのほうを見ませんでした。おばさんが自分を息子同然だと言ってくれた事に胸を打たれているのは事実でした。

しかしその一方でおばさんに子供扱いされる事に我慢できなかったのも確かな事でした。それはシリウスの言う通りだ。自分は子供じゃない。自分の意見が却下された事を受けておばさんは次の行動に打って出たというわけです。

それはジニーにロンとハーマイオニーそれにフレッドとジョージの5人にすぐさま厨房から出て行くように命じる事でした。たちまちどよめきが上がりフレッドとジョージが同時に「俺たち成人だ!」と喚いたというわけです。

ロンも「ハリーがよくてどうして僕は駄目なんだ!」と叫びました。ジニーも鼻声で母親に「あたしも聞きたい!」と訴えました。しかしおばさんは目をらんらんと光らせて「駄目!」と叫ぶと立ち上がり続けてこう言いました。

「絶対に許しません」

でもそんなおばさんに夫のアーサー氏が「フレッドとジョージを止める事はできないよ」と疲れたように言いました。何故なら2人とも確かに成人だからだとの事でした。それにおばさんは「まだ学生だわ」と言葉を返しました。

「しかし法律ではもう大人だ」アーサー氏は再び疲れた声でこう言いました。おばさんは真っ赤な顔で「しかたないでしょう」と言うとフレッドとジョージが残る事は認めました。でもロンはやはり駄目だとそう言ったのでした。

「どうせハリーが僕とハーマイオニーにみんなの言う事を全部教えてくれるよ!」

ロンは熱くなってこう言いました。そしてハリーの目を見ながら「そうだよね?ね?」と不安げに言いました。ハリーは一瞬「一言も教えてやらない」と言ってやろうかと思いました。何も知らされないのはどういう気持ちか?

「味わってみればいい」と言おうかと思いました。しかしそんな意地悪な衝動は互いの目が合った時に消え去りハリーは「もちろんさ」と答えました。ハリーのこの返事を聞いてロンもハーマイオニーも笑顔を見せたのでした。

結局出て行くのはジニーだけになりました。

続きを読む »

ハリー・ポッターの夏休み「不死鳥の騎士団」前編(26)(28回シリーズ)

シリウスが「ヴォルデモート」の名前を口にしたので部屋の雰囲気が瞬時に激変しました。その後はハリーに不死鳥の騎士団の活動状況を説明すべきか否かでシリウスとウィーズリーおばさんが激しく言い争う事となりました。そして大論争の末に出された結論とは?(全3項目)

3-1.シリウスが!
デザートのルバーブ・クランブルにカスタード・クリームをかけて3回もお代わりした後ハリーはジーンズのベルトが気持ち悪いほどきつく感じました。これは只事ではありませんでした。そのジーンズが問題だったんですよね。

それは何とダドリーのお下がりジーンズだったんですよね。ハリーがスプーンを置く頃には会話もだいたい一段落していました。アーサー氏は満ち足りてくつろいだ様子で椅子に寄りかかりトンクスは大欠伸をしていたのでした。

例の余興も終わって鼻は元通りになっていました。ジニーはクルックシャンクスを食器棚の下から誘い出し床にあぐらをかいてバタービールのコルク栓を転がして追わせてウィーズリーおばさんは欠伸をしながらこう言いました。

「もうお休みの時間ね」

すると空になった自分の皿を押し退けシリウスが「いや。モリーまだだ」と言うとハリーのほうを向いてこう言いました。シリウスのこの一言で部屋の雰囲気が激変しハリーはまるで吸魂鬼が現れた時のようだとそう思いました。

「いいか君には驚いたよ。ここに着いた時。君は真っ先にヴォルデモートの事を訊くだろうと思っていたんだが」

一瞬前は眠たげでくつろいでいました。今や警戒し張り詰めています。シリウスが「ヴォルデモート」の名前を口にしたのでテーブル全体に戦慄が走りちょうどワインを飲もうとしていたルーピンは緊張した面持ちになりました。

そしてゆっくりとゴブレットを下に置きました。ハリーは憤慨して「訊いたよ!ロンとハーマイオニーに訊いた。でも2人が言ったんだ。僕たちは騎士団に入れて貰えないから。だから」と言うとおばさんがこう反論をしました。

「2人の言う通りよ。あなたたちはまだ若過ぎるわ」

おばさんは背筋を思いっ切り伸ばして椅子に掛けていました。肘掛けに置いた両手を固く握り締めて眠気など一欠けらも残ってはいません。3人は若過ぎるからそれは当然だ。こう言うおばさんにシリウスはこう言ったのでした。

「騎士団に入っていなければ質問してはいけないといつからそう決まったんだ?ハリーはあのマグルの家に1ヵ月も閉じ込められていた。何が起こったのかを知る権利がある」

これが激しい大論争の始まりでした。

続きを読む »