ハリーは一旦歩くを辞めて考えた末にアンブリッジの部屋に分魂箱を探しに行く事にしました。ハリーが予想していた通りでアンブリッジの部屋からロケットは見つかりませんでした。ところがそこでハリーはリータ・スキーターが書いた「あの本」を見つけたのでした。(全3項目)

3-1.アンブリッジの部屋に
アラスター・ムーディの「魔法の目」が埋め込まれているその扉にはドローレス・アンブリッジの「魔法大臣付上級次官」の肩書きが書かれた名札の下に新しくてより光沢のあるこの名札があったというわけなんですよね。

マグル生まれ登録委員会委員長

ハリーは十数人のパンフレット作業員を振り返りました。仕事に集中しているとは言え目の前の誰もいないオフィスの扉が開けば気づかないわけはないというわけです。そこでハリーは内ポケットからあれを取り出しました。

小さな脚をごにょごにょと動かしている変な物すなわち「おとり爆弾」です。ハリーは「透明マント」を被ったまま屈んでそれを床に置きました。目の前の作業員たちの足の間を「おとり爆弾」は走り抜けて行ったのでした。

ハリーが扉のノブに手をかけて待っているとやがて大きな爆発音がして隅のほうから刺激臭のある真っ黒な煙がもうもうと立ち上がりました。前列にいたあの若い魔女が悲鳴を上げました。仲間の作業員も飛び上がりました。

そして騒ぎの元はどこだとあたりを見回しピンクの紙があちこちに飛び散りました。ハリーはノブを回してアンブリッジの部屋に入り扉を閉めました。入った部屋の内装を見てハリーはタイムスリップしたかと思いました。

その部屋はホグワーツのアンブリッジの部屋と寸分の違いもなく襞のあるレースのカーテンに花瓶敷にドライフラワーなどがありとあらゆる表面を覆い壁も同じ飾り皿で首にリボンを結んだ色鮮やかな子猫の絵がありました。

子猫は吐き気を催すような可愛さでふざけたりじゃれたりしています。机には襞飾りをつけた花柄の布が掛けられています。マッド・アイの目玉の裏は望遠鏡の筒のような物が取りつけられていて外を監視する事ができます。

ハリーが覗いてみると外の作業員たちはまだ「おとり爆弾」の周りに集まっていました。ハリーは筒を引っこ抜いて扉に穴が開いたままにして「魔法の目」を筒から外してポケットに入れると再び部屋に向き直ったのでした。

そして杖を上げると・・・

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計画通りに魔法省への潜入に見事に成功したハリーたち3人だったのですが何とロンが魔法法執行部の部長のヤックスリーに命じられて別行動を取る事態に陥ってしまいました。ところがハーマイオニーまでもがそうなってしまいハリーは1人で1階をうろつく事となりました。(全3項目)

3-1.ハーマイオニーまでもが
探していた人物が見つかったと思ったら当のアンブリッジのほうからハーマイオニーに話しかけて来ました。アンブリッジはエレベーターに乗っているハーマイオニーに気づくとこう声をかけて来たというわけなんですよね。

「ああマファルダ!トラバースがあなたをよこしたのね?」

ハーマイオニーは声を上ずらせて「は-はい」と答えました。とっさについた嘘だったからです。アンブリッジは「結構。あなたなら十分役立ってくれるわ」と言うと黒と金色のローブ姿の魔法使いにこう話しかけたのでした。

「大臣これであの問題は解決ですわ。マファルダに記録係をやって貰えるならすぐにでも始められますわよ」

アンブリッジはクリップボードに目を通すと「今日は10人ですわ。その中に魔法省の職員の妻が1人!」と言うと激しく舌打ちをして「ここまでとは。魔法省のお膝元で!」と言い放つとエレベーターへと乗り込んで来ました。

「マファルダ私たちはまっすぐ下に行きます。必要なものは法廷に全部ありますよ。おはようアルバート降りるんじゃないの?」

アンブリッジはハーマイオニーの隣に立つとこう言いました。アンブリッジと大臣の会話を聞いていた2人の魔法使いも同じ行動を取りました。ハリーはアルバート・ランコーンの低音で「ああもちろんだ」と答えたのでした。

ハリーが降りると格子が閉まりました。ちらりと振り返ると背の高い魔法使いに挟まれたハーマイオニーの不安そうな顔がハーマイオニーの肩の高さにあるアンブリッジの髪のビロードのリボンと一緒に沈んで行く所でした。

「ランコーン何の用でここに来たんだ?」

2人だけになり魔法大臣がハリーにこう尋ねて来ました。こうしてハリーにロンとハーマイオニーは散り散りバラバラになってしまいました。

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ハリーたちの計画は見事に成功し3人揃って魔法省に潜入する事ができました。ところが3人がエレベーターを待っているとロンに声をかけて来る魔法使いがいました。その人物は死喰い人でハリーにとっては忘れられない人物でした。それは何故かと云うと・・・(全3項目)

3-1.少し小さめのホールに入った所で
前回とは違って見事な装飾を施した玉座に座った黒い石造りの巨大でかなり威嚇的な魔法使いと魔女の像がハリーを出迎えましたが像の台座には高さの30センチほどの「魔法は力なり」という文字が刻み込まれていました。

ハリーは両足に後ろから強烈な一撃を食らいました。次の魔法使いが暖炉から飛び出して来てぶつかったのです。禿げた魔法使いは「どけよ。ぐずぐず」と言ったかと思うと「あ。すまんランコーン!」と謝って来たのでした。

そして明らかに恐れを成した様子であたふたと行ってしまいました。ハリーが成り済ましている魔法使いはランコーンという名前でどうやら怖がられているようです。ハリーは「シーッ!」と声がするほうを振り向きました。

するとか細い魔女と魔法ビル管理部の魔法使いが像の横に立って合図をしているのが見えました。ハーマイオニーとロンでした。ハリーが急いで2人のそばに行くとハーマイオニーが小声でこうハリーに話しかけて来ました。

「ハリー上手く入れたのね?」

それに対してロンは「いーやハリーはまだ雪隠詰めだ」と言いましたがハーマイオニーは「冗談言ってる場合じゃないわ」と言ったかと思うと「これひどいと思わない?何に腰掛けているか見た?」とハリーに言いました。

よくよく見ると装飾的な彫刻を施した玉座に見えたのは折り重なった人間の姿でした。何百何千という裸の男女や子供がどれもこれもかなり間の抜けた醜い顔で捻じ曲げられて押しつぶされながら上の重みを支えていました。

支えられていたのは見事なローブを着た魔法使いと魔女というわけです。ハーマイオニーは「マグルたちよ。身分相応の場所にいるというわけね」と囁くとハリーとロンに「さあ始めましょう」とそう言ったというわけです。

ハリーたちはホール奥にある黄金の門に向かう魔法使いたちの流れに加わり極力気づかれないよう周囲を見回しました。ヴォルデモートの分魂箱スリザリンのロケットを持ち去ったドローレス・アンブリッジを探すためです。

しかしあの目立つ姿はどこにも見当たりません。3人は門をくぐり少し小さめのホールに入りました。そこには20基のエレベーターが並んでそれぞれの金の格子の前に行列ができていてハリーたちは一番近い列に並びました。

「カターモール!」

その途端にこう声をかける者がいてハリーたちは揃って振り向きました。ハリーの胃袋が引っくり返りました。

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ハーマイオニーが物忘れをしたり若干の時間の遅れがあったもののハリーたち3人は概ね立てた計画通りに事を進めポリジュース薬で魔法省の職員に成り済ます事ができました。そして「こんなやり方で?」という半ば呆れる方法で魔法省へと入って行ったのでした。(全3項目)

3-1.有無を言わせずという感じで
ポリジュース薬で魔法不適正使用取締局の局次長マファルダ・ホップカークに成り済ましたハーマイオニーは魔法ビル管理部の小柄な魔法使いに対し「さあ甘い物でも舐めて」と言いましたがその魔法使いは断って来ました。

しかしハーマイオニーは「え?ああ遠慮するよ」と言うその魔法使いに目の前で袋を振りながら「いいから舐めなさい!」と有無を言わさぬ口調で言いました。その魔法使いは度肝を抜かれたような顔で1つ口に入れました。

効果てきめんでゲーゲー・トローチが舌に触れた瞬間に小柄な魔法使いは激しく嘔吐を始めてハーマイオニーが頭のてっぺんから髪の毛を引き抜いた事にも気がつきません。ハーマイオニーはその魔法使いにこう言いました。

「あらまぁ!今日はお休みしたほうがいいわ!」

しかしその魔法使いは「いや。いや!」と応え息も絶え絶えでまっすぐ歩く事もできないのになおも先に進もうとします。そして「どうしても。今日は。行かなくては」と言いましたがハーマイオニーは驚きこう言いました。

「馬鹿な事を!そんな状態では仕事にならないでしょう。聖マンゴに行って治して貰うべきよ!」

その魔法使いは膝を折って両手を地面について嘔吐しながらも表通りに行こうとしました。今度はハーマイオニーはその魔法使いに向かって「そんな様子ではとても仕事には行けないわ!」と叫んだというわけなんですよね。

魔法ビル管理部のその小柄な魔法使いもついにハーマイオニーの言う事が正しいと受け止めたようです。触りたくないという感じのハーマイオニーにすがりつきようやく立ち上がるとその魔法使いは「姿くらまし」しました。

後に残ったのは姿を消す時にロンがその手から素早く奪った鞄と宙を飛ぶ嘔吐物だけでした。

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全ての分魂箱を見つけ出して破壊しなければヴォルデモートを真に滅ぼす事はできない。アルバス・ダンブルドアがハリーたち3人に託したその使命を達成するために3人はまずは魔法省に潜入するために動き始めたというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.ロンが間に入って
2人は睨み合いました。ハーマイオニーを説得し切れなかった事もハーマイオニーが反論をまとめている最中という事もハリーには判りました。自分の杖に関するハリーの考え方は間違っているとハーマイオニーは考えている。

それはヴォルデモートの心を覗く事をハリーが容認しているという事実も同様に間違っているとハーマイオニーは思っているというわけです。しかしロンが口を挟んでくれたのでハリーはホッとしたというわけなんですよね。

「辞めろよ。ハリーが決める事だ。それに明日魔法省に乗り込むなら計画を検討すべきだと思わないか?」

ロンがこう言ってハーマイオニーは渋々議論するのを辞めましたがハリーとロンはハーマイオニーのそんな気持ちを読み取りました。折あらばすぐにまた攻撃を仕掛けて来るに違いないとハリーはそう思ったというわけです。

ハリーたち3人が厨房に戻るとクリーチャーはシチューと糖蜜タルトを給仕しました。そしてその晩は3人とも遅くまで起きていました。何時間もかけて計画を何度も復習し互いに一言一句違えず空で言えるようになりました。

シリウスの部屋で寝起きをするようになっていたハリーはベッドに横になり父親とシリウスにルーピンそれにペティグリューの写っている古い写真に杖灯りを向けながらさらに10分間1人で計画を小声で繰り返したのでした。

しかし杖灯りを消したその後に頭に浮かんだのはポリジュース薬でもゲーゲー・トローチでも魔法ビル管理部の濃紺のローブでもなくグレゴロビッチの事でした。それほどまでに強くヴォルデモートは思い詰めているのです。

ヴォルデモートのこれほど執念深い追跡を受けてこの杖作りはあとどのくらい隠れ続けられるのだろうかとハリーは思ったというわけです。夜明けが理不尽な速さで真夜中に追いつきあっという間に朝になってしまいました。

ハリーを起こしに部屋に入って来たロンが「何てひどい顔してるんだ」と言ったのが朝の挨拶でした。ハリーは欠伸交じりに「すぐ変わるさ」と言いました。ハリーとロンが厨房に行くとハーマイオニーは既に来ていました。

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