「僕には手に負えない!僕にはできないよハリー!」こう訴えるロンをハリーは懸命に励ましました。するとロンはようやく震える両手で剣を持ち上げ分魂箱を破壊しようとしました。しかし破壊されてなるものかとばかりに分魂箱は必死の抵抗を見せて来たのでした。それを見てロンは?(全3項目)

3-1.ロケットついに開く!
「僕には手に負えない!僕にはできないよハリー!」こう訴えるとロンはグリフィンドールの剣を脇に引きずり首を振りながら後退りしました。そんなロンに向かってハリーはこう言ってロンを励ましたというわけですよね。

「君にはできる。できるんだ!君はたった今剣を手に入れた。それを使うのは君なんだって事が僕には判るんだ。頼むからそいつをやっつけてくれロン」

最後に名前を呼ばれた事が刺激剤の役目を果たしたようでした。ロンはゴクリと唾を飲み込むと鼻からはまだ激しい息遣いが聞こえたものの岩のほうへと近づいて行きました。そしてロンはかすれ声でこう言ったんですよね。

「合図してくれ」

ハリーは「3つ数えたらだ」と言うとロケットを見下ろし目を細めて「S」の文字に集中して蛇を思い浮かべました。ロケットの中身は囚われたゴキブリのようにガタガタ動いています。首の切り傷はまだ焼けるように痛む。

そうでなかったら哀れみをかけてしまったかもしれない。そう思いながらハリーは3つ数えて最後に蛇語で「開け」と言いました。その一言はシューッと息が漏れるような唸り声でした。するとカチッと小さな音が鳴りました。

その音と共にロケットの金色の2つの蓋が開きました。2つに分かれたガラスケースの裏側で生きた目が1つずつ瞬いていました。細い瞳孔が縦に刻まれた真っ赤な眼になる前のトム・リドルのようにハンサムな黒い両眼でした。

ハリーはロケットが動かないように岩の上で押さえながら「刺せ」と言いました。ロンは震える両手で剣を持ち上げ切っ先を激しく動き回っている両眼へと向けました。すると分魂箱の最後の悪あがきが始まったんですよね。

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目の前に現れた白銀の牝鹿を追って行ったら池の底にグリフィンドールの剣が沈んでいるのを見てハリーは驚愕しました。ところが剣を獲得しようと池に飛び込んだら今度はロンに助けられハリーはさらにびっくり仰天する事になりました。そしてついに分魂箱を破壊する時がやって来て・・・(全3項目)

3-1.2本並んで立つナラの木
ロンは自分の両手を見下ろし自分が持っている物を見て今更ながら驚いたようです。そして言わなくとも判る事を言いながらハリーによく見えるようにとグリフィンドールの剣を持ち上げこう言ったというわけなんですよね。

「ああそうだ。僕これを取って来た。君はこのために飛び込んだ。そうだろ?」

ハリーは「うん」と答えると「だけど分らないな。君はどうやってここに来たんだ?どうやって僕たちを見つけたんだ?」と訊きました。ハリーのこの問いにロンは「話せば長いよ」と答えた後にこう言ったというわけです。

「僕何時間も君たちを探してたんだ。何しろ広い森だろう?それで木の下で寝て朝になるのを待とうって考えたのさ。そうしたら牝鹿がやって来て君が追けて来るのが見えたんだ」

ハリーが「他には誰も見なかったか?」と訊くとロンは「見てない」と答えたその後に「僕」と言ったかと思うと数メートル離れた所に2本くっついて立っている木をちらりと見ながら言い淀んだ後にハリーにこう言いました。

「あそこで何かが動くのを見たような気がした事はしたんだけど。でもその時は僕池に向かって走っていたんだ。君が池に入ったきり出て来なかったからそれで回り道なんかしていられないと思って。おい!」

ロンが最後に「おい!」と言ったのはハリーがロンの言葉に即座に反応しロンが示した場所に向かって走ったからです。ナラの木が2本並んで立ち幹と幹の間のちょうど目の高さの所にほんの10センチほどの隙間がありました。

相手から見られずに覗くのには理想的な場所だったのです。

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ハリーは池の底に沈んだグリフィンドールの剣を手に入れるためその池に飛び込みました。するとハリーにとっては思ってもみなかった事が勃発してハリーは池から上がれなくなり溺れそうになりました。ところがふと気がつくとハリーは池から上がって雪の上にいてまたも驚愕する事に・・・(全3項目)

3-1.池の中へ
ハリーは折れた柊と不死鳥の杖に母リリーの手紙とシリウスの形見の両面鏡とダンブルドアの遺贈品の古いスニッチの入った17才の誕生日にハグリッドがくれたモークトカゲの巾着袋を脱いだ服の置いたというわけですよね。

そしてハリーはハーマイオニーの杖を池の氷に向けて「ディフィンド!裂けよ!」と唱えました。氷の砕ける音が静寂の中で弾丸のように響きました。池の表面の氷が割れ黒っぽい氷の塊が波立った池の面で揺れたのでした。

ハリーは池はそれほど深くはないがそれでも剣を取り出すためには完全に潜らなくてはならないだろうとそう判断をしました。これからする事をいくら考えてみた所でやり易くなるわけでもなく水が温かくなるわけでもない。

ハリーは池の縁に進み出てハーマイオニーの杖を灯りを点けたままそこに置きました。これ以上どこまで凍えるのだろう?どこまで激しく震える事になるのだろう?そんな事は想像しないようにしつつハリーは決行しました。

池に飛び込んだのです。体中の毛穴という毛穴が抗議の叫びを上げました。氷のような水に肩までつかると肺の中の空気が凍りついて固まるようなそんな気がしました。ほとんど息ができず波立った水が池の縁を洗いました。

水が波立ったのはハリーの体が激しく震えたからでした。かじかんだ両足でハリーは剣を探りました。潜るのは1回だけにしたかったのです。喘ぎ震えながらハリーは潜る瞬間を刻一刻と先延ばしにしていました。そしてです。

ついにやるしかないと自分に言い聞かせハリーはあらん限りの勇気を振り絞って池に潜りました。冷たさがハリーを責め苛み火のようにハリーを襲いました。暗い水を押し分け池の底に辿り着くとハリーは手を伸ばしました、

剣を探りながらハリーは脳みそまで凍りつくような気がしました。指が剣の柄を握りました。ハリーは剣を引っ張り上げました。後は池の上へと浮かび上がるだけです。ところがここで思ってもみなかった事が勃発しました。

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見張りを交代するというハーマイオニーの申し出を断りハリーは見張りを続けました。すると何とハリーの前に白銀の牝鹿が姿を現しました。ほんの一瞬だけ躊躇しましたがハリーは去り行く牝鹿を追う事にしました。するとハリーが行った先で驚愕の出来事が待ち受けていました。(全3項目)

3-1.牝鹿を追って行ったら
牝鹿とハリーは暫くの間互いにじっと見つめ合っていました。それから牝鹿はおもむろに向きを変え去り始めました。ハリーは牝鹿に向かって「行かないで」と言いました。ずっと黙っていたのでハリーの声はかすれました。

ハリーは「戻って来て!」と呼びかけましたが牝鹿は木立の間を歩み続けました。やがてその輝きに黒く太い木の幹が縞模様を描き始めました。罠かもしれない。危ない誘いかもしれない。ハリーはほんの一瞬躊躇しました。

慎重さが囁きかけました。しかし直感それも圧倒的な直感がこれは闇の魔術ではないとハリーに教えていました。そこでハリーは意を決して白銀の牝鹿を追い始めました。ハリーの足下では積もった雪が軽い音を立てました。

しかし木立を縫う牝鹿はあくまでも光で物音1つ立てません。牝鹿はハリーをどんどん森の奥へ誘いました。ハリーは足を速めつつ牝鹿が立ち止まった時こそ自分が近づいても良いという合図に違いないとハリーは思いました。

そして牝鹿が口を開いた時にその声が自分の知るべき事を教えてくれるに違いないとハリーは思いました。ついにその時がやって来て牝鹿が立ち止まりました。そしてその美しい頭をハリーにもう一度向けて来たんですよね。

知りたさにハリーは胸を熱くして走り出しました。ところがハリーが口を開いた途端に牝鹿は消えてしまいました。牝鹿の姿はすっぽり闇に飲まれてしまいました。しかし輝く残像はハリーの網膜に焼き付いていたのでした。

目がチカチカして視界がぼやけ瞼を閉じたハリーは方向感覚を失いました。それまでは牝鹿が安心感を与えてくれていました。でも今や恐怖が襲って来ました。ハリーは「ルーモス」と小声で唱えて杖先に灯りを点しました。

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遠くで誰かが自分を呼んだような気がしてハリーは目が覚めた。誰かが外を動き回っている音が聞こえたような気がしてしょうがない。一度か二度人影を見たような気もするとハーマイオニーが言った。そこで2人はグロスター州のディーンの森に移動して来ました。そこが問題の場所だったのです。(全3項目)

3-1.何やら人の気配?
真夜中に見張りをハーマイオニーと交代した時には雪が降り出していました。ハリーは心が掻き乱される混乱した夢を見ました。ナギニが最初は巨大な割れた指輪から次はクリスマス・ローズの花輪から出入りする夢でした。

あれだけの事があって危うくヴォルデモートに捕まる所だったのですからハリーがそれを引きずるのは当然でしょう。遠くで誰かが自分を呼んだような気がしたりテントをはためかせる風を足音か人の声と勘違いもしました。

ハリーはそのたびにどきっとして目を覚ましました。そしてとうとう暗い内に起き出したハリーはハーマイオニーの所に行きました。ハーマイオニーはテントの入口にうずくまって杖灯りで「魔法史」を読んでいたのでした。

雪はまだ深々と降りハリーが早めに荷造りして移動しようと言うとハーマイオニーは安堵したように受け入れ「どこかもっと雨露を凌げる所に行きましょう」と言いパジャマの上にトレーナーを着て震えながら賛成しました。

「誰かが外を動き回っている音が聞こえたような気がしてしょうがなかったの。一度か二度人影を見たような気もしたわ」

ハーマイオニーがこう言うのでハリーはセーターを着込む途中で動きを止めるとテーブルの上の「かくれん防止器」をちらっと見ました。しかし動きもなく静かでした。ハーマイオニーは不安そうな顔でこう言ったのでした。

「きっと気のせいだとは思うけど闇の中の雪って見えない物を見せるから。でも念のために透明マントを被ったまま姿くらまししたほうがいいわね?」

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