考える時間を確保するために安全な隠れ場所が必要だということでハリーが2人に提案したのは何と!「グリモールド・プレイス」でした。あそこにはスネイプが入れるというのに?しかしハリーは2人を説き伏せて12番地に行こうと言ったのでした。(全3項目)

3-1.グリモールド・プレイス12番地へ
もし自分にまだ「臭い」があるのなら僕らがどこへ行こうと死喰い人が群れをなして追って来る。あそこだったら追いかけて来ることができる死喰い人はスネイプ1人だけだと・・・

ハーマイオニーはできることなら反論したいという顔をしました。しかしできませんでした。そこでハーマイオニーがカフェの鍵を外す間にロンは「灯消しライター」で明かりを元に戻し・・・

それからハリーの合図で呪文を解いた後はカフェの店員も2人の死喰い人も本格的に動き出す前にハリーたち3人は再び「姿くらまし」して窮屈な暗闇の中へと入って行ったのでした。

数秒後ハリーの肺は心地よく広がり目を開けると3人は見覚えのある小さな寂れた広場の真ん中に立っていました。「秘密の守人」だったダンブルドアから教えられていたので・・・

ハリーたち3人はグリモールド・プレイス12番地の建物を見ることができました。尾行されていないか?見張られていないか?を数歩ごとに確かめながら3人は建物に向かって急いだのでした。

入口の石段を大急ぎで駆け上がりハリーが杖で玄関の扉を1回だけ叩きました。金属音や鎖の音が何度か聞こえて扉がギーッと開き3人は急いで敷居を跨ぐと家の中に入ったのでした。

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魔法省が陥落して「隠れ穴」の周囲に施されていた保護呪文は破られ結婚式場に死喰い人が乱入して来ました。そして慌ただしくハリー、ロン、ハーマイオニーのヴォルデモートの分霊箱を探す旅が始まったのでした。姿くらましをして3人が最初に到着したのはトテナム・コート通りでした。(全3項目)

3-1.脱出!
キングズリーの守護霊の声を合図にハリーとハーマイオニーは瞬時に立ち上がると杖を抜きました。ほとんどの客はまだ事情を飲み込めずに銀色のオオヤマネコが消えたあたりに顔を向けるところでした。

守護霊が着地した場所から周囲へと沈黙が冷たい波になって広がって行きました。するとやがて誰かが悲鳴を上げました。ハリーとハーマイオニーは恐怖に慌てふためく客の中に飛び込んで行きました。

客は蜘蛛の子を散らすように走り出し大勢が「姿くらまし」しました。「隠れ穴」の周囲に施されていた保護呪文は破れていました。

ハリーとハーマイオニーがダンスフロアを横切って突き進む間にもハリーは仮面を被ったマント姿が混乱した客の中に現れるのを目撃しました。ルーピンとトンクスが杖を上げて「プロテゴ!護れ!」と叫んでいました。

ハリーと2人で怯(おび)える客の流れに揉まれながらハーマイオニーは半泣きになってロンを呼びました。ハリーはハーマイオニーと離れないようにと手をしっかり握っていました。

ようやくロンを見つけてロンがハーマイオニーの空いている腕をつかんだ途端ハーマイオニーは「その場」で回転して「姿くらまし」しました。3人は「隠れ穴」からも「死喰い人」からも離れて行きました。

そして多分ヴォルデモートからも・・・

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グレゴロビッチって!・・・久しぶりにビクトール・クラムと会ってグレゴロビッチのことを思い出したまでは良かったのですがハリーにとっては収穫ばかりの結婚式ではなかったのです。えっ!ダンブルドアが?本当に?そんなことをしていたの?(全3項目)

3-1.グリンデルバルドとグレゴロビッチ
一難去ってまた一難?といった感じでハリー、ロン、ハーマイオニーにフレッド、ジョージも加わってミュリエルおばさんの噂をしていたところに現れたのがビクトール・クラムその人でした。

「君はすヴァらしい」

「ビクトール!」

ハーマイオニーはまんざらでもない表情で久しぶりの再会を喜んでいるようでしたが当然ロンは面白くありません。クラムの招待状を一目見るなり不必要に大きな声で来た理由を聞いたのでした。

クラムはフラーに呼ばれて結婚式に来たのでした。クラムに何の恨みもないハリーはロンのそばから引き離すのが賢明だと感じたのでクラムを席に案内したのでした。

ところが!結婚式のパーティが始まると今度はクラムのほうからハリーたち3人に近づいて来たのです。しかし今回クラムはハーマイオニーを誉めに来たわけではありませんでした。

開口一番クラムは3人に「あの黄色い服の男は誰だ?」としかめ面で訊いて来ました。そしてロンとハーマイオニーがダンスフロアの渦の中に消えた後1人残ったハリーに怒っている理由を説明してくれたのでした。

クラムの説明によると「黄色い服を着た男」つまりゼノフィリウス・ラブグッド氏は胸に汚らわしい印をぶら下げているのだそうです。それは『グリンデルバルドの印』なんだそうです。

ハリーがグリンデルバルドってダンブルドアが倒したという闇の魔法使いのこと?と訊ねるとクラムは「そうだ」と答えて自分の祖父もグリンデルバルドに殺されたんだと言ったのでした。

クラムはゼノフィリウス氏に対して相当怒っているらしく顎(あご)の筋肉を何かを噛んだように動かしたり拳の関節を脅すようにポキポキ鳴らしたりしながらゼノフィリウス氏を睨みつけていました。

ハリーはこんがらがった気持ちでした。ルーナの父親が闇の魔術の支持者とは思えなかったからです。何とかクラムの怒りを解こうとラブグッド親子の説明をしたハリーでしたが2人の会話は微妙にすれ違ったのでした。

クラムはハリーにからかわれているのかどうか?判断しかねているようでした。クラムはローブから杖を取り出すと脅すように自分の太ももをトントンと叩きました。杖の先から火花が飛び散りました。

「グレゴロビッチ!」ハリーは大声を上げました。

その時ハリーは思い出したのでした。ヴォルデモートが外国で探していたグレゴロビッチというのはブルガリアの杖職人でビクトール・クラムの杖を作った人物だということを・・・

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と!いうわけでハリーにとっては生まれて初めての結婚式への出席ということになりました。まあありがちなことなんですけど初めて顔を会わせる人が沢山いたというわけなんですよね。そんな初対面の人の中に「あの人」のお父さんもいたというわけなんですけど・・・(全3項目)

3-1.いよいよ!結婚式当日
翌8月1日の午後3時ハリー、ロン、フレッド、ジョージの4人は果樹園の巨大な白いテントの外に立って結婚式に出席する客の到着を待っていました。

ハリーはポリジュース薬をたっぷり飲んで近くのオッタリー・セント・キャッチポール村に住む赤毛のマグルに成りすましていました。

ハリーを変装させて親戚の多いウィーズリー一族に紛れ込ませ「いとこのバーニー」として紹介するという計画になっていたのです。

ビルとフラーの結婚式はハリーにとっては生まれて初めて出席した結婚式いうこともあって初めて顔を会わせるという人が多数いたんですよね。

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魔法大臣がウィーズリーおじさんと一緒に「隠れ穴」に来る?どうしてなんだと訝るハリーたち3人やウィーズリーおばさんだったのですが実はルーファス・スクリムジョールはダンブルドアが3人に遺した品物を持って来たのでした。ロンには何を?ハリーには?ハーマイオニーには?そしてダンブルドアの意図と思惑は?(全3項目)

3-1.ルーファス・スクリムジョールが「隠れ穴」に
突然現れた魔法大臣ルーファス・スクリムジョールでしたがハリーは前回会った時より老けて見えるのに気づいたのでした。頬はこけ厳しい表情をしていました。

ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人と個別に話したいと言ったスクリムジョールだったのですがハリーたち3人が大臣の要求を拒否したため初手から緊迫した雰囲気に・・・

3人一緒でなければ何も話さないでくださいとハリーに言われてハーマイオニーもしっかりと頷きスクリムジョールは冷たく探るような目でハリーを見たのでした。

結局大臣は3人一緒に話すことを承知しましたが来た目的がアルバス・ダンブルドアの遺言のためだと聞いて一気に「その場」は険悪な雰囲気に変わってしまったのでした。

ハリーがダンブルドアが亡くなったのは1ヵ月以上も前なのに僕たちへの遺品を渡すのに、どうしてこんなに長くかかったのですか?と抗議したのでした。

そしてスクリムジョールが答えるより早くハーマイオニーが言ったのでした。私たちに遺したものが何であれ調べたかったのだと!そんな権利もありはしなかったのに・・・

それに対してスクリムジョールは「正当な押収に関する省令」により魔法省には遺言書に記された物を押収する権利があると食い下がったのでした。

しかし!ハーマイオニーは「それは闇の物品が相続されるのを阻止するために作られた法律だわ」と反論したのでした。

結局こんな調子だったのでハリーも大臣の問いかけに真面目に答える気持ちなど全くなくなってしまったというわけなんですよね。

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ハリー17才に!魔法界では「17才」で成人ということなので節目の年を迎えたハリーには色々な人から色々なプレゼントが貰えたのでした。一方ヴォルデモートは自身の抱える問題の答えを求めてグレゴロビッチを探していたのでした。そのグレゴロビッチとは?(全3項目)

3-1.グレゴロビッチ
「おい、起きろ」「うわごと言ってたぞ」

ハリーは目を開けました。相も変わらず散らかっているロンの屋根裏部屋のキャンプベッドにハリーは横たわっていました。夜明け前で部屋は薄暗くメガネを掛けていないのでロンの顔は少しぼやけて見えたのでした。

どうしてロンがハリーを起こしたのか?と云えばハリーが「グレゴロビッチ」と繰り返し寝言を言っていたからだそうです。

「グレゴロビッチって誰だ?」と問うハリーにロンは「僕が知るわけないだろ?そう言ってたのは君だぜ」と答えたのでした。ハリーもまた「どこかで聞いたことのある名前」だと思ったものの・・・

どこで「その名前」を聞いたのか?を思い出すことはできなかったのでした。今1つだけ言えることはヴォルデモートが「その」グレゴロビッチを探しているということでした。

それに対してロンは「そりゃ気の毒なやつだな」とグレゴロビッチのことをひどく同情したのでした。

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策士?策に溺れる?ウィーズリーおばさんの策略で結婚式の準備で大忙しのハリー、ロン、ハーマイオニーだったのですが・・・どこか抜けているというか?そして唯一3人が集まって話し合ったのはヴォルデモートの「あれ」のことだったのです。(全3項目)

3-1.深い闇の秘術
こうして3日間ウィーズリー夫人の策略で結婚式の準備に忙殺されていたハリーたち3人だったのですが、慣れないことをしたせいなのか?3日目の夜には一瞬ほころびが顔を出す結果となってしまいました。

おばさんに言われてアーサー氏の手伝いで鶏小屋の掃除に行ったハリーだったのですが結局鶏のほうはほとんどすることがなかったのです。2人が家の中に戻るとおばさんの姿はどこにもありませんでした。

そこでハリーが屋根裏のロンの部屋に戻ると自分のベッドに寝転がっているだけのロンと本を選り分けているハーマイオニーがいたのでした。ハリーがハーマイオニーに「君はどうやって抜け出したの?」と訊くと・・・

ハーマイオニーはおばさんは昨日もジニーと私に同じ仕事を言いつけたことを忘れているのよと答えたのでした。そこでハリーはこの機会に2人に改めて意志確認をしたというわけです。

2人の意志が固いことを確認した後にハーマイオニーがハリーとロンに紹介してくれたのが分霊箱の作り方から破壊の方法まで載っているという「深い闇の秘術」という本だったのです。

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そんなこんなで!すったもんだの末に取りあえずは「隠れ穴」に居を構えることになったハリーだったのですがヴォルデモートとはまた質の変わった戦いが待ち受けていたのでした。その対戦相手とは?(全3項目)

3-1.ハリー対モリー母さん?
こうしてプリベット通り4番地を離れて「隠れ穴」に入りロンとハーマイオニーとの再会を果たしたハリーが次に考えることは「いつ?」ヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出るのか?ということでした。

ハリーは7月31日にならないと「17才」にならない。つまり今は未成年なので学校の外では魔法が使えませんし、ビルとフラーの結婚式が8月1日に行なわれるので出発は「それ以降」ということになります。

そして分霊箱の話が出たついでということでロンがハリーに忠告してくれたのでした。ウィーズリーおばさんがハリーたち3人が何をしようとしているのか?を聞き出そうと躍起になっているのだそうです。

ロンのお父さんのアーサー氏やルーピンはハリーはダンブルドアからロンとハーマイオニー以外には話さないようにと言われていると説明したらすんなり諦めてくれたそうですが、おばさんは諦めてはくれなかったそうです。

こうしてロンの予想通りハリーは昼食の少し前にウィーズリー夫人に片方だけの男物の靴下がハリーのものか?確かめて欲しいという口実で台所の隣の洗い場に呼び出されたのでした。

ハリーは当然ロンとハーマイオニー以外にはたとえウィーズリーおばさんと云えども話せないとキッパリ言い切ったのですが、それですんなり引っ込んでくれるモリー母さんではなかったというわけなんですよね。(苦笑)

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「どうしたの?ほかには誰も戻っていないの?」ハリーが喘ぎながら訊くとウィーズリーおばさんの青い顔に答えがはっきり刻まれていたのでした。その後は誰かが到着する度に一喜一憂することになったのですがビルの口からもたらされた知らせとは!(全3項目)

3-1.歓喜と悲嘆と・・・
見えない鉤(かぎ)と糸で引かれるように臍(へそ)の裏側をぐいと前に引っ張られてハリーはハグリッドと共にトンクス家から離れて行きました。数秒後には両足が固い地面を打って2人は「隠れ穴」の裏庭に到着していました。

「隠れ穴」に到着すると叫び声が聞こえました。光らなくなった移動キーのヘヤブラシを放り投げ少しよろめきながらハリーが立ち上がるとウィーズリーおばさんとジニーが勝手口から出て来るところでした。

「あなたが本物のハリー?他のみんなは?」とおばさんが叫ぶので「他には誰も戻ってないの?」とハリーが聞き返すとウィーズリーおばさんの青い顔に答えがはっきり刻まれていました。

ジニーの説明によるとロン・トンクス組が一番でアーサー・フレッド組が二番でハリー・ハグリッド組は三番目の予定だったのに最初に帰って来たのがハリーたちだったとのことでした。

そして直後にルーピン・ジョージ組も予定通り戻って来ましたが何かがおかしいことにハリーは即座に気がつきました。ルーピンが血だらけの顔で気を失っているジョージを支えながら現れたのでした。

ハリーは駆け寄ってジョージの両足を抱え上げました。ルーピンと2人でジョージを家の中に運び込み居間のソファに寝かせました。ランプの光がジョージを照らすとジニーは息を呑みハリーの胃袋はグラリと揺れたのでした。

ジョージの片方の耳がなくなっていたのです。

その後の議論の中でルーピンは大勢の死喰い人が目撃していた時に使った呪文(武装解除術)を再び死喰い人の前で使うなどということは自殺行為だとハリーを激しく非難したのでした。

それ以降はハーマイオニー・キングズリー組にアーサー・フレッド組が、さらに少し時間を置いてトンクス・ロン組が戻って来ましたがビル・フラー組が悲しい知らせを持って帰って来たのでした。

「マッド・アイが死んだ」

誰も声を上げませんでした。誰も動きませんでした。ハリーは体の中から何かが抜け落ちて自分を置き去りにしたまま地面の下にどんどん落ちていくような気がしたのでした。

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聞き覚えのない男と女性の声を聞いた後気を失ってしまったハリーだったのですが、次に気がついた時には見知らぬ居間のソファに横になっていたのでした。そこでハリーが初対面を果たしたのはハリーがよく知っている「あの人」の両親だったのです。(全3項目)

3-1.初対面!テッド・トンクス
ハリーは金属や革の残骸に埋もれながら起き上がろうともがいていました。ヴォルデモートが今にも暗闇から突然現れるのでは?と思うと気が気ではありませんでした。

ハリーは池から這い出すと地面に横たわるハグリッドによろよろと近づいて声をかけましたがハグリッドは返事もせず微動だにしませんでした。するとハリーには聞き覚えのない男と女性の声が聞こえて来ました。

「誰かね?ポッターか?君はハリー・ポッターかね?」

「テッド!墜落したんだわ。庭に墜落したのよ!」

ハリーはもう一度ハグリッドを呼びましたが、がっくりと膝を折ると気を失ってしまいました。次に気がついた時にはランプに照らされた見知らぬ居間のソファに仰向けに寝ていました。

すると腹の突き出た明るい色の髪をした男がいて心配そうにハリーを見つめていました。男は開口一番「ハグリッドは大丈夫だよ」と言った後ハリーに改めて自己紹介してくれたのでした。

その人こそがニンファドーラ・トンクスの父親テッド・トンクスだったのです。

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もうおしまいだ!ヴォルデモートがどこにいるのか?姿も見えず声も聞こえなくなりました。ハリーは死を覚悟しました。ところがハリーの杖が!ヴォルデモートの杖が!いったい何が?起こったんだ?(全3項目)

3-1.待ち伏せ
大爆音と共にオートバイは急上昇しハリーが気づいて最後にプリベット通り4番地を見ようとサイドカーの縁越しに覗いた時には、どの家がそうなのか見分けがつかなくなっていました。

高く!さらに高く!一行は空へと上昇していましたが、突然どこからともなく降って湧いたような人影に包囲されていました。少なくとも30人のフードを被った姿が宙に浮かび大きな円を描いて取り囲んでいました。

緑色の閃光があたり一面にきらめきその内の1本が鳥籠の中を貫きました。

「そんな―うそだー!」

「ヘドウィグ―ヘドウィグ」

バイクは急速で前進しました。ハグリッドは囲みを突き破ってフードを被った死喰い人を蹴散らしました。ヘドウィグはまるでぬいぐるみのように哀れにも鳥籠の底で動かなくなっていました。

ハリーは何が起こったのか理解できませんでした。同時に他の組の安否を思うと恐ろしくなりハリーは振り返りました。すると集団が動き回り緑の閃光が飛び交っていました。

「ハグリッド。戻らなきゃ。戻らなきゃ!」

エンジンの轟音を凌ぐ大声でハリーは叫びましたがハグリッドは「俺の仕事はおまえさんを無事に届けることだ!」と言ってバイクのアクセルを吹かしたのでした。

ところがハリーが再び振り返った時ハリーの左の耳を2本の緑の閃光がかすめて行きました。死喰い人が4人ハリーとハグリッドを追って包囲網から離れて追いついて来たのです。

ハリーも呪文を放って応戦しましたが一番近くにいた死喰い人が避けようとした拍子に頭からフードが滑り落ちました。それは奇妙に無表情なスタンリー・シャンパイクでした。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

「あれだ。あいつがそうだ。あれが本物だ!」

もう1人のフードを被ったままの死喰い人の叫び声はエンジンの轟音をも乗り越えてハリーの耳に届きました。次の瞬間には追っ手は2人とも退却して視界から消えました。

ハリーは不安でした。フード姿の死喰い人が「あれが本物だ」と叫んだのです。どうして判ったんだろう?一見何もない暗闇をじっと見つめながらハリーは迫り来る脅威を感じたのでした。

ハグリッドは逃げ切ったと思ったようなんですが・・・

その時ハリーの額の傷痕が・・・

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当初ハリーはマッド・アイ・ムーディが来て「付添い姿くらまし」で移動する予定になっていたのですが大問題が起きて急遽「13人」の大所帯がハリーを迎えに来たのでした。しかし騎士団が立てた新しい計画には大きな欠陥があったのです。その欠陥とは?(全3項目)

3-1.計画変更
暗がりが波立ち空気そのものが震えているようでした。1人また1人と「目くらまし術」を解いた人影が現れました。ハリーはキッチンの裏戸を開けるのももどかしく人の輪に飛び込んで行ったのでした。

ハリーが全員に笑いかけながら「こんなにたくさん来るなんて思わなかった!」と言うとマッド・アイが「計画変更だ」と唸るように言ったのでした。

ガヤガヤを遮(さえぎ)るように大声を出してキッチンを静かにした後ムーディはハリーを見て事の経緯の説明を始めたのでした。魔法法執行部の部長パイアス・シックネスが寝返ったのだそうです。

シックネスはこのプリベット通り4番地を「煙突飛行ネットワーク」と結ぶことも「移動キー」を置くことも「姿現し」で出入りすることも禁止してしまったのだそうです。

表向きはハリーを保護しヴォルデモート卿がハリーに手出しできないようにするためだという理由でしたがシックネスの真の狙いはハリーをここから無事には出させないようにするためとのことでした。

2つ目の問題はハリーがまだ未成年なので「ここ」で魔法を使うとシックネスにそのことが伝わり死喰い人にも嗅ぎつけられることになるので残り少ない呪文をかける必要のない輸送手段を使うことにしたんだそうです。

それは「箒」「セストラル」それと「ハグリッドのオートバイ」とのことでした。

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「おまえはおれの命を救った」そう言われてハリーは不思議なものを見るようにダドリーを見つめたのでした。思わず「吸魂鬼に別な人格を吹き込まれたのか?」と言ったハリーだったのですが、いとこの意外な言葉にハリーの思いはどんなものだったのでしょう?(全3項目)

3-1.ダドリー・ダーズリーの決意
バーノン叔父さんに呼ばれてハリーが自分の部屋を出て階段を下り居間に入ると旅支度のダーズリー一家3人が揃っていました。ブロンドで図体が大きく筋骨隆々のダドリーはレザージャケット姿でした。

叔父さんに促されてハリーが椅子に座ると叔父さんは往ったり来たりを始めペチュニア叔母さんとダドリーは心配そうな顔をして叔父さんの動きを追っていました。

「気が変わった」「どこにも行かん」と再び言い出した叔父さんに対してハリーはグイグイ話を進めました。テレビで見ている事故はただの事故じゃない!衝突事故だとか爆発だとか脱線だとか・・・

人が行方不明になったり死んだりしている裏にはヴォルデモートがいるんだ。霧が出るのは吸魂鬼の仕業なんだ。吸魂鬼が何だか思い出せないのなら息子に聞いてみろ!と・・・

するとダドリーの両手がびくっ!と動いて口を覆いました。両親とハリーが見つめているのに気づいたダドリーはゆっくりと手を下ろして「いるのか?もっと?」とハリーに訊いたのでした。

そしてハリーの「まだわかってないのか?」「やつらは僕の父さんや母さんとおんなじように叔父さんたちを拷問して殺すんだ!」の一声が効いてダドリーは決心したのでした。

「パパ―僕、騎士団の人たちと一緒に行く」

ダドリーの「この一言」でダーズリー一家は不死鳥の騎士団の保護下に入ることがようやく正式に決まったのでした。ハリーはそんなダドリーに「君、生まれて初めてまともなことを言ったぜ」と・・・

ダドリーの決意を称賛したのでした。

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バーノン・ダーズリー氏は「この4週間」というもの24時間おきに気が変わっていました。それというのも夏休みに入ってまもなく正真正銘の魔法使いが2人前触れもなしに現れたからでした。その2人の魔法使いがバーノン叔父さんに持ちかけた話とは?(全3項目)

3-1.バーノン・ダーズリー氏の心の葛藤
バーノン叔父さんに呼ばれたもののハリーはすぐには返事をせずシリウスの形見の鏡の欠けらを見ていました。今ほんの一瞬でしたがダンブルドアの目が見えたような気がしたのです。

叔父さんの呼び声が今度は怒鳴り声になったのでハリーはようやく立ち上がると部屋のドアに向かいました。しかし途中で足を止めるとリュックサックに割れた鏡の欠けらを入れたのでした。

ハリーが部屋を出て階段を下り居間に入るとダーズリー一家3人が全員旅支度で揃っていました。叔父さんに促されてハリーが椅子に座ると叔父さんはハリーにこう言い放ったのでした。

「気が変わった」

「戯言も甚だしい」

「一言も信じないと決めた。わしらはここに残る。どこにも行かん」

そんなバーノン叔父さんをハリーは怒るべきか?笑うべきか?複雑な気持ちになったのでした。この4週間というもの叔父さんは24時間おきに気が変わっていたのです。気が変わる毎に叔父さんは・・・

車に荷物を積んだり降ろしたり再び積んだりを繰り返していたのでした。今度はバーノン叔父さんは「この家」を乗っ取る計画なのでは?などと言い出したのでした。それに対してハリーは・・・

自分には名付け親が遺してくれた家がもう既にあるのだから「この家」など欲しがるハズがないと、さらにキングズリーとウィーズリーさんも全部説明したでしょと言い返したのでした。

ハリーの「この言葉」にバーノン叔父さんは怒ったように肩をそびやかしたのでした。そうなんですバーノン叔父さんは夏休みに入って間もなく正真正銘の魔法使いが前触れもなしに訪問したという・・・

不快極まりない記憶を振り払おうとしていたのでした。

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同世代で最も偉大と称された天才魔法使いの欠陥を暴く衝撃の物語?同じ日刊予言者新聞に載った記事なのに天と地ほどの差とは「この記事」のことを云うのではないでしょうか?ハリーも思わず怒りにまかせて乱暴に紙面をめくって「その記事」を読んだのでした。(全3項目)

3-1.懲りない魔女?リータ・スキーター
そんなわけでエルファイアス・ドージの追悼文を読み返して一時考えに耽(ふけ)ったハリーだったのですが今朝早く届いた日刊予言者新聞にふと目を止めると読み過ごしていた記事があることに気づいたのでした。

ダンブルドア―ついに真相が?

同世代で最も偉大と称された天才魔法使いの欠陥を暴く衝撃の物語、いよいよ来週発売

一面の下半分を占める記事に悩ましげな表情のダンブルドアが大股で歩いている写真があって、その上に小さめの見出しがついていたのです。ハリーは今度は乱暴に紙面をめくって13面を見ました。

すると記事の一番上に見慣れた顔の写真がありました。念入りにカールされたブロンドの魔女が本人は魅力的だと思っているらしい歯をむき出しにした笑顔で指をごにょごにょ動かしながら愛想を振り撒いていました。

吐き気を催すような写真を必死に無視しながらハリーは記事を読みましたが、読み終わった時ハリーは呆然と紙面を睨みつけた後新聞を丸めて力まかせに壁に投げつけたのでした。

嫌悪感と怒りが反吐のように込み上げて来たのでした。新聞はゴミ箱の周りに散らばっているゴミの山に加わったのでした。ハリーは部屋の中を無意識に大股で歩き回ったのでした。

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ダンブルドアのことをよく知っているつもりのハリーだったのですが死なれてみたら実はほとんど何も知らなかったことに気づかされたのでした。それは日刊予言者新聞に載った「あの人」の追悼文を読んだ時でした。その人物とは?(全3項目)

3-1.追悼文
いよいよ今日プリベット通り4番地を出発するという日にハリーは午前中一杯を費やして学校用のトランクを完全に空にするという作業をしていました。

それまでは学期が始まる前にトランクの上から4分の3ほどを入れ替えていただけで底のほうのガラクタの層はそのままにしておいたのです。

無駄なものを捨て必要と判断したマグルの洋服、透明マント、魔法薬調合キット、本を数冊、それにハグリッドに昔貰ったアルバムや手紙の束と杖は古いリュックサックに詰めました。

リュックの前ポケットには「忍びの地図」と「R.A.B」の署名入りのメモが入ったロケットをしまいました。ロケットを名誉ある特別席に入れたのはロケットそのものに価値があるからではありませんでした。

普通に考えれば全く価値のないものなんですが払った犠牲が大きかったから特別席に入れたというわけだったんですよね。そして残るは新聞の山の整理でした。プリベット通りで過ごした夏休みの日数分だけあります。

新聞の山が残り少なくなるとハリーはめくる速度を落としました。探している記事は夏休みに入ってすぐの新聞に載っていたはずだったからです。ようやくその新聞が見つかりました。

ハリーは10面をめくりながら椅子に腰を落ち着かせて探していた記事をもう一度読み直しました。それは騎士団員でもあるエルファイアス・ドージの追悼文でした。

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何ゆえハリー・ポッターは今日まで生き延びてしまったのか?テーブルを囲む死喰い人たちは全員がハリー・ポッター生存の責めを負わされるのでは?と恐れましたがヴォルデモート卿はどうやら「真の原因」が何なのか?が判ったようです。そして次にした要求とは?(全3項目)

3-1.ヴォルデモート卿の思わぬ誤算
セブルス・スネイプの「騎士団は魔法省の管理・規制下にある輸送手段の全てを信用していない」との報告を受けてヴォルデモート卿は「今度こそ」ハリー・ポッターを仕留められるという思いを強くしたようです。

そして一堂に会する死喰い人たちの前で「あの小僧は俺様が直々に始末する」と宣言したのでした。ハリー・ポッターに関しては自分自身の手抜かりもあって失態があまりにも多かったと・・・

テーブルを囲む全員が自分がハリー・ポッター生存の責めを負わされるのでは?と恐れていましたがヴォルデモート卿は誰に向かって話しているというわけではなく、むしろ自分自身に言い聞かせているようでした。

さらにヴォルデモート卿は自分はハリー・ポッターを侮っていたと、その結果綿密な計画には起こりえぬことだが幸運と偶然という奴に阻まれてしまったと・・・

しかし今は以前には理解していなかったことも判っているので「今度こそ」はハリー・ポッターの息の根を俺様が止めてやるのだと改めて宣言したのでした。

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さて!そんなわけで今日から当サイトの超ロングランのシリーズ物ダンブルドア・シリーズの「死の秘宝」編を始めることにします。アルバス・ダンブルドアを亡き者にして残る邪魔者はハリー・ポッターただ1人となりヴォルデモート卿は「最後の脅威」を抹殺するべく行動を開始したのでした。(全3項目)

3-1.セブルス・スネイプの情報
月明かりに照らされた狭い道の数歩と離れぬ至近距離に突如として2人の男が現れました。一瞬互いの胸元に杖を向けたまま対峙していましたが相手が判ると2人とも杖をしまって同じ方向に歩き出したのでした。

2人はやがて1階の菱形の窓に明かりが灯る瀟洒(しょうしゃ)な館に到着しました。贅沢に飾り立てられた広い玄関ホールを通り抜けるとスネイプがブロンズの取っ手を回しました。

客間の装飾を凝らした長テーブルは既に先に来た人々で埋めつくされていましたが話をしている者は誰もいませんでした。テーブルの一番奥から甲高くてハッキリした声が聞こえて来ました。

「ヤックスリー、スネイプ」「遅い。遅刻すれすれだ」

ヴォルデモート卿はスネイプには自分の右手の席をヤックスリーにはドロホフの隣の席を示しました。2人は示された席に着きましたが、ほぼ全員の目がスネイプを追いヴォルデモート卿が最初に声をかけたのもスネイプでした。

「わが君、不死鳥の騎士団は、ハリー・ポッターを現在の安全な居所から、来たる土曜日の日暮れに移動させるつもりです」

スネイプの言葉でテーブルの周辺は「緊張する者」や「そわそわする者」でにわかに色めき立ったのでした。全員がスネイプとヴォルデモート卿を見つめていたのでした。

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