クリーチャー(後編)

ハリーにとってはシリウスを裏切った「この生き物」に対して責任を持つなど嫌悪の極みだったのですが・・まさか!「こんな日」が来るなんて!ハリーもまた全く予想していなかったのでした。(全3項目)

3-1.シリウスの死を受けて
ダンブルドアがプリベット通り4番地にハリーを迎えに来たのは夏休みに入って2週間後の金曜日の夜のことでした。ダーズリー一家に自己紹介を済ませた後ダンブルドアが居間に入ろうとするのでハリーは少し驚いたのでした。

「あの―先生、出かけるんじゃありませんか?」

ハリーの問いにダンブルドアは確かに出かけるのだが出かける前に幾つか話し合っておかなければならないことがあるので少しの時間ハリーの叔父さんと叔母さんの好意に甘えさせていただくことにしたと答えたのでした。

そして「この場」でダンブルドアはシリウスの遺言が1週間前に見つかり所有物の全てがハリーに遺されたことを告げたのでした。何でもグリンゴッツのハリーの口座に「ほどほどの金貨」が増えたのだそうです。

まあ金貨は「あり過ぎて困る」というコトはないのでいいのですがシリウスが遺した私有財産には少々(かなり?)厄介なモノも含まれていたのです。それは何かというと?

「クリーチャーはしない、クリーチャーはしない、クリーチャーはそうしない!」

クリーチャーは例の「しわがれ声」で節くれだった長い足で地団駄を踏みながら自分は新しい女主人様(ベラトリックス・レストレンジ)がいいのだからポッター小僧になど仕えないと駄々をこねていたのでした。

「しない、しない、しない、しない」

ハリーもまたシリウスを裏切った「こんな生き物」などに責任を持つなど考えるだけで厭わしかったのですが、クリーチャーがこの1年不死鳥の騎士団の本部で暮らしていたことを考えると放り出すわけにもいきません。

「しない、しない、しない、しない」

ダンブルドアはハリーに言ったのでした。もしクリーチャーがハリーの所有に移っているのならクリーチャーはハリーの命令に従わなくてはなりません。だから命令してみろと・・・

「しない、しない、しない、しないぞ!」

クリーチャーの声が高くなって叫び声になりました。ハリーは他に何も思いつかないまま「クリーチャー黙れ!」と言ったのでした。するとクリーチャーは?

一瞬クリーチャーは窒息するかのように見えたのでした。喉を押さえて死に物狂いで口をパクパクさせ両眼が飛び出していました。数秒間は必死で息を呑み込んでいましたが・・・

やがてクリーチャーはうつ伏せにカーペットに身を投げ出し両手両足で床を叩きながらも「その一方」では完全に無言で癇癪を爆発させていたのでした。ハリーの命令に従ったのです。

こうしてハリーはめでたく(?)クリーチャーの正当な所有者となりクリーチャーはダンブルドアの措置と提案で取りあえずはホグワーツの厨房で働くことになったのでした。

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theme : ハリー・ポッター
genre : 小説・文学

クリーチャー(前編)

さて!今日と明日の2日間は屋敷しもべ妖精のクリーチャーを取り上げることにしました。高貴なブラック家にお仕えするのが自分の使命だと自負するクリーチャーでしたが、そんなクリーチャーがしてしまった取り返しのつかないこととは?(全3項目)

3-1.最初は、例によって例のごとく
クリーチャーの初登場シーンは騎士団上巻176ページでハリーがプリベット通り4番地からグリモールド・プレイス12番地の騎士団本部に移動して一夜明けた2日目の昼頃のことでした。

ハリーにハーマイオニーそれとロン、フレッド、ジョージ、ジニーの6人がウィーズリーおばさんの指揮下の元客間でドクシーの退治をしているとそこに現れたのがクリーチャーでした。

ウィーズリー一家のことを「いやらしい血を裏切る者とそのガキ」と呼びハーマイオニーに対しては「穢れた血め。ずうずうしく鉄面皮で立っている」とか「穢れた血が友達顔(づら)で話しかける」などと言っています。

シリウスに対しては自分は「高貴なブラック家にお仕えするために」生きていると、さらにご主人様は母君の心をめちゃめちゃにした恩知らずの卑劣漢だと激しくシリウスを罵っていますね。

「これ以上ない!」というぐらいの嫌悪感を込めてシリウスを見つめ「アズカバン帰りがクリーチャーに命令する」とか「奥様はこんな奴は自分の息子ではない」と言ったなどと言って烈しくシリウスのことを憎悪しています。

狂信的な純血主義者のシリウスの両親の考え方を100%鵜呑みにして闇の帝王に抵抗する人たちを敵視する。それがハリーと出会った時のクリーチャーの姿でした。

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genre : 小説・文学

森の番人ハグリッド「炎のゴブレット」編(4)(シリーズ最終回)

ハリーはハグリッドが子供の頃の話をするのを聞いたことがありませんでした。そしてハグリッドは「半巨人」だったのです。しかしハリー、ロン、ハーマイオニーの反応は三者三様に分かれたのでした。そしてクリスマス休暇明けにハグリッドを襲ったものは?(全3項目)

3-1.クリスマス・ダンスパーティ
第1の課題を乗り越えて、次の課題までは3ヵ月もあるということでホッ!としていたハリーだったのですがマクゴナガル先生から思わぬ「課題」を突き付けられることになったのでした。

それは伝統に従い代表選手はクリスマス・ダンスパーティでは最初に踊らなければならないということでした。だから必ず25日のパーティにはパートナーを連れて来い!と命じられてしまったのでした。

「魔法生物飼育学」の授業中にもクリスマス・パーティの話題が出ました。ロンが訊いたところハグリッドも参加してみようと思っているとのことでした。

ハグリッドに最初に踊るんだろう?いったい誰を誘うつもりだ?と言われてハリーは顔が赤くなるのを感じました。ハグリッドはそれ以上深くは追及しなかったのでした。

結局ハリーが誘いたかったチョウ・チャンは何と!セドリックに先取りされていたのでハリーはすったもんだの末にパーバティ・パチルと一緒に行くことになったのでした。

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森の番人ハグリッド「炎のゴブレット」編(3)(4回シリーズ)

ハグリッドが真夜中に僕に会いたいなんて!どうしてそんなことを言うのだろう?ハグリッドの真意と思惑を疑うハリーだったのですが・・・ハグリッドの小屋を訪ねてハリーがそこで見たものとは?果たして見てよかったのか?悪かったのか?(全3項目)

3-1.ハグリッドの誘い
ハッフルパフの態度はハリーにとっては嫌なものでしたが理解できることでした。自分たちの寮の代表を応援するのは当然だったからです。しかしスリザリンからは相当悪質な侮辱を受けるだろうとハリーは予測していました。

しかしレイブンクロー寮の態度はハリーにとっては意外なものでした。レイブンクロー生はどうやらハリーがさらに有名になろうと躍起になってゴブレットを騙したと思っているようでした。

グリフィンドール生でさえハリーの真の苦悩や苦境を理解している生徒はハーマイオニー以外にはいませんでした。そんな四面楚歌の中ハリーを支えていたのはシリウスからの手紙だけでした。

11月22日の深夜1時にシリウスに会えるということだけがハリーの希望の光でした。そんな中何故か?タイミングを合わせたように11月22日にホグズミード村行きが3年生以上に許可されたのでした。

ハリーが代表選手に選ばれて以来ロンはハリーとは口をきかなくなっていたのでハリーはハーマイオニーと一緒に村に行ったのでした。ハーマイオニーも気晴らしになるからと賛成してくれたのでした。

ただハリーはロンとは会いたくないからと「透明マント」を被って行ったのでした。ハリーは村に行く道すがら素晴らしい解放感を味わったもののハーマイオニーは自分が独り言を言っているみたいに見えると嫌がったのでした。

ハリーとハーマイオニーは「三本の箒」に入りました。ホグワーツの生徒たちも沢山いましたしフレッド・ジョージにリー・ジョーダンと一緒にいるロンも見かけました。

そんな大勢の客の中にハグリッドもいたのでした。ハグリッドはマッド・アイ・ムーディと一緒でした。ハリーが見ているとハグリッドとムーディは立ち上がって店を出て行きかけましたが・・・

ハリーが手を振るとムーディはハグリッドの背中をチョンチョンと叩いて何事か囁き2人は引き返して来てハーマイオニーとハリーのいるテーブルに近づいて来たのでした。

ハグリッドが「元気か?」とハーマイオニーに声をかけて来ました。ハーマイオニーはニッコリ笑って挨拶を返しました。すると今度はムーディが「透明マント」に隠れているハリーに話しかけて来たのでした。

「いいマントだな、ポッター」

ムーディの魔法の目は「透明マント」をも見透かすというのです。ハグリッドもムーディにハリーがいることを教えてもらったらしくハリーにしか聞こえないような低い声で話しかけて来たのでした。

「ハリー、今晩真夜中に俺の小屋に来いや。そのマントを着てな」

言われてハリーは驚きました。ハーマイオニーもまたビックリしたのでした。ハグリッドはどうして真夜中に僕に会いたいなんて言うんだろう?それに今夜はシリウスと会う約束もしているというのに・・・

今夜真夜中にハグリッドの小屋に行ったらシリウスとの約束の時間に間に合わなくなってしまうかもしれない。それでもハリーはハグリッドがこんなことを言うのは初めてだったので・・・

いったい何なのか?を、とても知りたいと思ったのでした。

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森の番人ハグリッド「炎のゴブレット」編(2)(4回シリーズ)

今年ホグワーツでは100年以上ぶりに三大魔法学校対抗試合が行なわれることになりました。両校の代表団も到着してハリーたち3人の気持ちも盛り上がって来ましたが・・・ハグリッドの気持ちの盛り上がり方は3人とは少々(かなり?)質が違うようです。何がハグリッドをそうさせたのか?(全3項目)

3-1.今学期初めての訪問しかし!
ハリーがハグリッドの小屋の扉をノックするとファングの低く響く吠え声が聞こえてハグリッドがすぐにドアを開けて「よう久しぶりだな」と迎えてくれたのでした。

学期が始まって丸2ヵ月ということで俺の住んどるところを忘れっちまったのかと思ったぞと言うハグリッドに対してハーマイオニーが「私たち、とっても忙しかったのよ」と言いかけたのですが・・・

ハグリッドを見上げた途端ハーマイオニーはぴたっと口を閉じてしまったのでした。言葉を失ったようでした。何故か?と云えばハグリッドが奇妙キテレツな姿をしていたからです。

ハグリッドは一張羅の・・・しかしどう見ても悪趣味な毛がモコモコの茶色い背広を着込んでいました。さらに追い打ちをかけるように黄色とだいだい色の格子縞のネクタイを締めていました。

極め付きは髪の毛を何とか撫でつけようとしたらしく油をこってりと塗りたくったようになっていました。髪は今や2束にくくられて垂れ下がっていました。どう見てもハグリッドに似合うとは思えませんでした。

一瞬ハーマイオニーは目を白黒させてハグリッドを見ていましたが結局何も言わないことに決めたようでした。ロンもまた同じ思いだったようですがハーマイオニーが目配せをして辞めさせたのでした。

ハグリッドの口から「オーデコロン」なんて言葉までもが飛び出して驚愕する3人だったのですが何故ハグリッドが突然おしゃれに目覚めたのか?その原因はボーバトンの校長の『あの女性』だったのです。

ハグリッドがマダム・マクシームに話しかけている時の表情はうっとりと目が潤んでいました。ハリーはハグリッドが人に対して「そんな表情」をするのを一度も見たことがありませんでした。

この時が初めてでした。

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森の番人ハグリッド「炎のゴブレット」編(1)(4回シリーズ)

さて!12月6日が誕生日ということで昨年の暮れから1年がかりでハグリッドを巻ごとに取り上げています。今週は第4巻「炎のゴブレット」のハグリッドです。「魔法生物飼育学」の教職に就いて2年目のハグリッドですが今学期新たに飼い始めた魔法動物とは?(全3項目)

3-1.尻尾爆発スクリュート
「あの生物」を育てるためのハグリッドの授業をハリーたち3人は初日早々に受けることになったのでした。ハリーはラベンダー・ブラウンの「ギャーッ!」の一声が「その生物」の全てを表していると思ったのでした。

殻を剥(む)かれた奇形の伊勢エビのような姿で青白いヌメヌメした胴体からは勝手気ままな場所から脚が突き出し頭らしい頭が見えません。体長は15~16センチで1箱に100匹ほどいるようです。

重なり合って這い回り闇雲に箱の内側にぶつかっていました。腐った魚のような強烈な臭いを発しています。時々尻尾らしい所から火花が飛びバンと小さな音を立てながら10センチほど前進しています。

ドラコ・マルフォイの「何で我々がこんなものを育てなければならないのでしょう?」という問いにハグリッドは口をパクッと開けて沈黙しました。必死で理由を考えているようでした。

しかしハグリッドは数秒後理由を説明するのは次の授業だと答えて今日は餌をやるだけだと言ったのでした。ハグリッドもこの「尻尾爆発スクリュート」を飼うのは初めてなので何を食うのかはよく分らないのだそうです。

ハリーたち3人も「どうして?」こんな生物を育てなければならないのか?やっていることが全部無駄なんじゃないか?という気持ちを抑え切れませんでしたが何よりハグリッドが好きなので・・・

とりあえず一生懸命頑張ってみることにしたのでした。

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フィニアス・ナイジェラス・ブラック(後編)

やはりスリザリン寮出身なので当初は「プライドが高くて、ずる賢い」といった印象だったのですが、どうしてどうして物語の後半には「実は結構我慢強い」という一面を見せてくれたのでした。これも「あの」新校長に何とか応えようという気持ちからだったのでしょうか?それとも?(全3項目)

3-1.意外な所で意外な活躍?
ハーマイオニーが肖像画の額縁をグリモールド・プレイス12番地から持ち出したことで心ならずも(?)ハリーたち3人の分霊箱探しの旅に同行することになったフィニアス・ナイジェラスだったのですが・・・

まさかハーマイオニーも「このこと」が後々役に立つことになるとは思わなかったでしょうね。キッカケはたまたま小鬼のグリップフックの証言を拾ったことから始まりました。

校長室にあった「グリフィンドールの剣」がニセモノだと判り「いつ?」偽物に取り替えられたのかを確かめるためにフィニアスを呼び出したというわけです。

事の真相は後にハリーが知るところとなり2人に伝えられることになったのですが、この時にはハーマイオニーが呼び出したことで意外な収穫が得られることになったのでした。

「小鬼製の刀剣・甲冑は磨く必要などない。ゴブリンの銀は世俗の汚れを寄せつけず自らを強化するもののみを吸収するのだ」

フィニアスの「この言葉」からバジリスクの毒を含む「グリフィンドールの剣」が分霊箱を破壊できることが判ったのでした。

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フィニアス・ナイジェラス・ブラック(前編)

今週は「お盆休み企画」ということでハリーポッター・シリーズで初登場時から既に死んでいる人(?)を取り上げています。後半に登場するのは「ある意味」貴重な存在と云えるのかも?しれません。スリザリン寮出身にしてホグワーツ魔法魔術学校の校長に就任した「この人」です。(全3項目)

3-1.初登場シーン
他にもこんな人いたような?気がしますがフィニアス・ナイジェラスも複数の初登場のパターンがあるんですよね。ここで改めて振り返っておくことにします。

●名前だけ登場
騎士団上巻185ページでシリウスがブラック家の家計図で抹消されていない人たちをチェックしている時に名前が登場していますね。シリウスの曽々祖父なんだそうです。

シリウスの説明によるとホグワーツの歴代校長の中で一番人望がなかったそうです。

●声だけ登場
「自分の頭に話しかけるのは、気が触れる最初の兆候だ」

ハリーは5年生の夏休みの間はプリベット通り4番地から騎士団本部に居を移した時には寝泊りしていた部屋の壁には実はフィニアス・ナイジェラスの肖像画が掛けられていたんですよね。

ロンとハーマイオニーの監督生就任記念パーティを抜け出して部屋に戻って来たハリーは突然何の前触れもなく額の傷痕が焼けるように痛んだのでした。(騎士団上巻286ページ)

その時に壁の絵のない肖像画から聞こえて来たのが上記の言葉だったというわけです。当時ハリーはそれがフィニアス・ナイジェラスの肖像画だということを知らなかったので・・・

後に学校に戻って校長室に来た際に「この時」騎士団本部で聞いた声がフィニアス・ナイジェラスの声だと知ることになったというわけなんですよね。

●ようやく本人登場
騎士団下巻87ページでようやくフィニアス・ナイジェラス本人が登場しています。神秘部の入口を見張っていたウィーズリーおじさんが蛇に襲われてハリー、ロンとマクゴナガル先生が校長室に駆け付けた時でした。

フィニアスの声を聞いた時、当初は聞き覚えがあると思ったものの「どこで?」聞いたのか分らなかったハリーだったのですがダンブルドアがシリウスの名前を出した時にようやく思い出したのでした。

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ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿ことほとんど首なしニック(後編)

逝ってしまうって?どういうこと?人が死ぬと一体何が起こるの?どこに行くの?ハリーのこういった疑問には答えられなかったニックでしたが最後の最後にはハリーを助けて問題解決の一助を担ってくれたのでした。さらに改めて考えてみるとニックは要所要所で後に繋がる重要な発言をしているんですよね。(全2項目)

2-1.シリウスの死とニック
こうして「500年」という節目の年のパーティに出席したことでニックとハリーは強い絆で結ばれ2人は「真の友」になったというわけです。そんなハリーとニックが2人だけで話し合う機会が一度だけあったんですよね。

それはハリーの名付け親でハリーが父親とも兄とも慕っていたこの世で一番大切な人シリウスを失った時でした。

ヴォルデモート復活がようやく魔法界全体に響き渡ったハリー5年生の学期の最後の日。ハリーは「ある考え」が閃いて寝室を飛び出すと誰もいない談話室を横切り廊下を疾走すると探したのでした。

普段はゴーストが溢れているというのに今は誰もいない。全員が大広間にいるに違いない。宴会が終わるまで待たなくてはと諦めかけた「その時」ハリーが探していた人が見つかったのでした。

「おーい―おい、ニック!ニック!」

ハリーがニックに「聞きたいことがあるんだけど?」と言うとニックの顔に何とも言えぬ奇妙な表情が浮かんだのでした。しばらくの間ニックは一言も言葉を発しませんでした。

「えー―今ですか、ハリー?」
「待てない―ニック―お願いだ」

ハリーが一番近くの教室の扉を開けるとニックはため息をついて諦めたように「いいでしょう」と言って教室に入って来ました。そしてハリーが自分を探しに来ることを予想していたとハリーに告げたのでした。

「予想って、何を?」
「時々あることです。誰かが哀悼している時」

ハリーはニックに訊きました。君は死んでいる。でも君はまだここにいる。君は死んでもホグワーツを歩き回れるし僕と話すこともできる。そうだろう?そんなハリーにニックは言ったのでした。

「あの人は帰って来ないでしょう」
「誰が?」
「シリウス・ブラックです」

ニックは魔法使いは地上に自らの痕跡を残すことができる。そして生きていた自分が過去に辿った所を影の薄い姿で歩くことができる。しかし「その道」を選ぶ魔法使いは滅多にいないと・・・

ニックはだから「あの人は帰って来ないでしょう」とさらに「あの人は逝ってしまうでしょう」とハリーに繰り返しシリウスは戻って来ないだろうと告げたのでした。そんなニックにハリーは・・・

「逝ってしまうって?どういうこと?人が死ぬと一体何が起こるの?どこに行くの?」とそしてさらに君は死んでいるのに君以外に誰が答えられるの?となおもハリーはニックに迫ったのですが・・・

ニックは「お役に立てなくて残念です」と優しく言った後部屋を出て行ってしまったのでした。1人残されたハリーはシリウスを再び失ったような気持ちになっていたのでした。

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ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿ことほとんど首なしニック(前編)

さて!今日までは全国的にお盆休みで昨日(8月15日)は終戦の日ということで今週はハリーポッター・シリーズに登場する人物の中から特に既に登場時から死んでいる人を紹介することにします。前半の今日と明日はグリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」を取り上げます。(全3項目)

3-1.初登場シーン
「ほとんど首なしニック」の初登場シーンは意外と云えば意外というほどに早いです。セブルス・スネイプやフリットウィック先生などのホグワーツ教授陣や管理人のフィルチなどより早いです。

第1巻「賢者の石」の172ページで湖をボートで渡って来たハリーたち1年生が小部屋で組分けの儀式を受けるのを待っていると後ろの壁から約20人のゴーストたちが現れて1年生たちをビックリさせたのでした。

そこで1年生に気づいて最初に声をかけて来た「ひだがある襟ののついた服を着てタイツをはいたゴースト」がグリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」だったというわけです。

組分けの儀式でグリフィンドール寮生と決まったハリーがグリフィンドールのテーブルに着くと向かいの席に座っていたのがニックでした。ニックもハリーがグリフィンドール生になってくれたのが嬉しかったらしく・・・

ハリーの腕を軽く叩いてハリー・ポッターを獲得できた喜びを表したのでした。もっともハリーはニックに腕を叩かれた途端、冷水の入ったバケツに突っ込んだように腕がゾーッとしてしまったのでした。

その後ニックは新しいグリフィンドール生に自己紹介をした後6年連続でスリザリンが寮杯を取っているので今年こそはグリフィンドールが取れるよう頑張って欲しいとゲキを飛ばしたのでした。

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徒然(つれづれ)なるままに思い浮かんだことを綴ってみる1週間(4)(シリーズ最終回)

やはり「児童書」だからなのか?私はハリーポッター・シリーズを読んでいると頭によく諺(ことわざ)が思い浮かぶんですよね。今日の記事ではそんな諺と連想できる場面の数々を掻き集めてみました。(全2項目)

2-1.始めに「意識している?意識していない?」
江戸幕府の初代将軍徳川家康は「人の一生というものは重い荷物を背負って遠い道を行くようなものだ」と言ったそうです。何だかハリーの生き方に通じるものがあるような気が私はしますね。

騎士団上巻183ページではシリウスが「愚かな弟は軟弱にも両親の言うことを信じていた」と言っています。こういった考え方がハリーポッター・シリーズのベースには流れているような気が私はするんですよね。

つまり正しい道を進むには常に困難が伴ってゆくものだけれども自分が正しいと信じたからには信念を持って突き進まなくてはならない。それと親の誤った考え方を鵜呑みにするのはよくないということです。

親の誤った考え方を受け入れたドラコ・マルフォイと困難に立ち向かって行くハリーの生き方を対比させることによってローリングさんは信念を貫くことの大切さを伝えようとしたんじゃないかな?と私は思いますね。

前置きが長くなったと云うか?無理やり引き戻しているような感じになってしまいましたが、ローリングさんはそういった人生訓とか諺(ことわざ)をそっと物語の奥に忍ばせているような気が私はするんですよね。

この後は諺と「それ」を示す具体的なシーンの紹介をしていきたいと思います。

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徒然(つれづれ)なるままに思い浮かんだことを綴ってみる1週間(3)(4回シリーズ)

ハリーポッター・シリーズでは最初の印象は最悪だったのに最後の最後にはそれが劇的に好転するという展開が数限りなく繰り返されて来ましたが「この3組」が最たるものでしょうね。(全3項目)

3-1.改めてスネイプ校長について
「ニュースがあるよ。気に入らないやつだろうけど」

ハリーがこう言うとロンは「何が起こったんだ?」と言いハーマイオニーも気を昂(たか)ぶらせて近づいて来るハリーに目を向けたのでした。ハリーが広げた日刊予言者新聞には見知った男の写真が大きく載っていたのでした。

セブルス・スネイプ、ホグワーツ校長に確定

ロンもハーマイオニーも「まさか!」と大声を出してダンブルドア校長を殺した「その当の人物」が後任の校長職に就任するなんて信じられないといった感じだったのでした。

ハリーもまた今頃スネイプは「あの」塔の上階の円形の部屋に勝ち誇って座っているに違いない。そしてダンブルドアが集めた繊細な銀の計器類や「憂いの篩」「組分け帽子」そしてハリーが貰うハズだった・・・

「グリフィンドールの剣」などを我が物顔に所有しているに決まっていると就任当時には思っていたのですが実際にはどうだったんでしょうね?そこで久しぶりにこんなのを作ってみました。

●スネイプ校長就任の夜(妄想炸裂150%)
校長職就任が決まってスネイプは初めて校長室にホグワーツ魔法魔術学校の校長として入ったのでした。やはり最初に新校長に声をかけたのはスリザリン寮出身の「あの人」でした。

フィニアス・ナイジェラス
「(感慨深げな口調で)セブルス校長職就任おめでとう!」

スネイプ
「ありがとうございます。フィニアス」

しかし!次に声をかけて来たのは、やっぱり・・

ダンブルドア(慇懃無礼で嫌味な口調で)
「セブルス?どうじゃな?校長の椅子の座りごこちは?」

スネイプ
「(怒ったような口調で)辞めてください!からかうのは!」

ダンブルドア(今度はとりすましたような口調で)
「いやいやセブルス。わしは決してからかってなどおらんよ」

そこに他の歴代校長も口を挟んで来たのでした。

エバラード
「ところでおぬし、まだ若いようだが?」

スネイプ
「(あくまでも礼儀正しい口調で)現在37歳です」

ディリス
「37歳ですって!」

フォーテスキュー
「37歳だと?」

ディペット
「若すぎる!」

フォーテスキュー
「この若輩者めが!50年早いわ!」

スネイプ
「・・・・・・・・・・」

ダンブルドア
「まあまあ、とりあえず見守ろうではないかの」

こうして取りあえずはダンブルドアの一言で口を閉ざしてくれた歴代校長の面々でしたがスネイプは居心地の悪さを感じると同時に先行きに不安を抱かずにはいられなかったのでした。(チャンチャン)

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徒然(つれづれ)なるままに思い浮かんだことを綴ってみる1週間(2)(4回シリーズ)

別に今まで避けていたわけではないんです。ただ単に取り上げる機会がなかっただけのことなんです。と!いうことで今日の記事では現在「謎のプリンス」の映画が上映中ということで当サイトでは初めて映画のことを取り上げてみることにします。(全2項目)

2-1.映画と私
実は私「映画は観ない派」なんですよね。(苦笑)

一番の理由はもちろん!「自分の頭の中のイメージが壊されるのがイヤだから」なんですけど、そうは言っても主役3人(ハリー、ロン、ハーマイオニー)の俳優さんたちは見ないわけにはいかないですよね。(笑)

近所のショッピングセンター等に行けばポスターが貼ってあるし、住んでいる所が名古屋なだけに私は毎日中日新聞の朝夕刊を読むのが習慣になっているんですが当然映画の大きな折り込み広告が入ったりしますからね。

そんなわけで主役3人以外にもダンブルドア校長とか今回の映画では3人に次ぐ主役級のドラコ・マルフォイ役の俳優さんの顔写真も見せられるハメになったというわけです。

幸い今回は今のところイメージを大きく損なわれる人はいなかったので上映が終わるまで「このまま」無事に終わることができたらいいなと思っているところです。つまり「今回は」というコトは・・・

「誰」とは言いませんが過去にはあったんですよね。(苦笑)

とは言うものの私とて映画に無関心でいられるハズはありません。映画が始まればハリポタに対する関心が高まるので当サイトを訪問する人の数も増えるからです。

そんなわけで「この後」は映画を観る人たちに「ありがち」なパターンを幾つか紹介してみたいと思います。やはり原作を読んでいるのか?いないのか?や読み込みの深さの違いによって大きく変わります。

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徒然(つれづれ)なるままに思い浮かんだことを綴ってみる1週間(1)(4回シリーズ)

4月の1日から4ヵ月余りに渡って超ロングランのダンブルドア・シリーズをお届けして来たということでシリーズ明け最初には「何をしようか?」と色々考えたのですが今年の年頭に新たに始めた「このシリーズ」物をすることにしました。(全3項目)

3-1.ドラコの思い、ルシウス・ナルシッサの思い
伝え聞いたところによるとドラコ・マルフォイはパンジー・パーキンソンとは結婚しなかったそうです。別の同級生だった女性と結婚したそうです。でも当然ちゃんとした純血結婚だったそうです。

ドラコ・マルフォイとパンジー・パーキンソンは4年生の時三大魔法学校対抗試合を記念して開催されたクリスマス・ダンスパーティでパートナーを組んでいます。

さらに翌年度には共に「監督生」に選ばれているということで私は「これで決まり!」と思ってたんですけど結婚しなかったんですね。どうしてなんでしょうね?

まあ理由はどうあれドラコは7巻の最終章で妻と息子のスコーピウスを伴ってキングス・クロス駅の9と3/4番線に姿を現しています。息子が19年後の「その年」ホグワーツに入学するので付き添って来たというわけです。

この場面でどうして?ドラコの妻の名前が出て来なかったのかと云えば多分それはハリーがドラコの奥さんの名前を知らなかったからだと私は思いますね。パンジーだったら出て来てたでしょうね。

ハリーたちの視線に気づいたドラコは素っ気無く頭を下げた後に即座に顔を背けています。私はドラコの「こういう態度」は今現在のドラコのハリーに対する心情を反映させたものだと思いますね。

「あの時」は助かるのに必死だったので何も考えることができなかったのですが、気持ちと状況が落ち着いて「ふと気づいてみれば」何と!あのハリー・ポッターが自分の「命の恩人」になっていたのです。

「慙愧(ざんき)に耐えない」とはまさにこのことでしょうね。ドラコにしてみれば「よりにもよってポッターが命の恩人だなんて!」という思いでしょう。あの時死んだほうがマシだったというところでしょう。

しかし!ルシウス・ナルシッサ夫妻にとっては今やハリーは一人息子の命を救ってくれた大恩人ですし息子のドラコよりは接触の機会が少ないのでハリーに対するわだかまりも少ないというわけです。

おそらくこの日(9月1日)を迎えるにあたってルシウス・ナルシッサ夫妻は自分の息子ドラコに「駅でハリー・ポッターに出会ったら挨拶ぐらいちゃんとしなきゃダメだぞ!」と言ったのでは?と私は思いますね。(笑)

お前の命の恩人なんだから!と・・・

だからこそドラコはハリーに向かって頭を下げたももの内心は「何でポッターに頭を下げなきゃいけないんだ!」という気持ちだったので即座に顔を背けたということだったんじゃないかな?と私は思いますね。

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ダンブルドア・シリーズ(230)

そんなわけで昨日でダンブルドア・シリーズの「死の秘宝」編が終わったので本日は毎度お馴染みの総括をすることにします。今日の記事ではシリーズの最重要人物の「あの2人」と「ニワトコの杖」の所有権を巡る争いについて改めて考えてみたいと思います。(全3項目)

3-1.「ニワトコの杖」の所有権の変遷
「ニワトコの杖」の所有権を巡る争いに巻き込まれてセブルス・スネイプがヴォルデモート卿に殺されたことは非情に不幸なことで痛恨の極みと云えるでしょうね。

と!いうのも「この杖」の真の所有者になるためには必ずしも前の所有者を殺す必要はないからです。グリンデルバルドもダンブルドアも前の所有者を殺してはいないからです。

以前の所有者つまりグレゴロビッチとグリンデルバルドを殺したのは他ならぬヴォルデモート卿でした。しかもスネイプが「この杖」の真の所有者だったことは1度もなかったのです。

●ドラコ・マルフォイからハリー・ポッターへ
先日の記事でも説明したように確かにスネイプはダンブルドアを殺していますが「このこと」は事前に2人の間で決められていたことなのでスネイプはダンブルドアを打ち負かしてはいないのです。

そして武装解除の術(エクスペリアームス)でダンブルドアから「この杖」を奪い新たな真の所有者になったのがドラコ・マルフォイだったというわけです。しかしドラコ本人はこのことに全く気づいてはいませんでした。

そしてそのドラコ・マルフォイからサンザシの杖を奪うことでドラコを打ち負かし次に「この杖」の真の所有者になったのがハリーだったというわけです。

●残された火種
こうして「ニワトコの杖」の真の所有者になったハリーなんですが「ここ」で新たな問題が起きて来るという結果になったんですよね。つまりハリーは真の所有者になった時「この杖」に触れてさえいないんですよね。

当時「ニワトコの杖」はホグワーツにあってダンブルドアの遺体と共に埋葬されていました。そしてそれをヴォルデモート卿が奪ったのです。ハリーが奪ったのはドラコのサンザシの杖だったのです。

つまり!こうなると今現在ハリーが持っている「柊と不死鳥の杖」を奪ってハリーを打ち負かせば同時に「ニワトコの杖」の所有権も一緒に移動してしまうということになってしまうんですよね。

ハリーは「ニワトコの杖」を再びダンブルドアの墓に戻し、今は直接は「この杖」を持ってはいませんがハリーが生きている限り「ニワトコの杖」の魔力もまた生き続け・・・

ハリーが決して負けることが許されないという状況も続くということになるんですよね。

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ダンブルドア・シリーズ(229)

ハリーがヴォルデモート卿を倒してから「19年」の歳月が経ちました。ハリーは?ロンとハーマイオニーは?ドラコ・マルフォイは?そして魔法界はどうなったんでしょうか?(全3項目)

3-1.キングズ・クロス駅にて
「あの日」から19年後の9月1日小さな家族の集団が車の騒音の中を煤けた大きな駅に向かって急いでいました。父親と母親が荷物で一杯のカートを1台ずつ押していました。

それぞれのカートの上には大きな鳥籠が揺れていて籠の中ではふくろうが怒ったようにホーホー鳴いていました。一方父親の腕にすがってぐずぐずと歩いている赤毛の女の子は泣きべそをかいていたのでした。

「もうすぐだよ、リリーも行くんだからね」
「2年先だわ。いますぐ行きたい!」

人混みを縫って9番線と10番線の間の柵に向かうふくろう付きの家族を通勤者たちが物珍しげにじろじろ見ていました。2人の兄たちは車の中で始めた口論を蒸し返していました。

「僕、絶対違う!絶対スリザリンじゃない!」

ジェームズは弟のアルバスに向かってニヤリと笑っていましたが母親の目を見ると口をつぐんだのでした。そして母親からカートを受け取ると走り出したのでした。次の瞬間ジェームズの姿は消えていました。

アルバスは兄のいなくなった一瞬を逃さず両親に「手紙をくれるよね?」と頼んだのでした。母親はそんなアルバスに「そうしてほしければ毎日でも」と言ったのでした。

3人は並んでカートを押し速度を徐々に上げました。そして家族は揃ってキングズ・クロス駅の9と3/4番線に現れたのでした。

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ダンブルドア・シリーズ(228)

ついにハリーとヴォルデモート卿が雌雄を決する時がやって来ました。一方が他方の手にかかって死なねばならぬ。何となれば一方が生きる限り他方は生きられぬ。(全3項目)

3-1.ハリー・ポッター対トム・リドル
ハリーが「透明マント」を脱ぐと大広間のあっちこっちから「ハリー!」「ハリーは生きている!」の衝撃の叫び声や歓声が上がりました。しかし!それはたちまちの内に止んだのでした。

ヴォルデモートとハリーが睨み合い互いに距離を保ったまま円を描いて動き出したからです。2人の動きを見て見守る人々は恐れ周囲は静まり返ったのでした。

「誰も手を出さないでくれ」

水を打ったような静けさの中でハリーの声はトランペットのように鳴り響いたのでした。ヴォルデモートは赤い眼を見開いて「今日は誰を盾にするつもりだ?」と言ってハリーを嘲ったのでした。

「誰でもない」とハリーは一言で答えヴォルデモートにさらに言い返したのでした。分霊箱はもうない。だから残っているのはお前と僕だけだ。一方が生きる限り他方は生きられぬ。

つまり2人の内のどちらかが永遠に去ることになるのだと・・・

偶然生き残ったくせに勝つのは自分だと考えているようだな?とハリーを罵倒するヴォルデモートでしたがハリーも負けてはいません。自分はお前の知らない大切なことを沢山知っていると応戦したのでした。

ハリーが本当に究極の秘密を知っているのではないか?という微かな可能性にヴォルデモートはたじろいでいました。その思いがハリー以外の人々の存在をヴォルデモートの頭の中から追い出していました。

2人は互いに回り込み相手にだけ集中して最後の秘密だけが2人を隔てていました。ヴォルデモートが言いました。今お前を救うものが愛ではないのなら俺様にはできない魔法か・・・

もしくは俺様の武器より強力な武器を持っていると信じ込んでいるのか?と言うとハリーはそれに対して「両方とも持っている」と答えたのでした。ヴォルデモートの顔に衝撃が走りました。

やがてヴォルデモートの胸は激しく波打ちハリーは今にも呪いが飛んで来ることを感じ取っていました。自分の顔を狙っている杖の中に次第に高まっているものを感じていました。そして!ついに!

「アバダ ケダブラ!」
「エクスペリアームス!」

ヴォルデモートの甲高い叫びを聞くと同時にハリーはドラコの杖で狙いを定め天に向かって一心込めて叫んでいました。ドーンという大砲のような音と共に黄金の炎が噴き出し2つの呪文が衝突した点を印しました。

そして・・・

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ダンブルドア・シリーズ(227)

「ハリー、愛じゃよ愛」「そうじゃよ、ハリー、君は愛することができる」ハリーを救ったのは「息子を思う母の愛」でした。息子の安否を心配する母の気持ちは闇の帝王に対する忠誠心(恐怖心?)をも上回ったのです。(全3項目)

3-1.母の愛
「禁じられた森」の匂いが鼻腔(びくう)を満たし頬にひやりとした固い土を感じてハリーは再びうつ伏せになって地面に倒れていました。元いた場所に帰って来たのです。

ハリーが死んだことを祝う勝利の歓声が聞こえて来ると思いきや周囲には慌ただしい足音に囁き声さらには気遣わしげに呟く声が満ちているばかりでした。最初に聞こえて来たのはベラトリックスの声でした。

「わが君・・・わが君・・・」

まるで恋人に話しかけているようでした。ハリーは目を開ける気にはなれませんでしたが全ての感覚で現状の把握をしようとしました。杖と「透明マント」はどうやらロープの下に収まっているようです。

また足音が聞こえて数人の死喰い人が同じ場所からいっせいに後退したようです。何が起きているのか?何故なのか?をどうしても知りたかったのでハリーは薄目を開けました。

ヴォルデモートが立ち上がろうとしているようでした。ハリーは再び目を閉じて今見た光景のことを考えました。どうやら「死の呪文」でハリーを撃った時に何かが起こってヴォルデモートは倒れたようでした。

「あいつは・・・死んだか?」

空き地は完全に静まり返っていました。誰もハリーに近づきません。しかし全員の目がハリーに注がれるのを感じハリーは死喰い人たちの視線でますます地面に強く押し付けられるような気がしたのでした。

「おまえ」

ヴォルデモートの声と共にバーンという音がして痛そうな小さい悲鳴が聞こえて来ました。検死役の誰かが指名されたようです。誰が来るのか?その時点ではハリーには分りませんでした。

「あいつを調べろ。死んでいるかどうか、俺様に知らせるのだ」

持ち主の意に逆らいドクドク脈打つ心臓を抱えて「その場」に横たわったままハリーは調べられるのを待ちました。思ったより柔らかい手がハリーの顔に触れ片方の瞼(まぶた)をめくり上げ・・・

そろそろとシャツの中に入って胸に下り心臓の鼓動を探りました。ハリーは女性の早い息遣いを聞き長い髪が顔をくすぐるのを感じました。その人はハリーの胸板を打つ生命(いのち)の鼓動を確かに感じ取ったはずです。

「ドラコは生きていますか?城にいるのですか?」

ほとんど聞き取れないほどの微かな声でした。女性は唇をハリーの耳につくほど近づけ覆いかぶさるようにしてハリーの顔を見物人から隠していました。ハリーがマルフォイの無事を囁き返すと・・・

胸に置かれた手がぎゅっと縮みハリーは女性の爪が肌に突き刺さるのを感じました。その手を引っ込めると女性は体を起こし見守る人々に向かって叫んだのでした。

「死んでいます!」

今度こそ歓声が上がり死喰い人たちは勝利の叫びを上げ足を踏み鳴らしたのでした。一方ハリーは地面に倒れて死んだふりをしながら事の次第を理解したのでした。

ナルシッサ・マルフォイは息子を探すためには勝利軍としてホグワーツ城に入るしかないことを知っていたのです。ナルシッサにとってはヴォルデモートが勝とうが負けようが・・・

もはやどうでもいいことだったのです。

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トキメキぼーい

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愛知県名古屋市在住
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