ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(6)(シリーズ最終回)

息子は運悪くそこに居合わせただけかもしれない。私は無実の息子を監獄に送ってしまったのかもしれない。そう考えたクラウチ氏は息子をアズカバンから助け出す事にしたのでした。ところがその息子はヴォルデモートに命令されてその父親を・・・(全3項目)

3-1.バーテミウス・クラウチの場合、その4
ハリーたち3人は後にも先にも一度だけホグズミード村から外れた山の中にあるシリウスの隠れ家に食料を持って行った事があります。そこでの4人の話の中にバーテミウス・クラウチ氏の事も出て来るというわけなんですよね。

クラウチ氏は本当に自分の息子が死喰い人だったの?と訊くハリーに対してシリウスは当初「分らない」と答えていました。息子がアズカバンに連れて来られた時にはシリウスもいて息子は近くの独房に入れられたのだそうです。

息子については分らない。しかしあの時捕まったのは確かに死喰い人だった。シリウスは「私の首を賭けてもいい」とまで言いました。ただ息子が一緒に捕まったのは運悪くそこに居合わせただけかもしれないとそう言うのです。

おそらくクラウチ氏の奥方もそう言って説得したんでしょうね。だとすると自分は無実の息子を監獄に送った事になる。自分がまもなく死ぬ事を知っていた奥方はクラウチ氏に自分と引き換えに息子を助け出して欲しいと・・・

クラウチ氏は承諾しました。夫妻はアズカバンに息子を訪ねて奥方の髪が1本入ったポリジュース薬を飲ませました。奥方は息子の髪を入れたポリジュース薬を飲みました。こうして母と息子の姿が入れ替わったというわけです。

吸魂鬼は目が見えない。健康な者が1名と死にかけた者が1名入るのを感じ取っていた。健康な者が1名と死にかけた者が1名が出て行くのも感じ取った。クラウチ氏は囚人の誰かが独房の戸の隙間から見ている事を考えて・・・

息子に奥方の姿をさせて密かにアズカバンから連れ出したのでした。奥方はまもなく息子の姿でアズカバンで死にました。そしてクラウチ氏は奥方の死を装った静かな身内だけの葬式を執り行ないました。当然奥方の墓は・・・

空っぽというわけです。こうしてアズカバンから助け出された息子はクラウチ家に仕える屋敷しもべ妖精のウィンキーの世話で健康を取り戻したのでした。しかし息子は本来この世に生きていてはいけない人間だったんですよね。

そこでクラウチ氏は・・・

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ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(5)(6回シリーズ)

通常なら今日から新しいシリーズが始まる所なんですが年末年始という事で違う態勢を取っています。ヴォルデモート卿が凋落した時には魔法省の警察に当たる魔法法執行部の部長だったバーテミウス・クラウチ氏が最も魔法大臣に近いと言われていました。ところがその時起きたある事件のためにクラウチ氏は・・・(全3項目)

3-1.バーテミウス・クラウチの場合、その1
強力な魔法力に権力欲。ただしヴォルデモートの支持者だった事はない。バーテミウス・クラウチは素晴らしい魔法使いで次の魔法大臣と噂されていました。ヴォルデモートの全盛時代クラウチ氏は魔法省の警察に当たる・・・

魔法法執行部の部長でした。当時の魔法界はまさに恐怖時代でした。誰が支持者なのか分らない。誰がヴォルデモートに仕え誰がそうではないのかが分らない。ヴォルデモートには人を操る力があるのです。それがために・・・

誰もが自分では止める事ができずに恐ろしい事をしてしまう。自分で自分が怖くなる。家族や友人でさえ怖くなる。魔法省は大混乱だ。どうしていいのか分らない。こういう時にこそ最良の面を発揮する者がいるかと思えば・・・

最悪の面が出る者もいる。クラウチ氏の主義主張は最初は良いものだと考えられていたようです。クラウチ氏は魔法省でたちまち頭角を現してヴォルデモートに従う者に極めて厳しい措置を取るようになりました。例えば・・・

闇祓いたちに新しい権力が与えられました。一例としては「捕まえるのではなく殺害してもいい」という権力でした。裁判をやらなくてもアズカバンに送る事ができるというのもそうでした。シリウスもまたそうだったのです。

クラウチ氏は暴力には暴力をもって立ち向かい疑わしい者に対して「許されざる呪文」を使用する事を許可しました。クラウチ氏は多くの闇の陣営の輩と同じように冷酷無情になってしまいました。それでも魔法界には・・・

クラウチ氏を支持する者もいました。クラウチ氏のやり方が正しいと思う人も沢山いました。多くの魔法使いたちが「バーテミウス・クラウチを魔法大臣にせよ」と叫んでいました。ヴォルデモートが凋落したその時には・・・

クラウチ氏がその最高の職つまり魔法大臣に就任するのは時間の問題だと思われました。ところがその時不幸な事件が起きたのです。

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ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(4)(6回シリーズ)

ヒッポグリフのバックビークと共にシリウスがホグワーツを脱出してハリーもこれで一安心のはずでした。ところがハリーが「額の傷痕に痛みが走った」という手紙を出したら何とシリウスは帰って来てしまったのです。しかし残念ながらシリウスの懸念は杞憂に終わりませんでした。それはハリーが・・・(全3項目)

3-1.シリウス・ブラックの場合、その4
ハリーとハーマイオニーは逆転時計で3時間前に戻って処刑寸前のヒッポグリフのバックビークを助け出しシリウスはそのバックビークに乗ってホグワーツを脱出しました。これでハリーもシリウスも一安心のはずだったのです。

ところが夏休み中にハリーが「額の傷痕に痛みが走った」という手紙を出すとシリウスは帰国するという返事の手紙をハリーに折り返し送って来ました。ハリーは急いで帰って来る必要はありませんという手紙を送ったのでした。

しかしシリウスからは「無理するな。私はもう帰国してちゃんと隠れている」という手紙が届けられました。さらにその手紙には「私の事は心配せずに自分の事だけ注意していなさい」とも綴られていたのでした。すると・・・

残念ながらシリウスの懸念は杞憂に終わりませんでした。百年以上ぶりに開催される事になった三大魔法学校対抗試合の代表選手に今回は「17才以上」という年齢制限が設けられたのに何故か?ハリーが選ばれてしまったのです。

しかもそれはこれから起こる事の序章に過ぎませんでした。学期末にはついにヴォルデモート卿が復活してハリーがその目撃者になった上に直接対決という事になったのです。ハリーは無事ホグワーツに戻って来たものの・・・

ハリーたちが一度だけ隠れ家を訪れた時にシリウスはこの三大魔法学校対抗試合が終われば私はまた安心して息ができると言っていました。しかしそれもヴォルデモート卿の復活で叶わぬ夢という事になってしまったのでした。

そして不死鳥の騎士団が再結成されると・・・

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ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(3)(6回シリーズ)

敵だと思っていたら実は味方だった!世間ではハリーの死を望んでいると言われていたシリウス・ブラックは実際には正反対の理由でアズカバンを脱獄して来たのです。何故かと云えばそれは誰もが死んだと思い込んでいる人物を新聞で見つけたからだったのでした。それは?(全3項目)

3-1.シリウス・ブラックの場合、その1
ホグワーツ魔法魔術学校ではグリフィンドール寮に属し卒業後は結成と同時に「不死鳥の騎士団」のメンバーになる。もちろんヴォルデモートの配下つまり死喰い人になろうなどと思った事は一度もない。ところがそれが・・・

世間では全く正反対の人物と思われていました。ハリーが初めて「夜の騎士(ナイト)バス」に乗った際に車掌のスタン・シャンパイクが説明した所によるとシリウス・ブラックはヴォルデモートの一の子分だったんだそうです。

シリウス・ブラックはヴォルデモートに物凄く近かった。ハリーを襲ってヴォルデモートが凋落した時その手下つまり死喰い人は一網打尽だった。大方の死喰い人はヴォルデモートがいなくなったら自分たちはお終いだと・・・

観念しておとなしく捕まってしまった。だがシリウス・ブラックは違ったのだそうです。スタンが聞いた話ではヴォルデモートが支配するようになればシリウス・ブラックは「自分がナンバー2になれる」と思っていたそうです。

シリウス・ブラックはマグルで混み合っている道のど真ん中で追い詰められてしまった。そして杖を出すと道の半分ほどを吹き飛ばした。巻き添えになったのは魔法使い1人にそこに居合わせた12人のマグルだったんだそうです。

ところがその後シリウス・ブラックは突っ立ったまま高笑いをして魔法省からの応援隊が掛け付けた時にはやけにおとなしくなって引かれて行ったそうです。その後この事件は「ガス爆発事故」として処理されたんだそうです。

シリウス・ブラックについてはアーサー氏も同意見でした。狂っている。ハリーの死を望んでいるんだ。アーサー氏の考えではシリウス・ブラックはハリーを殺害すればヴォルデモートの権力が戻ると思っているのだそうです。

そして魔法大臣コーネリウス・ファッジも・・・

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ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(2)(6回シリーズ)

ヴォルデモートはポッター一家の住居に足を踏み入れ「忠誠の術」は破られました。ジェームズもリリーも杖も持たず容易にヴォルデモートの手にかかって倒れて行きました。ところが息子のハリーに「死の呪文」を放った時でした。無でした。痛みと恐怖しかない無でした。喜びに沸き返る魔法界の人たちでしたが・・・(全3項目)

3-1.ジェームズとリリー・ポッターの場合、その4
死とはどんなものかを知る一歩手前まで行った。死ぬ事すなわちそれは激しい痛みだった。肉体から引き裂かれて。しかし肉体がないのなら何故こんなにも頭が痛いのか。死んだのなら何ゆえこんなに耐え難い痛みを感じるのか。

痛みは死と共に終わるのではないか。

その夜は雨で風が強かった。かぼちゃの姿の2人の子供が広場をよたよたと横切って行く。店の窓は紙製の蜘蛛で覆われている。信じてもいない世界の扮装でごてごてと飾り立てるマグルたち。そんな中ヴォルデモートは・・・

滑るように進んでいた。自分には目的があり力があり正しいのだと。自分がこういう場合には必ず感じるあの感覚。怒りではない。そんなものは自分より弱い魂にふさわしい。そうではない。勝利感なのだ。この時を待っていた。

この事を望んでいたのだ。

「おじさん凄い変装だね!」と言いながらそばまで駆け寄って来た小さな男の子の笑顔がマントのフードの中を覗き込んだ途端に消えるのをヴォルデモートは見た。絵の具で変装した顔が恐怖で翳るのをヴォルデモートは見た。

子供はくるりと向きを変えて走り去った。ローブの下でヴォルデモートは杖の柄をいじった。たった一度簡単な動きをしさえすれば子供は母親の所まで帰れない。しかし無用な事だ。全く無用だ。そしてヴォルデモートは・・・

別のより暗い道を歩いていた。目的地がついに目に入った。あいつらはまだそれを知らないが「忠誠の術」は破れた。黒い生垣まで来るとヴォルデモートは歩道を滑る落ち葉ほどの物音さえ立てずに生垣の向こうをじっと窺った。

そこにいたのが・・・

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ヴォルデモート卿に人生を翻弄された人たち(1)(6回シリーズ)

大晦日12月31日が誕生日という事でここ数年は最後を締めくくるのはヴォルデモート卿という事になっています。今年はヴォルデモートのために人生が大きく変わってしまった人たちを「3組」紹介してみる事にしました。ハリーしいては両親のジェームズとリリーの人生を大きく変えてしまったのは?(全3項目)

3-1.ジェームズとリリー・ポッターの場合、その1
そもそもの事の発端はシビル・トレローニーによって成された予言でした。闇の帝王を打ち破る力を持った者が7月の末に生まれる。その子はヴォルデモートに3度抗った両親の許に生まれる。実はそれに該当する赤子が・・・

2人いました。それはハリーとネビル・ロングボトム。2人ともその年の7月末に生まれ両親が「不死鳥の騎士団」に属していた。そしていずれの両親も辛くも「3度」ヴォルデモートの手から逃れていたというわけなんですよね。

ところがその予言を聞いた時ダンブルドアは誰かに盗み聞きされるほど価値のある事を聞こうとは夢にも思いませんでした。そのため面会場所は安さで「ホッグズ・ヘッド」を選んだため盗み聞きされてしまったというわけです。

その予言を盗み聞きしたのは死喰い人のセブルス・スネイプでした。ご主人様の一大事という事でスネイプは早速その予言の事をヴォルデモートに伝えました。そしてヴォルデモートが選び取ったのがハリーのほうだったのです。

それがスネイプにとっては大問題だったのです。ジェームズ・ポッターと結婚しハリーを産んだ後もリリーを愛し続けていたスネイプはヴォルデモートにリリーの命は助けて欲しいと懇願しました。しかしそれだけでなく・・・

スネイプは何と大胆不敵にも敵方のダンブルドアの所に駆け込みリリーを助けて欲しいと言ったのです。そこでダンブルドアはジェームズとリリーにヴォルデモートが2人の命を狙っている事を知らせたというわけなんですよね。

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改めてドラゴンについて(4)(シリーズ最終回)

僕たちの会話を聞いたのだろうか?そんな不安を抱えながらハリーはムーディの部屋に行きました。するとムーディからはハリーが全く予想していなかった反応が返って来ました。さらにそれだけではなかったのです。ムーディは「わしは教えん。贔屓はせん」と言いつつも・・・(全3項目)

3-1.ハンガリー・ホーンテール、その4
僕たちの会話を聞いたのだろうか?そう考えてハリーは不安げにムーディを見ました。その答えはハリーがムーディの部屋に入ってから判明しました。薬草学の授業があると言いかけたハリーにムーディは構わんと言って・・・

「今お前のした事は、ポッター、非常に道徳的な行為だ」

部屋に入るなりムーディはハリーのほうを向き直るとこう言いました。ハリーは何と言い返して良いものやら分りませんでした。こういうムーディの反応は全く予期していなかったからです。部屋に入ると暫くの間2人は・・・

そこに置かれた数々の探知機の事で会話を弾ませていました。しかし「ドラゴンの事を知ってしまったのだな?」という問いかけでハリーは現実に引き戻されました。ハリーは言葉に詰りました。その一言を恐れていたからです。

その一方でハリーは「セドリックにも言わなかった。だからムーディにも言わない」と固く決意していました。ハグリッドが規則を破ったなどと言うものか。だからハリーはムーディに「偶然知ってしまった」と言ったのでした。

するとムーディはニヤリとして「わしは責めているわけではない」と言って来ました。始めからダンブルドアには言ってある。ダンブルドアはあくまでも高潔にしていればいいがカルカロフやマダム・マクシームのほうは・・・

決してそういうわけには行かないだろう。連中は自分たちが知る限りの全てを代表選手に漏らすだろうとそう言うのです。そしてムーディはハリーに「どうやってドラゴンを出し抜くのか考えはあるのか?」と訊いて来ました。

わしは教えん。贔屓はせん。そう言いつつもムーディはハリーにドラゴンを出し抜くためのヒントをくれました。第1には「自分の強みを生かす試合をしろ」という事でした。ハリーが得意な事と云えばそれはクィディッチだと。

第2には「効果的で簡単な呪文を使い自分に必要な物を手に入れる」という事なのだそうです。そこでハリーは「自分に必要な物って何だろう?」と考えました。ドラゴンを空中で出し抜く必要がある。その事に加えて・・・

自分が得意なのは飛ぶ事。それにはファイアボルトが必要だ。そしてそのファイアボルトを手に入れるための効果的で簡単な呪文と云えばそれは「呼び寄せ呪文」だ。そこでハリーはハーマイオニーにこう言ったというわけです。

「呼び寄せ呪文を明日の午後までにちゃんと覚える必要があるんだ」

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改めてドラゴンについて(3)(4回シリーズ)

ハグリッドが飼ったノルウェー・リッチバック種のノーバートのお陰でドラゴンという生き物の恐ろしさを思い知らされたハリーは今度は正面からそのドラゴンに立ち向かわなくてはならなくなってしまいました。それはハリーが三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれてしまって最初の課題で・・・(全3項目)

3-1.ハンガリー・ホーンテール、その1
まだ14才で「17才」の年齢資格を満たしていない上に炎のゴブレットに名前を入れていないのに、三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれてしまいハリーはかつて過去に類を見ない程の最悪の状況に追い込まれてしまいました。

ハリーは四面楚歌状態になりロンもハリーの元を離れて行ってしまいました。これ以上自分が置かれた状況が悪くなる事があるのだろうか?ところがそれがあったのです。それはハグリッドに誘われ深夜に小屋を訪ねた時でした。

「ハリー、お前さんか?」

ハリーが小屋の戸をノックすると扉を開けてキョロキョロしながらハグリッドが声を潜めてこう言いました。ハリーは小屋の中に滑り込んで「透明マント」を引っ張って頭から脱ぐとハグリッドに「何なの?」と尋ねました。

ハグリッドは何だかひどく興奮していました。そしてハリーに「ちょっくら見せる物があってな」と言いました。ハリーが「何を見せたいの?」と訊くとハグリッドは黙ってそのマントを被ったままで一緒に来いと言うのです。

ボーバトンの校長マダム・マクシームも一緒でした。3人は「禁じられた森」の周囲を随分歩いたので城も湖も見えなくなっていました。ハリーは何かの物音を聞きました。前方で男たちが怒鳴っています。耳を劈く大咆哮。

「ドラゴンだ」

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改めてドラゴンについて(2)(4回シリーズ)

こうしてハリーの発案でノーバートはロンの兄チャーリーの元に預けられる事になりました。ところがそうと決まってからがまた大変だったのです。ロンはノーバートに噛まれた傷が悪化して医務室に入院してしまいました。そしてハリーとハーマイオニーはノーバートを引き渡す事に成功したのですが・・・(全3項目)

3-1.ノルウェー・リッチバックのノーバート、その4
その次の週はハリーたちにとっては大変有り難くない事に遅々として進みませんでした。チャーリーからの返事の手紙を待っていたからです。さらにそんな3人に不幸に追い打ちをかけるような出来事が起きてしまったのでした。

ハグリッドの小屋に行ってノーバートに餌をやるのを手伝っていたロンが噛まれてしまったのです。ところがハグリッドはロンが噛まれたのはノーバートを怖がらせたからだと言って叱ったそうです。ロンに言わせれば・・・

あんな恐ろしい生き物は今まで見た事がない。それなのにハグリッドの言う事を聞いていたらまるでふわふわした小さな子ウサギの事を話しているようだ。ロンが帰る時ハグリッドはノーバートに子守唄を歌っていたそうです。

そしてその日の夜ハリーたちが一日千秋の思いで待ち侘びていたチャーリーからの返事の手紙が届きました。そこには来週チャーリーの友達が訪ねて来る事になっているので彼らに連れて来て貰うのがいいと綴られていました。

そこで土曜日の真夜中に一番高い塔にノーバートを連れて来られないかと書かれていました。3人は互いに顔を見合わせました。そしてハリーが「透明マント」を使えば自分とノーバートにもう1人ぐらい隠せるんじゃないか?

ハリーの提案にロンもハーマイオニーも即座に同意しました。ノーバートに加えてドラコ・マルフォイを追っ払うためなら何でもするという気持ちになるぐらいこの一週間は大変だったのです。ところがそれが翌朝には・・・

新たな問題が発生してしまったのです。

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改めてドラゴンについて(1)(4回シリーズ)

先週に引き続き今週もハグリッドに関連した内容の記事をお届けする事にしました。ハリーはマグルのダーズリー夫妻に育てられたので当初は「この魔法生物」の恐ろしさを知りませんでした。ところがイースター休暇中にハグリッドが卵を手に入れたために・・・(全3項目)

3-1.ノルウェー・リッチバックのノーバート、その1
ハリーは1才3ヵ月の時からマグルのダーズリー夫妻に育てられ自身が魔法使いだという事を知ったのは11才の誕生日でした。そのためドラコンという魔法生物の恐ろしさを知ったのもホグワーツに入学してからの事だったのです。

「ハグリッド!図書室で何してるんだい?」

イースター休暇に入ってからの事でした。ハーマイオニーに急き立てられてハリーとロンは図書室で勉強に精を出していました。ロンがこう言うのでハリーが思わず目を上げると背中に何やら隠しているハグリッドが現れました。

「ハグリッドったら背中に何を隠してたのかしら?」

勉強にうんざりしていたロンが程なく本をどっさり抱えて戻って来ました。ハグリッドはドラゴンの本を探していたのだそうです。初めて会った時にハグリッドが「ドラゴンを飼いたい」と言っていた事をハリーが話すと・・・

ロンが魔法界では法律違反だと教えてくれました。1709年のワーロック法でドラゴン飼育は違法になったそうです。もし家の裏庭でドラゴンを飼ったらどうしたってマグルが僕たちの存在に気づく。さらにはどっちにしても・・・

ドラゴンは狂暴なので手なずけるのは無理なんだそうです。まさかイギリスに野生のドラゴンなんていないだろうと訊くハリーにロンは「いるともさ」と答えました。もしマグルがドラゴンを見つけてしまったその時には・・・

魔法省はその都度見つけてしまったマグルに魔法をかけて忘れさせているのだそうです。そして一時間後にハリーたちがハグリッドの小屋を訪ねると驚いた事に全てのカーテンが閉められていて中は窒息しそうな程の暑さでした。

ハグリッドは誰が来たのかを確かめてから3人を小屋の中に入れました。こんなに暑い日だというのに暖炉には轟々と炎が上がっていました。その炎の真ん中にはやかんの下に大きくて黒い卵があったのです。それこそが・・・

ドラゴンの卵だったのです。

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改めてセストラルについて(4)(シリーズ最終回)

死を見た者だけがセストラルを見る事ができる。しかしローリングさんが言うにはそれだけではなく大きなハードルをもう1つ乗り越えないと見えるようにはならないんだそうです。もしそういう事ならロンにハーマイオニーは問題ないのですが「あの人」の場合はどうなんでしょうね?(全3項目)

3-1.それ以前に名前だけ
何故突然見えるようになったのか?どうして自分には見えてロンには見えないのか?その答えをハリーに教えてくれたのはハグリッドでした。しかしハリーは「セストラル」というこの生き物の名前をそれ以前に聞いていました。

後にも先にも5年生の時に一度だけヘドウィグが朝食時の大広間ではなく「魔法史」の授業中に手紙を持って来た事がありました。ハリーが窓を開けるとヘドウィグは悲しげにホーと鳴きながら教室の中に入って来たのでした。

ハリーはビンズ先生のほうをちらちら見ながらヘドウィグを肩に載せ急いで席に戻りました。席に着くとヘドウィグを膝に移し手紙を外そうとしました。その時初めてヘドウィグの羽根が奇妙に逆立っている事に気づきました。

「怪我してる!」

ハリーはビンズ先生に気分が悪いので医務室に行きたいと申し出て教室を出ました。この時ハグリッドは巨人の所に行っていて学校を留守にしていました。そこでハリーはヘドウィグをグラブリー・プランク先生の所に・・・

「手負いのふくろう。そう言ったかね」

グラブリー・プランク先生が言うには「何かは分らんが襲われた」との事でした。セストラルは時々鳥を狙うがホグワーツのセストラルはふくろうに手を出さないようにハグリッドがしっかりと躾けているとも言ったのでした。

ここでグラブリー・プランク先生の口からセストラルの名前が飛び出しました。しかし当然この時ハリーはセストラルがいかなるものなのかを知りません。だからどうでもいい。ヘドウィグが治るかだけを聞きたかったのです。

結局負傷したヘドウィグはグラブリー・プランク先生が預る事になりました。しかしグラブリー・プランク先生はハグリッドが学校の敷地内でセストラルを育てていてふくろうを襲わないよう躾けている事を知っていたのです。

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改めてセストラルについて(3)(4回シリーズ)

シリウスがヴォルデモートに捕らえられて魔法省の神秘部にいる。シリウスを助けに行かなくては!しかし一体どうやって行けばいいんだ?ハリーがそう思い悩んでいるとルーナが言ったのでした。全員飛ぶのよ!そしてハリーたち6人の前に現れたのが・・・(全3項目)

3-1.全員飛ぶのよ!
お言葉ですけどシリウスの事は私もあなたたちと同じぐらい心配してるのよとジニーは言うのです。だから私もロンドンに行く。ジニーが歯を食いしばると急にフレッドとジョージに驚くほどそっくりな顔になったのでした。

僕たちDAはみんな一緒だった。何もかもヴォルデモートと戦うためじゃなかったの?今回のは現実に何かできる初めてのチャンスなんだ。それとも全部ただのゲームだったの?だから僕もロンドンに行くとネビルも言うのです。

ハリーはロンと目が合った時「ロンも全く同じ事を考えている」と判ったのでした。自分自身それにロンとハーマイオニーの他にシリウス救出のためにDAのメンバーから誰かを選ぶとしたら決してこの3人は選ばなかっただろう。

しかしどっちにしろそれはどうでもいいんだ。だって「どうやってそこに行くのか?」がまだ分らないのだからとハリーが言うとルーナは癪に障る言い方で「それは解決済みだと思ったけど」とそう言うのです。その方法とは?

「全員飛ぶのよ!」

ルーナは落ち着き払って箒の他にも飛ぶ方法はあると言うのです。それにハグリッドが「あれは乗り手の探している場所を見つけるのがとっても上手いと言っていた」とも言うのです。そこでハリーがくるりと振り返ると・・・

二本の木の間で白い眼が気味悪く光りました。二頭のセストラルがまるで会話の内容が全部判っているかのようにこちらのほうを見つめていたのです。セストラルは爬虫類のような頭を振って長くて黒い鬣(たてがみ)を・・・

後ろに揺すり上げました。ハリーは手を伸ばすと一番近くにいるセストラルの艶やかな首を撫でました。こいつらの事を醜いなんて思った事があるなんて!ハーマイオニーはまだショック状態でしたが覚悟を決めたように・・・

「でも三頭必要ね」

するとジニーが顔をしかめてハーマイオニーに「四頭よ」と言うのです。ところが今度は何とルーナが「本当は全部で6人いると思うよ」と平然と言うのです。ハリーはネビルにジニーそれにルーナの3人を指差して言いました。

「君たちには関係ないんだ。君たちは-」

すると3人はまた一斉に激しく抗議しました。そこでハリーは3人に「勝手にしてくれ」と言いました。だけどセストラルがもっと見つからない事にはいくら3人が行きたいと言っても行けないじゃないかとハリーが言うと・・・

ジニーは言うのです。気がついていないかもしれないけどハリーもハーマイオニーも血だらけよ。この二頭だって多分それで現れたのよ。ハリーが振り向くと少なくとも六頭か七頭のセストラルがやって来るのが見えたのです。

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改めてセストラルについて(2)(4回シリーズ)

何故突然見えるようになったのか?どうして自分には見えてロンには見えないのか?そんなハリーの疑問を解き明かしてくれたのは巨人の居住地から帰って「魔法生物飼育学」の教職への復帰を果たしたハグリッドだったのです。ところが授業の途中で現れたアンブリッジが・・・(全3項目)

3-1.復帰後最初の授業で
何故突然見えるようになったのか?どうして自分には見えてロンには見えないのか?何分にも「私にも見える」と申し出てくれたのが他ならぬルーナ・ラブグッドだったため即座には確信を持てないハリーだったのですが・・・

そんなハリーの疑問をものの見事に解き明かしてくれたのは巨人の居住地から帰って「魔法生物飼育学」の教職への復帰を果たしたハグリッドでした。近づいて来る生徒たちにハグリッドは背後の暗い木立を振り返りつつ・・・

「今日はあそこで授業だ!」

ハグリッドは嬉々として生徒たちにこう呼びかけました。少しは寒さ凌ぎになるぞ。どっちにしろその生き物は暗い所が好きなんだそうです。それを聞いてドラコ・マルフォイは恐怖を覗かせた声を上げていたのですが・・・

ハグリッドが言うには「森の探索は5年生まで楽しみに取っておいた。連中を自然な生息地で見せてやろうと思ってな」との事でした。今日取り上げるのは珍しくてイギリスで飼い馴らすのに成功したのは多分俺だけだと・・・

本当に飼い馴らされているという自信があるのか?野蛮な動物を持ち込んだのはこれが最初じゃないだろう?マルフォイがますます恐怖を露わにした声でこう訊くとスリザリン生に加えて何人かのグリフィンドール生も・・・

マルフォイの言う事に同意しているようでした。ハグリッドはバカな質問が終わったら俺に従いて来いと言ってみんなに背を向け森の中にどんどん入って行きました。ものの10分も歩くと木が密生した夕暮れ時のような・・・

暗い場所に出ました。地面には雪も積もっていません。ハグリッドは肩に担いでいた死んだ牛の半身を下ろすと後ろに下がって生徒たちに向き合いました。ほとんどの生徒が「いつ何に襲われるんだろう?」という感じで・・・

戦々恐々という面持ちでしたがハグリッドはそんな生徒たちを励ますように「集まれ、集まれ」と言いました。あいつらは肉の臭いに引かれてやって来る。だが俺のほうからも呼んでみると言ってハグリッドは後ろを向き・・・

甲高い奇妙な叫び声を上げました。そしてもう一度叫んで1分が経ちました。すると暗がりの中で白く光る目が一対徐々に大きくなって来ました。そして新学期初日に学校の馬車を牽いていた「あの生き物」が姿を現したのです。

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改めてセストラルについて(1)(4回シリーズ)

さて!先週はハグリッドを取り上げたという事で今週はそれに関連してこの魔法生物の事を久方ぶりに振り返ってみる事にしました。ハリーは3年生の新学期初日に初めてセストラルが牽く馬車に乗りました。その時は「馬車は透明の馬に引かれている」と思ったのですが・・・(全3項目)

3-1.透明の馬
新学期初日ホグワーツ特急がホグズミード駅に到着すると新入生たちはハグリッドの「イッチ年生はこっちだ!」の声に呼び寄せられてボートに乗り湖を渡って組分けの儀式を受けます。昨年度2年生の時ハリーとロンは・・・

屋敷しもべ妖精のドビーに邪魔をされてホグワーツ特急に乗る事ができなかったのでハグリッドのこの声を聞くのは2年ぶりという事になりました。ハリーたち3人が振り返るとホームの向こう端にハグリッドの姿が見えました。

ハグリッドが群れの頭越しに大声でハリーたちに「3人とも元気か?」と呼びかけました。3人ともハグリッドに手を振ったものの話しかける事はありませんでした。周りの人波が3人をホームから逸れる方向へと押し流しました。

3人はその流れに従いて行き凸凹のぬかるんだ馬車道に出ました。そこにはざっと百台の馬車が生徒を待ち受けていました。馬車は透明の馬に引かれている。ハリーはそう思うしかありませんでした。何しろ不思議な事に・・・

馬車に乗り込んで扉を閉めると独りでに馬車が走り出してガタゴトと揺れながら隊列を組んで進んで行くのです。馬車は微かに黴(かび)と藁(わら)の匂いがしました。馬車は壮大な鉄の門をゆるゆると走り抜けて行きました。

門の両脇に石柱がありそのてっぺんには羽を生やしたイノシシの像が立っていました。城に向かう長い上り坂に差しかかると馬車はさらに速度を上げました。ハーマイオニーは小窓から身を乗り出し城の尖塔や大小の塔が・・・

徐々に近づいて来るのを眺めていました。そして一揺れして馬車は止まりました。そこから石段を上がって正面玄関の巨大な樫の扉を通って広々として明々と松明に照らされた玄関ホールに入り右のほうへ進んで行くと・・・

そこに大広間があるというわけなんですよね。

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あの人の名場面集~ルビウス・ハグリッドの場合(4)(シリーズ最終回)

ヴォルデモートがハリーに「死の呪文」を浴びせる瞬間を目の前で見せつけられたその上にハグリッドはヴォルデモートに命じられてハリーの遺体を運ばされる事になってしまいました。悲嘆に暮れるハグリッドだったのですが実はハリーは・・・(全3項目)

3-1.悲嘆に暮れるハグリッド、その1
最終学年の年度ハリーは学校に戻らずヴォルデモートの分霊箱を探し出して破壊する旅に出ると決意しました。そしてその最後の隠し場所が「ホグワーツ」だと判ってホグワーツ入りしたハリーたち3人だったのですが・・・

「必要の部屋」に隠されていたレイブンクローの失われた髪飾りを破壊してヴォルデモートの分霊箱は残す所あと1つという事になりました。ハリーたちはその蛇のナギニを追って「叫びの屋敷」へと向かいました。ところが!

スネイプが命と引き換えにハリーに差し出した「記憶」の中で衝撃の事実が明らかになったのです。ヴォルデモートの分霊箱は実は蛇のナギニの他にもう1つあったのです。ハリーにとっては非情の通告に他なりませんでした。

最後の最後まで必要になる時までハリーは知ってはならない。ヴォルデモート卿が蛇のナギニの命を心配しているような気配を見せる時が来るだろう。ヴォルデモート卿があの蛇を使い自分の命令を実行させる事を辞めて・・・

魔法の保護の下に安全に身近に置いておく時が来る。その時には多分ハリーに話しても大丈夫だろう。ダンブルドアにこう言われてスネイプが「何を話すと?」と訊くとダンブルドアは深く息を吸い目を閉じてこう答えたのです。

ヴォルデモート卿がハリーを殺害しようとしたあの夜。リリーが盾となって自らの命をヴォルデモートの前に投げ出した時「死の呪い」はヴォルデモートに撥ね返り破壊されたヴォルデモートの魂の一部がその建物の中の・・・

唯一残されていた生きた魂つまりハリーに引っかかった。ヴォルデモート卿の一部がハリーの中で生きている。その部分こそがハリーに蛇と話す力を与えヴォルデモートの心との繋がりをもたらしている。その魂の一部が・・・

ハリーに付着して守られている限りヴォルデモートは死ぬ事ができない。ハリーは自分の最後の任務は両手を広げて迎える「死」に向かって静かに歩いて行く事だと悟ったのでした。ハリーは「透明マント」を被ると・・・

校長室を出て「禁じられた森」に向かったのでした。

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あの人の名場面集~ルビウス・ハグリッドの場合(3)(4回シリーズ)

三大魔法学校対抗試合の最後の課題が行なわれたその日にハリーとダンブルドアがヴォルデモート卿の復活を声高に主張して来た事をきっかけに魔法大臣コーネリウス・ファッジはホグワーツに対する干渉を露骨に強めて来ました。その事が巡り巡ってハグリッドの身に降りかかって来たのです。そのためハグリッドは・・・(全3項目)

3-1.ハグリッドの頼み、その1
三大魔法学校対抗試合の最後の課題が行なわれたその日にハリーとダンブルドアが共にヴォルデモート卿の復活を声高に主張して来た事は魔法大臣コーネリウス・ファッジにしてみれば困惑以外の何物でもなかったんでしょうね。

2人の信用を失墜させようとファッジは策を講じ始めました。ダンブルドアから数々の要職を剥奪したり「日刊予言者新聞」に圧力をかけハリーは思い込みの激しい目立ちたがり屋で自分の事を悲劇のヒーローだと思っていると。

何とかしてハリーを黙らせたい!ファッジがそう思っている所に吉報が入って来ました。何とハリーがマグルの面前で「守護霊の呪文」を行使したというのです。ハリーを退学にするチャンスが舞い込んで来たという事で・・・

ファッジは法律を変えハリーの懲戒尋問を大法廷に切り替えました。そして自らが裁判長になったのです。さらに当日の朝尋問の開始時間を繰り上げダンブルドアが出廷できないようにしました。ところがダンブルドアは・・・

「幸運にも勘違いしましてな。魔法省に3時間も早く着いてしまったのじゃ。それで仔細なしじゃ」

ハリーの懲戒尋問にダンブルドアが来てしまったのです。ファッジが危惧していた通りの結果になりハリーは無罪放免という事になりました。こうしてファッジはハリーを退学に追い込む最大の機会を逃がしてしまったのでした。

しかしこれで万策尽きたというわけではありませんでした。ダンブルドアが「闇の魔術に対する防衛術」の後任の教師を見つける事ができなかったので、ファッジは新たな教育令を制定してドローレス・アンブリッジを・・・

ホグワーツに送り込む事に成功しました。さらに学期に入ってから「ホグワーツ高等尋問官」という職位を新たに設けアンブリッジをその座に就かせました。この職位にはホグワーツの教師を解雇する権限が与えられたのです。

そしてその候補になったのが・・・

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あの人の名場面集~ルビウス・ハグリッドの場合(2)(4回シリーズ)

5年生の新学期初日ホグズミード駅のホームに降り立ったハリーはあの懐かしい「イッチ年生はこっち」を聞こうとしました。ところが別の声が聞こえて来たのです。そこにハグリッドの姿はありませんでした。ハリーたち3人がようやくハグリッドと会う事ができたのは?(全3項目)

3-1.帰って来たハグリッド、その1
4年生の学期末にヴォルデモート卿の復活を見届けたというだけでもハリーにとっては十二分に衝撃的でした。ところが夏休みに入ってからさらにハリーを驚愕させる出来事が起きました。それはリトル・ウィンジングに・・・

何と吸魂鬼が現れたのです。ハリーは懲戒尋問を受ける事になり何度も「退学になるかも?」という思いに狩られ苦しむ事になりました。そのため9月1日の新学期初日をまた違った感慨の気持ちをもって迎える事になったのです。

ホグワーツ特急がホグズミード駅に到着してホームに降り立ったハリーはあの懐かしい「イッチ年生はこっち」を聞こうとしました。ところがその声が聞こえません。その代わりに全く別の声が呼びかけていたのです。それは?

「1年生はこっちに並んで!1年生は全員こっちにおいで!」

きびきびした魔女の声でした。それは去年一時期ハグリッドの代わりに「魔法生物飼育学」を教えたグラブリー・プランク先生でした。それを見てハリーは思わず「ハグリッドはどこ?」と口に出して言ってしまったのでした。

それからというものハリーは図体の大きいハグリッドなど探す必要などないのに食事のために大広間に入るたびについついその姿を探す習慣ができてしまいました。しかしそこにハグリッドの姿は当然なかったというわけです。

ハグリッドが帰って来たのはクィディッチの開幕戦グリフィンドール対スリザリンが行われた日の事でした。ハリーそれにフレッドとジョージの3人がクィディッチ終身禁止処分になり慰める言葉もないと思っていた所に・・・

ハーマイオニーが1つだけハリーとロンを元気づける事があるかもしれないと言い始めたのです。ハリーは「へーそうかい?」と言いつつも「そんな事あるわけがない」と思いました。ところがハーマイオニーが言うには・・・

「ハグリッドが帰って来たわ」

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あの人の名場面集~ルビウス・ハグリッドの場合(1)(4回シリーズ)

今年の8月に何とはなしに始めてシリーズ化という事になりました。来る12月6日が誕生日という事で今週は私の独断と偏見で選んだ「この人」の名場面を紹介してみる事にしました。そもそもの事の始まりはハリーの元に届けられた一通の手紙だったんですよね。(全3項目)

3-1.ハリー11才の誕生日に、その1
事の始まりはハリーの元に届けられた一通の手紙でした。バーノン叔父さんは「お前に手紙なんぞ書く奴がいるか?」とせせら笑いました。ところが片手でパラッと手紙を開いてチラリと目をやった途端に叔父さんの顔が・・・

素早く赤から青に変わりました。それだけではありませんでした。数秒後には腐りかけたお粥のような白っぽい灰色になったのです。ペチュニア叔母さんもまた最初の一行を読むと喉に手をやり窒息しそうな声を上げたのでした。

それからというものハリー宛ての手紙が毎日のように届けられて来ました。しかもその数は日ごとに増えて行ったのです。挙句の果てには煙突を通って暖炉から何十通もの手紙が雨あられと洪水のように降って来る有り様でした。

「みんな出発の準備をして5分後にここに集合だ。家を離れる事にする。着替えだけ持って来なさい。問答無用だ」

一行は一日中飲まず食わずで走りに走りました。バーノン叔父さんは時々急カーブを切り進行方向と反対に車を走らせながら「振り払うんだ。振り切るんだ」と呟いていました。しかしそんな叔父さんを嘲笑うかのように・・・

「ごめんなさいまっし。ハリー・ポッターという人はいなさるかね?今しがたフロントにこれとおんなじもんがざっと百ほど届いたがね」

ダーズリー一家とハリーが宿泊したホテルにも手紙が届いたのです。バーノン叔父さんは細長い包みを持ってにんまりしながら車に戻って来ました。申し分のない場所を見つけたそうです。バーノン叔父さんが指差す彼方には?

海の向こうに見えるのは大きな岩のてっぺんにある途方もなくみすぼらしい小屋でした。バーノン叔父さんは上機嫌で手を叩きながら「今夜は嵐が来るぞ!」と言いました。まさかこんな所まで手紙を届ける奴はいないだろう。

ハリーも叔父さんと同意見でした。がしかし当然喜ぶ気になれるはずなどありません。しかも明日はハリー11才の誕生日なのです。ハリーは寒さと空腹で眠れませんでした。夜が更けると嵐はますます激しさを増して行きました。

ところが!

7月31日の午前0時には・・・

ドーンという音が!

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