ハリーとダンブルドアの2ショットシーン(2)(8回シリーズ)

クリスマス休暇中に「みぞの鏡」の前でハリーとダンブルドアは会って初めて話をしました。ところが今度はハリーとダンブルドアは学期末試験終了後に医務室で会う事になりました。ハリーが意識を回復させるとダンブルドアがそこにいてハリーは病棟のベッドに横たわっていました。(全3項目)

3-1.気がつくとそこは
「先生!石!クィレルだったんです。クィレルが石を持っています。先生!早く」意識が回復して目の前にダンブルドアがいるのを見てハリーは思わずこう叫んだのでした。するとダンブルドアはハリーにこう言ったのでした。

「落ち着いてハリー。君は少ーし時間がずれとるよ。クィレルは石を持っとらん」

「じゃあ誰が?」と問うハリーにダンブルドアは「いいから落ち着きなさい。でないとわしがマダム・ポンフリーに追い出されてしまう」と言ってハリーにとにかく気持ちを落ち着けるようにと繰り返しハリーを諭したのでした。

そこでハリーが周囲を見回すと自分は医務室にいる事が判りました。脇のテーブルにはまるで菓子屋が半分そっくりそこに引っ越して来たかのように甘い物が山のように積み上げられていました。ハリーの視線に気づいて・・・

「君の友人や崇拝者からの贈り物だよ」

ダンブルドアは笑顔を見せてこう言ったのでした。さらに「地下で君とクィレル先生との間に起きた事は秘密でな。秘密という事はつまり学校中が知っているというわけじゃ」とも言いました。何でもフレッドとジョージは・・・

ハリーが面白がるだろうと思ってトイレの便座をくれたそうです。しかしマダム・ポンフリーが「あまり衛生的ではない」と没収してしまったんだそうです。ハリーが「僕はここにどのくらいいるんですか?」と訊くと・・・

ダンブルドアは「3日間じゃよ」と答えました。ロンとハーマイオニーは君が気がついたと知ったらほっとするだろう。2人ともそれはそれは心配しておった。しかしこう言うダンブルドアにハリーが言った事というのが・・・

「でも先生。石は・・・」

それを聞いてダンブルドアは・・・

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ハリーとダンブルドアの2ショットシーン(1)(8回シリーズ)

以前に「あの人とこの人の2ショットシーン」という記事をお届けしました。今週と来週の2週間に渡ってハリーとダンブルドアの2ショットシーンをやってみようと思います。最初のそのシーンはハリーが初めてダンブルドアと会話を交わした場面でもあるんですよね。それはクリスマス休暇中の事でした。(全3項目)

3-1.みぞの鏡との出会い
ハリーは思わず叫びそうになり両手で口を塞ぎました。鏡に映ったのは自分だけではない。ハリーのすぐ後ろに沢山の人がいたのです。しかし部屋には誰もいません。ハリーがもう一度振り返って鏡を見てみるとそこには・・・

青白い顔のハリーの後ろに少なくとも10人ぐらいの人がいます。手を伸ばしても空を掴むばかりでした。こんなにそばにいるのだから触れる事ができるはずなのに。何の手応えもありません。みんな鏡の中にしかいないのです。

君のお父さんが亡くなる前にこれを私に預けた。
君に返す時が来たようだ。
上手に使いなさい。
メリークリスマス


ハリーがクリスマスの夜に寮を抜け出したそもそものきっかけはその日に贈られた「透明マント」でした。これがあれば図書室の閲覧禁止の棚に行ってニコラス・フラメルの事を好きなだけ調べる事ができる。ところが・・・

「閲覧禁止の棚?それならまだ遠くまで行くまい。捕まえられる」

ハリーが最初に手にした本を開くと何と叫び声を上げました。ハリーは血の気が引くのを感じました。駆けつけて来た管理人のフィルチにこう返事をしたのがスネイプだったからです。そして何とか滑り込んだその教室で・・・

ハリーはこの不思議な鏡に出会いました。そしてハリーは気づいたのです。とてもきれいな女性だ。ハリーのすぐ後ろにいる女の人は深みがかった赤い髪で目は僕とそっくりだ!明るい緑の目だ。形も僕の目とほとんど同じだ。

その隣には痩せて背の高い黒髪の男の人が腕を回してその女の人の肩を抱いています。その男の人はメガネをかけ髪がクシャクシャだ。後ろの毛が立っている。自分と同じだ。2人は微笑みながらハリーを見つめるばかりでした。

「ママ?パパ?」

そこにいたのはハリーの両親を含めたポッター家の人たちでした。どのくらいここにいたのだろう?いつまでもここにいるわけにはいかない。ハリーは鏡の中の両親とポッター家の人たちに「また来るからね」と言うと・・・

部屋を出たのでした。

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改めて5巻のドビーについて(4)(シリーズ最終回)

クリスマス休暇明けもハリー自身も魔法界もさらには学校の中も静まる気配は露ほども感じられませんでした。そしてイースター休暇前最後の練習の時でした。突然ドビーが「必要の部屋」にやって来たのです。その理由は「あの女が来るのか?」とハリーが訊くとドビーは・・・(全3項目)

3-1.イースター休暇前最後の練習で
クリスマス休暇明けもハリー自身もそうだったのですが周囲も静まる気配は露ほども感じられませんでした。ハリーは休暇明けからダンブルドア校長の肝煎りで「閉心術」という魔法を習得するため課外授業を受ける事に・・・

ところがそれを教えたのがスネイプだったのです。他にも10人もの死喰い人がアズカバンから脱獄しました。そのお陰でDAのメンバー全員にカツが入りザカリアス・スミスさえ熱心に練習するという意外な展開になったり・・・

ルーナのお父さんが発行していてハーマイオニーがクズ呼ばわりした雑誌「クィブラー」にハリーのインタビュー記事が載って、生徒と先生方(多分)の全員が読んでアンブリッジのいない所では話題騒然になるという事も・・・

そしてついにアンブリッジがトレローニー先生をクビにするという出来事もありました。ハリーは「今度はハグリッドの番なのでは?」と緊張と心配が続く事になってしまいました。その一方で先生方もハーマイオニーも・・・

口を酸っぱくしてハリーたちに言い聞かせていました。ふくろう試験が刻々と迫っていました。全ての5年生が多かれ少なかれストレスを感じていましたが「薬草学」の授業中にハンナ・アボットが突然泣き出してしまい・・・

自分の頭では試験は無理だから今すぐ学校を辞めたいと言ってマダム・ポンフリーの「鎮静水薬」を飲む第一号になったのです。そんな中ハリーも「DAがなかったら自分はどんなに惨めだろう」と思わずにはいられませんでした。

「必要の部屋」で過ごす数時間のために生きているように感じる事さえありました。きつい練習でしたが同時に楽しくて仕方ありませんでした。みんながどれだけ進歩したかを見るたびにハリーは誇りで胸が一杯になりました。

しかしその「必要の部屋」の事を教えてくれたのはドビーだったのです。ところがそんなドビーがDAのメンバーが練習をしている真っ最中に「必要の部屋」を訪れたのです。それはイースター休暇前最後の練習の時だったのです。

ドビーが来たその理由というのが・・・

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改めて5巻のドビーについて(3)(4回シリーズ)

12月になりクリスマスが近づいてもハーマイオニーと屋敷しもべ妖精の気持ちはすれ違ったままでした。それというのもハリーはハーマイオニーが作った毛糸の帽子や靴下をドビーが全部取ってしまっている事を話していなかったからです。そして休暇前最後のDA会合が行われた後にハリーは・・・(全3項目)

3-1.12月になって
今さら判り切った事をとおっしゃる方もおられるでしょうが、ホグワーツでは5年生になると男女それぞれ1名ずつが監督生に任命されます。そして当の本人もびっくり仰天のロンと当然のハーマイオニーがその任に就きました。

12月になるとホグワーツにはドーンと雪が降り積もりました。学期末にはふくろう試験が控えているので5年生には宿題が雪崩のように押し寄せました。さらにロンとハーマイオニーには監督生としての役目も加わったのでした。

クリスマスが近づくにつれて監督生としての2人の負担はどんどん重くなって行きました。城の飾りつけの監督をしたり1年生と2年生が尋常じゃない寒さのため休み時間も城内にいるのを監視したり管理人のフィルチと・・・

交代で廊下の見回りをしたりしました。大量の宿題に監督生としての仕事もあるという事で2人とも忙しすぎてハーマイオニーはついに屋敷しもべ妖精の帽子を編む事を止めてしまいました。あと3つしか残っていないそうです。

「まだ解放してあげられない可哀想な妖精たち。ここでクリスマスを過ごさなきゃならないんだわ。帽子が足りないばっかりに!」

こう言ってハーマイオニーは焦っていました。しかしハーマイオニーが作った物は帽子も靴下も全部ドビーが取ってしまっていました。だからハーマイオニーが談話室に置いた物で自由になった屋敷しもべ妖精などいないのです。

ハリーはその事をハーマイオニーには話していませんでした。言い出せずにいたのです。そのためハリーは下を向いたまま「魔法史」のレポートに深々と覆い被さったのでした。そうこうする内にクリスマス休暇前最後の・・・

「闇の魔術に対する防衛術」の自習グループつまりダンブルドア軍団の会合の日がやって来たのでした。

そこではドビーが・・・

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改めて5巻のドビーについて(2)(4回シリーズ)

ハリーは当初ドビーに期待をしていたわけではありませんでした。要するに「駄目で元々」と思っていたというわけです。ところがドビーはハリーに「凄いな。ぴったりだよ」と言わしめるほどの情報を提供してくれたのです。それはドビーも使った事があったからだったのです。その場所とは?(全3項目)

3-1.意外な事に
ちょっと待ってドビー。君に助けて貰いたい事があるよ。こう言ってはみたもののハリーはドビーに対して期待をしていたわけではありませんでした。ドビーの顔から笑顔が消えて両耳がうなだれるだろうとハリーは思いました。

無理です。あるいはどこか探してはみますがあまり期待は持たぬようにと言うだろう。それでも駄目で元々だしというわけなんですよね。ドビーは向き直るとにっこりとして「何でもおっしゃってください」と言ったのでした。

場所を探しているんだ。28人が「闇の魔術に対する防衛術」を練習できて先生方に見つからない所。ハリーは固く拳を握りました。傷痕が蒼白く光りました。そしてハリーは最後に「特にアンフリッジ先生には」と言いました。

ここで何とハリーにとっては極めて意外な事にドビーは両の耳をうれしそうにパタパタさせてピョンと小躍りをしました。さらにドビーは両の手を打ち鳴らしたのです。そしてハリーに対してこう言ったというわけなんですよね。

「ドビーめはぴったりな場所を知っております。はい!」

ドビーはうれしそうにハリーにこう言ったのでした。まさかドビーの話を聞いて好奇心に駆られるとは!ハリーもこんな日が来るなんて夢にも思わなかったでしょう。しかもドビーはその場所を使った事があるとそう言うのです。

その場所をドビーが知ったのは・・・

そして使ったのは?

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改めて5巻のドビーについて(1)(4回シリーズ)

さて!来たる6月28日が誕生日という事もありますし年頭に取り上げると言った公約でもあるので今週は屋敷しもべ妖精のドビーをやる事にします。昨年度ハーマイオニーはホグワーツにも百人以上の屋敷しもべ妖精がいると知って頑張ったものの極めて不本意な結果になってしまいました。今年は作戦を変えたようですが?(全3項目)

3-1.しもべ妖精の帽子
屋敷しもべ妖精が正当な報酬と労働条件を獲得できるように頑張る!1年前にホグワーツにも百人以上の屋敷しもべ妖精がいると知ったハーマイオニーは一念発起して屋敷しもべ妖精の権利獲得のために立ち上がったのでした。

ところが「しもべ妖精福祉振興協会」なるものまで設立して「今のままじゃ駄目なのよ!」と訴えたのにも関わらず、当のホグワーツの屋敷しもべ妖精たちに暗に「現状で十分満足している」と態度で示されてしまったのでした。

ハーマイオニーがカバンから妙な形の毛糸編みを2つ引っ張り出し暖炉脇のテーブルにそっと置きました。そしてくしゃくしゃになった羊皮紙の切れ端と折れた羽根ペンで覆うと効果を味わうように少し離れてそれを眺めました。

「何をおっばじめたんだ?」
「屋敷しもべ妖精の帽子よ」

ロンは正気を疑うような目でハーマイオニーを見ました。何でも夏休みに作ったんだそうです。自分は魔法が使えないととっても編むのが遅い。でももう学校に戻って来て魔法で編めるからもっと沢山作れるはずだとの事でした。

「しもべ妖精の帽子を置いとくのか?しかもまずゴミくずで隠しているのか?」

こう訊くロンにハーマイオニーは挑戦するように「そうよ」と答えました。するとロンは怒って「そりゃないぜ。連中を騙して帽子を拾わせようとしてる。自由になりたがっていないのに自由にしようとしてるんだ」と・・・

そう抗議するロンにハーマイオニーは「もちろん自由になりたがってるわ!絶対帽子に触っちゃ駄目よ!」と言って寝室に消えて行ったのでした。ロンはハーマイオニーがいなくなった後に帽子を覆ったゴミを払ったのでした。

「少なくとも何を拾っているか見えるようにすべきだ」

しかしハーマイオニーがしたこの行動が・・・

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吸魂鬼~ハリーはどう克服して来たのか?(4)(シリーズ最終回)

ヴォルデモートに再び「死の呪文」を撃たれたのにハリーは生きていました。ヴォルデモートと死喰い人が「禁じられた森」の端に辿り着くと森の境界を見回っていた吸魂鬼のガラガラという音が聞こえて来ました。しかしもはや吸魂鬼が自分に影響を与える事はないだろうとハリーは思ったのでした。その理由は?(全3項目)

3-1.禁じられた森で
ヴォルデモートに「死の呪文」を撃たれたハリーはうつ伏せになって「禁じられた森」の地面に倒れていました。ハリーが死んだ事を祝う歓声が聞こえると思いきや周囲は慌しい足音に囁き声や気遣わしげな声が満ちていました。

「あいつは・・・死んだか?」

「死の呪文」でハリーを撃った時に何事かが起きてヴォルデモートもまた倒れていたようです。起き上がったヴォルデモートが一同にこう問いかけました。がしかし返事をする者はおらず空き地は完全に静まり返っていました。

「お前」というヴォルデモートの声と共にバーンという音がして痛そうな小さい悲鳴が聞こえました。誰かが検死役に指名されたようです。持ち主の意に逆らい激しく脈打つ心臓を抱えてその場に横たわりハリーは待ちました。

「ドラコは生きていますか?城にいるのですか?」

ほとんど聞き取れないほどの微かな声でした。女性は唇をハリーの耳につくほど近づけ覆い被さるようにしてその長い髪でハリーの顔を周囲の死喰い人たちから隠していました。ハリーが「ええ」と囁き返すとその女性は・・・

胸に置かれた手がぎゅっと縮みハリーはその爪が肌に突き刺さるのを感じました。その手が引っ込められると女性は体を起こしました。そして見守る人たちに向かってこう叫んだのでした。それを聞いてハリーが思った事とは?

「死んでいます!」

地面に倒れて死んだふりをしながらハリーは事態を理解しました。ナルシッサ・マルフォイは息子を探すには勝利軍としてホグワーツ城に入るしかない事を知っていたのです。ナルシッサにとっては大事なのは息子の事で・・・

ヴォルデモートが勝とうが負けようがそんな事はもはやどうでもよかったのです。そしてヴォルデモートは破滅への道を歩み始めたなどとは露知らず配下の死喰い人と巨人を引き連れてホグワーツ城を目指し歩み始めたのでした。

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吸魂鬼~ハリーはどう克服して来たのか?(3)(4回シリーズ)

世界の終わりが来た。それなのに何故誰も戦いを止めないのか?何故城が恐怖で静かにならず戦う者全員が武器を捨てないのか?フレッド・ウィーズリーの死に接してハリーは吸魂鬼を目の前にしても守護霊を創る事ができませんでした。そんなハリーの窮地を救ってくれたのが・・・(全3項目)

3-1.フレッドの死
世界の終わりが来た。それなのに何故誰も戦いを止めないのか?何故城が恐怖で静かにならず戦う者全員が武器を捨てないのか?ハリーは目の前で起きた現実を到底飲み込む事ができず心は奈落の底へと落ちて行ったのでした。

フレッド・ウィーズリーが死ぬはずがない。自分の感覚の全てが嘘をついているのだ。ついさっき仲直りしたばかりだというのに。パーシーはフレッドの遺体の上に覆いかぶさってフレッドをこれ以上傷つけまいとしていました。

「移動だ。行くぞ!」

ハーマイオニーを押してロンと一緒に行かせるとハリーは屈んでフレッドの腋の下を抱え込みました。ハリーが何をしようとしているのかに気づいたパーシーはフレッドにしがみつくのを止めてハリーを手伝い始めたのでした。

身を低くし校庭から飛んで来る呪いをかわしながらハリーとパーシーは力を合わせてフレッドをその場から移動させました。2人は甲冑が不在になっている壁の窪みにフレッドの遺体を置きました。しかしフレッドの死が・・・

フレッドの死がハリーにロンそしてハーマイオニーの心に重くのしかかりました。ヴォルデモートが蛇のナギニと共に「叫びの屋敷」にいる事が判り校庭に出たハリーたちだったのですがそんな3人の行く手を阻んだのが・・・

周りの空気が凍りました。ハリーの息は詰まり胸の中で固まりました。暗闇から現れた姿は闇よりも一層黒く渦巻き城に向かって大きな波のようにうごめき移動し顔はフードで覆われガラガラと断末魔の息を響かせながら・・・

吸魂鬼でした。

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吸魂鬼~ハリーはどう克服して来たのか?(2)(4回シリーズ)

こうしてハリーは3年生の時に「守護霊の呪文」を習得し5年生の時には他の生徒に教えたりもしました。そして最終学年の年度にはヴォルデモートの分霊箱を手に入れるために魔法省に潜入した際に「この魔法」が活躍する事になったんですよね。(全3項目)

3-1.魔法省の地下法廷に
ハリーは5年生の時にはプリベット通り4番地近くの路地でドローレス・アンブリッジが未承認で派遣した吸魂鬼に襲われました。ダドリーが危うく魂を奪われそうになりましたがこの時も守護霊を創って何とか難を逃れました。

ただ懲戒尋問を受ける事になってしまいました。そして学期が始まってハーマイオニーの発案で組織されたダンブルドア軍団のメンバーにもハリーは「守護霊の呪文」を教えて何人かがこの魔法を習得する事ができたんですよね。

ところがハリーは吸魂鬼がいるのにも関わらず守護霊を創る事ができない状況に置かれる事になってしまったのです。それはヴォルデモートの分霊箱を手に入れるためハリーたち3人が魔法省に潜入したその時の事だったのです。

ハリーはその分霊箱を持っているアンブリッジに地下法廷に連れていかれたハーマイオニーの所に行くため階段を下りていました。どうやってハーマイオニーを連れ出そう?ハリーは考えるのに夢中で最初は気づきませんでした。

不自然な冷気にじわじわと包まれ冷たい霧の中に入って行くような感じでした。階段を一段下りる毎に冷気が増しそれは喉から真っ直ぐに入り込んで肺を引き裂くようでした。それからあの忍び寄る絶望感と無気力感が・・・

「吸魂鬼だ」とハリーは思いました。階段を下り切って右に曲がると恐ろしい光景が目に入って来ました。法廷の外の暗い廊下は黒いフードを被った背の高い姿で一杯でした。尋問に連行されて来たマグル生まれたちは・・・

石のように身を強張らせ堅い木のベンチに体を寄せ合って震えています。ほとんどの人が顔を両手で覆っていました。多分吸魂鬼の意地汚い口から本能的に自らを守っているのだとハリーは思いました。その人たちの前を・・・

吸魂鬼は滑るように往ったり来たりしています。ハリーは自分に「戦え」と言い聞かせました。ハリーは「透明マント」を被っていたので守護霊を創るわけにはいかなかったのです。そこでハリーはできるだけ静かに進みました。

すると吸魂鬼が・・・

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吸魂鬼~ハリーはどう克服して来たのか?(1)(4回シリーズ)

当初ハリーは他の誰よりもひどい状態つまり気を失ってしまうほど吸魂鬼の事が苦手でした。そこで今週は「ハリーはその極めて苦手だった吸魂鬼をどう克服したのか?」の過程を振り返ってみる事にしました。ハリーが初めて吸魂鬼に遭遇したのは3年生の新学期初日でした。(全3項目)

3-1.3年生の新学期初日に
今さら説明するまでもない事かもしれませんがハリーが初めて吸魂鬼と遭遇したのは3年生の新学期初日にホグワーツ特急が吸魂鬼の捜索を受けた時でした。列車が速度を落とすのでホグズミード駅に近づいたと思いきや・・・

「腹ペコだ。宴会が待ち遠しい」と言うロンにハーマイオニーが時計を見ながら「まだ着かないはず」と言いました。そのためロンが「じゃ何で止まるんだ?」と言っている間にもホグワーツ特急はますます速度を落としました。

汽車が止まったと思ったら何の前触れもなく明かりが一斉に消えて真っ暗闇になりました。ハリーたち3人にルーピン先生のいるコンパートメントにジニーとネビルが入って来て押し問答をしていると突然しわがれ声が・・・

「静かに!」

ずっと眠っていたルーピン先生がついに目を覚ましたようです。ルーピン先生がいる奥のほうで何か動く音がしてみんなが黙りました。柔らかなカチリという音の後に灯りが揺らめいてコンパートメント全体を照らしたのでした。

ルーピン先生は手の平一杯に炎を持っているようです。炎がルーピン先生の疲れたような灰色の顔を照らしました。目だけが油断なく鋭く警戒しています。ルーピン先生はさっきと同じしわがれ声で「動かないで」と言うと・・・

ゆっくりと立ち上がり手の平の灯りを前に突き出しました。ルーピン先生が辿り着く前に扉がゆっくりと開きました。そこに立っていたのはマントを着た天井までも届きそうな黒い影でした。顔はすっぽりと頭巾に覆われ・・・

ハリーは上から下へとその影に目を走らせました。そして胃が縮むような物を見てしまったという感じでした。マントから突き出しているその手は灰白色に冷たく光り穢らわしいかさぶたに覆われ水中で腐敗した死骸のような手。

その手が見えたのはほんの一瞬でした。まるでその生き物がハリーの視線に気づいたかのように突如引っ込められました。その頭巾に覆われた得体の知れない何者かがガラガラと音を立てて長くゆっくりと息を吸い込みました。

まるでその周囲から空気以外の何かを吸い込もうとしているようです。ぞっとするような冷気が全員を襲いました。ハリーの目玉が引っくり返りました。何も見えない。ハリーは冷気に溺れて行きました。そしてハリーは・・・

気を失ったのでした。

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全身金縛りの呪文(4)(シリーズ最終回)

何とかしてハリーの最期の願いをやり遂げてあげたい!こう考えてネビルは虎視眈々とチャンスを伺っていたのです。すると何と驚くべき事に思ってもみなかった所からそれはそれは意外な物が出て来てネビルはハリーから頼まれていた事を達成できたのでした。その時ネビルは・・・(全3項目)

3-1.一度ならずも二度までも
ダンブルドアの葬儀に参列して「来年度は学校に戻らずヴォルデモートの分霊箱を探し出して破壊する旅に出る」との決意を固めたハリーだったのでした。ところが一度ならずも二度までも死を覚悟する事になってしまいました。

一度目はプリベット通り4番地からトンクス邸に移動する時でした。トンクス邸に到着する直前にヴォルデモートに追いつかれ「もうお終いだ」と思ったその時でした。ハリーの柊の杖が勝手に動いて金色の炎が噴き出し・・・

ヴォルデモートがルシウス・マルフォイから借りた杖を破壊したのです。そして二度目はハリーがホグワーツ入りして雌雄を決する戦いが始まった後の事でした。スネイプが命と引き換えにハリーに差し出した記憶の中で・・・

ヴォルデモートがハリーを殺害しようとしたあの夜。リリーが盾となり自らの命をヴォルデモートの前に投げ出した時。ヴォルデモートの魂の一部が崩れ落ちる建物の中に唯一残されていた生きた魂つまりハリーに引っ掛かった。

ヴォルデモートの魂の一部がハリーの中で生きている。その魂の欠けらがハリーに付着して守られている限りヴォルデモートは死ぬ事ができない。ハリーは自分の「死ななければならない」という苛酷な運命を知ったのでした。

しかしまだ最後の分霊箱が残っている。蛇のナギニだ。そこでハリーは「透明マント」を脱ぐとネビルに頼んだのでした。もしロンとハーマイオニーが忙しくて君にそういう機会があったらナギニを殺害してくれ。そして・・・

その時ハグリッドの腕に抱かれたハリーは実は生きていました。ナルシッサ・マルフォイの思いを知って嘆き悲しむハグリッドを見て「生きていると仄めかす事など到底できない」と思ったハリーは死んだフリをしていたのです。

しかしハリーに最後に「蛇のナギニを殺害してくれ」と頼まれたネビルはそれをハリーの最期の頼みと受け止めたのでしょう。

そこで・・・

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全身金縛りの呪文(3)(4回シリーズ)

ハリーは今学期ダンブルドアの個人教授を受ける事になりました。そこで学んだのは「ヴォルデモートを真に滅ぼすためにはヴォルデモートが作った複数の分霊箱を探し出して破壊しなければならない」という事でした。そしてその1つを手に入れたと思ったら・・・(全3項目)

3-1.ホグワーツに闇の印
プリベット通り4番地から連れ出されたその日の夜ハリーはダンブルドアから今学期自分の個人教授を受けて欲しいと申し入れをされました。そこではヴォルデモートを真に滅ぼすためには何をすべきかを学ぶ事になりました。

ヴォルデモートは自分を不滅にするために分霊箱しかもそれを複数作る事を考えていた。全ての分霊箱を探し出して破壊しなければヴォルデモートを真に滅ぼす事はできない。そしてその内の1つの隠し場所が判明したのでした。

やりました先生!分霊箱を手に入れました!ホグズミード村に帰って来てこう言ったハリーでしたが、ダンブルドアはぐらりとハリーに倒れかかりました。一瞬自分の未熟な「姿現わし」のせいだと思ったハリーでしたが・・・

遠い街灯の明かりに照らされたダンブルドアの顔が前にも増して蒼白く衰弱しているのが見えました。ハリーは助けを求めようと必死の思いで周囲を見回しましたが人影はありません。暫くダンブルドアを1人にしないと・・・

しかしハリーが次の行動を起こさない内に誰かの走る足音が聞こえました。ハリーは心が躍りました。誰かが見つけてくれた。ハリーが再び見回すとマダム・ロスメルタが暗い通りを小走りに駆けて来ました。ところが・・・

ハリーが僕が学校に行って助けを呼んで来るまで「三本の箒」でダンブルドアを休ませて欲しいと頼むとマダム・ロスメルタは「1人で学校に行くなんてできない」と言うのです。しかしハリーはそれを聞いてはいませんでした。

「何があったのじゃ?何かあったのか?」と訊くダンブルドアにマダム・ロスメルタはホグワーツのほうの空を指差し「闇の印よ」と答えたのでした。その言葉で背筋がぞっと寒くなりハリーが振り返って空を見上げると・・・

学校の上空に確かに「あの印」があったのです。

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全身金縛りの呪文(2)(4回シリーズ)

ハリー6年生の夏休みに「夜の闇横丁」のボージン・アンド・バークスでドラコ・マルフォイを見てからというものハリーはマルフォイの行動の意味を考えて過ごす日々が続きました。そこでハリーは新学期初日にホグワーツ特急に乗った際にマルフォイのいるコンパートメントに潜入したのですが・・・(全3項目)

3-1.潜入
ハリーが付き添い姿くらましでダンブルドアに連れられて「隠れ穴」入りしたちょうどその日にはふくろう試験の結果が届きました。そしてハリー16才の誕生日のその翌日には学校から教科書リスト同封の手紙が届いたのでした。

そこで8月最初の土曜日にダイアゴン横丁に行く事になりました。ところがそこでハリーたちは母親のナルシッサを撒いて1人で「夜の闇横丁」のボージン・アンド・バークスに入っているドラコ・マルフォイを目撃したのです。

満足気に意気揚々と店から出て来るマルフォイを見てからというものハリーは気がかりでなりませんでした。マルフォイをあそこまで喜ばせる事がいい話であるはずがない。ところが考えている間に9月1日が来てしまいました。

そしてそれはホグワーツ特急でスラグホーンのコンパートメントから帰る途中の事でした。突然閃いた考えは無鉄砲だがもし上手く行けば素晴らしい。目の前にいるブレーズ・ザビニはスリザリンの6年生がいる所に入って行く。

ドラコ・マルフォイもそこにいるはずだ。だから「透明マント」を被ってそのコンパートメントに入り込む事ができさえすれば「どんな秘密でも見聞きできるのではないか?」とハリーは考えたのでした。そこでハリーは・・・

ハリーはジニーとネビルに声を潜めて「2人とも後で会おう」と告げるとマントを被ってザビニを追いました。ザビニが扉を閉め切る寸前にハリーは敷居に片足を突き出して扉を止めました。そして扉を掴んで押し開けました。

ザビニは取っ手を掴んだままだったので横っ飛びにグレゴリー・ゴイルの膝に倒れました。ハリーはどさくさに紛れてコンパートメントに飛び込み空席になっていたザビニの席に飛び上がるとそこから荷物棚によじ登りました。

ゴイルとザビニが歯を剥き出して唸り合いスリザリン生たちの目がそっちに向いていたのは幸いでした。マントがはためいた時に足が見え上のほうに消えて行くスニーカーをマルフォイが目で追っていたような気がしたからです。

こうしてハリーは・・・

ドラコ・マルフォイのいるコンパートメントに・・・

潜入したのでした。

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全身金縛りの呪文(1)(4回シリーズ)

この「全身金縛りの呪文」という魔法は実はハリーポッター・シリーズの極めて重要な局面に結構登場しているんですよね。まず初日の今日は第1巻「賢者の石」からです。全ての策が水泡に帰し万策尽きたハリーは「こうなったら自分が賢者の石を手に入れるしかない!」と決心したのでした。ところが・・・(全3項目)

3-1.賢者の石が狙われるのは今夜だ!
それはハリーたち3人がホグワーツに入って最初の学期末試験を終えた直後の事でした。三頭犬のフラッフィーなんてなだめ方さえ知ってれば簡単だ。音楽を聞かせればすぐ眠ってしまう。ハグリッドが3人にこう言ったのです。

そう言ってしまってからハグリッドは「しまった。大変だ」という顔をしました。そして「お前たちに話しちゃいけなかったんだ!」と慌てて言うと「忘れてくれ!」と言いました。しかし3人は無言で城に引き返したのでした。

「ダンブルドアの所に行かなくちゃ」

ハグリッドが怪しい奴にフラッフィーの手なずけ方を教えてしまった。その人物はスネイプかヴォルデモートだったんだ。ところがそこにマクゴナガル先生が現れてダンブルドア校長は魔法省から緊急のふくろう便が来て・・・

「先生がいらっしゃらない?この肝心な時に?」

こう言うハリーにマクゴナガル先生は「ダンブルドア先生は偉大な魔法使いですから大変ご多忙でいらっしゃる」と言ったのでした。しかし3人はダンブルドアがいないと聞いて「石が狙われるのは今夜だ!」と思ったのでした。

そこでハリーたちは賢者の石を守るために行動を開始しました。しかしハリーたちが講じた策はことごとく粉砕してしまったのでした。結局3人ともすごすごと談話室に戻って来てしまう事になってしまいました。そこで・・・

「じゃあもう僕が行くしかない。そうだろう?」

ハリーが言い出した事とは?

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改めてドラコ・ナルシッサ母子について考える(4)(シリーズ最終回)

闇の帝王に「死の呪文」を撃たれて倒れているハリーの検死役に指名されたのはナルシッサ・マルフォイでした。持ち主の意に逆らい激しく脈打つ心臓を抱えてハリーは待ちました。そして起き上がったナルシッサが叫んだ言葉を聞いてハリーはその事態を理解したのでした。(全3項目)

3-1.検死に来たのは?
闇の帝王に「死の呪文」を撃たれたハリーは「禁じられた森」の地面にうつ伏せになって倒れていました。ハリーは倒れたままのその位置で左腕は不自然な角度に曲がり口はぽかんと開けたままでじっと動かずにしていました。

ハリーが死んだ事を祝う勝利の歓声が聞こえると思いきや周囲は慌しい足音に囁き声や誰かを気遣う呟き声に満ち溢れていました。どうやら「死の呪文」を撃ったその瞬間に何事かが起き闇の帝王もまた倒れていたようでした。

「我が君。どうか私めに」と言うベラトリックス・レストレンジに闇の帝王は「手助けは要らぬ」と冷たく言っていました。ハリーには見えませんでしたがベラトリックスが差し出したその手を引っ込める様子が想像できました。

「あいつは・・・死んだか?」

その場は完全に静まり返っていました。誰もハリーに近づこうとしません。全員の目が自分に注がれるのを感じハリーはますます強く地面に押し付けられているような気がしました。指1本いや瞼の片方が動いてしまうのでは?

「お前」

闇の帝王のこの声と共にバーンという音がして痛そうな小さい悲鳴が聞こえて来ました。誰かがハリーの検死役に指名されたようです。持ち主の意に逆らい激しく脈打つ心臓を抱えてその場に横たわったままハリーは待ちました。

「あいつを調べろ。死んでいるかどうか。俺様に知らせるのだ」

検死に来たのは?

ナルシッサ・マルフォイでした。

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改めてドラコ・ナルシッサ母子について考える(3)(4回シリーズ)

息子ドラコの身を案じてスネイプに「破れぬ誓い」まで結ばせたナルシッサだったのですが「親の心子知らず」とはこの事でドラコはナルシッサに「もう子供じゃないんだ。ひとりで買い物ぐらいできます」と息巻いていたのでした。その挙句にドラコはナルシッサを撒いて・・・(全3項目)

3-1.マダム・マルキンの店で
こうしてドラコを見守り危害が及ばぬよう力の限り護る。そしてもし失敗しそうになった時には闇の帝王がドラコに命じた行為を実行する。そうスネイプに約束させ「破れぬ誓い」まで結ばせたナルシッサだったのですが・・・

8月1日には学校から教科書リストが同封された手紙が届きました。当然ドラコは闇の帝王に秘密の任務を命じられているので命を狙われる事などないのですが表向きはそうと気づかれないよう振舞わなければいけないので・・・

ナルシッサとドラコは8月最初の土曜日にダイアゴン横丁に出かけたのでした。にも関わらずその日ドラコはマダム・マルキンの店で「もう子供じゃないんだ。ひとりで買い物ぐらいできます」と苛立ちを露わにしていました。

「母上、何が臭いのか訝っておいででしたら、たった今穢れた血が入って来ましたよ」

そんなドラコの不機嫌にさらに拍車をかけるようにハリーにロンそれにハーマイオニーの3人が入って来たのです。ローブ掛けの後ろからマダム・マルキンが現れて「そんな言葉は使って欲しくありませんね!」と抗議しました。

さらにマダム・マルキンは「私の店で杖を引っ張り出すのもお断りです」と付け加えました。ハリーとロンが杖を構えてドラコを狙っていたからです。しかしドラコはひるむ様子も見せずハリーとロンにこう言い放ったのでした。

「フン。学校の外で魔法を使う勇気なんかないくせに」

さらにハーマイオニーの目の痣を見咎めて「誰にやられた?そいつらに花でも贈りたいよ」と言うとマダム・マルキンは我慢できないとばかりに「いい加減になさい!」と厳しい口調で言うと振り返って加勢を求めたのでした。

「奥様-どうか-」

ローブ掛けの陰から現れたのが・・・

ナルシッサだったのです。

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改めてドラコ・ナルシッサ母子について考える(2)(4回シリーズ)

闇の帝王がルシウスにご立腹ではないなどと取り繕う事はできない。闇の帝王はお怒りだ。しかも非常にお怒りだ。ナルシッサの言う通りで闇の帝王がドラコを指名したのはやはりルシウスを罰するためだったのです。そして我輩がドラコを手助けできるかもしれんと言うスネイプにナルシッサは・・・(全3項目)

3-1.ドラコを選んだ理由は?
だからあの方はドラコを選んだのよ。そうでしょう?ルシウスを罰するためでしょう?そう詰め寄るナルシッサに対してスネイプは目を背けたまま「ドラコが成功すれば他の誰よりも高い栄誉を得るだろう」と言ったのでした。

しかしナルシッサは「でもあの子は成功しない!」とそう言うのです。あの子にどうしてできましょう?闇の帝王ご自身でさえできなかったというのに。ベラトリックスが息を呑むのを聞いてナルシッサは気が挫けたようでした。

つまりは誰も成功した事がないのだから。だからお願い。あなたは初めからそして今でもドラコの好きな先生だわ。ルシウスの昔からの友人で闇の帝王のお気に入りで相談役として一番信用されているのだから。だからこそ・・・

お願いです。闇の帝王を説得して欲しいと再び懇願するナルシッサにスネイプはすげなく言ったのでした。闇の帝王は説得される方ではない。それに我輩も説得しようとするほど愚かではない。さらにはスネイプとしても・・・

闇の帝王がルシウスにご立腹ではないなどと取り繕う事はできない。ルシウスは指揮を執るはずだった。それが自分自身が捕まってしまったばかりか他に何人も捕まった。それに加えて予言を取り戻す事にも失敗してしまった。

闇の帝王はお怒りだ。しかも非常にお怒りだ。スネイプにこう言われてナルシッサは「それじゃ思った通りだわ。あの方は見せしめのためにドラコを選んだのよ!」と声を詰らせて言ったのでした。すなわち闇の帝王は・・・

あの子を成功させるつもりなどなく途中で死なせる事がお望みなのよ!どうやら図星のようでスネイプが反論できずに黙っていると、ナルシッサは最後に僅かに残った自制心さえ失ったようです。よろよろと立ち上がると・・・

スネイプのローブの胸元を掴んで・・・

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改めてドラコ・ナルシッサ母子について考える(1)(4回シリーズ)

さて!来たる6月5日は誕生日という事なので今週はドラコ・マルフォイを取り上げる事にしました。今回は母ナルシッサとドラコの関係について改めて振り返ってみたいと思います。後にも先にも一度だけだったんでしょうね。ナルシッサがスネイプの住まいを訪れたのはもちろん息子ドラコの事でした。(全3項目)

3-1.スピナーズ・エンドに
ベラトリックスが小声で悪態をつきながら追いついた時にはナルシッサはもう戸を叩いていました。暫くして扉の向こう側で何かが動く音が聞こえ僅かに戸が開きました。その隙間から2人を見ている男の姿が細長く見えました。

「ナルシッサ!これは何と驚きましたな!」

ナルシッサがフードを脱ぐと男が扉を少し広く開けたので明かりがナルシッサとベラトリックスを照らしました。訪問者を見て驚く男にナルシッサは声を潜めて「セブルス、お話できるかしら?とても急ぐの」と言ったのでした。

男は「いやもちろん」と言うと一歩下がってナルシッサを招き入れました。ベラトリックスはフードを被ったまま許しも請わずに後に続きました。ベラトリックスは男の前を通りながらぶっきらぼうに「スネイプ」と言いました。

男はそれに「ベラトリックス」と答えました。2人の背後でピシャリと扉を閉めながらスネイプの口元には嘲るような笑みが浮かんでいました。2人が入った所は普段は人が住んでいないほったらかしの雰囲気が漂っていました。

スネイプはナルシッサにソファを勧めました。ナルシッサはマントを脱ぐと座り込んで膝の上で組んだ震える手を見つめました。ベラトリックスはゆっくりとフードを下ろすとナルシッサの後ろに回ってそこに立ったのでした。

「それでどういうご用件ですかな?」

スネイプは2人の前にある肘掛椅子に座るとナルシッサにこう訊ねました。するとナルシッサは「ここには私たちだけですね?」と小声で訊いて来ました。スネイプが言うにはワームテールがいるにはいるが虫けらなので・・・

数の内に入らないとの事でした。スネイプがワームテールにワインを運ばせた後に追い払うとナルシッサは急き込んでスネイプに「ここに来てはいけない事は判っている」と言ったのでした。誰にも何も言うなと言われている。

それでもここを訪ねて来たのは?

息子ドラコの事だったからです。

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