ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ~事の発端から開店まで(2)(8回シリーズ)

学期が始まって学校に戻ってみると何と!百年以上ぶりに三大魔法学校対抗試合が開催される事がダンブルドア校長の口から発表されたのでした。優勝賞金が「一千ガリオン」と聞いてフレッドとジョージは「代表選手に立候補するぞ!」と意気込んだのですが年齢制限に阻まれてしまったその上に・・・(全3項目)

3-1.再び2人で密談
夏休みの最終日。何やら2人で密談をしている所を母親に見咎められて「もしも明日ホグワーツ特急が衝突をして僕とジョージが死んでしまったら」なんていうブラック・ジョークを飛ばしていたフレッドだったのですが・・・

翌日列車はホグズミード駅に無事到着して大広間ではダンブルドア校長の口から百年以上ぶりの三大魔法学校対抗試合の開催が発表されフレッドとジョージは「17才以上」という年齢制限を乗り越え立候補すると誓ったのでした。

謎の密談の事を2人は母親に「やり残した宿題をやっている」と説明していました。ところが学期が始まって学校に戻って来ても2人は相変わらずそれをしていました。木曜の夜ハリーとロンが談話室で宿題をしていると・・・

周りの生徒たちが徐々に寝室に消えて行き談話室はだんだん人の数が少なくなって来ました。ハリーが部屋を見回すとフレッドとジョージが壁際に座り込んで額を寄せ合い羽根ペンを持って羊皮紙を前に何やら密談の最中でした。

ハリーが見ているとジョージがフレッドに向かって首を横に振り羽根ペンで何かを掻き消し何やら話しています。小さな声でしたがそれでも人の少なくなって来た談話室では2人の会話の内容がよく聞こえて来てしまいました。

「駄目だ。それじゃ俺たちがやっこさんを非難してるみたいだ。もっと慎重にやらなきゃ」

視線を感じたのか?ジョージがふとこっちを見てハリーと目が合いました。ハリーは曖昧に笑うと急いで宿題をする作業に戻りました。ジョージに「盗み聞きをしている?」とは思われたくなかったからです。暫く経つと・・・

フレッドとジョージはその羊皮紙を巻いて「おやすみ」と言うと2人もまた寝室に消えて行ったのでした。

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ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ~事の発端から開店まで(1)(8回シリーズ)

来たる4月1日が誕生日という事で今週と来週の二週間に渡ってフレッドとジョージに関連する内容をお届けする事にしました。母親のウィーズリーおばさんは意外にも(失礼?)成績優秀な2人には魔法省に就職して欲しいとの希望を抱いていました。ところが当の2人のほうは・・・(全3項目)

3-1.2年ぶりの隠れ穴で
ハリーがホグワーツで最初の1年を過ごした後の夏休みに「隠れ穴」に滞在した時。不思議だと思う事の1つに「フレッドとジョージの部屋から小さな爆発音が上がっても全員当たり前という顔をしていた」というのがありました。

何故2人の部屋から小さな爆発音が上がっていたのか?ハリーはそれから2年後にクィディッチ・ワールドカップの観戦のため再び「隠れ穴」に滞在する事になりました。そしてその理由を知る事になったというわけなんですよね。

フレッドとジョージがダイエット中のダドリーにトン・タイ・タフィーを食べさせダドリーの舌が1メートルもの長さになってしまいました。そのため父親のアーサー氏が珍しく声を荒げてフレッドを叱責する事になったのです。

すると夫の声を聞きつけてウィーズリーおばさんがキッチンに入って来ました。そしてそんな夫妻の会話の中でおばさんが口にしたのが「まさかウィーズリー・ウィザード・ウィーズじゃないでしょうね?」だったんですよね。

「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズって何なの?」

ロンとハーマイオニーがハリーにシリウスの事を訊きたかったので3人とジニーはキッチンを出るとロンの部屋に向かいました。そこでハリーがこう訊くとロンとジニーは笑い出しましたがハーマイオニーは笑いませんでした。

おばさんがフレッドとジョージの部屋を掃除したら注文書が束になって出て来たんだそうです。それは2人が発明した物の長いリストだったのだそうです。ロンも2人があんなに色々発明をしていたなんて知らなかったそうです。

「昔っからずっと2人の部屋から爆発音が聞こえてたけど何か作ってるなんて考えもしなかったわ。あの2人はうるさい音が好きなだけだと思ってたの」

何故2人の部屋から爆発音が上がっていたのか?その理由をジニーがこう説明してくれました。その爆発音は2人が悪戯おもちゃの「だまし杖」とか「ひっかけ菓子」などの商品を作る過程で発生していたというわけなんですよね。

おばさんは2人に「もう何も作っちゃいけません」と言い渡し見つかった注文書を全て焼き捨ててしまったそうです。その理由はおばさんはフレッドとジョージは比較的学校の成績が良かったので魔法省に就職をして欲しかった。

しかしそれから大論争があって2人はおばさんに「悪戯専門店」を開きたいとそう言ったとの事だったんですよね。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(8)(シリーズ最終回)

魔法省がそのつもりなら「闇の魔術に対する防衛術」を自習しよう!さらにハーマイオニーが「教えるのはハリー」と言い出したのでハリーは「またとんでもない事を」と思いました。ところがロンも「そいつはいいや」と言うのです。そこで3人はホグズミード村に行った時に・・・(全3項目)

3-1.ホグワーツ高等尋問官
この思いっ切り腹の立つパーシーからの手紙が届いた後に談話室の暖炉にシリウスが現われ「魔法省内部からの情報によれば魔法大臣コーネリウス・ファッジはホグワーツの生徒に戦う訓練をさせたくないらしい」と言うのです。

魔法省では日に日にダンブルドアに対する被害妄想を募らせていて「ダンブルドアは私設軍団を組織し魔法省と抗争するつもりだ」などととんでもない事を考えているのだそうです。ホグワーツにアンブリッジを派遣して・・・

ハリーたち3人を含めた生徒たちにつまらない教科書を読ませて「闇の魔術に対する防衛術」を学ばせないようにしているのはファッジが「ダンブルドアは権力を握るためならあらゆる手段を取る」と思っているからだそうです。

手紙の中でパーシーは明日の「日刊予言者新聞」を読めばダンブルドア校長時代の終わりが近いという事が判ると豪語していました。でも3人ともパーシーの言う事だから実はとても小さい記事なのでは?とそう思っていました。

ところがその記事は3人の予想に反してアンブリッジの写真が大きく掲載され加えて大見出しでした。アンブリッジが「ホグワーツ高等尋問官」という新たに創設された職位に就いたとの事でした。そこでハーマイオニーは?

アンブリッジは教師としては最低。あの先生からは私たち何も学べやしない。だから「闇の魔術に対する防衛術」を自習すると言い出したのです。ロンは今学期は宿題をやり終えるのも至難の技なのにまだ勉強しろと言うのか?

「いい加減にしろよ。この上まだ勉強させるのか?ハリーも僕もまた宿題が溜まってるってこと知らないのかい?しかもまだ二週目だぜ」

こう文句を言っていたロンだったのですがハーマイオニーが「闇の魔術に対する防衛術」を教えるのはハリーだと言ったその途端に「そいつはいいや」と言い出すのでハリーは度肝を抜かれると同時に驚かされたというわけです。

そこで10月に入るとハーマイオニーは?

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(7)(8回シリーズ)

厚い壁に阻まれロンは5年生になってようやく大好きなクィディッチのグリフィンドール・チームの一員になる事ができました。がしかし週末の土曜日も練習を最優先にしてしまったため日曜日は大量に溜まった宿題に忙殺される事になってしまいました。挙句の果てには夜の11時半になって・・・(全3項目)

3-1.箒を持って
今学期ハリーは「闇の魔術に対する防衛術」の最初の授業でアンブリッジからいきなり罰則を食らう事になってしまいました。ところがアンブリッジのその罰則は手の甲から血が滲み出て来るというおぞましい内容だったのです。

アンブリッジの罰則は火曜日から金曜日まで続きました。それに追い打ちをかけたのが5年生になってふくろう試験を控えているという事で各科目の先生方から出される大量の宿題でした。罰則と宿題に時間を取られて・・・

ハリーは睡眠不足になり木曜日は疲れてぼーっとしている内に過ぎて行きました。ロンも眠そうでしたがハリーにはどうしてロンまでもが眠そうにしているのか見当がつきませんでした。そしてその日の夜の事だったのでした。

アンブリッジの罰則が終わりグリフィンドール塔に戻って来たハリーが階段の一番上で右に曲がると危うくロンとぶつかりそうになりました。ハリーを見るとロンは驚いて飛び上がり新品のクリーンスイープを隠そうとしました。

ハリーが「何してるんだ?」と訊くとロンは「何にも。君こそ何してるの?」と訊き返して来ました。ハリーが顔をしかめ「さあ僕に隠すなよ!こんな所に何で隠れてるんだ?」と問い質すとロンはハリーにこう言ったのでした。

「僕-僕。どうしても知りたいなら言うけどフレッドとジョージから隠れてるんだ」

さらにロンはフレッドとジョージがたった今1年生をごっそり連れてここを通って行った。また実験するつもりなんだ。何故ならハーマイオニーがいる限り談話室ではできないからなどと早口で熱っぽくまくし立てたのでした。

「だけど何で箒を持ってるんだ?飛んでたわけじゃないだろ?」

ハリーがこう訊くとロンは刻々と赤くなりながら「笑うなよ」と防衛線を張りました。そして今度はちゃんとした箒を持っているからグリフィンドール・チームのゴールキーパーの選抜に出ようと思っていると打ち明けたのです。

「笑えよ」と言うロンにハリーは「笑ってないよ」と言葉を返しました。それどころかハリーは「素晴らしいよ」とまで言いました。キーパーをやる所を見た事ないけど「上手いのか?」とハリーが訊くとロンはこう答えました。

「下手じゃない」

ロンはハリーの好意的な反応を見て心底ホッとしたようでした。チャーリーにフレッドとジョージが休み中にトレーニングをする時にはロンはいつもキーパーをやらされたんだそうです。こうしてロンは選抜を受けたのでした。

ハリーはアンブリッジの罰則で選抜に立ち会う事はできませんでした。しかしロンは晴れてグリフィンドール・チームの一員になったのでした。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(6)(8回シリーズ)

フレッドとジョージの2人に「ずる休みスナックボックス」を作るのを止めさせるのが私たち監督生の役目です。ハーマイオニーはこう言いましたがロンは「2人にやりたいようにやらせておけばいい」という考えのようです。そのためハーマイオニーは1人で頑張るハメになってしまいました。(全3項目)

3-1.監督生にあるまじき発言?
翌朝シェーマス・フィネガンは猛スピードで着替えてハリーがまだ靴下も履かない内に寝室を出て行きました。談話室の途中で合流したハーマイオニーにロンがその事を話すとハーマイオニーからは溜め息が返って来たのでした。

「ええ。ラベンダーもそう思ってるのよ」

シェーマスだけじゃなく女子のほうでもラベンダー・ブラウンがやはり「ダンブルドアはボケ老人でハリーは嘘つき」だと思っているのだそうです。ハリーたちが大広間に入ってテーブルに着くとマクゴナガル先生が来て・・・

時間割をくれました。すると今日の時間割を見てロンが「見ろよ。今日のを!」と呻きました。最初が「魔法史」でその次が二時限続きの「魔法薬学」で次は「占い学」そして二時限続きの「闇の魔術に対する防衛術」なのです。

あまりのラインアップにロンがフレッドとジョージが急いで「ずる休みスナックボックス」を完成してくれていたらと言うと、そこにフレッドが現われジョージと一緒にハリーの隣に無理やり割り込みながらこう言ったのでした。

「我が耳は聞き違いしや?ホグワーツの監督生がよもやずる休みしたいなどと思わないだろうな?」

つまりホグワーツの監督生にあるまじき言ってはならない発言というわけです。しかしロンはそんなフレッドの鼻先に時間割を突きつけて不平たらたら「今日の予定を見ろよ。こんな最悪の月曜日は初めてだ」と言ったのでした。

すると月曜日の欄を見たフレッドが「もっともだ。弟よ。良かったら鼻血ヌルヌル・ヌガーを安くしとくぜ」と言いました。ロンが疑わしげに「どうして安いんだ?」と訊くとジョージがその理由をこう説明してくれたのでした。

「何故なればだ。体が萎びるまで鼻血が止まらない。まだ解毒剤がない」

安い理由を聞いてロンは時間割をポケットに入れながら憂鬱そうに「ありがとよ。だけどやっぱり授業に出る事にするよ」と言ったのでした。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(5)(8回シリーズ)

監督生用の車両を出てロンにしてみればやっとこさという感じでハリーたちと合流する事ができました。そしてホグズミード駅に到着するとロンはハーマイオニーと共に監督生としての任務をいよいよ本格的に開始したのでした。さらに寝室に入ると・・・(全3項目)

3-1.濫用する?
唐突に「あたしをクリスマス・ダンスパーティに誘って欲しかった」とルーナに暗に言われロンは暫くの間は呆然としていました。しかし頭を振って腕時計を見るとロンはハリーとネビルにこう言ったというわけなんですよね。

「一定時間ごとに通路を見回る事になってるんだ。それから態度が悪い奴には罰則を与える事ができる。クラッブとゴイルに難癖つけてやるのが待ち切れないよ」

クラッブとゴイルに難癖をつけて罰則を与えてやる。ロンがこう言うのでハーマイオニーはそんなロンに「立場を濫用しては駄目!」と厳しく言ったのでした。するとロンはハーマイオニーに皮肉たっぷりにこう言ったのでした。

「ああそうだとも。だってマルフォイは絶対濫用しないからな」

「それじゃあいつと同じ所に身を落とすわけ?」と言うハーマイオニーにロンは「違う。こっちの仲間がやられるより絶対先に奴の仲間をやってやるだけさ」と答えました。ハーマイオニーが「全くもう」と呆れていると・・・

「ゴイルに書き取り百回の罰則をやらせよう。あいつ書くのが苦手だから死ぬぜ」

ロンはうれしそうにこう言った後さらにゴイルのブーブー声のように声を低くして顔をしかめゴイルが一生懸命集中する時の苦しい表情を作り空中に書き取りをする真似をしました。そうしながらロンはこう言い放ったのでした。

「僕が・・・罰則を・・・受けたのは・・・ヒヒの・・・尻に・・・似ているから」

全員大笑いでした。しかしルーナ・ラブグッドの笑いこけ方には誰も勝てません。ルーナは悲鳴のような笑い声を上げました。ルーナは息も絶え絶えで目に涙を溢れさせてロンを見つめました。ルーナの笑い方が凄いので・・・

ロンは途方に暮れて周りを見回しました。そのロンの表情がおかしいやらルーナが鳩尾を押さえて体を前後に揺らしながら馬鹿馬鹿しいほどに長々と笑い続けるのがまたおかしいやらでその場にいた全員が再び笑ったのでした。

ロンはルーナに「君。からかってるの?」と顔をしかめて訊きました。しかしもちろんルーナはそんなつもりはなかったと私はそう思いますね。ルーナはただ単純明快にロンの言った冗談が面白いと思ったからこそ笑ったのです。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(4)(8回シリーズ)

フレッドとジョージの2人もハーマイオニーもさらにはマッド・アイ・ムーディも「監督生に選ばれるのはハリー」とそう予想していました。ところがまだまだ他にも「何故ハリーじゃなくてロン・ウィーズリーなんだ?」という人が現われてしまったのです。そこでロンは?(全3項目)

3-1.ルーピンとキングズリーの会話
フレッドにジョージもハーマイオニーもさらにはマッド・アイ・ムーディも監督生になるのはロンではなくハリーだとそう予想していました。それがハリーが厨房に1人で立っているとキングズリー・シャックルボルトが・・・

「ダンブルドアは何故ポッターを監督生にしなかったのかね?」

自分の名前が耳に入ったのでハリーはふと耳を傾けました。キングズリーの深い声が周囲の喧騒をくぐり抜け聞こえて来ました。キングズリーのこの問いにルーピンは「あの人にはあの人の考えがあるはずだ」と答えていました。

しかしそんなルーピンにキングズリーは「そうする事でポッターへの信頼を示せたろうに。私ならそうしただろうね」と言うのです。特に今は「日刊予言者新聞」が3日と上げずにハリーをやり玉に挙げているという現実がある。

信頼を示すという意味でもダンブルドアはハリーを監督生にすべきだった。キングズリーはそう言うのです。ハリーは2人のほうを振り向きませんでした。キングズリーとルーピンに自分が聞いてしまった事を悟られたくはない。

そう思ったからです。またしても「ロンではなくハリーを監督生にするのが妥当」という声が聞こえて来たのです。パーティが楽しいと思ったのも突然湧いた感情でした。でも同じぐらい突如として喜びが消えてしまったのでした。

「柄はスペイン樫で呪い避けワックスが塗ってある。それに振動コントロール内臓だ」

ロンがトンクスにこう話していました。ロンは相変わらず初めて新品の箒を買って貰えたのでその自慢と説明をしています。一方ウィーズリーおばさんは大欠伸をして寝る前にまね妖怪を処理すると言って部屋を出て行きました。

ハリーは「自分もみんなの気づかない内におばさんに従いて行けないかな?」とそう思ったというわけなんですよね。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(3)(8回シリーズ)

フレッドとジョージの双子の兄もハーマイオニーも「監督生になるのはハリー」とそう予想をしていました。母親のウィーズリーおばさんに至っては誰がなるのかと考える事すらありませんでした。しかしハリーが監督生になるものとそう思っていた人は他にもいたんですよね。(全3項目)

3-1.ハリーの思いと葛藤
ロンが箒の事を言いに飛び出して行きハーマイオニーが監督生就任の事を両親に知らせたいのでヘドウィグを貸して欲しいと言って部屋を出て行くとハリーは1人残されました。ハリーはベッドに腰掛けて考えに耽ったのでした。

5年生になると監督生が選ばれる。ハリーは退学になるのでは?と心配するあまりその事をすっかり忘れていました。しかしもしも「その事を自分が覚えていたなら」あるいは考えたとしたら自分は一体何を期待したのだろう?

頭の中で正直な声が小声で「こんなはずじゃない」と言いました。自分に嘘はつけない。監督生バッジが誰かに送られて来ると知っていたら自分の所に来ると期待したはずだ。ロンの所ではない。もしそうだとするならば・・・

僕はドラコ・マルフォイと同じ威張り屋なんだろうか?自分が他のみんなより優れていると思っているんだろうか?本当に自分はロンより優秀なんだと考えているのだろうか?本当に違うのか?ハリーは自問自答をしてみました。

僕はクィディッチではより優れている。だけど僕は他の事では何もロンより優れていない。それは絶対に間違いないとハリーは思いました。自分はどの科目でもロンより優れてはいない。だけど自分はそれ以外ではどうだろう?

ホグワーツに入学してからというものハリーは数々の冒険をして来ました。退学なんかよりもっと危険な目にも遭いました。ロンもハーマイオニーも大抵は僕と一緒だった。だけど2人ともいつも一緒だったというわけではない。

あの2人はクィレルとは戦わなかった。トム・リドルやバジリスクとも戦わなかった。吸魂鬼も追い払わなかった。復活直後のヴォルデモートと戦った時にも2人は自分と一緒に墓場にいたわけじゃない。色々成し遂げたのは僕だ。

こんな扱いは不当だという思いが込み上げて来ました。考えれば考えるほどに腹が立って来ました。しかしその一方で「だけど」あるいは「多分」と言って小さな公平な声が聞こえて来ました。そういう事で監督生を選ぶのか?

多分ダンブルドアは幾多の危険な状況に首を突っ込んだからといってそれで監督生を選ぶわけじゃない。他の理由で選ぶのかもしれない。ロンは自分の持っていない何かを持っていてその事で監督生に選ばれたのかもしれない。

それに監督生バッジをくれ。自分を監督生にしてくれとロンがダンブルドアに頼んだわけじゃない。ロンが悪いわけじゃない。自分はロンの一番の親友なんだから。監督生バッジを貰えなかったからと言って拗ねたりするのか?

フレッドにジョージと一緒になってロンの背後で笑うのか?ロンが初めて何か1つ自分に勝ったというのにその気持ちに水を注す気か?そう思ったら私はハリーは自分で自分に腹が立って来たとそう思いますね。とにかく・・・

ロンが監督生になった事でハリーもまた心が激しく揺れ動いたというわけなんですよね。

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(2)(8回シリーズ)

フレッドもジョージもさらにはハーマイオニーにとってもロンの監督生就任はあまりに意外で予想外でその驚きは極地に達しているといった面持ちでした。そして当然母親のウィーズリーおばさんも全くのノーマークでチラリと考えた事すらなかったようです。そのためにそれを知った時には・・・(全3項目)

3-1.大喜びのウィーズリーおばさん
監督生に選ばれたのはハリーではなくてロンだった!それを知って驚きと戸惑いを隠せないハーマイオニーだったのですが、するとそこに洗濯物を山のように抱えたウィーズリーおばさんが入って来て一同にこう言ったのでした。

「ジニーが教科書リストがやっと届いたって言ってたわ」

それから「みんな封筒を私にちょうだい。午後からダイアゴン横丁に行ってみんなが荷造りしている間に教科書を買って来てあげましょう」と言ったのでした。それからおばさんはロンにはこう言ったというわけなんですよね。

「あなたのパジャマも買わなきゃ。全部20センチ近く短くなっちゃって。お前ったら何て背が伸びるのが早いの。どんな色がいい?」

するとジョージがニヤニヤしながら「赤と金にすればいい。バッジに似合う」と言いました。それを聞いておばさんは「何に似合うって?」と気にも止めずに訊き返しました。当然おばさんも全く予想だにしていなかったのです。

「バッジだよ。新品ピッカピカの素敵な監督生バッジさ」

嫌な事は早く済ませてしまおうという雰囲気でフレッドがこう言いました。パジャマの事で頭が一杯だったのでおばさんはフレッドの言葉の内容を理解するのに少々の時間を要しました。ロンが監督生バッジを掲げると・・・

「信じられない!信じられないわ!ああロン。何て素晴らしい!監督生!これで子供たち全員だわ!」

おばさんはジョージを押し退けてロンを抱き締めました。ジョージは母親が「子供たち全員だわ!」と言ったので「俺とフレッドは何なんだよ。お隣さんかい?」とふて腐れて言いました。しかしおばさんは一切構わずに・・・

お父さまがお聞きになったら!母さんは鼻が高いわ。何て素敵な知らせなんでしょう。お前もビルやパーシーのように首席になるかもしれないわ。こんな心配事だらけの時に何ていい事が!おばさんはうれしいと言ったのでした。

そしておばさんはロンに・・・

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改めて監督生としてのロン(ロナルド)・ウィーズリーについて(1)(8回シリーズ)

さて!誕生日からは随分と日数が経ってしまいましたが今月が誕生月という事で今週と来週の二週間に渡ってロンを取り上げてみる事にしました。5年生になるとロンは監督生に選ばれました。しかし当の本人のロン自身はもちろんの事で他の人たちも予想外で驚きを隠せなかったのでした。(全3項目)

3-1.ウィーズリーおばさんにとっての監督生
ハリーが初めてホグワーツ特急に乗った時に列車の中からウィーズリー一家の様子を見ているとパーシーが早々と制服に着替えてやって来ました。パーシーのその胸には「P」という文字が入った銀色のバッジが輝いていました。

双子の1人つまりフレッドとジョージのどちらかが「どうしてパーシーは新しい洋服着てるんだろう?」と訊くとウィーズリーおばさんが「監督生だからよ」とうれしそうに答えました。これは就任のお祝いというわけですね。

翌年の夏休みにハリーはウィーズリー一家と一緒にグリンゴッツにお金を下ろしに行きました。ところがウィーズリー家の金庫にはガリオン金貨が1枚とシックル銀貨がほんの一握りしかありません。ハリーは気が滅入りました。

私が思うにウィーズリーおばさんは昨年度パーシーが監督生になったのでそのお祝いを買うためお金をほとんど使ってしまったんだとそう思いますね。だからウィーズリー家の金庫はほぼ空っぽになってしまったというわけです。

そして翌年度おばさんはどうやら密かに「フレッドとジョージのどちらかが監督生になるのでは?」と期待をしていたようです。この2人は悪戯好きなものの実は成績優秀なのです。しかし2人は監督生にはなれなかったのでした。

「2人とも監督生になれなかったようですものね」

怒ったようにこう言う母親に対してジョージは「何で俺たちが監督生なんかにならなきゃいけないんだい?人生真っ暗じゃござんせんか」と言ったのでした。それを聞いてジニーは笑っていたのでした。するとおばさんは・・・

「妹のもっとよいお手本になりなさい!」

おばさんがきっぱりとこう言うのに対して今度は監督生に加えて首席のバッジも貰ったパーシーが「ジニーのお手本なら他の兄たちがいますよ」と言いました。でも残念ながらジニーはそれらの兄たちを手本にはしませんでした。

そしてどうやらウィーズリーおばさんは「フレッドとジョージが駄目なら我が家から出る監督生はパーシーが最後だろう」つまりロンとジニーは監督生になれないとそう思っていたみたいですね。当のロン自身も実はそうでした。

ところがそれが・・・

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ウィンキー(4)(シリーズ最終回)

三大魔法学校対抗試合の優勝杯は「移動キー」になっていました。そして行った先でセドリック・ディゴリーは殺害されハリーはヴォルデモート卿復活の目撃者になりました。そして命からがら戻って来た学校でハリーはウィンキーと共に全ての事の真相を知ったというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.スネイプに連れられて
何ゆえクラウチ氏は魔法省にも出勤せず三大魔法学校対抗試合にも顔を出さなくなってしまったのか?ところが「第3の課題」の一カ月前にクラウチ氏がホグワーツに忽然と姿を現わし再び消え去るという出来事が起きたのです。

一体何が起ったのか?何があったのか?しかしこれはヴォルデモート卿が復活するための布石でしかありませんでした。最後の課題の当日にハリーがセドリック・ディゴリーと共に掴んだ優勝杯は「移動キー」になっていました。

2人は見知らぬ墓地に連れて来られました。そしてセドリックは殺害されハリーはそこでヴォルデモート卿が復活する所を見たのです。そしてヴォルデモートと戦い命からがらホグワーツへと何とか戻って来る事ができました。

今夜一晩でもうどんな目に遭ったのか。この子は医務室に行くべきだと訴えるマクゴナガル先生にダンブルドアは「その子はここに留まるのじゃ。ハリーに納得させる必要がある」ときっぱりと言ったというわけなんですよね。

納得してこそ初めて受け入れられる。受け入れてこそ初めて回復がある。この子は知らなければならん。今夜自分をこのような苦しい目に遭わせたのが一体何者で何故なのかを知らなければならないとダンブルドアは言うのです。

そしてダンブルドアはセブルス・スネイプに持っている中で一番強力な「真実薬」を持って来て欲しい。それから厨房に行きウィンキーという屋敷妖精を連れて来るようにと言い渡しました。スネイプはすぐに部屋を出て・・・

ウィンキーを連れて戻って来ました。マッド・アイ・ムーディは偽者でした。ポリジュース薬で成り済ましていたのです。ウィンキーが来た時には偽ムーディは元の姿に戻っていました。マクゴナガル先生も驚愕していました。

そこにいたのがアズカバンで死んだはずのバーテミウス・クラウチ・ジュニアだったからです。

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ウィンキー(3)(4回シリーズ)

「闇の印」の真下という思ってもみなかった所でウィンキーと再会する事になってしまったハリーたち3人だったのですが、今度は何とホグワーツの厨房という超意外な場所で3人とウィンキーは再び会う事になりました。しかしハーマイオニーの熱い思いとは裏腹の結末を迎える事に・・・(全3項目)

3-1.ホグワーツの厨房で
「闇の印」を創ったのはウィンキーじゃないって判っているのに解雇するなんてクラウチさんはひどい!そう言って怒りを募らせていたハーマイオニーでしたが学校に戻るとさらなる衝撃がハーマイオニーを待ち受けていました。

グリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」の発言から実はホグワーツにも驚く事に百人以上の屋敷しもべ妖精がいる事を知ったのです。しかも彼らは休みもなく給料も全く貰わないで働いているのだそうです。

そこでハーマイオニーは「しもべ妖精福祉振興協会」なる組織を発足させ屋敷しもべ妖精が正当な報酬と労働条件を確保できるようにと立ち上がったのでした。そして妖精たちに会うために厨房に入ったその時の事だったのです。

「ハリー・ポッター様!ハリー・ポッター!」

何とそこに噂のあの「給料を欲しがっている屋敷しもべ妖精」のドビーがいたのでした。ハーマイオニーはドビーに会わせようとハリーを連れて再び厨房を訪れました。そしてそこにはウィンキーもいたというわけなんですよね。

「ウィンキーもここにいるの?」とハリーが訊くとドビーは「さようでございますとも!」と言ってハリーの手を取り厨房の奥に連れて行きました。そしてドビーはレンガ造りの暖炉の前で立ち止まると指差してこう言いました。

「ウィンキーでございます!」

ハリーが「やあウィンキー」と声をかけるとウィンキーは唇を震わせそして泣き出しました。ハリーとドビーに従いて厨房の奥までやって来たハーマイオニーはウィンキーに「泣かないで。お願いだから」と話しかけたのでした。

しかしウィンキーはさらに激しく泣き出しました。ドビーはハリーたちに紅茶を出してくれましたが3人が紅茶を飲み終わって厨房を去るまでの間ウィンキーはずっと泣きっぱなしでした。会話が成立したのはほんの一瞬でした。

それはドビーがそう望むのなら給料を支払うとダンブルドア校長がおっしゃってくれたとドビーが話した時でした。そこでハーマイオニーはウィンキーに「ダンブルドア校長先生はあなたにはいくら払っているの?」と訊きました。

すると?ウィンキーは!

「ウィンキーは不名誉なしもべ妖精でございます。でもウィンキーはまだお給料をいただくような事はしておりません!」

ウィンキーは自分はそこまで落ちぶれていないし自由になった事をきちんと恥じている。そう言われてハーマイオニーは恥じるのはクラウチさんのほうだ。あなたは何も悪い事をしていないのにクラウチさんがひどい事をした。

しかしそんなハーマイオニーにウィンキーは私のご主人様を侮辱しないで欲しい。クラウチ様は良い魔法使いでございます。だからクラウチ様が悪い屋敷しもべ妖精の自分をクビにするのは正しいとウィンキーは訴えたのでした。

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ウィンキー(2)(4回シリーズ)

世界最高レベルのクィディッチの試合を観る事ができて至福の時を過ごしたハリーたちだったのですが幸せで心地よい時間は何と翌日の朝まですら持ちませんでした。試合終了後に極めて不愉快な事件が勃発したからです。そしてそれはウィンキーにとっても同じ事だったんですよね。挙句の果てにウィンキーは・・・(全3項目)

3-1.逃げる途中で
ハーマイオニーとジニーが隣の女子用テントに行きハリーがパジャマに着替えてロンの上の段のベッドで横になる時にも外では優勝したアイルランド勢のお祭り騒ぎがまだ続いていました。それを聞きながらアーサー氏は・・・

「やれやれ非番でよかった。アイルランド勢にお祝い騒ぎを辞めろなんて言いに行く気がしないからね」

その次にアーサー氏に「起きなさい!さあ起きて!緊急事態だ!」と言われて飛び起きた時ハリーは寝ぼけてテントに頭のてっぺんをぶつけてしまいました。それでもハリーはぼんやりと「何かがおかしい」と思ったのでした。

キャンプ場の騒音が様変わりして人々が叫ぶ声や走る音が聞こえて来ました。ハリーとロンがテントの外に出て見えたのはキャンプ場の管理人のロバーツさん一家がフードを被った魔法使いの一団に宙吊りにされている所でした。

「私らは魔法省を助太刀する。お前たち。森へ入りなさい。バラバラになるんじゃないぞ。片がついたら迎えに行くから」

アーサー氏はこう言うとビルにチャーリーとパーシーと近づいて来る一団に向かって駆け出して行きました。しかしハリーたちは避難する途中ドラコ・マルフォイに出くわしジニーにフレッドとジョージとはぐれてしまいました。

「悪い魔法使いたちがいる!人が高く-空に高く!ウィンキーは退くのです!」

そんなハリーたちが逃げる途中でウィンキーが近くの灌木の茂みから抜け出そうともがいている所に遭遇しました。動き方がとっても奇妙で見るからに動きにくそうです。まるで見えない誰かが後ろから引き止めているようでした。

そしてウィンキーは自分を引き止めている力に抵抗しながら息を切らし小道の向こう側の木立へ消えて行きました。そんなウィンキーの後ろ姿を訝しげに目で追いながらロンはこんな疑問の声を漏らしたというわけなんですよね。

「一体どうなってるの?どうしてまともに走れないんだろ?」

その疑問にハリーは「隠れてもいいという許可を取ってないんだよ」と答えました。ドビーの事を思い出していたのです。マルフォイ一家が気に入らないと思うかもしれない事をする時にドビーは自分を嫌と言うほど殴りました。

「ねえ。屋敷妖精ってとっても不当な扱いを受けているわ!」

すると今度はこう言ってハーマイオニーが怒り始めました。奴隷だわ。そうなのよ!高所恐怖症なのにウィンキーを競技場のてっぺんに行かせた。その上ウィンキーに魔法をかけてテントからも逃げられないようにしたんだわ。

どうして誰も抗議しないの?こう言って憤慨するハーマイオニーにロンが「でも妖精たち。満足してるんだろ?」と言いました。競技場でも「楽しんではいけない」と言ってた。振り回されるのが好きなんだとロンは言うのです。

そして3人はようやく静かな所に到着したのですが・・・

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ウィンキー(1)(4回シリーズ)

さて!先週は屋敷しもべ妖精のドビーをやったので今週はそれに関連してこの人を取り上げる事にしました。ハリーがウィンキーに初めて会ったのはクィディッチ・ワールドカップの決勝戦を観戦に来た時でした。ハリーたち一行が貴賓席に来てみると既にウィンキーがそこにいたのでした。(全3項目)

3-1.クィディッチ・ワールドカップの貴賓席で
4年生の夏休みハリーは2年ぶりに今度はウィーズリー夫妻に正式に招待され「隠れ穴」に滞在する事になりました。イギリスで30年ぶりにクィディッチ・ワールドカップが開催されハリーも決勝戦を観戦する事になったのでした。

アーサー氏が魔法ゲーム・スポーツ部の部長ルード・バグマン氏に恩を売っておいたお陰で何とワールドカップの貴賓席のチケットを入手する事ができたのです。試合開始直前に席に着きハリーが後ろを振り返って見ると・・・

そこにはまだ誰もいませんでした。ただ後ろの列の奥から二番目の席に小さな生き物が座っていました。短すぎる足を椅子の前方に突き出してキッチン・タオルをトーガ風に被っています。顔を両手で覆って隠していたのでした。

ハリーは「ドビー?」と半信半疑で呼びかけました。小さな生き物は顔を上げ指を開きました。とてつもなく大きい茶色の目と大きさも形も大型トマトにそっくりの鼻が指の間から現れました。ドビーではなかったものの・・・

そこにいたのはやはり屋敷しもべ妖精でした。その妖精は「旦那様はあたしのことドビーってお呼びになりましたか?」と怪訝そうに甲高い声で訊いて来ました。ドビーの声も高かったがその妖精はもっと高くてか細い声でした。

ハリーは「屋敷しもべ妖精の場合はとても判断しにくいが多分これは女性だろう」と思いました。ロンとハーマイオニーも振り向いてよく見ようとしました。2人ともハリーからドビーの事は随分とよく聞かされてはいました。

しかしまだドビーに会った事はありませんでした。アーサー氏でさえ興味を持って振り返りました。ハリーが妖精に「ごめんね。僕の知っている人じゃないかと思って」と言うと何とその妖精から意外な言葉が返って来たのです。

「でも旦那様。あたしもドビーをご存じです」

そしてその妖精は「あたしはウィンキーでございます」と自分の名前を言ったその後に「旦那様。あなた様は」と訊きかけてハリーの額の傷痕を見て焦げ茶色の目を小皿ぐらいに大きく見開きこう言ったというわけなんですよね。

「あなた様はまぎれもなくハリー・ポッター様!」

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改めて7巻のドビーについて(4)(シリーズ最終回)

きちんとやりたい。魔法ではなくスコップはある?ドビーのために自分ができるのは何だろう?ハリーがドビーのためにした事は汗を流して魔法ではなく自分の手で墓穴を掘る事でした。下手でもいい。きれいじゃなくてもいい。ハリーがドビーのために最後にしたのは墓石に文字を刻む事でした。(全3項目)

3-1.ドビーの死
ダンブルドアの時と同様に悪夢に二度引き込まれる思いでした。ドビーはもはや呼び戻せない所に逝ってしまった。たとえそうと判ってはいてもハリーはドビーの名前を何度も呼び続けていました。しかし結局自分たちは・・・

暫くしてハリーは自分たちは正しい目的地に着いていた事を知りました。ひざまずいてドビーを覗き込んでいるハリーの周りにビルとフラーさらにはディーンとルーナが集まって来たからでした。ハリーは4人の顔を見て・・・

「ハーマイオニーは?ハーマイオニーはどこ?」

ハリーが突然思い出したようにこう訊くとビルが「ロンが家の中に連れて行ったよ。ハーマイオニーは大丈夫だ」と答えてくれました。ハリーは再びドビーを見つめると手を伸ばし胸に刺さった銀の小刀を抜き取ったのでした。

それから自分の上着をゆっくりと脱いで毛布を掛けるようにドビーを覆いました。ビルたちが話し合っている間ハリーは話し声だけを聞いていました。何を話し合い何を決めているのか?ハリーは全く興味が湧きませんでした。

ビルはドビーの埋葬について提案をしていました。ハリーは自分が何を言っているのかも分らないままに同意をしました。同意しながら小さな亡骸をじっと見下ろしたその時に傷痕が疼いて焼けるように痛み出すのを感じました。

長い望遠鏡を逆に覗いたようにヴォルデモートの姿が遠くに見えました。ハリーたちが去った後にマルフォイの館に残った人々を罰している姿でした。ヴォルデモートの怒りは極限に達する恐ろしいものでした。がしかし・・・

ドビーへの哀悼の念がその怒りを弱めハリーにとっては広大で静かな海のどこか遠い彼方で起っている嵐のように感じられたのでした。自分の心を完璧にコントロールあるいは制御して閉じる事ができるようになったのでした。

そしてハリーが言った言葉が・・・

「僕。きちんとやりたい」

「魔法ではなくスコップはある?」

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改めて7巻のドビーについて(3)(4回シリーズ)

あなたはハリー・ポッターを傷つけてはならない。ドビーにご主人様はいない!ドビーは自由な妖精だ。そしてドビーはハリー・ポッターとその友達を助けに来た!客間のシャンデリアを落としドビーはかつての女主人を指差しながら小走りで部屋の中に入って来ました。ところがマルフォイの館を脱出したその後に・・・(全3項目)

3-1.シャンデリアを落としたのは?
グレイバックがハーマイオニーの面倒を見ている内にこの英雄気取りさんたちを我々の手でもう一度縛らないといけないようだ。ハーマイオニーを人質に取って口も絶好調のベラトリックス・レストレンジだったのですが・・・

その言葉を言い終わらない内に奇妙なガリガリという音が上から聞こえて来ました。その場にいた全員が見上げるとクリスタルのシャンデリアが小刻みに震えています。そして軋む音やチリンチリンという不吉な音と共に・・・

シャンデリアが落ち始めました。真下にいたベラトリックスはハーマイオニーを放り出し悲鳴を上げて飛び退きました。シャンデリアは床に激突して大破したクリスタルと鎖がハーマイオニーとグリップフックの上に落ちました。

キラキラ光るクリスタルの欠けらが周囲に飛び散りました。ドラコは血だらけの顔を手で覆い体をくの字に曲げていました。ロンはハーマイオニーに駆け寄り瓦礫の下から引っ張り出そうとしました。その一方でハリーは・・・

ハリーがこのチャンスを逃すわけがありません。肘掛椅子を飛び越えてドラコが持っていた3本の杖をもぎ取りました。そしてその3本の杖をグレイバックに一度に向けて「ステューピファイ!麻痺せよ!」と叫んだのでした。

3倍もの呪文を浴びたグレイバックは撥ね飛ばされて天井まで吹き飛び床に叩きつけられました。顔が血だらけのドラコは母親のナルシッサが庇って引き寄せていました。そしてベラトリックスは勢いよく立ち上がると・・・

髪を振り乱しハーマイオニーに突きつけていた銀の小刀を振り回していました。しかしナルシッサは杖を扉に向けていました。そのナルシッサが「ドビー!」と叫ぶ声にベラトリックスでさえ凍りつかずにはいられませんでした。

「お前!お前がシャンデリアを落としたのか?」

ドビーは震える指でかつての女主人を指差しながら小走りで部屋の中に入って来ました。そしてこう言ったのです。

「あなたはハリー・ポッターを傷つけてはならない」

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改めて7巻のドビーについて(2)(4回シリーズ)

ドビーはオリバンダー翁にルーナとディーンの3人を連れてマルフォイの館の地下牢から「姿くらまし」しました。ところが今度は姿を消す時の「パチン」という音が上の客間に聞こえてしまいました。ルシウス氏はワームテールに地下牢の様子を見て来るよう命じました。ところがそこでも超意外な展開が・・・(全3項目)

3-1.3人を連れて
ドビーはオリバンダー翁の片方の手を握ると「どうぞ」という感じでもう一方の手をルーナとディーンのほうに差し出しました。しかし当然の如くルーナもディーンも「ハリーを助けたい!」と訴えて動こうとはしませんでした。

「ハリー。あたしたちもあんたを助けたいわ!」とルーナ。
「君をここに置いて行く事はできないよ!」とディーン。

しかしハリーは何度も繰り返し2人にとにかく行ってくれ!行くんだ!僕たちは後で行く。ビルとフラーの所で会おうと言いました。ルーナとディーンはドビーが伸ばしている指を掴みました。再び「パチン」と音がして・・・

ドビーは「姿くらまし」して消えルーナにディーンとオリバンダー翁の3人も同時に消えました。ところが先程はドビーがタイミングよく地下牢に「姿現わし」して来たので聞こえなかった音が今度は上に聞こえてしまいました。

「あの音は何だ?聞こえたか?地下牢のあの物音は何だ?」

ルシウス氏がこう叫ぶ声が上の客間から聞こえて来ました。ハリーとロンは顔を見合わせました。ルシウス氏は息子のドラコに一旦言いかけた後に「いやワームテールを呼べ!奴に行って調べさせるのだ!」と言ったのでした。

頭上でおそらくはドラコがワームテールを呼びに部屋を横切る音がしました。そして静かになりました。ハリーは地下牢からまだ物音が聞こえるかどうかを客間にいる面々が耳を澄ませているのに違いないとそう思ったのでした。

「2人で奴を組み伏せるしかないな」

ハリーはロンにこう囁きました。もう他に手段はない。誰かがこの地下牢に入って来て3人の囚人がいないのを見つけたらそれが最後でこっちの負けだ。ハリーはロンに「明かりを点けたままにしておけ」と付け加えたのでした。

扉の向こう側で誰かが降りて来る足音がしました。2人は扉の左右の壁に張りついてワームテールを待ちました。

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改めて7巻のドビーについて(1)(4回シリーズ)

さて!年頭の記事では「2月にやる!」と言っていたのですがアーサー・ウィーズリー氏とキングズリー・シャックルボルトを二週間ぶち抜きで取り上げたため3月にずれ込んでしまいました。私たち読者にとっても「不意を衝かれた」という感じの登場だったのですがハリーとロンにとってもそうだったようです。(全3項目)

3-1.クリーチャーとの関係について
さて!以前にコメントで教えていただいた事なんですが、実はダンブルドアに同時に雇われたのにドビーとウィンキーでは雇用主が違う。つまりウィンキーはホグワーツ魔法魔術学校で一方ドビーはダンブルドア個人なんですよね。

それはドビーが給料を欲しがったからというわけです。つまりこの事によりドビーとクリーチャーは「雇用主が個人」という意外な共通点がある事が判りました。シリウスの死後クリーチャーの雇用主はハリーになったからです。

しかし考え方が全くの逆で水と油のドビーとクリーチャーは混じり合う事は決してありませんでした。ポルターガイストのピーブズに煽られて激しく掴み合いの喧嘩をするほどでドビーとクリーチャーは犬猿の仲だったのでした。

ところがヴォルデモートの分霊箱「スリザリンの金のロケット」を偽物と取り替えていた人物「R.A.B」が実はシリウスの弟レギュラス・ブラックだと判明した事でクリーチャーに関する新たな事実が明らかになったんですよね。

一度は死喰い人にまでなったレギュラスだったのですが分霊箱の事を知って考えが変わった。しかしその事はクリーチャーには一切説明しないまま、その分霊箱を破壊するよう命じてレギュラスは自ら命を絶ってしまったのでした。

それはクリーチャーもレギュラスの家族も全員が昔からの純血の考え方を変えないほうが安全だったからです。レギュラスは家族とクリーチャーを守るために自分が考えを変えた事を決して伝えようとはしなかったというわけです。

ヴォルデモートの分霊箱を破壊する。レギュラスがやり遂げる事ができなかったこの仕事を僕たちがやり終えたいんだ。ハリーがレギュラスの形見の偽物のロケットを差し出すとクリーチャーは衝撃と悲しみで大声を上げて・・・

ブラック家の家宝を自分に贈られて感激に打ちのめされたクリーチャーはハリーに対する態度を激変させました。これ以降クリーチャーは驚異的に料理の腕が上がりました。何と!ハリーの事を「ハリー様」と呼ぶようになりました。

ハリーたちがグリモールド・プレイス12番地に帰る事ができなくなった時。クリーチャーは再びホグワーツに戻って行きました。私はクリーチャーは一転してハリーの事を言葉を尽くして賞賛するようになったとそう思いますね。

目を輝かせて「ハリー様はとってもお優しくて素晴らしいお方です」などと言うクリーチャーを見てドビーはどう思ったんでしょうね?当然ドビーも「やっとクリーチャーもあの方の素晴らしさが判った!」と喜んだでしょうね。

でもほんの少し「こんなに変われるものなのか?」と戸惑ったりもしたんじゃないかと私はそう思いますね。

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