さて!先週はこのシリーズの「闇の魔術に対する防衛術」編でした。残る1つはこの科目という事で続けて一気に片づけてしまう事にしました。この科目の授業は普段なら退屈極まりないものでした。ところが今まで一度もなかった事がハリーたちが2年生の時に起きました。それはハーマイオニーが・・・(全3項目)

3-1.事件をきっかけにして
その事件は10月31日ハロウィンの日に起きました。ハリーはグリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」のお陰でフィルチに罰則を食らいそうになっているのを免れる事ができたのでした。それがために・・・

その日は学校のハロウィン・パーティではなくニックの没後500年記念の絶命日パーティに出席しました。ところがパーティ会場を出た所でハリーはあの摩訶不思議な自分にしか聞こえない声を聞いてその後を追ったのでした。

するとそこに板のように硬直し松明の腕木に尻尾を絡ませてぶら下がっているミセス・ノリスを発見したのでした。そしてその上には高さ30センチほどの文字が塗りつけられ松明に照らされてちらちらと鈍い光を放っていました。

秘密の部屋は開かれたり
継承者の敵よ、気をつけよ


それからの数日間というものは襲われて石になったミセス・ノリスの話で持ち切りでした。事件の後遺症はハーマイオニーにも及びました。ハーマイオニーが読書に長い時間を費やすのは今に始まった事ではありませんでした。

しかし今や読書以外にはほとんど何もしていませんでした。ハリーやロンが「何をしているの?」と話しかけても返事をしない有り様でした。何故一心不乱に本を読んでばかりいるのか?その理由が判ったのは次の水曜日でした。

その日の昼食後ロンは図書室で魔法史の宿題をやっていました。遅れて入って来たハリーが「ハーマイオニーはどこ?」と訊くとロンは書棚を指差し「どっかあの辺だよ」と言いました。ハーマイオニーはまた別の本を探してる。

クリスマスまでに図書室の本を全部読んでしまうつもりじゃないのか?ハーマイオニーの読書量はロンにそう言わせるほどの凄まじさでした。2人が話しているとハーマイオニーが書棚と書棚の間から姿を現してこう言いました。

「ホグワーツの歴史が全部貸し出されてるの」

ようやく2人と話す気になったようです。何と「ホグワーツの歴史」は全て貸し出されている上に二週間は予約で一杯なのだそうです。ハーマイオニーは実はこの本を持っているのですが家に置いて来てしまったんだそうです。

ロックハートの本が沢山あったのでトランクに入らなかったそうです。ハリーが「どうしてその本が欲しいの?」と訊くとハーマイオニーはみんなが借りたがっている理由と同じよ。秘密の部屋の伝説を調べたいのと答えました。

そしてその直後が「魔法史」の授業だったのです。

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ハリーが5年生になると魔法省の高級官僚ドローレス・アンブリッジが「この科目」の教師になりました。この先生は一体どのくらい厳しいのか?誰にも分からないので生徒たちはとりあえず静かに様子を見るという事になりました。ところがハリーのある発言をきっかけにして・・・(全3項目)

3-1.教室に入って行くと
ハリーたち3人を含めたグリフィンドールの5年生が教室に入って行くとアンブリッジはもう教壇に座っていました。この先生がどのくらい厳しいのかは誰にも分らず未知数だったので生徒たちはとりあえず静かに教室に入りました。

生徒全員が席に着くとアンブリッジは「さあこんにちは!」と挨拶をしました。すると何人かが「こんにちは」とボソボソと挨拶を返しました。アンブリッジは不満げに舌を鳴らし「それではいけませんねえ」と言ったのでした。

そうではなくて「こんにちは。アンブリッジ先生」と言わなければならないのだそうです。こうして今年度のこの科目の授業は挨拶の仕方の指導で幕を開けたのでした。ところがこの後のアンブリッジの発言が問題だったのです。

「杖をしまって羽根ペンを出してくださいね」

アンブリッジは優しくこう言いました。これを聞いて多くの生徒たちが暗い目を見交わしました。杖をしまった後の授業が面白かった事がないからです。生徒たちがカバンに杖をしまっている一方でアンブリッジのほうは・・・

アンブリッジはハンドバックを開けると自分の杖を取り出していました。異常に短い杖でした。アンブリッジが杖で黒板を強く叩くとそこに文字が現れたのでした。それがどうやらアンブリッジの基本方針という事のようでした。

闇の魔術に対する防衛術
基本に返れ


アンブリッジはこの科目のこれまでの授業はかなり乱れて統一性がなかった。先生が頻繁に代わりしかも多くが魔法省指導要領に従っていなかった。その不幸な結果として皆さんは魔法省が期待するレベルを遥かに下回っている。

しかしご安心なさい。こうした問題がこれからは是正されます。今年は慎重に構築された理論中心の魔法省指導要領通りの防衛術を学んで行くとの事です。するとここでアンブリッジは再び杖で黒板を叩き次の文字を出しました。

1.防衛術の基礎となる原理を理解すること
2.防衛術が合法的に行使される状況認識を学習すること
3.防衛術の行使を実践的な枠組みに当て嵌めること


この「授業の目的」を生徒たちが書き写した所で・・・

アンブリッジが生徒たちに言ったのは?

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ハリーが4年生になると以前は闇祓いとして魔法省に勤めていたマッド・アイ・ムーディが「この科目」の先生になりました。ムーディが教えたのは本来なら6年生にならないといけないという「許されざる呪文」でした。この魔法を同類である人間に対して使用するとアズカバンで終身刑を受けるに値するそうですが・・・(全3項目)

3-1.許されざる呪文
ハリーたちより先に授業を受けたフレッドにジョージとリー・ジョーダンがマッド・アイ・ムーディの授業は凄いと言うので3人は素早く最前列の先生の机の真正面の席を取り教科書を出すといつになく神妙に先生を待ちました。

教室に入って来て自分の席に着くとムーディは教科書など必要ないのでそんな物はしまってしまえと生徒たちに言い渡しました。それを聞いてロンは顔を輝かせましたが直後には最前列の席を取った事を後悔する事になりました。

この日の授業でムーディが教えたのはいわゆる「許されざる呪文」というもので「服従の呪文」に「磔の呪文」と最後に教えたのはヴォルデモートがハリーの両親を殺害する時に使用した「死の呪い」の3種類だったんですよね。

この3つの呪文を実際に生徒たちにやって見せる際にムーディはロンの最も苦手とする所の蜘蛛を使ったためハリーは隣でロンがぎくりと身を引くのを感じました。ムーディは「磔の呪文」の時には蜘蛛を大きくしたのでした。

「磔の呪文」がいかなる効果を持つものなのかを判り易くするためだったんですよね。蜘蛛を巨大化されてロンは恥も外聞もかなぐり捨てて椅子をぐっと引きムーディの机からできる限り遠ざかるハメになってしまったのでした。

「服従の呪文」に「磔の呪文」そして「死の呪い」の3つのいずれか1つだけを同類である人間に使っただけでアズカバンで終身刑を受けるに値する。お前たちが立ち向かうのはそういうものなのだとムーディはそう言うのです。

ムーディは授業の最初で違法とされる闇の呪文については本来なら6年生になるまでは見せてはいけない事になっていると前置きをした上でこの「許されざる呪文」をハリーたち3人を含めた4年生に教えました。ところが・・・

その後の授業でムーディがやった事というのが・・・

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ハリーを含めた3年生にとっては過去2人の「この科目」の先生は全くの期待外れでした。ところが3年生になって教わる事になったルーピン先生はこれまでの印象を払拭するとってもいい先生でした。ルーピン先生は最初の授業で生徒の心を力強く掴んで一気に一番人気の先生になったのでした。(全3項目)

3-1.教室に入って来ると
ハリーたち3人を含めたグリフィンドールの3年生が教室に入って来た時にはルーピン先生はまだ来ていませんでした。生徒たちが席に着いて教科書に羽根ペンと羊皮紙を出して話している所にようやく先生が入って来たのでした。

ルーピン先生は曖昧に微笑みくたびれた古いカバンを先生用の机に置きました。相変わらず身なりはみすぼらしかったもののハリーが汽車で最初に見た時よりは何度かちゃんとした食事を取ったかのように健康そうに見えました。

「教科書はカバンに戻して貰おうかな。今日は実地練習をする事にしよう。杖だけあればいいよ」

「やあみんな」と挨拶をした後ルーピン先生はこう言いました。教科書をカバンに入れながら何人かは怪訝そうに顔を見合わせました。おそらくは昨年度最初のピクシー小妖精の事を思い浮かべたからに他ならないんでしょうね。

ルーピン先生はみんなの準備ができると「よしそれじゃ私についておいで」と言いました。何だろう?でも面白そう。生徒たちは立ち上がってルーピン先生に従い教室を出ました。授業中なので教室を出ると廊下は誰もいません。

すると角を曲がった所にいたのがポルターガイストのピーブズでした。空中で逆さまになって手近の鍵穴にチューインガムを詰め込んでいます。ピーブズはルーピン先生が60センチくらいに近づいた所でようやく目を上げました。

そこでピーブズが取って来た行動は?

それに対してルーピン先生は?

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久方ぶりに「このシリーズ」をやってみる事にしました。何分にもこの科目は毎年先生が代わるので取り上げにくかったんですよね。ハリーが2年生の時には過剰なまでに自信満々の「この人」がホグワーツにやって来ました。ところがその初授業でいきなり大失態を演じてしまったのでした。(全3項目)

3-1.ミニテスト
生徒全員が席に着くとロックハートは大きな咳払いをしました。すると教室は静かになりました。ロックハートは生徒のほうにやって来るとネビルの持っていた自身の著書「トロールとのとろい旅」を取り上げ高々と掲げました。

本の表紙にはウィンクをするロックハートの写真が載っていました。当の本人もウィンクをしつつロックハートは「私だ」と言いました。そしてロックハートは数々の輝かしい実績に肩書を披歴しながら自己紹介をしたのでした。

ギルデロイ・ロックハート。勲3等マーリン勲章。闇の力に対する防衛術連盟名誉会員。そして「週刊魔女」5回連続「チャーミング・スマイル賞」受賞。

もっとも私はそんな話をするつもりではありませんよ。バンドンの泣き妖怪バンシーをスマイルで追い払ったわけじゃありませんしね!こう言った所でロックハートは生徒が笑うのを待ちましたが数人が曖昧に笑っただけでした。

全員が私の本を全巻揃えたようで大変よろしい。するとロックハートは「今日は最初にちょっとミニテストをやろうと思います」と言いました。君たちがどのぐらい私の本を読み覚えているのかチェックするためなんだそうです。

テストペーパーを配り終えるとロックハートは教室の前に戻り「30分です。よーい始め!」と言ってテストは始まりました。ハリーはテストペーパーを見下ろし質問を読みました。最初の3問はこんな問題が出題されていました。

1.ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何?
2.ギルデロイ・ロックハートの密かな大望は何?
3.現時点までのギルデロイ・ロックハートの業績の中であなたは何が一番偉大だと思うか?

そして最後の問題は?

54.ギルデロイ・ロックハートの誕生日はいつで理想的な贈り物は何?

こんな質問が延々3ページに渡って続いていました。そして30分経つとロックハートは答案を回収しパラパラとめくりながら生徒たちの回答をチェックしたのでした。どうやらロックハートの期待に背く結果だったみたいですね。

そんな中に・・・

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ハーマイオニーに「あなたって最低の女よ」と罵倒されリータ・スキーターは報復に打って出て来ました。この仕返しは何が何でもさせていただく。そしてハーマイオニーはついにスキーターの秘密を突き止めたのです。それを利用してハーマイオニーは翌年度のバレンタインデーに・・・(全3項目)

3-1.リータ・スキーターの秘密
ハーマイオニーに「あなたって最低の女よ」と罵倒されてリータ・スキーターは報復に打って出て来ました。それはハリーにビクトール・クラムを巡る三角関係の記事を「週間魔女」という雑誌に掲載する事だったんですよね。

ハーマイオニーはこの程度の事しかできないのかとスキーターのして来た事を一蹴しました。しかし記事を読んだ読者から大量の嫌がらせの手紙が届きました。そのお陰で医務室のお世話になるなんて事にもなってしまいました。

このお返しは何が何でもさせていただくわ!ハーマイオニーはハリーとロンにこう言明しました。そしてハーマイオニーは三大魔法学校対抗試合の「第3の課題」の当日にリータ・スキーターの秘密をついに突き止めたのでした。

学校に出入りできないのにハグリッドが半巨人だという事をどうやって知ったのか?さらに「第2の課題」終了後のハーマイオニーとビクトール・クラムの会話をどうやって聞いたのか?それにハリーの事も加わったんですよね。

「占い学」の授業中にハリーの額の傷が痛んだ事を何故かスキーターは知っていて対抗試合の「第3の課題」当日の「日刊予言者新聞」にその事を記事にしたのです。それでハーマイオニーは気づく事ができたというわけです。

実はリータ・スキーターは未登録の「動物もどき」でコガネムシに変身する。ハリーとロンは帰りのホグワーツ特急でハーマイオニーからこの事を聞いたのでした。それがために禁止をされても学校に出入りする事が可能だった。

その事を魔法省に通報すればスキーターはアズカバン送りという事になってしまう。そこでハーマイオニーはスキーターに「そうされたくなかったら1年間はペンを持ってはいけない」とそう言い渡したというわけなんですよね。

そしてそれは翌年度の2月14日のバレンタインデーの事だったんですよね。

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クリスマス休暇明けハリーたちが「魔法生物飼育学」の授業に行くと何故かそこにハグリッドの姿はなくグラブリー・プランク先生という代わりの教師がそこにいたのでした。ハグリッドは一体どうなったのか?その理由はドラコ・マルフォイが教えてくれました。情報提供者がマルフォイなだけに・・・(全3項目)

3-1.クリスマス休暇が明けたら
「第1の課題」の3日前に立ち向かう相手がドラゴンだとハグリッドに教えて貰い課題の前日にはマッド・アイ・ムーディに「呼び寄せ呪文」でファイアボルトを手に入れろと言われてハリーは何とか最初の課題をクリアしました。

「第2の課題」は2月24日に行われ獲得した金の卵を開くと次の課題の内容を教えてくれるヒントが隠されている事もまた同時に告げられました。そして12月25日にはクリスマス・ダンスパーティが盛大に執り行われたのでした。

ところが金の卵を開けてみると何やら咽び泣くような音が聞こえて来るばかりで何ゆえこれが次の課題の内容を教えてくれるのかさっぱり分かりません。結局ハリーはクリスマス休暇中も金の卵の謎を解く事ができませんでした。

こうして新学期を迎えましたが「魔法生物飼育学」の授業に行ってみると何故かそこにハグリッドの姿はなくグラブリー・プランク先生というハリーたちにとっては初めて顔を見る先生がハグリッドの代わりに教えたのでした。

どうして突然代用教師になったのか?ハグリッドは一体どうしたのか?その理由をハリーたちに教えてくれたのはドラコ・マルフォイでした。情報提供者がマルフォイなだけにハリーたちにとって吉報であるはずがありません。

ハグリッドは半巨人だという事を「日刊予言者新聞」で暴露されたのです。記事を書いたのはリータ・スキーターでした。ここで問題になったのは「リータ・スキーターはその事を一体どうやって知ったのか?」という事でした。

ハグリッドは自分が半巨人だという事をハリーたち3人にすら話した事がありませんでした。ハリーとロンはクリスマス・ダンスパーティでハグリッドがボーバトンの校長マダム・マクシームに話しているのを偶然聞いて・・・

その時ハグリッドが半巨人だという事を初めて知ったのです。ハリーたちにすら打ち明けていないというのにリータ・スキーターに話すはずがない。それにリータ・スキーターはホグワーツへの出入りを禁止されているのです。

そこでハリーが次にした事とは?

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3年生の時にはバーノン叔父さんが許可証にサインをしてくれなかったためハリーは秘密の抜け穴を通ってホグズミード村に行っていました。しかし名付け親のシリウスのお陰で4年生からは堂々と行けるようになりました。ところが「一難去ってまた一難」という感じで・・・(全3項目)

3-1.4年生になったら
ハリーが違法にホグズミード村に行っている事はやがてスネイプの知る所となりました。ハリーは罰則を科されてもおかしくない状況でした。しかしその時はルーピン先生の機転でハリーは罰則を免れたというわけなんですよね。

ところがその際にハリーは「忍びの地図」を没収されてしまいました。もうこれでホグズミードに行く事もできない。そう思っていたら学期末には名付け親のシリウスのお陰でハリーはホグズミードに行く事が許されたのでした。

シリウスは無実の罪でアズカバンに収監されていたのです。ハリーの両親を裏切り「秘密の守人」になって2人の居場所をヴォルデモートに教えたのはロンのペットのスキャバーズことピーター・ペティグリューだったのです。

こうしてハリーは4年生になってからは堂々とホグズミードに行けるようになりました。ところがこれでようやく1つの大きな問題が解決したと思ったら新たな災難がハリーの身に振りかかって来る事になってしまったのでした。

今年度ホグワーツでは百年以上ぶりに三大魔法学校対抗試合が行われる事になりました。しかし今回に限り代表選手に名乗りを上げるのは「17才以上」という年齢制限が設けられました。だからハリーは立候補すらできません。

優勝賞金の一千ガリオンを何としても獲得したい!悪戯専門店の開業資金を手に入れるため16才のフレッドとジョージは老け薬を飲んで果敢に代表選手を決める公正な選者「炎のゴブレット」に名前を入れようとしたのでした。

しかしダンブルドア校長が引いた年齢線に撥ね飛ばされてしまいました。実はハリーもフレッドとジョージが上手く行ったら自分も立候補しようとそう思っていたのです。けれども2人がこうなった事ですっかり諦めていました。

ところがその場にいた全校生徒はもちろんの事ハリー自身もびっくり仰天する出来事が起きたのです。どういうわけか「炎のゴブレット」から4枚目の羊皮紙が出て来てしまったのです。その羊皮紙に名前が書かれていたのは?

ハリーでした。

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先週はホグズミード村に店を構える「ホッグズ・ヘッド」を取り上げました。そこで今週は村でおそらくは一番繁盛していると思われる「この店」を紹介してみる事にしました。ハリーが初めてこの店に足を踏み入れたのは3年生の時でした。しかしハリーにとっては極めて不幸な事に・・・(全3項目)

3-1.忍びの地図を譲り受け
実は先週ホッグズ・ヘッドを取り上げて1つ判ったような気がします。ハリーがこの店の事を知ったのはハグリッドの口からでした。つまりはハグリッドの小屋ではホグズミードの話題が折りに触れて出ていたというわけです。

そこが端から端まで魔法の村だという事や楽しい事が一杯待ち受けているという事もハリーはハグリッドから聞いてそれはそれは行ける日を楽しみにしていたのでしょう。だからこそバーノン叔父さんと取引きをしてまで・・・

何とか許可証にサインをして貰おうとしたのです。しかし結局それは叶う事なくクリスマス休暇前日にホグズミード行きが許された時もハリーは1人取り残されるのを覚悟していました。それがその日の朝の事だったんですよね。

村に行くロンとハーマイオニーを見送りハリーはグリフィンドール塔に向かっていました。すると4階の廊下の中ほどで誰かが名前を呼ぶので声のするほうを振り向くと隻眼の魔女の像の後ろにフレッドとジョージがいました。

「何してるんだい?どうしてホグズミードに行かないの?」

ハリーが2人にこう言うとフレッドが「行く前に君にお祭り気分を分けてあげようかと思って」と言って意味ありげにウィンクをすると「こっちへ来いよ」と言ったかと思うとハリーを誰もいない教室へと招き入れたのでした。

これはだね俺たちの成功の秘訣さ。君にやるのは実に惜しいぜ。しかしこれが必要なのは俺たちより君のほうだって昨日の夜にそう決めたんだ。一足早いクリスマス・プレゼントだと言ってフレッドとジョージがくれた物とは?

それは「忍びの地図」といってホグワーツ城と学校の敷地全体の詳しい地図でした。しかも「どこで誰が何をしているのか?」が一目瞭然に判るという機能つきの上にハリーが今まで一度も使った事のない道が記されていました。

「ホグズミードに直行さ」

フレッドの説明によればホグズミード行きの道は全部で7つありフィルチはその内の4つを知っている。残り3つの内1つは崩れてしまっていてもう使う事ができない。もう1つは入り口に「暴れ柳」が植えられているので通れない。

しかし最後に1つ残った道を通って行けばハニーデュークス店の地下室に出るのだそうです。そして城側の出入り口は先程フレッドとジョージがいた隻眼の魔女像からなんだそうです。だから2人はあそこにいたというわけです。

こうしてハリーは念願のホグズミード村に行けたのですが・・・

そこで待ち受けていたのは?

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マルフォイの館にドビーを遣わしてくれたのも実はアバーフォースでした。つまりアバーフォースは一度ならずも二度までもハリーたち3人の命を救ってくれたというわけなんですよね。そして「逃げろ」と言うアバーフォースに対してハリーは「僕たちは逃げません」と言って2人の意見は真っ向から対立したのですが・・・(全3項目)

3-1.満腹になった所で
「銀色の牝鹿!あれもあなただったのですか?」ロンが興奮してこう叫びましたがアバーフォースは「一体何の事だ?」と答えました。ハリーと一旦別れたロンはディーンの森で銀色の牝鹿に導かれ再会を果たしていたからです。

俺の守護霊は山羊だと証明してみせただろうが。アバーフォースがそう答えるのと時を同じくしてロンのお腹が空腹を訴えました。アバーフォースは「食い物はある」と言うと部屋を抜け出して暫く経つと戻って来たのでした。

大きなパンの塊とチーズ。それに蜂蜜酒の入った錫製の水差しを手に戻って来てアバーフォースはそれを暖炉前の小さなテーブルの上に置きました。3人が食べている間は暖炉の火が爆ぜる音とゴブレットが触れ合う音に・・・

物を噛む音以外は何の音もしませんでした。3人が食べ終わりハリーとロンが眠そうに椅子に座り込むとアバーフォースは口を開き「君たちをここから出す手立てを考えないといかん」と言ったのでした。ところがここで・・・

「僕たちは逃げません。ホグワーツに行かなければならないんです」こう言うハリーにアバーフォースは「馬鹿を言うんじゃない」と言いました。君たちがしなければならんのはここからできるだけ遠ざかる事だとも言いました。

逃げるわけにはいきません。いやその2人と国外に逃げるべきだ。暫くの間はハリーとアバーフォースの間で互いに譲らぬ激しい押し問答になりました。他の人にはできない仕事なんです。ダンブルドアが全て説明してくれた。

「ほうそうかね?それで何もかも話してくれたかね?君に対して正直だったかね?」

アバーフォースにこう言われてハリーは「そうだ」と答えたいと思いました。しかし何故かその簡単な言葉が口を突いて出て来ませんでした。アバーフォースはハリーが何を考えているか判っているようでこう言って来ました。

「ポッター俺は兄を知っている。秘密主義を母親の膝で覚えたのだ。秘密と嘘をな。俺たちはそうやって育った。そしてアルバスには天性のものがあった」

アバーフォースの視線が暖炉の上に掛かっている少女の絵に移りました。ハリーが改めて部屋の中を見てみるとそこにはその少女の絵しかありません。アルバス・ダンブルドアの写真もなければ他の誰の写真もありませんでした。

そこでハーマイオニーが遠慮がちにこう訊きました。

「ダンブルドアさん?あれは妹さんですか?アリアナ?」

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5年生になって最初のホグズミード行きの日に利用したもののハリーたちはそれが最初で最後の一度限りという事になってしまいました。ところがヴォルデモートの分霊箱を探す旅の途中で思ってもみなかった意外な形で再び足を踏み入れる事になったのでした。(全3項目)

3-1.ホグズミードに来て
こうしてハリーたち3人は5年生最初のホグズミード行きの日に初めてこの店を利用しました。それが盗み聞きされないようにと選んだはずのこの店で実はそれをされていたんだという事が後に明らかになってしまったんですよね。

首から上全部を汚い灰色の包帯でぐるぐる巻きにしていた男がウィリー・ウィダーシンという人物で店を出るとその足でホグワーツに駆け込んで早速アンブリッジにハリーたちの会合の事を密告していたというわけなんですよね。

そんな事もあってハリーたちはそれ以降この店を使いませんでした。ところがヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出てからハリーたちは思ってもみなかった意外な形でこの「ホッグズ・ヘッド」に足を踏み入れる事になりました。

それは分霊箱を奪うためにグリンゴッツのレストレンジ家の金庫破りをした後の事でした。分霊箱の最後の隠し場所が「ホグワーツ」だと判ったのです。何としてもヴォルデモートより先にホグワーツ入りをしなくてはならない。

先に入られたら分霊箱を他の場所に移されてしまう。ハリーはハーマイオニーの反対を押し切りホグズミードに入りました。しかし当然ハリーたちが来る事は敵方も判っていたというわけです。絶体絶命のピンチのその時でした。

死喰い人たちは「透明マント」を被ったハリーたちの居場所を突き止めようと吸魂鬼を仕掛けて来ました。そのため守護霊を創らなくてはなりませんでした。すると近くで閂を外す音がして左手の扉が開くとこう言って来ました。

「ポッター。こっちへ。早く!」

ハリーは迷わず従いました。3人は開いた扉から中に飛び込みました。背の高い誰かが「2階に行け。マントは被ったまま。静かにしていろ!」と呟くとハリーたちの脇を通り抜け外に出ると3人の背後で扉をバタンと閉めました。

そこが「ホッグズ・ヘッド」だったのです。

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ハリーから「闇の魔術に対する防衛術」を習いたいと何と総勢25人もの生徒が集まってハリーもさらにはホッグズ・ヘッドのバーテンもびっくり仰天しました。ところが実はこんなに大勢の生徒が集まったのには別の理由もあったからだったのです。それを知ったハリーは・・・(全3項目)

3-1.まずはハーマイオニーから
25人中トップで店に入って来たネビルが「やあハリー」と挨拶をするとハリーの向かい側に座って笑いかけて来てくれました。ハリーは笑い返す努力はしたものの言葉は出て来ませんでした。口の中が異常に乾いていたのでした。

チョウもハリーに笑いかけロンの右側に腰掛けました。チョウが連れて来た女子生徒はにこりともせずいかにもハリーを信用していないという目つきでした。本当はこんな所に来たくなかったと思っているのは明々白々でした。

全員が椅子に座り静かになった所でハーマイオニーが話し始めました。緊張でいつもより声が若干上ずっていました。みんなは今度はハーマイオニーのほうに注意を集中しましたが視線は時々ハリーのほうへと走らせていました。

皆さん何故ここに集まったか判っているでしょう。アンブリッジの「闇の魔術に対する防衛術」の授業は誰が見てもとてもそうとは思えません。アンブリッジが教えているクズじゃなくて本物を学びたいと思っているでしょう?

言葉を途切れがちにして話したハーマイオニーの演説の趣旨はまあこんな所でしょう。アンソニー・ゴールドスタインが「そうだそうだ」と合いの手を入れてくれたのでハーマイオニーは気を良くしたようでした。そこで・・・

いい考えだと思うのですが私は自分たちで自主的にやってはどうかと考えました。ここでハーマイオニーは一息つきハリーを見ると「適切な自己防衛を学ぶという事であり単なる理論ではなく本物の呪文を」と言ったのでした。

だけど君は「闇の魔術に対する防衛術」のふくろうもパスしたいんだろう?こう突っ込みを入れて来たマイケル・コーナーにハーマイオニーはすかさず「もちろんよ」と答えました。しかし本当の理由は他にあるというわけです。

ハーマイオニーは大きく息を吸い込むと・・・

「何故ならヴォルデモート卿が戻って来たからです」

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先週まで4週間に渡りアルバス・ダンブルドアを取り上げていたので今週はそれに関連した内容の記事をお届けする事にしました。ハリーがこの店の名前を初めて聞いたのは意外に早く1年生の時でした。そして初めて行ったのは5年生になってからでした。実際に足を踏み入れてハリーが思った事とは?(全3項目)

3-1.初めて入ったのは?
ハリーがホグズミード村にあるというパブ「ホッグズ・ヘッド」の事を初めて聞いたのは1年生の時で学期末試験終了直後の事でした。ハグリッドはドラゴンのノーバートをこの店で見知らぬ人物から入手して飼い始めたのでした。

ノーバートを手に入れた夜の事を覚えているかい?その相手ってどんな人だった?こう訊くハリーにハグリッドは「分からんよ。マントを着たままだったしな」とさらりと答えてしまいハリーたち3人を絶句させてしまったのでした。

そんな3人を見てハグリッドはこうも言いました。そんなに珍しい事じゃない。ホッグズ・ヘッドなんて所にはおかしな奴がウヨウヨしている。もしかしたらドラゴン売人だったかもしれん。フードを被ったままで顔も見なかった。

そんなハリーたち3人が初めて「ホッグズ・ヘッド」に入ったのは5年生の時でした。ハーマイオニーが突然「闇の魔術に対する防衛術」を自習すると言い出しました。さらに驚くべき事にそれを教えるのはハリーだとそう言うのです。

そしてハーマイオニーからハリーから習いたいという人は私とロン以外にも沢山いる。そこでこの「ホッグズ・ヘッド」に集まって話し合おうという事にしたのだそうです。ここは表通りには面していないし少し胡散臭いでしょう?

「三本の箒」はいつも人が一杯なのに比べ生徒は普通あそこには行かないから盗み聞きされる事もない。だからハーマイオニーは今回の話し合いをする場所にここを指名したとの事でした。横道に入って一番奥に突き当たると・・・

小さな旅籠が建っていました。扉の上に張り出した錆び付いた腕木にはボロボロの木の看板が掛かっていました。周囲の白布を血に染めたイノシシの首の絵が描かれています。3人が近づくと看板が風で揺れキーキー音を立てました。

3人とも扉の前で入るのを躊躇しました。ハーマイオニーが少しおどおどしながら「さあ行きましょうか」と言ってハリーが先頭に立ち店の中へと入って行ったのでした。そこは「三本の箒」とは全く様子が違っていたのでした。

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ハリーは1年生の時にダンブルドアに「ある質問」をしました。その時ダンブルドアは「今は答えられぬ」と言いました。ダンブルドアが言うには「まだ幼いし早すぎる」と思ったんだそうです。そしてついにいよいよハリーのその質問に答える時が来たとダンブルドアは言ったのでした。(全3項目)

3-1.質問の答え
ハリーはセドリック・ディゴリーの亡骸と一緒にヴォルデモート卿復活の知らせを持ってホグワーツに帰って来ました。ヴォルデモートが戻って来た以上すぐにでも話さなければならないと知りながらもハリーに話さなかった。

そして今夜。自分はこれほど長く隠していたある事を君はとうに知る準備ができていたのだと思い知った。自分がもっと前にこの重荷を君に負わせるべきであった事をハリーが証明してくれたんだとダンブルドアは言うのです。

自分の唯一の自己弁明を言おう。この学校に学んだどの学生よりも多くの重荷を君が負ってもがいて来たのを見守って来たのだとダンブルドアはそう言うのです。自分はその上さらにもう1つの重荷を負わせる事はできなかった。

しばしの沈黙の後ハリーが「まだ分りません」と言うとダンブルドアはヴォルデモートは君が生まれる少し前に告げられた予言のせいで幼い君を殺害しようとしたと5年前にハリーが訊いた質問にようやく答えたというわけです。

あやつは全貌を知らなかったが予言が成された事は知っていた。ヴォルデモートはハリーがまだ赤子の内に事を済ませてしまおうと思った。そうする事で予言が全うされると信じた。それが誤算だと身をもって知る事になった。

「死の呪文」が自身の体に撥ね返ったからというわけです。そこで自らの肉体に復活した時ヴォルデモートはその予言の全部を聞こうとした。しかしその予言は昨夜激しい攻防の末に砕けてしまった。ハリーがそう言うと・・・

「砕けた予言は神秘部に保管してある予言の記録に過ぎない。しかし予言はある人物に向かって成されたのじゃ。そしてその人物は予言を完全に思い出す術を持っておる」

それは自分だとダンブルドアは言うのです。その日ダンブルドアは「占い学」を教えたいと言う志願者の面接のためにホッグズ・ヘッドに出向いたんだそうです。その人物は卓越した能力のある非常に有名な予見者の子孫だった。

そもそも「占い学」の科目を続ける事は自分の意に反する事だった。しかし会うのが一般的な礼儀だろうと思った。自分は失望した。その女性本人には才能の欠けらもないように思われた。ところが帰りかけたその時の事だった。

そこでダンブルドアは・・・

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ハリーを引き取って息子として育てたいという魔法使いの家族は沢山いただろう。それなら何故ダンブルドアはハリーをダーズリー夫妻に預けたのか?そしてホグワーツに入って最初の年にハリーがした質問についに答える時が来たとダンブルドアは言うのです。話はいよいよ核心に迫って来ました。(全3項目)

3-1.怒るハリーに対して
ハリーはまた立ち上がりました。激しい怒りからダンブルドアに飛びかかるのではと思うほどでした。ダンブルドアはシリウスを全く理解していない。どんなに勇敢だったか。どんなに苦しんでいたか。そしてその次には・・・

ハリーは怒りの矛先をスネイプに向けました。スネイプはどうなったんです?あの人の事は何も話さないんですね?ヴォルデモートがシリウスを捕えたと僕が言った時にはあの人はいつものように僕をせせら笑っただけだった。

それに対してダンブルドアはスネイプ先生はアンブリッジの前でハリーの言う事を真に受けていないふりをするしかなかった。さらにここでダンブルドアはハリーに関わるスネイプの極めて意外な事実を明らかにしたんですよね。

校長に就任したその日にアンブリッジはハリーを部屋に呼びつけて真実薬入りの飲み物を飲ませようとしました。結局ハリーは飲まなかったのですがスネイプはその際アンブリッジには偽物の真実薬を渡していたのだそうです。

しかしハリーは耳を貸しませんでした。憎んでも余りあるスネイプを責めるのは残忍な喜びでした。自分自身の恐ろしい罪悪感を和らげてくれるような気がしたからです。ハリーはまだスネイプへの攻撃の手を緩めませんでした。

シリウスが屋敷の中にいる事をスネイプはちくちく突いて苦しめた。シリウスが臆病者と決めつけた。そう言うハリーにダンブルドアは「シリウスは十分大人で賢い。そんな軽いからかいで傷つきはしない」と反論したのでした。

スネイプは「閉心術」の訓練を辞めた!僕を研究室から放り出した!それについてはダンブルドアは「知っておる」と答えました。自分が教えなかったのは過ちだった。ダンブルドアはこの事については非を認めたものの・・・

ただあの時点では自分の面前でハリーの心をヴォルデモートに対してさらに開くのはこの上なく危険だった。つまりスネイプに教えさせたのは確かに自分の誤りだった。しかしあの時点ではそうするしかなかったというわけです。

スネイプはかえって状況を悪くした。スネイプが僕を弱めてヴォルデモートを入りやすくしたかもしれないのに先生はどうしてそうじゃないって判るんですか?つまりスネイプはあの策略を間接的に援助していたのかもしれない。

それに対してダンブルドアは「わしはセブルス・スネイプを信じておる」と言いました。しかしこれも自分の過ちだが忘れていた。スネイプ先生は君の父上に対する感情を克服できるだろうと思ったのだが自分が間違っていた。

それは傷が深過ぎて治らない事もあるからとダンブルドアは言うのです。それならそっちは問題じゃないってわけ?スネイプが僕の父さんを憎むのはいい。その一方でシリウスがクリーチャーを憎むほうはよくないと言うのか?

それに対してダンブルドアは・・・

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何ゆえ自分自身ではなくスネイプに「閉心術」を教えさせたのか?ハリーを見ようとさえしなかったのは何故なのか?実はクリーチャーはハリーに嘘をついていた。ダンブルドアはハリーが抱いていた疑問に答えシリウスが死ぬ事になった真相もまた話してくれたのでした。(全3項目)

3-1.何故「閉心術」の訓練をスネイプに?
何ゆえ自分自身ではなくスネイプ先生に「閉心術」を教えさせたのか?何故今学期ハリーを見ようとさえしなかったのか?それはハリーがずっとダンブルドアに対して抱き続けていた疑問でした。ハリーは思わず目を上げました。

するとダンブルドアが悲しげな疲れた表情をしている事が判りました。そしてハリーが「ええ。そう思いました」と言うとダンブルドアはヴォルデモートが復活した事による懸念のためにそうしてしまったとハリーに言うのです。

それは時ならずしてヴォルデモートが君の心に入り込み考えを操作したり捻じ曲げるだろうと思った。それをさらに煽り立てるような事はしたくなかった。わしと君との関係が校長と生徒以上に親しいとあいつに気づかれたら?

あるいはかつて一度でも親しかった事があると気づかれてしまったら?ヴォルデモートがそれに気づけば自分をスパイする手段としてハリーを使っただろう。ヴォルデモートはそんな風にハリーを利用しようとするかもしれない。

ダンブルドアはヴォルデモートがハリーに取り憑く可能性を恐れたのだそうです。その考えは間違っていなかったと思う。稀にではあったが君が自分のすぐ近くにいた時にはハリーの目の奥にあやつの影があったような気がした。

そう言われてハリーはダンブルドアと目を合わせた時に眠っていた蛇が自分の中で立ち上がり攻撃せんばかりになったように感じた事を思い出しました。ヴォルデモートがハリーに取り憑こうとした事であやつの狙いが判った。

それは自分ではなくてハリーを滅ぼす事だとダンブルドアは言うのです。そういう事だから自分は君から遠ざかる事でハリーを護ろうとして来た。ダンブルドアは「老人の過ちじゃ」と言って深い溜め息をついていたのでした。

アーサー・ウィーズリー氏が襲われた光景をハリーが見たその夜ヴォルデモートが目覚めるのをハリー自身が感じたとシリウスが教えてくれた。最も恐れていた事が間違いではなかったとダンブルドアはすぐ判ったんだそうです。

ヴォルデモートがハリーを利用できる事を知ってしまった。そこで君の心をヴォルデモートの襲撃に対して武装させようとダンブルドアはスネイプ先生との「閉心術」の訓練を手配したとの事でした。つまりこの訓練の開始は?

実はシリウスの報告がきっかけだったのです。

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ダンブルドアが作った「移動キー」でハリーが運ばれて来たのは何とホグワーツのそれも校長室でした。僕をここから出してくださいと何度訴えてもダンブルドアは「駄目じゃ」と言うばかりでした。それは自分の話が済むまでだとそう言うのです。先生の話なんか聞きたくないと言うハリーにダンブルドアは・・・(全3項目)

3-1.三度目の校長室
ダンブルドアが作った「移動キー」でハリーが運ばれて来たのは何とホグワーツの校長室でした。校長が留守の間に全てが何もかも元通りに修復されたようでした。ハリーにとってはいつもと変わらない普段通りの校長室でした。

窓から外を見ると夜明けが近いようです。動く物とてない静寂。歴代校長の肖像画が時折立てる鼻息や寝言しか破らない静寂はハリーにとっては耐え難いものでした。考えたくない。しかし考えてしまう。逃れようがありません。

シリウスが死んだのは僕のせいだ。それも全部僕のせいだ。ヴォルデモートの策略に嵌まるような馬鹿な真似をしなかったらシリウスは死ななかった。夢で見た事をあれほど現実だと思い込まなかったらシリウスは死ななかった。

僕の「英雄気取り」をヴォルデモートが利用している可能性があるとハーマイオニーが言った事を素直に受け入れていたらシリウスは死ななかった。耐えられない。考えたくない。我慢できない。感じたくない。確かめたくない。

「ああ・・・ハリー・ポッター・・・」

最初に目覚めハリーが来ている事に気づいたのはフィニアス・ナイジェラスでした。こんなに朝早く何故ここに来たのかね?この部屋は正当なる校長以外は入れない事になっている。ダンブルドアが君をここによこしたのかね?

もしかして私の碌でなしの曾々孫に伝言じゃないだろうね?フィニアス・ナイジェラスがこう言うのを聞いてハリーは返す言葉がありませんでした。フィニアス・ナイジェラスはシリウスが死んだ事をまだ知らないからです。

ハリーには言えませんでした。口に出してしまえばそれが決定的になり絶対に取り返しがつかない事になってしまう。他の肖像画も動き始めたので質問攻めに遭うのが恐ろしくハリーは部屋を横切って扉の取っ手を掴みました。

取っ手は回りません。ハリーは校長室に閉じ込められていました。すると歴代校長の内の1人が「もしかしてこれはダンブルドアがまもなくここに戻るという事かな?」と期待を込めた口調でハリーに問いかけて来たのでした。

後ろを向くとその魔法使いが興味深げにハリーを見ていました。ハリーは頷きました。するとその魔法使いは「それは有難い。あれがおらんと全く退屈じゃったよ。いや全く」と言って人の良さそうな笑顔を浮かべたのでした。

そして「ダンブルドアは君の事をとても高く評価しておるぞ。判っておるじゃろうが。ああそうじゃとも。君を誇りに思っておる」と言ったのでした。しかしハリーの胸には恐ろしい罪悪感が重苦しくのしかかっていたのでした。

自分が自分である事にもはや耐えられませんでした。誰でもいいから別人になりたいとこんなに激しく願った事はありませんでした。

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