当初ハリーとロンは「嘆きのマートル」のいるトイレに向かおうとしていました。ところがハリーがとっさに言った作り話が元で医務室にハーマイオニーの見舞いに行く事になってしまいました。しかし結果としてはそれがホグワーツ廃校の危機を救う事になったのです。(全3項目)

3-1.行き先変更
マダム・ポンフリーには私から許可が出たと言いなさい。最後にマクゴナガル先生にこう言われてハリーとロンは罰則を科されなかった事が半信半疑のままその場を立ち去りました。2人が廊下の角を曲がったその時の事でした。

マクゴナガル先生が鼻をかむ音がはっきりと聞こえて来てロンはハリーに「あれは君の作り話の中でも最高傑作だったぜ」と熱を込めて絶賛したのでした。しかしこうなったからには予定を変更して医務室に行くしかありません。

マダム・ポンフリーは2人を中に入れたものの渋々でした。石になった人に話しかけても何にもならないとマダム・ポンフリーは言うのです。確かにハーマイオニーのそばの椅子に座ってみると納得するしかなかったのでした。

2人が見舞いに来ている事にハーマイオニーが全く気づいていないのは明らかでした。ロンがハーマイオニーの硬直した顔を悲しげに見ながら「ハーマイオニーが自分を襲った奴を本当に見たと思うかい?」と訊いて来ました。

その問いにハリーは「だってそいつがこっそり忍び寄って襲ったのだったら誰も見ちゃいないだろう」と答えました。ハリーはハーマイオニーの顔を見てはいませんでした。ハリーが関心を寄せたのは顔ではなくて右手でした。

屈み込んでよく見てみるとハーマイオニーは固く結んだ右手の拳にくしゃくしゃになった紙切れを握り締めていました。マダム・ポンフリーがそのあたりにいない事を確認してからハリーはロンにその紙切れの事を教えました。

ロンは椅子を動かしてハリーがマダム・ポンフリーの目に触れないように遮りながら「何とか取り出してみて」と囁きました。ハーマイオニーが右手に握ったその紙切れには事件の謎を解く極めて重要な事が書かれていたのです。

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次から次へと立て続けに犠牲者が出たと思ったら突然ぱったりと襲撃事件は起きなくなりました。ところがスリザリンの継承者は長い沈黙を破って再び活動を開始したのです。クィディッチの試合は中止になり全てのクラブ活動も禁止になってしまいました。さらに不幸に追い打ちをかけるような出来事が起きてしまいました。(全3項目)

3-1.ハリーがスリザリンの継承者?
10月31日のミセス・ノリスを皮切りに犠牲者は立て続けに増えました。クィディッチの開幕戦グリフィンドール対スリザリン戦が行われた日の夜にはハリーの大ファンだった1年生のコリン・クリービーが襲われてしまいました。

さらにハッフルパフ生で薬草学の授業を合同で一緒に受けているジャスティン・フィンチ・フレッチリーもグリフィンドール塔付きのゴースト「ほとんど首なしニック」と共にこの一連の襲撃事件の犠牲者になってしまいました。

ところが事もあろうにハリーはその場に駆けつけたアーニー・マクミランに「現行犯だ!」と言われてしまったのでした。多くの生徒が「ハリーがスリザリンの継承者なのでは?」とそう考えた矢先のこの出来事だったからです。

何故多くの生徒がそう思うに至ったのか?その原因はギルデロイ・ロックハートの主宰で執り行われた「決闘クラブ」に於いてハリーがパーセルマウスすなわち蛇語を理解しまた同時に話す事が明らかになったからだったのです。

ハリーが蛇語を話したのは実はこの「決闘クラブ」の時が二度目でした。ホグワーツに入学する直前のハリーがまだ自分が魔法使いだという事を知らない時ハリーは生まれて初めて動物園に行きそこで蛇と会話を交わしたのです。

それがどうかしたの?ここにはそんな事できる人は掃いて捨てるほどいるだろうに。こう言うハリーにロンは「それがいないんだ」と答えました。蛇語を話せる人なんてのは魔法界にもそうはいない。非常に稀有な能力なのです。

どうして自分が蛇語を話せる事が問題になるのか?ハリーのこの疑問にハーマイオニーはサラザール・スリザリンは蛇と話ができる事で有名だった。それに一千年以上前の人だからハリーが子孫の可能性もあるとそう言うのです。

こうしてハリーはスリザリンの継承者で一連の襲撃事件の犯人なのではと疑われる事になってしまったのでした。

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ドビーがハリーに警告をしていたその恐ろしい出来事はまず10月31日ハロウィンに起こりました。その結果ハーマイオニーを含めた多くの生徒が知りたがったのは「秘密の部屋」の伝説の事でした。そこでハーマイオニーが取った取られた当の本人もびっくり仰天のその行動とは?(全3項目)

3-1.秘密の部屋の伝説が知りたくて
後に真相を知る事になるのですがハリーとロンはドビーにキングズ・クロス駅の9と3/4番線に入るのを邪魔され空飛ぶフォード・アングリアで学校に向かって飛び立つ所をマグルに目撃されるという失態を起こしてしまいました。

そしてそれは学期が始まって最初の土曜日に「闇の魔術に対する防衛術」の教師ギルデロイ・ロックハートの部屋でハリーが罰則を受けているその時に起こりました。どこからともなく氷のように冷たい声が聞こえて来たのです。

それは今にして思えば予兆でした。そしてついにドビーがハリーに警告していた出来事が起きたのは10月31日のハロウィンでした。ハリーがその姿なき声を追いかけて行ったら3人は最初の犠牲者を発見する事になったのでした。

秘密の部屋は開かれたり
継承者の敵よ、気をつけよ


松明に照らされて鈍い光を放つこの文字の下にぶら下がっていたのは管理人フィルチの飼い猫ミセス・ノリスでした。それをきっかけにハリーたち3人の間で話題に上ったのがホグワーツの「秘密の部屋」の事だったんですよね。

学校中がミセス・ノリスが襲われた話で持ち切りになる中その事件の後遺症はハーマイオニーにも及びました。ハーマイオニーが読書に長い時間を費やすのは今に始まった事ではありません。しかし今は読書しかしていません。

ハリーにロンが「何をしているの?」と訊いても返事をしない有り様でした。それが判ったのは次の水曜日でした。ようやく2人と話す気になったハーマイオニーが「ホグワーツの歴史」が全部貸し出されているとそう言うのです。

しかも二週間は予約で一杯なのだそうです。ハーマイオニーは実はこの本を持っているのですがロックハートの本で一杯で持って来る事ができなかったそうです。ハリーが「どうしてその本が欲しいの?」と訊くとその理由は?

「みんなが借りたがっている理由と同じよ。秘密の部屋の伝説を調べたいの」

そこでハーマイオニーがした事とは?

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当サイトでは折ある毎に「ハリーは極めて優秀な開心術士である」と指摘をして来ました。そこで去年からハリーが開心術を発揮している場面を巻ごとに振り返っています。今年は第2巻「秘密の部屋」からその場面を拾い出して紹介する事にします。(全3項目)

3-1.ドビーの警告
今日は12才の誕生日なのに自分の部屋に引きこもっていないふりをしなければならない。それはどこかの大金持ちの土建屋が奥さんを連れて夕食にやって来る。バーノン叔父さんにとって人生最大の商談が成立するかもしれない。

だからハリーは引っ込んでろというわけです。ところが夕食もそこそこにハリーが部屋に戻ってベッドに倒れ込もうとするとそこにはハリーが見た事のない生き物が座っていました。それが屋敷しもべ妖精のドビーだったのです。

ドビーはハリーに警告をするためにここプリベット通り4番地に来たと言うのです。それは何と事もあろうに何度も危機をくぐり抜けて来たが今学期ハリーはホグワーツには決して戻ってはならないとドビーはそう言うのです。

何て言ったの?だって戻らなきゃ。9月1日に新学期が始まるんだ。それがなきゃ耐えられないよ。ここがどんな所か君は知らないんだ。ここには身の置き場がないんだ。僕の居場所は君と同じ世界つまりホグワーツしかないんだ。

そう訴えるハリーにドビーはあなた様がホグワーツに戻れば死ぬほど危険でございます。今学期ホグワーツで世にも恐ろしい事が起こるよう罠が仕掛けられていると言うのです。ハリー・ポッターは危険に身を曝してはならない。

さらにドビーはハリーに届いた手紙を全て止めていました。ハリー・ポッターが友達に忘れられてしまったと思えば学校にはもう戻りたくないと思ってくれるかもしれない。ドビーはハリーのために良かれと思ってしたそうです。

ホグワーツには戻らないと約束したら手紙を差し上げます。どうぞ戻らないと言ってください。しかしハリーは怒ってドビーに「嫌だ。僕の友達の手紙だ。返して!」と言いました。するとドビーは悲しげにこう言ったのでした。

「ハリー・ポッター。それではドビーはこうするほかありません」

トビーはハリーに止める間も与えず矢のように扉に飛びついて開けると階段を全速力で駆け下りて行きました。ハリーもまた全速力で音を立てないようにしてドビーを追いました。玄関ホールを走り抜けキッチンに入ると・・・

ペチュニア叔母さんの傑作デザート「山盛りのホイップクリームとスミレの砂糖漬け」が天井近くを浮遊していたのでした。

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ハリーが荷造りを終えると隣の部屋から怒鳴り声が聞こえて来ました。パーシーが磨くために外しておいた首席バッジがなくなったんだそうです。ロンも「ネズミ栄養ドリンク」がないと言うのです。そこでハリーが食堂に探しに下りて行くとそこでは今度はウィーズリー夫妻が言い争っていました。(全3項目)

3-1.食堂に下りて来たら
荷造りが終わってハリーがトランクに鍵を掛けたちょうどその時でした。怒鳴り声が壁越しに聞こえて来たので何事かとハリーが部屋を出ると12号室の扉が半開きになっていて怒鳴っているのはパーシーだという事が判りました。

「ここに。ベッド脇の机にあったんだぞ。磨くのに外しておいたんだから」

こう怒鳴るパーシーにロンも「いいか。僕は触ってないぞ」と怒鳴り返していました。ハリーが「どうしたんだい?」と訊くとパーシーがハリーのほうを振り向きざまに「僕の首席バッジがなくなった」と言って来たのでした。

するとロンのほうも「スキャバーズのネズミ栄養ドリンクもないんだ」と言って来ました。もしかしたらバーに忘れたかな?そう言うロンに対しパーシーは僕の首席バッジを見つけるまではどこにも行かせないと叫んだのでした。

「僕スキャバーズのほう探して来る。僕は荷造りが終わったから」

ロンにこう言ってハリーは階段を下りました。バーはどうやらすっかり明かりが消えているようでした。ところがハリーが廊下の中ほどまで来た所でまたしても別の2人が食堂の奥のほうで言い争っている声が聞こえて来ました。

それがウィーズリー夫妻の声だとハリーはすぐに判りました。口喧嘩を聞いてしまったと2人には知られたくない。どうしようとハリーが躊躇していると自分の名前が聞こえて来ました。ハリーは思わず食堂の扉に近寄りました。

2人が話していたハリーに関する事とは?

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10分探してやっとこさスキャバーズを見つけハリーとロンがペットショップに戻るとロンにとっては唖然茫然の出来事が待ち受けていました。ハーマイオニーが買ったのはふくろうではなくロンに襲いかかったあの猫でした。そして3人が「漏れ鍋」に戻って来ると・・・(全3項目)

3-1.ハーマイオニーが買ったのは?
震えるスキャバーズをポケットに戻しロンは自分の頭をさすりながら背筋を伸ばしました。あれは一体何だったんだ?こう訊くロンにハリーは巨大な猫か小さな虎のどちらかだと答えました。2人はペットショップに戻りました。

すると2人がちょうど到着した時に店の中からハーマイオニーが出て来ました。しかしハーマイオニーはふくろうを持ってはいませんでした。両腕にしっかり抱き締めていたのはついさっきロンに襲いかかった巨大な赤猫でした。

「君。あの怪物を買ったのか?」

口をあんぐりと開け唖然茫然のロンに対しハーマイオニーは「この子。素敵でしょう。ね?」と得意満面の面持ちでした。見解の相違だなとハリーは思いました。ハリーの見解ではお世辞にも素敵とは到底言えなかったからです。

どう見てもちょっとガニ股だし気難しそうな顔がおかしな具合につぶれています。まるでレンガの壁に正面衝突したようでした。今はスキャバーズが見えないので猫はハーマイオニーの腕の中で満足気に甘え声を出していました。

そいつは危うく僕の頭の皮を剥ぐ所だったんだぞ!そう抗議するロンにハーマイオニーはクルックシャンクスはそんなつもりはなかったと答えたのでした。するとロンはスキャバーズの事はどうしてくれるんだとも言いました。

こいつは安静にしていなきゃいけないんだ。そんな時によりによってネズミの天敵の猫を飼うなんてどういう神経なんだというわけなんですよね。するとスキャバーズの話が出た所でハーマイオニーはロンにこう言ったのでした。

「それで思い出したわ。ロンあなたネズミ栄養ドリンクを忘れてたわよ」

ハーマイオニーは小さな赤い瓶をロンに渡すと取り越し苦労は辞めろとそう言うのです。クルックシャンクスは私の女子寮で寝るんだしスキャバーズはあなたの男子寮でしょう。だから問題はないとハーマイオニーは言うのです。

クルックシャンクスは可哀想な子なんだそうです。あの魔女がもう随分長い間この店にいたと言っていたんだそうです。するとロンが「そりゃ不思議だね」と皮肉っぽく言いました。どうやらロンもハリーと同じ見解のようです。

そして3人は「漏れ鍋」に戻って来たのでした。

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夏休みも終わりが近づくとハリーは行く先々でロンとハーマイオニーを探すようになりました。しかし結局ハリーが2人と再会できたのは最終日の事でした。するとハーマイオニーが「ふくろうが欲しい」と言い出したのです。別の事情もあって3人は「魔法動物ペットショップ」に行ったのですが・・・(全3項目)

3-1.やっと会えた!
矢のように日が経って夏休みも終盤になりました。ハリーはロンにハーマイオニーの姿はないかと行く先々で探すようになりました。新学期が近づいて来たのでホグワーツの生徒たちが続々とダイアゴン横丁にやって来ました。

ハリーは「高級クィディッチ用具店」でシェーマス・フィネガンやディーン・トーマスと出会いました。2人ともやはりファイアボルトを穴の開くほど見つめていました。そして本物のネビル・ロングボトムとも出くわしました。

フローリシュ・アンド・ブロッツ書店の前でしたが特に話はしませんでした。忘れん坊のネビルは教科書のリストを忘れて来たようで見るからに厳しそうなおばあさんに叱られている所でした。もしあのおばあさんにバレたら?

今度は自分が厳しく叱責されるかもしれない。だからナイト・バスでネビルの名を騙った事が知られませんようにとハリーは願いました。そして夏休みも最後の日になってハリーはやっとロンとハーマイオニーに会えたのでした。

明日になれば必ずホグワーツ特急で2人に会える!そんな思いでハリーは目覚めました。最後にもう一度ファイアボルトを見に外に出ました。ハリーが「どこで昼食を取ろう?」と考えていると誰かが大声でハリーを呼びました。

「ハリー!ハリー!」

振り返るとロンとハーマイオニーはフローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーのテラスに座っていました。2人ともちぎれんばかりにハリーに向かって手を振っていました。ハリーの事を随分探したそうです。

「漏れ鍋」に行ったらもう出たと言われた。それからフローリシュ・アンド・ブロッツ書店にマダムマルキンの洋装店にも行ったんだそうです。でもハリーは学校に必要な物はかなり以前に買って揃えてしまっていたんですよね。

自分が「漏れ鍋」に泊ってるってどうして知ってたの?ハリーが2人に訊くとロンが父親のアーサー氏からだと答えました。本当に叔母さんを膨らませてしまったの?ハーマイオニーはそれはそれは真面目な顔で訊いて来ました。

一方ロンは大笑いをしていました。ハリーがそんなつもりはなかったけどキレてしまってと事の次第を説明するとハーマイオニーはロンに「笑うような事じゃないわ」と真剣な突っ込みを入れていました。さらにその後も・・・

ハーマイオニーはハリーが退学にならなかったのが驚きだと言うのです。そんなハーマイオニーにハリーは「僕もそう思ってる」と言った後さらに退学どころか逮捕されるかと思ったと当時の気持ちを2人に打ち明けたのでした。

しかしロンに言わせれば「君が君だからだ」との事でした。何と言っても「あの」ハリー・ポッターだからこそ退学にもならず逮捕もされなかった。ロンはもしそれをしたのが自分だったらそんな大甘な措置には絶対にならない。

ロンはそう言うのです。

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初めての自由を手にして当初は戸惑ったもののハリーはその生活を大いに謳歌しました。もう真夜中にこそこそと宿題をする必要もありません!でも無駄遣いをしないよう自制するのも大変でした。ところが教科書を買いにフローリシュ・アンド・ブロッツ書店に行ったその時の事でした。(全3項目)

3-1.初めての自由な生活
初めて自由を手にしたもののハリーはこの奇妙な感覚に慣れるのに数日を要しました。好きな時に起きて食べたい物を食べる。こんな経験は今までした事がありませんでした。しかもダイアゴン横丁の中なら好きな所に行ける。

ここには世界一魅力的な魔法グッズの店がぎっしり並んでいるのでファッジの約束を破ってマグルの街並みのほうへ出て行こうなんてハリーは露ほども考えませんでした。朝食の席で他の宿泊客を眺めるのも楽しみの1つでした。

一日がかりの買い物をするのに田舎から出て来た小柄でどこか滑稽な魔女とか「変身現代」の最近の記事について議論を戦わせているいかにも威厳のある魔法使いとか猛々しい魔法戦士にやかましい小人などがいたりもしました。

またある時にはどうやら鬼婆だと思われる人が分厚いウールのバラクラバ頭巾にすっぽり隠れて生の肝臓を注文していました。朝食を終えるとハリーは例の裏庭からダイアゴン横丁に出てぶらぶらと店を覗いて回ったりしました。

それからハリーはカフェ・テラスに並んだ鮮やかなパラソルの下で食事をしたりもしました。カフェで食事をしている客たちは互いに自分が買った物を見せ合ったりシリウス・ブラック事件を議論している人がいたりもしました。

ハリーはもう頭からすっぽり毛布を被って懐中電灯を片手に宿題をする必要はありませんでした。フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーのテラスに座り明るい陽の光を浴びながら宿題を仕上げていました。

店主のフローリアン・フォーテスキューは中世の魔女火あぶりに大変詳しいその上に30分毎にアイスクリームを振る舞ってくれました。グリンゴッツからお金を下ろして来た後は一度に全部使わないよう自制するのが大変でした。

あと5年間ホグワーツに通うのだ。教科書を買うお金をダーズリーにせがむのがどんなに辛いか考えろと自分自身に言い聞かせ数々の高価な買い物の誘惑をハリーは振り切りました。しかしそれはここに来て一週間後の事でした。

ハリーの決意を最も厳しい試練にかける物がお気に入りの「高級クィディッチ用具店」に出現しました。店の中に何やら覗き込んでいる人が大勢いるのです。そこでハリーも気になってその人たちの中に割り込んで行きました。

陳列台に飾られていたのは?

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ハリーが逃亡を目論んでいたら何と「漏れ鍋」に到着した所で魔法大臣コーネリウス・ファッジにあっさりと捕まってしまいました。ところがハリーにとっては極めて意外な事にファッジは今回の件では「お咎めなし」だとそう言うのです。そこでハリーは夏休みの残りの期間を・・・(全3項目)

3-1.漏れ鍋の個室にて
紅茶を頼んだ後ファッジはトムに殊更はっきりと「それと個室を頼む」と言いました。トムの案内でファッジとハリーはカウンターから続く廊下へ入り狭い通路をファッジがハリーを追い立てるように進んで小部屋に入りました。

トムが指をパチンと鳴らすと暖炉の火が一気に燃え上がりました。トムは恭しく頭を下げたまま部屋を出て行きました。ファッジが暖炉のそばの椅子を示しハリーに「掛けたまえ」と言うと自分も座りここで自己紹介をしました。

「私はコーネリウス・ファッジ。魔法大臣だ」

ハリーは去年ハグリッドの小屋で見て知っていました。でもその時は「透明マント」に隠れていたのでファッジは当然知りません。そこにトムが寝間着の上にエプロンをつけ紅茶とクランペット菓子を盆に乗せて持って来ました。

「さてハリー。遠慮なく言うが君のお陰で大変な騒ぎになった。あんな風に叔父さん叔母さんの所から逃げ出すとは!私はもしもの事がと。だが君が無事で。いや何よりだった」

ファッジは紅茶を注ぐとハリーにこう言いました。ファッジはクランペットを1つ取ってバターを塗り残りを皿ごとハリーのほうに押してよこしました。座ったまま死んでいるような顔だからこの菓子を食べなさいとの事でした。

ミス・マージョリー・ダーズリーの不幸な風船事件は数時間前「魔法事故リセット部隊」2名が派遣され我々つまり魔法省の手で処理済みだそうです。ミス・ダーズリーはパンクして元通りになり記憶は修正されたんだそうです。

だから事故の事は全く覚えてない。一件落着して実害なしというわけです。事後報告が終わりファッジはティー・カップを傾けその縁越しに「お気に入りの甥をじっくり眺める伯父さん」という面持ちでハリーに笑いかけました。

ハリーは即座には信じる事ができず何か話そうとはしたものの言葉が見つからず一旦開いた口をまた閉じてしまいました。そんなハリーを見てファッジはハリーにダーズリー夫妻の反応が心配なんだねとそう言って来たのでした。

それは非常に怒っていた事は否定しない。しかしハリーがクリスマスとイースターの休暇をホグワーツで過ごすならダーズリー夫妻は来年の夏にはハリーを再び迎える用意があるとの事でした。ファッジにこう言われハリーは?

詰まった喉を無理やりこじ開け・・・

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シリウス・ブラックはたった一度の呪いで13人もの人を殺害してしまった最も凶悪な囚人だった。しかしハリーも未成年なのに学校の外で魔法を使うという法律違反をしてしまいました。これはアズカバンに入れられるほどの大罪なんだろうか?ところが「漏れ鍋」の前に到着した次の瞬間に・・・(全3項目)

3-1.一度の呪いで13人も!
ハリーがスタンに渡されて読んだ「ブラック未だ逃亡中」と題する記事によれば魔法省が今日発表した所によればアズカバンの囚人の中で最も凶悪と言われるシリウス・ブラックは未だに追跡の手を逃れて逃亡中なんだそうです。

何でも魔法大臣コーネリウス・ファッジはこの件をマグルの首相に知らせた事で国際魔法戦士連盟の一部から批判をされているそうです。だからマグルのテレビのニュースでこの人の逃亡の事が報道されていたというわけです。

記事の最後には魔法界はシリウス・ブラックがたった一度の呪いで13人も殺害した12年前のような大虐殺が起こるのではと恐れているとそう書かれていました。ハリーはシリウス・ブラックの暗い影のような目を覗き込みました。

落ち窪んだ顔の中で一カ所だけ目のみが生きているようでした。ハリーが新聞を読むのを見ていたスタンが「おっそろしい顔じゃねーか?」と言いました。たった一度の呪いで13人を殺害した。新聞をスタンに返しながら・・・

ハリーがスタンにその事を訊くと目撃者もいるし真昼間だったので大した騒ぎだったとスタンが答えました。シリウス・ブラックは「例のあの人」つまりヴォルデモートの一の子分だったんだそうです。物凄く近かったそうです。

ここでハリーが「ヴォルデモート」の名前を言ってアーニーとスタンが大パニックになるという一幕もありました。ハリーは謝りながらも「それでブラックは例のあの人の支持者だったんだね?」と言って答えを促したのでした。

スタンはまだ胸を撫でさすりながらハリーがヴォルデモートを凋落させた時は手下は一網打尽だった。ヴォルデモートがいなくなったらお終いだと大方は観念しておとなしく捕まった。だけどシリウス・ブラックは違っていた。

ヴォルデモートが支配するようになればシリウス・ブラックは自分がナンバー2になれると思っていた。とにかくその話は話としてシリウス・ブラックはマグルで混み合っている道のど真ん中で追い詰められてしまったそうです。

そこでとんでもない大惨事が起きたんだそうです。

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怒りに任せてプリベット通り4番地を飛び出したハリーはマグノリア・クレセント通りで低い石垣に腰を下ろしました。ところが「これからどうしよう?」とハリーが思案していると何やら視線を感じるのです。杖先に灯りを点してそれを確認しようとしているとそこに現れたのは何と三階建てのド派手な紫色のバスでした。(全3項目)

3-1.何やら妙な気配が
怒りに任せてプリベット通り4番地を出て来たハリーは幾つかの通りを過ぎてマグノリア・クレセント通りまで来ると低い石垣に腰を下ろしました。するとまだ収まらない憤りが全身を駆け巡り心臓が激しく鼓動していました。

しかし10分も経つと別の感情が湧き上がって来ました。最悪の八方塞がりだ。行くあてもない。もっと悪い事に今しがた本当に魔法を使ってしまった。つまりほとんど間違いなく自分はホグワーツを退校処分にされてしまうんだ。

「未成年魔法使いの制限事項令」をこれだけ真正面から破ってしまえば今この場に魔法省の役人が現れてもおかしくない。ハリーは身震いしてマグノリア・クレセント通りを端から端まで見回しました。一体どうなるんだろう?

逮捕されるのか?それとも魔法界の爪弾き者になるのか?ロンとハーマイオニーの事を思うとハリーはますます落ち込みました。罪人であろうとなかろうと2人なら自分を助けたいと思うだろう。味方になってくれるでしょうね。

でも今は2人とも外国にいます。ヘドウィグもいないので2人に連絡する事もできはしません。それに加えてハリーはマグルのお金を全く持っていませんでした。魔法界のお金ならトランクの奥に僅かばかり残されてはいました。

ただし・・・

ハリーはその手に握った杖を見ました。どうせもう追放の身になってしまったのだから。あと少し魔法を使ったって同じじゃないか。自分には父親の形見の「透明マント」がある。トランクに魔法をかけて軽くし箒に括りつける。

マントを被ってロンドンまで飛んで行き両親が残した遺産を引き出す。そして無法者としての人生を歩み出す。そう考えるだけでハリーはぞっとしました。しかしそんな事より今はいつまでもここに座っているわけにはいかない。

このままではマグルの警察に見咎められトランク一杯の呪文の教科書や箒を持って「こんな真夜中に何をしている?」と訊かれ説明に窮する事になってしまいます。ハリーは再びトランクを開け「透明マント」を探し始めました。

しかしまだ見つからない内にハリーは身を起こしました。そして周囲を見回し始めました。首筋が妙にチクチクする。誰かに見つめられているようなそんな気がする。しかし通りには誰もいません。次にハリーがした事とは?

ハリーは再びトランクの上に屈み込みました。しかしすぐに立ち上がりました。物音がしたわけではありません。ハリーはむしろ気配を感じました。ハリーの背後の垣根とガレージの間の狭い隙間に何者かが立っているのです。

ハリーは目を凝らして見つめました。動いてくれさえすれば判るのに。野良猫なのか?それとも何か別の物なのか?ハリーは何とかしてその正体を確かめようと「ルーモス!光よ!」と唱えると杖の先に灯りを点したのでした。

そこに見えたのは?

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ハリーを罵倒するだけでは物足りないとばかりにマージ叔母さんは攻撃の矛先を親に向けて来ました。それでも何とかやっとの事でマージ叔母さん滞在最終日の夜が来ました。しかしついにハリーは我慢の限度を越えてしまったようです。そしてついに大惨事が起きてしまったのでした。(全3項目)

3-1.やっと滞在最終日の夜に
玄関ホールに出て壁に寄り掛かりハリーは深呼吸をしました。自制心を失ってワイングラスを爆発させてしまった。もう二度とこんな事を引き起こすわけにはいかない。ホグズミードの許可証がかかっているばかりではないのです。

魔法界の法律では未成年の魔法使いは学校の外で魔法を使ってはいけないと定められています。ハリーは去年の夏休みに正式な警告状を受け取っていて再びここで魔法が行使される事があればホグワーツを退校されてしまいます。

それからの3日間ハリーはマージ叔母さんが自分に難癖をつけ始めた時には「自分でできる箒磨きガイドブック」の事を必死で考えてやり過ごしました。これは結構上手く行きましたが目が虚ろになるという難点がありました。

するとマージ叔母さんはハリーが落ちこぼれだとはっきり口に出して言うようになりました。しかしそれでも本当にやっとの事でマージ叔母さん滞在最終日の夜が来ました。ペチュニア叔母さんは豪華なディナーを料理しました。

バーノン叔父さんはワインを数本開けました。その席ではハリーの欠陥が引き合いに出される事はただの一度もありませんでした。ペチュニア叔母さんがコーヒーを入れバーノン叔父さんはブランデーを1本持って来たのでした。

マージ叔母さんはワインでもうかなり出来上がっていたものの叔父さんに「一杯どうだね?」と言われそれに応じました。ハリーは自分の部屋に消え去ってしまいたいとそう思っていましたが叔父さんがそれを許しませんでした。

バーノン叔父さんの目が怒っているのを見てハリーは最後まで付き合わなければならないのだと思い知らされたのでした。ところがそれがとんでもない惨事を引き起こす事になったのです。またしても始まってしまったのでした。

「それにしてもわたしゃ健康な体格の男の子を見るのが好きさね」

この一言からでした。

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ついにマージ叔母さんがやって来てしまいました。当初マージ叔母さんはハリーがここプリベット通り4番地にいる事すら気づきませんでした。ところがハリーがいる事に気づくとバーノン叔父さんもたじろぐほどの言語道断の言葉の暴力に打って出て来たのでした。日を追う毎にそれはエスカレートして・・・(全3項目)

3-1.マージ叔母さんがやって来た!
バーノン叔父さんがマージ叔母さんを迎えに出て行くとハリーはキッチンには戻らず二階の自分の部屋に上がりました。マグルらしく振る舞うのならすぐに準備を始めなくてはならなかったからです。まずハリーがした事とは?

ロンにハーマイオニーとハグリッドから貰った誕生祝いカードとプレゼントを片づける事でした。床板の緩んだ所に宿題と一緒に隠しました。そしてその次にハリーが取りかかったのはふくろうのヘドウィグに話をする事でした。

「一週間だけどこかに行っててくれないか。エロールと一緒に行けよ。ロンが面倒を見てくれる。ロンにメモを書いて事情を説明するから。そんな目つきで僕を見ないでくれよ」

ハリーは溜め息をついたその後に二羽を起こしてヘドウィグにこう言いました。ヘドウィグは恨みがましい目でハリーを見ました。そんなヘドウィグに対しハリーはこう言って「こうするしかないんだ」とそう説得したのでした。

「僕のせいじゃない。ロンやハーマイオニーと一緒にホグズミードに行けるようにするにはこれしかないんだ」

10分後ヘドウィグとエロールが窓から舞い上がって行くとハリーは心底惨めな気持ちで空っぽの鳥籠を箪笥に仕舞い込みました。でもくよくよしている暇はありません。次の瞬間にはペチュニア叔母さんの呼ぶ声が聞こえました。

下りて来てお客を迎える準備をしなさいと叫んでいました。ハリーが下りて行くと叔母さんは「その髪を何とかおし!」と言いました。けれどもハリーは髪を撫でつけるなんて努力をするのは意味がないとそう思ったのでした。

マージ叔母さんは自分にいちゃもんをつけるのが大好きなのだからだらしなくしているほうがうれしいに違いない。そうこうする内に外の砂利道が軋む音がしてバーノン叔父さんの車が私道に入って来たという事を知らせました。

「玄関の扉をお開け!」とペチュニア叔母さんが自分に言うのでハリーは扉を開けました。すると戸口にマージ叔母さんが立っていました。バーノン叔父さんとそっくりで巨大でがっちりとした体をしていて赤ら顔をしています。

叔父さんほどたっぷりではありませんが何と口髭まであります。片手にとてつもなく巨大なスーツケースを下げています。そしてもう一方の腕には根性悪の老いたブルドックを抱えていました。そのマージ叔母さんの第一声は?

「私のダッダーはどこかね?私の甥っ子ちゃんはどこだい?」

ダドリーが玄関ホールの向こうからよたよたとやって来ました。髪を撫でつけ例の母親が買っておいた蝶ネクタイを僅かに覗かせていました。マージ叔母さんは息が止まるほどの勢いでスーツケースをハリーに押しつけました。

そしてマージ叔母さんは・・・

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これがダーズリー一家からの誕生日プレゼント?もしそうだとすれば最悪の贈り物です。何と今日ここにハリーにとっては恐怖のマージ叔母さんがやって来て一週間も滞在するのだそうです。しかしここでハリーは閃きました。そこでバーノン叔父さんに取り引きを持ちかけたのでした。(全3項目)

3-1.キッチンに下りて行くと
翌朝ハリーがキッチンに下りて行くとダーズリー一家の3人はテーブルの周りに座って新品のテレビを見ていました。居間にあるテレビとキッチンの冷蔵庫との間が遠くて歩くのが大変だとダドリーが文句たらたらなので・・・

夏休みの「お帰りなさい」プレゼントに買ったのです。ダドリーは夏休みの大半をキッチンで過ごし目はテレビに釘付けのままでひっきりなしに何かを食べていました。ハリーが入って行っても誰も気づいた様子はありません。

もちろん「誕生日おめでとう」の一言もありません。ハリーも期待もしていませんでしたし無視されるのはもう慣れっこになっていたので気にもしませんでした。テレビではアナウンサーが脱獄囚のニュースを読んでいました。

「ブラックは武器を所持しており極めて危険ですのでどうぞご注意ください。通報用ホットラインが特設されています。ブラックを見かけた方はすぐにお知らせください」

バーノン叔父さんは新聞を読みながら上目使いに脱獄囚の顔を見て「奴が悪人だとは聞くまでもない。一目見れば判る。汚らしい怠け者め!あの髪の毛を見てみろ!」と言ったかと思うと横目でじろりとハリーを見たのでした。

ハリーのくしゃくしゃ頭はいつもバーノン叔父さんのイライラの種でした。テレビに映っている脱獄囚はやつれた顔にまといつくようにもつれた髪が肘のあたりまで伸びていました。それに比べれば自分は随分身だしなみがいい。

ハリーはそう思いました。すると画面がアナウンサーの顔に戻りました。そして次のニュースに移ったのでバーノン叔父さんは「その極悪人がどこから脱獄したか聞いてないぞ!何のためのニュースだ?」と文句をつけました。

脱獄犯が今にもこの辺に現れるかも知れないからだと叔父さんはそう言うのです。するとペチュニア叔母さんが慌ててキッチンの窓のほうを向いてしっかりと外を窺っていたのでした。ホットラインに電話をしたくて堪らない。

ペチュニア叔母さんがそう考えている事をハリーは判っていました。何しろ叔母さんは世界一お節介で規則に従うだけの退屈なご近所さんの粗探しをする事に人生の大半を費やしているのです。今度は叔父さんがこう言いました。

「一体連中はいつになったら判るんだ!あいつらを始末するには絞首刑しかないんだ!」

するとペチュニア叔母さんはお隣のインゲン豆の蔦を透かすように目を凝らしながら「本当にそうだわ」と言ったのでした。

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エロールにヘドウィグと学校の森ふくろうの三羽はハリーに誕生祝いカードとプレゼントを持って来てくれました。ハリーはもううれしくて堪りませんでした。しかしいつもより分厚い学校からの手紙にはハリーが笑えない物が同封されていたのです。それは?(全3項目)

3-1.生まれて初めの誕生祝いカード
ハリーはベッドに座るとエロールが持って来た茶色の包み紙を破り取りました。中からは金色の紙に包まれたプレゼントと生まれて初めての誕生祝いカードが出て来ました。封筒の中には手紙と新聞の切り抜きが入っていました。

「日刊予言者新聞」の切り抜きはアーサー氏が今年の「ガリオンくじグランプリ」を当てたという記事でした。アーサー氏は記者に対して「この金貨は夏休みにエジプトに行くのに使うつもりです」と答えたと書かれていました。

それは長男のビルがグリンゴッツの「呪い破り」として仕事をしているからだそうです。ハリーはウィーズリー家の人たちの写真を見て満面に笑みを浮かべずにはいられませんでした。9人全員が大きなピラミッドの前にいます。

そしてハリーに向かって思いっ切り手を振っています。ハリーは金貨一山に当選するのにウィーズリー一家ほどふさわしい人たちはいないと思いました。ウィーズリー一家はとても親切なその一方でひどく貧しい人たちでした。

ハリーは今度はロンの手紙を拾って広げました。その冒頭でロンは電話の事を謝っていました。それからエジプト旅行の感想と父親のアーサー氏が当てた「ガリオンくじ」の賞金額が「700ガリオン」だったと書かれていました。

今度の休暇で大方なくなってしまったけどロンには新しい杖を買ってくれるのだそうです。そして手紙の最後にはパーシーが首席になった事が綴られていたのでした。そしてハリーはプレゼントの包みのほうに取りかかりました。

ロンからの誕生日プレゼントは携帯の「かくれん防止器」でスニーコスコープという物でした。胡散臭い奴が近くにいると光ってくるくる回り出すんだそうです。しかしビルはこんな物はお上りさん用のちゃちな土産物なんだ。

だから信用できないと言うのです。何故なら昨日の夕食の時もずっと光りっぱなしだったからなんだそうです。でもその時はフレッドとジョージがビルのスープにカブトムシを入れたのにビルは気づいていなかったのだそうです。

そしてハリーは次にはヘドウィグが持って来た包みに取りかかりました。それはハーマイオニーからでした。

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7月はハリーの誕生月という事で最近は「ハリーは夏休みをどう過ごしたか?」を毎年お届けしています。ハリーは「魔法史」の宿題をやっている内に気づいたらもう13才になっていました。そんなハリーが窓辺に立って外を眺めていると何やら怪しいものが飛んで来たと思ったら・・・(全3項目)

3-1.真夜中近くに宿題
(おそらく)その日の真夜中近くもハリーはベッドに腹這いになり頭から毛布をテントのようにすっぽりと被って片手には懐中電灯を持ち大きな革表紙のバチルダ・バグショット著の「魔法史」を枕に立て掛けて見ていたのでした。

羽根ペンの先でページを上から下へと辿り「14世紀に於ける魔女の火あぶりの刑は無意味だった。意見を述べよ」という宿題のレポートを書くのに役立つ箇所を眉根を寄せて探している所でした。羽根ペンの動きが止まりました。

それらしい文章が見つかったのです。ハリーはメガネを押し上げると懐中電灯を本に近づけその段落を読みました。何でも非魔法界の人々つまりマグルは中世に於いて特に魔法を恐れていたが本物を見分ける事が得手ではなかった。

ごく稀に本物の魔女又は魔法使いを捕まえる事はあっても火刑は何の効果もなかった。その理由は初歩的な「炎凍結術」を施しさえすればその後は柔らかくくすぐるような炎の感触を楽しみつつ苦痛で叫んでいるふりをしていた。

特に「変わり者のウェンデリン」に至っては焼かれるのが楽しくて色々と姿を変えては自ら進んで「47回」も捕まったとの事でした。ハリーは羽根ペンを口にくわえると枕の下からインク瓶と羊皮紙を一巻き取り出して来ました。

そしてゆっくりと十分に注意しながらハリーはインク瓶のふたを開け羽根ペンを浸して書き始めました。時々ペンを止めて耳をそばだてました。ダーズリー一家の誰かがトイレに立った時に書く音を聞きつけてしまったら・・・

夏休みの残りの期間を階段下の物置きに閉じ込められて過ごすなんて事になりかねないからです。そのためハリーは真夜中にベッドで毛布を頭からすっぽり被り教科書を枕に立て掛けて宿題をやらなくてはならなかったのでした。

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ハリーが初めて小鬼のグリップフックに会ったのは11才の誕生日にハグリッドと共にグリンゴッツにお金を下ろしに行った時でした。そしてグリップフックはハリーたちがヴォルデモートの分霊箱を奪うためにグリンゴッツの金庫破りをするのを手伝ってくれたのですが・・・(全3項目)

3-1.グリップフック
ハリーが初めてこの小鬼のグリップフックと会ったのは11才の誕生日にハグリッドとグリンゴッツにお金を下ろしに行った時の事でした。小さなトロッコに乗り2人をポッター家と713番の金庫に連れて行ってくれたんですよね。

ハリーは次の年はウィーズリー一家の人たちと一緒にそしてその次の年は1人でグリンゴッツに行きました。しかし一体誰がウィーズリー一家一行とハリーを金庫まで案内してくれたのかの具体的な記述は出て来ないんですよね。

後にハリーがグリップフックに初めて会った時の事を話す様子から察するにハリーがグリップフックに会ったのは11才の誕生日に会った一度限りだったんでしょうね。そして2人は思わぬ所で出会ったというよりすれ違いました。

それはハリーがロンとハーマイオニーと共にヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出た時でした。ハリーたち3人がイギリス各地を転々としているのと同様にグリップフックもまた何らかの理由があって放浪の旅をしていました。

グリップフックはこれも小鬼のゴルヌックとニンファドーラ・トンクスの父親のテッド氏さらにはディーン・トーマスと一緒でした。この4人の会話を漏れ聞いた事でハリーたちは極めて重要な情報を知る事ができたんですよね。

それはジニーにルーナとネビルが校長室にあるグリフィンドールの剣を盗み出そうして失敗した事。そしてスネイプ校長はそのグリフィンドールの剣をグリンゴッツに送った。ところがその剣は何と偽物だったという事でした。

そしてハーマイオニーがあらかじめビーズバッグにグリモールド・プレイス12番地にあった額縁を入れておいたのでフィニアス・ナイジェラス・ブラックを呼び出してみたらこれもまた意外な収穫を得る事ができたんですよね。

小鬼製の刀剣や甲冑は磨く必要などない。小鬼の銀は世俗の汚れを寄せつけず自らを強化するもののみを吸収する。フィニアス・ナイジェラスが言ったこの言葉のお陰でグリフィンドールの剣が分霊箱を破壊できると判ったのです。

そしてそれはそれは極めて不思議な事にハリーはグロスター州のディーンの森でそのグリフィンドールの剣を手に入れたのでした。

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アルバス・ダンブルドアが死んで夏休みに入った直後の「日刊予言者新聞」にダンブルドアの追悼文が掲載されました。それを寄稿したのは不死鳥の騎士団のメンバーの1人エルファイアス・ドージという人でした。それを読んでハリーは大いに反省させられる事になったのですが・・・(全3項目)

3-1.エルファイアス・ドージ
不死鳥の騎士団の創立時のメンバーの1人でさらには先発護衛隊の一員としてハリーを迎えにプリベット通り4番地にやって来ました。この人のダンブルドアの追悼文が夏休みに入ってすぐの頃に「日刊予言者新聞」に載りました。

「アルバス・ダンブルドアを悼む」と題されたその寄稿文によるとこの人がダンブルドアと出会ったのはホグワーツに入学したその日だったんだそうです。互いにのけ者だと感じていた事が2人を惹きつけたらしいとの事でした。

エルファイアス・ドージはその直前に龍痘にかかり他人に感染する恐れはなくなっていたものの痘痕が残り顔も緑がかっていたので積極的に近づこうとする人はほとんどいませんでした。その一方でダンブルドアのほうは・・・

父親のパーシバルが3人のマグルの若者を襲ってアズカバン送りになったという芳しくない評判を背負ってのホグワーツ入学だったのだそうです。しかしそんな悪評をダンブルドアはすぐさま消し去ってしまったんだそうです。

その学期の終盤にはマグル嫌いの父親の息子という見方は全くなくなりホグワーツが始まって以来の秀才という事だけで知られるようになったんだそうです。ダンブルドアは学校のありとあらゆる賞を総嘗めにしたのだそうです。

さらにダンブルドアはその時代の有名な魔法使いたちと定期的に手紙のやり取りをするようになったり論文の幾つかが「変身現代」や「呪文の挑戦」に「実践魔法薬」などの学術出版物に取り上げられるようになったそうです。

ホグワーツを卒業した時2人はその頃の伝統だった卒業世界旅行に一緒に出かける予定になっていたんだそうです。ところが出発前夜に母親のケンドラが亡くなってしまいダンブルドアは旅行の中止を余儀なくされてしまいました。

エルファイアス・ドージのこの追悼文を再び読み終えハリーの今の悲しみには恥じ入る気持ちが混じっていました。それは知っているつもりだったダンブルドアの事を実は全く知らないという事に気づかされたからだったのです。

子供の頃や青年時代のダンブルドアなんてハリーは一度も想像した事がありませんでした。人格者で銀色の髪をした高齢のダンブルドアしか思い浮かびませんでした。ハリーはダンブルドアの過去を聞こうとさえしませんでした。

そんな事を気づかせてくれた・・・

エルファイアス・ドージだったのですが。

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