大広間「秘密の部屋」編(2)(8回シリーズ)

新学期初日の夜ハリーとロンがグリフィンドール寮の談話室に入ると何と賞賛の嵐でした。しかしパーシーは怒っていました。ハーマイオニーもまたパーシーと同じ思いのようです。ところが翌日の朝食の席に母親のウィーズリーおばさんからロンに赤い封筒が届いて・・・(全3項目)

3-1.翌日の朝
翌日の朝食のテーブルには牛乳入りオートミールの深皿にニシンの燻製の皿さらにはトーストが山と積まれベーコンエッグの皿が並べられていました。魔法がかけられ空と同じに見える天井はどんよりとした灰色の曇り空でした。

ハリーとロンはハーマイオニーの隣に腰掛けました。ハーマイオニーはミルクの入った水差しに「バンパイアとバッチリ船旅」を立て掛けて読んでいました。ハーマイオニーの「おはよう」の言い方は少々つっけんどんでした。

昨日の夜ハリーとロンがグリフィンドール寮の談話室に入った時には何と賞賛の嵐でした。その一方でパーシーは怒っていました。そして寝室が同じネビルとディーン・トーマスにシェーマス・フィネガンも感激の面持ちでした。

パーシーと同様にハーマイオニーもまたハリーとロンが学校に到着したその方法が許せないようです。その反対にネビルの挨拶はうれしそうでした。ハリーの知る限り一番の忘れん坊のネビルはハリーたちにこう言ったのでした。

「もうふくろう郵便の届く時間だ。ばあちゃんが僕の忘れた物を幾つか送ってくれると思うよ」

ハリーがオートミールを食べ始めた途端にネビルの言う通り頭上に慌ただしい音がして百羽を超えるふくろうが押し寄せて来て大広間を旋回し生徒たちの上から手紙やら小包を落としました。大きな小包がネビルにも届きました。

その次の瞬間の事でした。何やら大きな灰色の塊がハーマイオニーのそばの水差しの中に落ち周囲にいる生徒たちにミルクと羽根のしぶきを撒き散らしました。その灰色の塊はウィーズリー家のふくろうのエロールだったのです。

そのエロールが運んで来た物とは?

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大広間「秘密の部屋」編(1)(8回シリーズ)

まだ8月で少々早めですが去年に引き続き「このシリーズ」をお届けする事にします。2年生の新学期初日ハリーとロンは屋敷しもべ妖精のドビーに邪魔をされてホグワーツ特急に乗る事ができずアーサー氏所有の空飛ぶフォード・アングリアで学校に向かいました。しかし車は学校に到着する直前で失速して・・・(全3項目)

3-1.学校に到着した時には
ハリー2年生の新学期初日は波乱の幕開けになってしまいました。ハリーは後に知る事になるのですが屋敷しもべ妖精のドビーがキングズ・クロス駅の9と3/4番線への入口を塞いでしまいホグワーツ特急に乗れなかったのです。

一緒に乗り損ねてしまったロンの発案でハリーはアーサー氏所有の空飛ぶフォード・アングリアで学校を目指す事になりました。ところが車は学校に到着する直前に失速して校庭に植えられている「暴れ柳」に突っ込みました。

車は「これ以上はもう沢山だ!」と言わんばかりにハリーとロンそれに2人のトランクとヘドウィグの鳥籠を放り出して暗闇の中に走り去って行きました。ヘドウィグも怒ったように大声で鳴きながら飛んで行ってしまいました。

よりによって大当たりだよ。当たり返しをする木に当たるなんて僕たち信じられないぐらいついてないぜ。こう言うロンにハリーは疲れ果てた声で「行こう。学校にたどり着かなくちゃ」と言い2人は城の正面扉に向かいました。

「もう新学期の歓迎会は始まってると思うな」

扉の前の階段下でトランクを下ろしロンはこう言いながらこっそり横のほうに移動して明るく輝く窓を覗き込みました。ロンが「見てごらんよ。組み分け帽子だ!」と言うのでハリーも駆け寄って2人で大広間を覗き込みました。

そこではちょうど新入生の組み分けの儀式が始まる所でした。

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スタン・シャンパイク(4)(シリーズ最終回)

無実なのにも関わらず魔法省のメンツを守るためスタンは身柄の拘束が続く事になってしまいました。ところがハリーはそんなスタンと思わぬ所で顔を合わせる事になりました。さらにはそれがハリーを死の一歩手前まで追い詰める事態へと発展して行ったのでした。(全3項目)

3-1.思ってもみなかった所で
こうして魔法省のメンツを守るため無実なのにも関わらずスタン・シャンパイクは身柄を拘束され続ける事になってしまいました。そうこうしている内に一大事が起きました。アルバス・ダンブルドアが死亡してしまったのです。

それに追い打ちをかけたのが魔法法執行部の部長パイアス・シックネスが死喰い人のヤックスリーに「服従の呪文」をかけられた事でした。ダンブルドアが死んでヴォルデモート卿の脅威はハリー1人だけという事になりました。

そこで闇の陣営はハリーがプリベット通り4番地からそう安々と移動できないようにと「煙突飛行ネットワーク」と結ぶ事も「移動キー」を置く事も「姿現わし」をする事も禁止をしてしまうという措置に打って出て来ました。

そこで不死鳥の騎士団は残された数少ない輸送手段を使ってハリーを移動させる事にしました。さらには6人がポリジュース薬を使ってハリーの姿になり追跡を不可能にする「7人のハリー・ポッター」作戦を取る事にしました。

ところが魔法省内に「ハリーは誕生日の7月31日まで動かない」という偽情報を流しておいたのにヴォルデモートはハリーが移動する正確な日付を知っていたのです。ハリーたちは飛び上がると同時に取り囲まれてしまいました。

追っ手の死喰い人にハリーは次から次へと「失神呪文」を放ちました。ハリーがその1人にまた呪文を放つと死喰い人がそれを避けようとした拍子に頭からフードが滑り落ちました。それがスタン・シャンパイクだったのです。

「エクスペリアームス!」

スタンは奇妙に無表情でした。ハリーは「死なせちゃいけない」と思ってとっさにこう叫びました。するとフードを被ったままの他の死喰い人が「あれだ。あいつがそうだ。あれが本物だ!」と叫んで瞬時に姿を消したのです。

この後ハリーとハリーを連れていたハグリッドはヴォルデモートに追いつかれてしまいました。ハリーは「もうお終いだ」と思いました。ところがその時でした。ハリーの杖が勝手に動いてヴォルデモートの杖を破壊したのです。

またしてもハリーはヴォルデモートの手を逃れたのです。

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スタン・シャンパイク(3)(4回シリーズ)

ハリーが二度目に「夜の騎士(ナイト)バス」に乗った時にはスタンに大歓迎される事になりました。ところがそれはヴォルデモート卿復活が「日刊予言者新聞」に掲載されて明らかになってから二ヵ月半後の事でした。何とスタンが死喰い人の活動をした疑いで逮捕されてしまったと言うのです。(全3項目)

3-1.逮捕される
そんなスタン・シャンパイクの言う通りで「日刊予言者新聞」が悪辣な中傷記事を掲載したお陰で世間からは白眼視されていたハリーは学期末にヴォルデモート卿復活の記事が載ってダンブルドアと共に名誉を回復したのでした。

そしてそれは学期が始まって二度目の土曜日の朝食の席でした。ハーマイオニーがその日の「日刊予言者新聞」を広げて読んでいるとロンがいつものように「誰か知ってる人が死んだか?」とわざと気軽な声で訊いたのでした。

「いいえ。でも吸魂鬼の襲撃が増えてるわ。それに逮捕が一件」

ハーマイオニーが最後に言った「逮捕が一件」を聞いてハリーはベラトリックス・レストレンジを思い浮かべつつ「良かった。誰?」と訊きました。ところが何とそこで出て来た名前がスタン・シャンパイクその人だったのです。

ハリーはびっくりして「えっ?」と言いました。記事によれば魔法使いに人気の「夜の騎士(ナイト)バス」の車掌スタンリー・シャンパイクは死喰い人の活動をした疑いで昨夜遅くにクラッパムの自宅で逮捕されたんだそうです。

「スタン・シャンパイクが死喰い人?馬鹿な?」

驚いてこう言うハリーにロンは何でもありだからスタンは「服従の呪文」をかけられていたのかもしれないと至極もっともな事を言いました。するとハーマイオニーがハリーとロンに「そうじゃないみたい」と答えたのでした。

それならどうしてスタンは逮捕されたのか?

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スタン・シャンパイク(2)(4回シリーズ)

こうして3年生の夏休みに「夜の騎士(ナイト)バス」に乗りスタン・シャンパイクと初めて出会ったハリーだったのですが今度はリーマス・ルーピンとニンファドーラ・トンクスの護衛付きで1人ではなく大勢でこのバスに乗る事になりました。するとハリーを取り巻く厳しい状況にも関わらずスタンは・・・(全3項目)

3-1.2度目の乗車
こうしてハリーは3年生の夏休みに「夜の騎士(ナイト)バス」に乗りスタン・シャンパイクと初めて出会いました。ところがハリーは5年生のクリスマス休暇にもナイト・バスに乗り再びスタンと顔を合わせる事になったのでした。

それはロンドンのグリモールド・プレイス12番地の不死鳥の騎士団の本部からホグワーツに戻る時でした。そのためハリーはロンにハーマイオニーとフレッドにジョージそれにジニーも一緒にこのナイト・バスに乗り込みました。

一行はリーマス・ルーピンとニンファドーラ・トンクスの護衛付きでした。ハリーたち一行が12番地の外に出るとトンクスが緊迫感をみなぎらせて広場のあちらこちらに目を走らせながらハリーたちにこう言って来たのでした。

「さあバスに早く乗るに越した事はないわ」

ルーピンがパッと右腕を上げると「バーン」と音がしてド派手な紫色の3階建てのバスがどこからともなく一行の目の前に現れました。危うく近くの街灯にぶつかりそうになりましたが街灯のほうが飛び退いて道を空けました。

これも前回同様に紫色の制服姿の痩せてニキビだらけの耳が大きく突き出たスタン・シャンパイクが歩道に飛び降りて来て「ようこそ」といつもの挨拶をしようとしましたがトンクスがスタンに素早くこう言って辞めさせました。

「はいはい判ってるわよ。ご苦労さん」

そしてトンクスはハリーを乗車ステップのほうへ押しやりました。ハリーが前を通り過ぎるとスタンはハリーをじろじろ見て「いやーアリーだ!」と言いました。するとトンクスはジニーとハーマイオニーを押しやりつつ・・・

「その名前を大声で言ったりしたら呪いをかけてあんたを消滅させてやるから」

トンクスは低い声で脅すようにスタンに対してこう言ったのでした。その一方でロンのほうは「僕さ。一度こいつに乗ってみたかったんだ」とうれしそうに言うとバスに乗り込みハリーのそばに来て周囲を見回していたのでした。

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スタン・シャンパイク(1)(4回シリーズ)

今週は「夜の騎士(ナイト)バス」ことナイト・バスの車掌の「この人」を取り上げる事にしました。ハリーがこのスタンに初めて会ったのはプリベット通り4番地から程近いマグノリア・クレセント通りでした。目の前に突然3階建てのド派手なバスが現れ出でたのでハリーはそれを見て・・・(全3項目)

3-1.マグノリア・クレセント通りで
ハリーがこのスタン・シャンパイクと初めて会ったのは3年生の夏休みでした。この時ハリーは当然知るべくもなかったのですがシリウスが無二の親友の忘れ形見のハリーと12年ぶりの再会を果たした直後の事だったんですよね。

「ナイト・バスがお迎えに来ました。迷子の魔法使い魔女たちの緊急お助けバスです。杖腕を差し出せば参じます。ご乗車ください。そうすればどこなりとお望みの場所までお連れします。私はスタン・シャンパイク」

一瞬ハリーは打ち所が悪くておかしくなったのかと思いました。何故なら目の前に突然3階建てのド派手な紫色のバスが現れ出でたからです。するとそのバスからこれも紫色の制服を着た車掌が降りて来てこう挨拶をしました。

するとスタン・シャンパイクは「車掌として今夜」と言った所で黙りました。地面に座り込んだままのハリーを見つけたからです。ハリーは落とした杖を拾い上げると急いで立ち上がりました。そんなハリーを見てスタンは?

「そんなとこですっころがっていってぇ何してた?」

スタンは思わず職業口調を忘れていました。スタンにこう問われハリーは「転んじゃって」と答えました。鼻先で笑いながら「何でころんじまった?」と訊くスタンにハリーは「わざと転んだわけじゃないよ」と答えたのでした。

近寄ってよくよく見てみるとスタン・シャンパイクはせいぜい18才か19才でハリーとあまり年が違わない事が判りました。大きな耳は突き出し顔はにきびだらけでした。するとハリーは唐突に何故転んだのかを思い出しました。

そこで慌てて振り返るとガレージと石垣の間の路地を見つめました。ナイト・バスのヘッドライトがそのあたりを煌々と照らしていましたがそこはもうもぬけの殻でした。シリウスは既に去ってしまっていた後だったんですよね。

「いってぇ何見てる?」と訊くスタンにハリーは隙間のあたりを指して「何か黒い大きなものがいたんだ」と答えました。そして「犬のような。でも小山のように」と言うとハリーはスタンのほうに顔を向けました。すると?

スタンはハリーの顔を見て・・・

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「秘密の部屋」編(4)(シリーズ最終回)

お前は学校の外で魔法を使ってはならんという事を黙っていたな。怒りに猛り狂うバーノン叔父さんはハリーを部屋に閉じ込めて学校に戻れないようにしました。しかし3日後にロンとフレッドとジョージの3人がやって来て魔法を使う事なくハリーを連れ出して行きました。その時バーノン叔父さんは?(全3項目)

3-1.怒れるバーノン・ダーズリー
お前は学校の外で魔法を使ってはならんという事を黙っていたな。バーノン叔父さんの目には怒りの炎が燃え上がっていました。叔父さんの言う通りでした。ハリーはついにバーノン叔父さんにその事を知られてしまったのです。

「さて小僧。知らせがあるぞ。わしはお前を閉じ込める。お前はもうあの学校には戻れない。決してな。戻ろうとして魔法で逃げようとすれば連中がお前を退校にするぞ!」

狂気の笑いを浮かべながらバーノン叔父さんはハリーを2階に引きずって行きました。叔父さんは言葉通りに情け容赦がありませんでした。翌朝には人を雇いハリーの部屋の窓に鉄格子を嵌めさせました。そしてさらには・・・

部屋の扉には自ら「餌差し入れ口」を取りつけ1日3回僅かな食べ物を押し込む事ができるようにしました。朝と夕はトイレに行けるよう部屋から出してくれましたがハリーはそれ以外の時は1日中閉じ込められる事になりました。

3日経ってもバーノン叔父さんは全く気を緩める気配はなくハリーには状況を打開する糸口さえ見出せませんでした。たとえ魔法を使って部屋を抜け出したとしてもそのせいでホグワーツを退校させられたら何にもなりません。

しかし今のプリベット通り4番地での生活はまさにハリーにしてみれば最低の最低でした。学校の外では魔法を使えないという事を知られてしまったのでバーノン叔父さんが戦々恐々とする日々もまた終わりを告げたのでした。

ドビーはホグワーツでの世にも恐ろしい出来事からハリーを救ってくれたかもしれませんが結果はこのままでは同じです。ハリーは餓死してしまう。それにあと4週間生き延びたとしてもホグワーツに行かなかったらどうなる?

何故戻らないのかを調べに誰かをよこすのだろうか?ダーズリー一家に話して自分を解放するようにできるのだろうか?

ハリーがそんな事を考えていると・・・

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「秘密の部屋」編(3)(4回シリーズ)

ハリー・ポッターは何度も危機を切り抜けていらっしゃった。それでもドビーはハリーにホグワーツに戻ってはならないとそう言うのです。そのためにドビーはありとあらゆる手段を講じて来ました。それでもハリーが「学校に戻らない」と言ってくれないのでドビーは・・・(全3項目)

3-1.ドビーの警告
ハリー・ポッターは謙虚で威張らない方です。ハリー・ポッターは「名前を呼んではいけないあの人」すなわちヴォルデモートに勝った事をおっしゃらない。ドビーめはハリーが闇の帝王と二度目の対決をしたとそう聞きました。

それはほんの数週間前だった。そしてハリー・ポッターはまたしてもその手を逃れた。ドビーはハリーのほうに身を乗り出して来てこう言ったのでした。ハリーが頷くとドビーの目は涙で光ったのでした。ところがだったのです。

ハリー・ポッターは勇猛果敢!もう何度も危機を切り抜けていらっしゃった!それでもドビーはハリーは学校に戻ってはならないと言うのです。一瞬の静けさ。下からは遠い雷鳴のようなバーノン叔父さんの声が聞こえて来ます。

そう言うドビーにハリーは何て言ったの?だって戻らなきゃ。それがなきゃ耐えられないよ。ここがどんな所か君は知らないんだ。ここには身の置き場がないんだ。僕の居場所はホグワーツしかないんだとドビーに訴えました。

でもドビーはハリーは偉大な人で優しい人。失うわけには参りません。だからハリーは安全な場所にいないといけない。ハリーがホグワーツに戻れば死ぬほど危険だと言うのです。ハリーが驚いて「どうして?」と訊くと・・・

今学期ホグワーツで世にも恐ろしい事が起こるよう罠が仕掛けられているとドビーは言うのです。しかもドビーはその事をもう何カ月も前から知っていたのだそうです。だからハリーは危険に身を曝してはならないと言うのです。

でもハリーが「世にも恐ろしい事って?誰がそんな罠を?」と訊くとドビーは喉を絞められるような奇妙な声を上げ壁に頭を打ちつけ始めるのです。ハリーは「判ったから!」と言ってその行為を止めなくてはなりませんでした。

しかもドビーのその行為はまたしても繰り返される事になってしまったのでした。

そのために・・・

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「秘密の部屋」編(2)(4回シリーズ)

今日は12才の誕生日だというのにロンからもハーマイオニーからもプレゼントも誕生祝いカードも届かない。おまけに夜はいないふりだ。ところがハリーが自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込もうとするとそこには先客がいました。そしてその先客はハリーしいてはバーノン叔父さんがして欲しくない事を次々と・・・(全3項目)

3-1.誕生日だというのに
ペチュニア叔母さんの掃除の邪魔をしないようにとハリーは裏口から外に出ました。芝生を横切りガーデン・ベンチに座るとハリーは小声でバースデー・ソングを口ずさみました。カードもプレゼントもない。夜はいないふりだ。

ハリーは惨めな気持ちで生垣を見つめました。ホグワーツは懐かしいしクィディッチもやりたい。でも何と言っても一番懐かしいのは親友のロンとハーマイオニーでした。しかし2人は自分に会いたいとも思っていないようだ。

2人とも夏休みに入ってから一通も手紙をくれない。ロンは家に泊りに来いとハリーを招待するはずなのにその手紙も来ない。魔法でヘドウィグの鳥籠の南京錠を外しロンとハーマイオニーに手紙を出そうと何度も考えました。

でも危険は冒せない。未成年の魔法使いは学校の外で魔法を使ってはいけない事になっているからです。ハリーはこの事をダーズリー一家には話していませんでした。だからバーノン叔父さんも戦々恐々というわけなんですよね。

バーノン叔父さんもフンコロガシに変えられては大変とハリーを怖がっていました。だからこそトランクと一緒にハリーを物置きに閉じ込めはしなかったのです。ハリーを怒らせると当人にその気がなくても魔法を使ってしまう。

そういう経験をダーズリー一家はハリーがホグワーツに入る前から散々経験しているのです。ぼんやりと生垣を見ていたハリーは突然ベンチから身を起こしました。生垣が見つめ返した。葉っぱの中から2つの目が現れたのです。

「♪今日が何の日か知ってるぜ」

2つの緑色の大きな目が現れてハリーが弾かれたように立ち上がった途端に歌うように節をつけてこう言いながらダドリーがやって来ました。そりゃ良かった。やっと曜日が判るようになったってわけだとハリーが言うと・・・

「今日はお前の誕生日だろ。カードが1枚も来ないのか?あのへんてこりんな学校でお前は友達もできなかったのかい?」

こう言うダドリーにハリーは「僕の学校のこと口にするなんて君の母親には聞かれないほうがいいだろうな」と冷ややかに言ったのでした。するとダドリーはハリーに何で生垣を見つめていたんだと訝しげに訊いて来たのでした。

「あそこに火を放つにはどんな呪文が一番いいか考えていたのさ」

ハリーがこう答えるとダドリーは顔に恐怖を露わにして後退りをしながらハリーにそんな事ができるはずがない。もしハリーが魔法を使ったりなどしたらバーノン叔父さんはハリーをこの家から追い出すと言ったんだそうです。

そしたらハリーなんかどこも行く所がないんだ。お前を引き取る友達だって1人もいないんだ、ダドリーのこの言葉はどうやらハリーの逆鱗に触れたようです。ハリーはそのお返しに激しい口調で出鱈目の呪文を唱えたのでした。

すると?

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「秘密の部屋」編(1)(4回シリーズ)

去年から毎年8月にはバーノン叔父さんの「このシリーズ」をお届けしています。12才の誕生日にバーノン叔父さんが「今日は非常に大切な日だ」と言うのでハリーは自分の耳を疑いました。しかし次の瞬間にはハリーは「やっぱり」と苦い思いを噛みしめる事になりました。それなら今日はどう大切なのか?(全3項目)

3-1.今日もまた
その日もまたプリベット通り4番地の朝食の席ではいざこざが始まりました。バーノン叔父さんはハリーの部屋から聞こえて来るヘドウィグの大きな鳴き声で早々と起こされる事になってしまったからというわけなんですよね。

「今週に入って3回目だぞ!あのふくろうめを黙らせられないなら始末してしまえ!」

こう言う叔父さんにハリーは「うんざりしてるんだよ。いつも外を飛び回っていたんだもの」と同じ言い訳を繰り返しました。さらにハリーが「夜にちょっとでも外に放してあげられたらいいんだけど」と言うと叔父さんは?

「わしがそんな間抜けに見えるか?あのふくろうめを外に出してみろ。どうなるか目に見えておるわ」

ハリーは言い返そうとしましたがダドリーの「もっとベーコンが欲しい」という言葉に阻まれました。学校の食事は何だかひどそうだからせめて我が家にいる時は沢山食べさせてあげないととペチュニア叔母さんが言うと・・・

バーノン叔父さんは自分がスメルティングズ校にいた頃は空腹なんて事はなかった。だからダドリーは十分食べているはずだとそう言うのです。ダドリーは笑みを浮かべハリーに「フライパンを取ってよこせ」と言ったのでした。

「君、あの魔法の言葉を付け加えるのを忘れたようだね」

ハリーは苛立ちを滲ませながらこう答えました。ハリーは至極普通の事を言っただけなのにその中に「魔法」という言葉が入っているだけでそれがダーズリー一家に信じられないような効き目を表しました。こんな有り様です。

ダドリーは息を詰まらせ椅子から落ちました。ペチュニア叔母さんは悲鳴を上げると両手で口を押さえました。バーノン叔父さんは弾かれたように立ち上がるとこめかみの青筋をピクピクさせ唾を吐き散らしてこう喚きました。

「お前に言ったはずだな?この家の中でまのつく言葉を言ったらどうなるか」

ハリーに反論の余地を与えず叔父さんは「ダドリーを脅すとはようもやってくれたもんだ!」と拳でテーブルを激しく叩きながら吠えたのでした。まさに「これ以上はない!」というぐらいの過剰反応というわけなんですよね。

「言ったはずだぞ!この屋根の下でお前がまともじゃない事を口にするのはこのわしが許さん!」

顔に真っ赤にしてこう言うと叔父さんは椅子に腰を下ろしました。がしかしまだ激しい息づかいのままで小さな鋭い目でハリーを横目で睨みつけていたのでした。とにもかくにもハリーが帰って来てからはこんな調子なのです。

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パーシー・ウィーズリーの困った行動(4)(シリーズ最終回)

コーネリウス・ファッジに代わって魔法大臣に就任したルーファス・スクリムジョールはパーシーが家族と仲直りできるようにと取り計らってくれました。しかしそれは残念な結果になってしまいました。そんなパーシーがようやく父親のアーサー氏にも謝って仲直りができたのは?(全3項目)

3-1.スクリムジョールまでもが!
パーシーは前任者のコーネリウス・ファッジと一緒になってハリーの事を散々邪魔者扱いして迫害もして来ました。そのファッジが魔法大臣を辞任したのだから自分だって一蓮托生で相応の扱いをされてもしかたのない事だろう。

しかし後任の魔法大臣の座に就いたルーファス・スクリムジョールは引き続きパーシーを直属の補佐官として同じ職位に留めてくれました。クリスマスには何とか家族と仲直りができるようにと取り計らってもくれたんですよね。

だから私はスクリムジョールがせっかくお膳立てしてくれたのに期待に応えられなくて申し訳ないとパーシーがそう思っていた可能性は十分あったと思います。そうこうしている内に思いもかけない知らせが飛び込んで来ました。

それはダンブルドア校長の訃報でした。アルバス・ダンブルドアはヴォルデモート卿が恐れた唯一の人物だという事は魔法界では広く知られています。ヴォルデモートが復活したというのに魔法界はこれからどうなるんだろう?

事は8月1日に起こりました。クーデターが勃発したのです。パーシーが補佐官を務めるスクリムジョールはハリーの居所を白状しろと拷問された挙句に殺害されてしまいました。それならパーシーは一体どうなったんでしょう?

アーサー氏は省内でその事を噂で聞いたんだそうです。約1年自分が補佐官を務めた魔法大臣ルーファス・スクリムジョールが拷問の末に殺害されたという噂が魔法省内で飛び交っている。パーシーはどう思ったんでしょうね?

私が思うにパーシーは今度も引き続き魔法大臣直属の補佐官の座に留まったとそう思いますね。スクリムジョールの死は伏せられて表向きは辞任と発表されました。魔法大臣とそれに連なる魔法法執行部の部長が代わっただけだ。

そう装うためというわけなんですよね。確かに魔法大臣が代わって魔法省の政策は百八十度転換した。ヴェルデモートが裏で糸を引いているんじゃないか?そう囁く人は多い。しかし囁いているだけというのが肝心な所なのです。

誰を信じていいのか分らないのに互いに本心を語り合う勇気はない。もし自分の疑念が当たっていたら家族が狙われるかもしれない。ヴォルデモートが傀儡のパイアス・シックネスを魔法大臣にしたのはそういう理由なのです。

だから代えずに済む所は代えないというわけです。したがってパーシーもそのままというわけなんですよね。

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パーシー・ウィーズリーの困った行動(3)(4回シリーズ)

あの2人もやがて自らの大変な間違いに気づく事を切に願っている。その時はもちろん僕は2人の十分な謝罪を受け入れる用意がある。ここまで言っておきながら実は大変な間違いをしていたのは自分のほうだった!それならパーシーは両親のウィーズリー夫妻に十分な謝罪をしたのかと云えば・・・(全3項目)

3-1.最悪中の最悪の事態
パーシーにしてみればまさに最悪中の最悪の事態になってしまいました。ヴォルデモート卿が復活していたというだけでも事は深刻なのに1年間もそれを放置していたため魔法界の人々の魔法大臣に対する怒りが爆発したのです。

「日刊予言者新聞」にヴォルデモート卿復活の記事が載りその事実が公になるとパーシーを魔法大臣直属の補佐官に任命してくれたコーネリアス・ファッジは一気に苦境に立たされました。さらにそれに追い打ちをかけたのは?

ドローレス・アンブリッジはホグワーツに於ける全ての役職に職位さらには権限を失い魔法省に戻って来ました。さらに大きな痛手は魔法法執行部の部長のアメリア・ボーンズがヴォルデモートに殺害されてしまった事でした。

パーシーはロンが監督生になった事を魔法大臣から直接聞いたんだそうです。という事になれば魔法省に姿を現したヴォルデモートを見たと大臣自身から聞いたんでしょう。それにパーシー自身も魔法省で見たかもしれませんね。

第6巻「謎のプリンス」の冒頭章でファッジがマグルの首相に説明した所によればヴォルデモート卿の復活が明らかになると魔法界全体がこの二週間ファッジの辞任要求を叫び続けついに魔法大臣の座から追われたんだそうです。

その一致団結たるやファッジの任期中に「これほど国がまとまった事はない!」と言わしめるほどだったのだそうです。後任の大臣には闇祓い局の局長だったルーファス・スクリムジョールがその座に就く事になったそうです。

そして幸いな事に新魔法大臣ルーファス・スクリムジョールはパーシーを引き続き魔法大臣直属の補佐官に留めてくれたのでした。このようにしてパーシーは今度はスクリムジョールの補佐官として務める事になったんですよね。

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パーシー・ウィーズリーの困った行動(2)(4回シリーズ)

当の本人は自覚が全くないようですが残念ながらパーシーは7人いるウィーズリー兄弟妹の中では完全に孤立していました。それがヴォルデモートの復活後にはパーシー自らがそれに拍車をかけるような愚行をしてしまったのです。挙句の果てにはロンに出した手紙の中で・・・(全3項目)

3-1.口論の末に
それは夏休みに入って一週間後の事だったんだそうです。魔法省に入省して僅か1年にしてパーシーが昇進をして「大臣付下級補佐官」という役職に就き魔法大臣コーネリウス・ファッジの大臣室勤務を命じられたのだそうです。

ハリーがその事を聞いたのはロンドンのグリモールド・プレイス12番地に設置された不死鳥の騎士団本部に入った直後でした。パーシーはいつもよりずっと大得意で「隠れ穴」に帰って来たとの事でした。ところがだったのです。

ロンが言うにはパーシーは父親のアーサー氏が感心すると期待をしていた。ところが待ち受けていたのは父親との言い争いだった。フレッドは親父が誰かとあんな風に言い争いをするのを初めて見た。普通はお袋が叫ぶもんだ。

ジョージが言うにはファッジはどうやら魔法省を引っ掻き回して誰かダンブルドアと接触している者がいないかと調べていた。そしてダンブルドアと繋がっている者は机を片づけて出て行けとはっきりそう宣言したんだそうです。

近頃魔法省ではダンブルドアの名前はヴォルデモートが戻って来たと言いふらして問題を起こしているだけだと言われて鼻摘みになっているのだそうです。それでパーシーは完全に頭に来て随分ひどい事を言ったんだそうです。

魔法省に入ってから父さんの評判がぱっとしないからそれと戦うのに苦労したとか父さんは何にも野心がない。それだからいつも僕たちにはあんまりお金がない。そしてさらにひどい事になりパーシーはこう言ったのだそうです。

父さんがダンブルドアとつるんでいるのは愚かだ。ダンブルドアは大きな問題を引き起こそうとしている。父さんはダンブルドアと落ちる所まで落ちるんだ。挙句の果てに自分はどこに忠誠を誓うか判っている。それは魔法省だ。

もし父さんと母さんが魔法省を裏切ると言うのなら自分はもうこの家の者じゃないって事をみんなにはっきりと判らせてやる。こう言ってパーシーはその日の晩に荷物をまとめて「隠れ穴」を出て行ってしまったんだそうです。

パーシーは今はここロンドンに住んでいるそうです。

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パーシー・ウィーズリーの困った行動(1)(4回シリーズ)

ジニーと同様に今月8月が誕生月という事で今週はパーシー・ウィーズリーを取り上げる事にしました。ホグワーツを卒業したパーシーは魔法省に就職しました。配属先の国際魔法協力部の部長のバーテミウス・クラウチ氏に惚れ込みパーシーはそれは一生懸命仕事に励んでいたのですが・・・(全3項目)

3-1.魔法省に就職して
4年生の夏休みハリーはウィーズリー夫妻に正式に招待されて30年ぶりにイギリスで開催されるというクィディッチ・ワールドカップの決勝戦を観戦するために2年生の時以来2年ぶりに「隠れ穴」に滞在する事になったのでした。

煙突飛行粉で「隠れ穴」のキッチンに到着するとハリーの知らない赤毛が2人座っていました。すぐに誰かは察しがつきました。ウィーズリー家の長男ビルと次男チャーリーでした。ワールドカップのために帰省していたのです。

シリウスの近況が聞きたくてハーマイオニーがロンに「ハリーを寝室に案内したらどう?」と呼びかけハリーたち3人は階段を上ってロンの部屋に向かいました。すると2つ目の踊り場の扉が開き迷惑千万という顔で現れたのは?

「やあパーシー」

ハリーがこう挨拶をするとパーシーが「ああしばらくハリー」と挨拶を返して来ました。誰がうるさく騒いでいるのかと思った。役所の仕事で報告書を仕上げなきゃならないのに階段でドスンドスンされたら集中できやしない。

こう言うパーシーにロンは「ドスンドスンなんかしてないぞ。僕たち歩いているだけだ」の次に「すみませんね。魔法省極秘のお仕事のお邪魔をいたしまして」と皮肉を言うとハリーの「何の仕事なの?」という問いに・・・

「国際魔法協力部の報告書でね。大鍋の厚さを標準化しようとしてるんだ。輸入品には僅かに薄いのがあってね。漏れ率が年間約3パーセント増えてるんだ」

気取ってこう言うパーシーに対してロンが「その報告書で世界が引っくり返る」とか「日刊予言者新聞の一面記事だ」などと再び皮肉を言うものだからパーシーは顔をほんのりと紅潮させながらロンにこう言い返したのでした。

「お前は馬鹿にするかもしれないが何らかの国際法を科さないと今に市場はペラペラの底の薄い製品で溢れ深刻な危険が」

熱くこう語るパーシーの言葉を「はいはい判ったよ」と言って途中で遮るとロンはまた階段を上り始めました。ロンの寝室に着くと4つものベッドが詰め込まれていました。ロンにハリーにフレッドとジョージの4人分なのです。

フレッドとジョージの部屋はビルとチャーリーが使っている。パーシーは仕事をしなくてはならないからと言って自分の部屋を一人占めしているんだそうです。そのためにそのしわ寄せがここに来ているというわけなんですよね。

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あの人の名場面集~ジニー・ウィーズリーの場合(4)(シリーズ最終回)

チョウ・チャンと別れてハリーが次に好きになったのはジニーでした。2人は紆余曲折を経てようやく結ばれたのでした。そしてホグワーツでついに雌雄を決する戦いの火ぶたが切られた時ジニーは一度は母親のウィーズリーおばさんに反対をされて「必要の部屋」に留まる事になったのですが・・・(全3項目)

3-1.クィディッチのキャプテンに!ところが!
ヴォルデモート卿の復活が公になるのを引き換えにして名付け親のシリウスを失ったハリーはダンブルドア校長の計らいで僅か二週間でプリベット通り4番地を離れ夏休みの残りの期間を「隠れ穴」で過ごす事になったのでした。

そのためハリーは生まれて初めて誕生祝いパーティを盛大に開催して貰いました。そしてその翌日には学校からいつもの手紙が届きハリーの手紙には驚くべき事が書かれていました。クィディッチのキャプテンになったのです。

「生き残った男の子」に「選ばれし者」という称号が加わったハリーがキャプテンになってチームの選抜には大勢の生徒が殺到してハリーも満足できる顔ぶれになりました。ところが最終戦を前に大波乱が起きてしまったのです。

事もあろうにそのキャプテンのハリーが毎週末の罰則を言い渡されてしまい試合に出場する事ができなくなってしまったのでした。その事を告げた時のグリフィンドール・チームのメンバーの表情がもう既に最悪の罰則でした。

最終戦ではジニーがシーカーになりジニーの代わりにディーン・トーマスがチェイサーを務めるようにとハリーが指示しました。今こそジニーが自分を見つめているのを感じたのにハリーは目を合わせる事ができませんでした。

他の生徒たちがロゼットや帽子を身につけて旗やスカーフを振りながら競技場に向かって行くというのに自分だけが大勢の流れに背を向けて石の階段を地下牢教室に下りて行くのは耐え難い事でした。進んで行くにつれて・・・

遠くの群衆の声も全く聞こえなくなり一言の解説も歓声も何も聞こえないだろうと思い知らされるのは辛い事でした。試合はどうなっているのだろう?ジニーがシーカーとしてチョウと戦っている。ハリーは外の事を考えました。

作業の指示を出してから全くしゃべらなかったスネイプが1時10分過ぎになってやっと顔を上げ「もうよかろう」と冷たく告げました。石段を駆け上がりながらハリーは競技場からの物音に耳を澄ませましたが何も聞こえません。

試合はもう終わってしまったんだ。混み合った大広間の外で少し迷いましたがハリーは大理石の階段を駆け上がってグリフィンドール塔に戻って来ました。中で何が起こっているのかと考えながらハリーは合言葉を言いました。

扉の向こうから聞こえて来たのは?

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あの人の名場面集~ジニー・ウィーズリーの場合(3)(4回シリーズ)

ハリー以外の人と付き合う事で呪縛から解き放たれたジニーはこれまでハリーに決して見せる事のなかった素顔を見せられるようになりました。そのためハリーの事を察して踏み込んだ発言もできるようになりました。そしてふくろう試験終了後にジニーは・・・(全3項目)

3-1.ダンブルドア軍団にスネイプの課外授業
ハーマイオニーの発案で総勢28名が集まり第1回会合がホグズミードの「ホッグズ・ヘッド」で行われた「闇の魔術に対する防衛術」の自習グループは屋敷しもべ妖精のドビーの情報提供で練習場所が見つかりスタートしました。

そしてこのグループは「ダンブルドア軍団」と名付けられました。当初は「闇の魔術に対する防衛術」の教師としてホグワーツに派遣されて来たアンブリッジは初代の高等尋問官に就任するなどして権力を拡大させて行きました。

そのためハリーはフレッドとジョージと共にクィディッチの生涯禁止処分を受ける事になってしまいました。その余波でハグリッドとの関係もぎくしゃくする事になり学校での楽しみをアンブリッジがどんどん奪って行きました。

そんな中ハリーはクリスマス休暇明けからダンブルドア校長の肝煎りで「閉心術」という魔法を学ぶためスネイプの課外授業を受ける事になりました。しかしこちらのほうは全くと言っていいほど進歩の跡が見られませんでした。

ハリーにとってはまさに「災い転じて福と成す」といった感じでアズカバンから10人もの死喰い人が集団脱走した事でDAのメンバー全員に活が入りあのザカリアス・スミスでさえ今まで以上に熱心に練習をするようになりました。

その中でもネビルほど長足の進歩を遂げた生徒はいませんでした。他の誰よりも一生懸命練習し上達ぶりがあまりに速くて戸惑うほどでした。ところがそんなDAの活動もメンバーの中から裏切り者が出て休止に追い込まれました。

チョウ・チャンと共にグループに加わったマリエッタ・エッジコムがアンブリッジに密告をしてしまったのです。この事でハリーの身代わりになってダンブルドアがホグワーツを去り後任の校長職にはアンブリッジが就きました。

そしてハリーにとってもスネイプにとっても極めて後味の悪い形で閉心術を習得するための課外授業もまた打ち切られる事になってしまったのです。それはハリーが「憂いの篩」の中のスネイプの記憶を見てしまったからでした。

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あの人の名場面集~ジニー・ウィーズリーの場合(2)(4回シリーズ)

ハリーの前に出ると緊張してほとんど一言もしゃべれなくなってしまう。しかしジニーはそれを克服したようです。再結成された不死鳥の騎士団の本部にハリーが初めて入ったその時にジニーは明るく挨拶をする事ができたのでした。そしてホグズミード村の「ホッグズ・ヘッド」でも・・・(全3項目)

3-1.朗らかなジニー(その場面3)
ハリーの前に出るとほとんど一言もしゃべれなくなってしまう。そんなジニーの状態が劇的に変わったのはハリーが再結成された不死鳥の騎士団の本部に初めて入った時でした。フレッドが「伸び耳」の説明をしていると・・・

「ああハリーいらっしゃい。あなたの声が聞こえたように思ったの」

部屋の扉が開いてジニーが入って来ると明るい声でこう挨拶をしました。ところがジニーがフレッドとジョージに言うには母親のウィーズリーおばさんが厨房の扉に「邪魔よけ呪文」をかけたので「伸び耳」は使えないそうです。

ジョージががっくりしたように「どうして判るんだ?」と訊くとジニーは「トンクスがどうやって試すかを教えてくれたわ」と答えました。扉に何かを投げつけてそれが扉に接触できなかったら扉は「邪魔よけ」をされている。

ジニーが階段の上からクソ爆弾を投げつけてみたら全部撥ね返されてしまったんだそうです。だから「伸び耳」が厨房の扉の隙間から忍び込むのは絶対できないとの事でした。今厨房では重要会議の最中という事なのだそうです。

「残念だ。あのスネイプの奴が何をするつもりだったのか是非とも知りたかったのになあ」

ジニーに「伸び耳」は使えないと言われてしまいフレッドは深い溜め息をつくとこう言いました。ハリーはそれにすぐに反応をして「スネイプ!ここにいるの?」と訊きました。ジョージが言うにはマル秘の報告をしているんだ。

フレッドがスネイプの事を「嫌な野郎」と言うのでハーマイオニーはそれを咎めるように「スネイプはもう私たちの味方よ」と言いました。しかしロンもフンと鼻を鳴らしてたとえ味方でも嫌な野郎は嫌な野郎だと言うのです。

ロンが言うにはスネイプが自分たちを見る時の目つきが気に入らないようです。するとそこでジニーが「ビルもあの人が嫌いだわ」とまるで「これで決まり!」という言い方をしました。つまり総じて言えばこうというわけです。

ウィーズリー家の人たちは全員スネイプが嫌いだ。

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あの人の名場面集~ジニー・ウィーズリーの場合(1)(4回シリーズ)

今月8月が誕生月という事で「できればジニー・ウィーズリーを取り上げたい」と思っていたら実はまだこの名場面集をやっていなかったので今週やる事にしました。ハリーはホグワーツに入学して最初の夏休みの後半を「隠れ穴」で過ごしました。そこには当然ジニーもいたというわけです。(全3項目)

3-1.みんな大好き!
ホグワーツに入学して最初の夏休みの後半をハリーはロンにフレッドとジョージのウィーズリー3兄弟が迎えに来て「隠れ穴」で過ごす事となりました。鏡が大声を上げたり屋根裏お化けが喚いたりパイプを落としたり・・・

フレッドとジョージの部屋から小さな爆発音が上がっても誰もが当たり前という顔をしていたりと「隠れ穴」はへんてこで度肝を抜かれる事ばかりでした。しかしそんな事の中でもハリーが一番不思議だとそう感じた事とは?

それはウィーズリー一家の面々の誰もがつまり全員がハリーに好意を抱いているらしいという事でした。ウィーズリーおばさんはハリーの靴下がどうのこうのと小うるさく食事のたびに無理やり4回もお代りさせようとしました。

ウィーズリーおじさんは夕食の席でハリーを隣に座らせたがりマグルの生活について次から次へと質問攻めにして電気のプラグはどう使うのかとか郵便はどんな風に届くのかを知りたがりました。電話の使い方を話すと・・・

「面白い!まさに独創的だ。マグルは魔法を使えなくても何とかやって行く方法を実に色々考えるものだ」

おじさんはこう言って感心して見せたのでした。そしてもちろん1年以上前からハリーに好意を寄せていて夏休みの間中ずっとハリーの事ばかり話していたという7人の中の末っ子で一人娘のジニーも当然そうだったんですよね。

それはハリーが「隠れ穴」に来て一週間ほど経った上天気の日の朝の事でした。

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