あの人の名場面集~ペチュニアとダドリー・ダーズリーの場合(3)(4回シリーズ)

ここリトル・ウィンジングのマグノリア・クレセント通りに吸魂鬼が現れたという事でびっくり仰天したと思ったら今度は近所に住むフィッグばあさんがスクイブの魔女と知ってハリーは驚愕させられる事になりました。ところがプリベット通り4番地に帰るとさらに今度はペチュニア叔母さんが・・・(全3項目)

3-1.ペチュニア・ダーズリー、その1
4年生の学期末にヴォルデモート卿の復活を見届けたハリーは夏休みにプリベット通り4番地に帰って来てからというもの苛立ちを募らせていました。その理由は「日刊予言者新聞」の一面にその記事が一向に載らないからでした。

ところが1ヵ月余りが経ったその日ハリーの身にはそんな苛立ちなど吹き飛ぶような驚くべき出来事が次々と起きました。まず最初に起きたのはここリトル・ウィンジングのマグノリア・クレセント通りに吸魂鬼が現れたのです。

ハリーは吸魂鬼を追い払うために「守護霊の呪文」を使わなくてはなりませんでした。するとその直後にフィッグばあさんが姿を現わしたのでハリーは慌てて杖を隠しました。ところがそこでフィッグばあさんがこう言いました。

「馬鹿そいつをしまうんじゃない!まだ他にもその辺に残ってたらどうするんだね?」

ハリーは「えっ?」と言って唖然茫然としました。ハリーが「おばあさんが魔女?」と訊くとフィッグばあさんからは自分は出来損ないのスクイブだからハリーが吸魂鬼を撃退するのを助けてやれないとの答えが返って来ました。

リトルウィンジングのマグノリア・クレセント通りで吸魂鬼に出くわしたのもハリーはショックでした。しかし近所に住む変人で猫ばかり飼っているフィッグばあさんが吸魂鬼を知っていたというのも同じぐらいショックでした。

しかしプリベット通り4番地に帰ってからも新たな驚きの出来事がハリーを待ち受けていたのです。バーノン叔父さんに「小僧!こっちへ来い!」と言われてハリーは恐れと怒りが入り交じった気持ちでキッチンに入りました。

やったのは僕じゃない。やったのは吸魂鬼だ。ハリーが何度も繰り返しダドリーをそうしたのは自分ではなく吸魂鬼だと言っても叔父さんは聞く耳を持ちません。ところがその吸魂鬼は一体全体何だと叔父さんが訊いた時でした。

「魔法使いの監獄の看守だわ。アズカバンの」

その問いにこう答えたのはペチュニア叔母さんでした。

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あの人の名場面集~ペチュニアとダドリー・ダーズリーの場合(2)(4回シリーズ)

あれから2年の歳月が流れてハリーがプリベット通り4番地を去りダーズリー一家に別れを告げる日がやって来ました。ところがハリーはダドリーから思ってもみなかった言葉を聞かされる事になったのです。そして去り際にダドリーはハリーに対して・・・(全3項目)

3-1.ダドリー・ダーズリー2つ目、その1
ハリーは血を流していました。怪我した右手を反対の手で押さえ小声で悪態をつきながら2階の寝室の扉を肩で押し開けました。すると今度は陶器の割れる音がしてハリーは扉の外に置かれていた紅茶カップを踏んでいました。

ハリーは「一体何だ?」と言うとあたりを見回しました。プリベット通り4番地の2階の階段の踊り場には誰もいませんでした。紅茶カップはダドリーの仕掛けた罠だったのかもしれない。賢い「間抜け落とし」と考えたのだろう。

出血している右手を上げて庇いながらハリーは左手で陶器の欠けらを掻き集めてゴミ箱に投げ入れました。それから腹立ち紛れに足を踏み鳴らしてバスルームに行くと怪我した指を蛇口の下に突き出して血を洗い流したのでした。

それからハリーはトイレットペーパーを分厚く巻き取ってこぼれた紅茶をできるだけきれいに拭き取り部屋に戻って扉を閉めました。その日ハリーは午前中一杯かけ学校用のトランクを完全に空にするという作業をしていました。

ハリーがこの作業をしたのは初めての事でした。これまではトランクの上から四分の三ほどを学期が始まる前に入れ替えただけで一番下の四分の一には手をつけませんでした。その万年床に右手を突っ込んで怪我をしたのでした。

薬指に鋭い痛みを感じ引っ込めるとひどく出血していたのです。ハリーは今度はもっと慎重に取り組もうとトランクの脇に膝をついて底のほうに探りを入れました。切り傷の犯人は名付け親のシリウスがくれた「両面鏡」でした。

もう欠けらは残っていないかと注意深く手探りをしましたが粉々になったガラスが一番底にあった物にくっついて光っているだけでシリウスの最後の贈り物は他には何も残ってはいませんでした。辛い思い出が蘇って来ました。

ハリーはトランクの整理に専念する事で胸の痛みを堰き止めようとしました。無駄な物を捨てて残りを必要な物と不必要な物とに分けて積み上げトランクを完全に空にするのに一時間かかりました。最後は新聞の山の整理でした。

「おいこら!」

下からバーノン叔父さんがハリーをこう呼ぶ声が聞こえて来ました。でもハリーはすぐには返事をしませんでした。今ほんの一瞬だけ名付け親のシリウスの形見の「両面鏡」にダンブルドアの青い目が見えたような気がしたのです。

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あの人の名場面集~ペチュニアとダドリー・ダーズリーの場合(1)(4回シリーズ)

先週はバーノン叔父さんを取り上げたので今週はそれに関連してペチュニア叔母さんとダドリーの名場面を私の独断と偏見で選んで紹介してみる事にしました。ヴォルデモート卿の復活を見届けたハリーは夏休みにはいつものようにプリベット通り4番地に戻って来たのですが・・・(全3項目)

3-1.ダドリー・ダーズリー、その1
4年生の学期末にヴォルデモート卿の復活を見届けたハリーはプリベット通り4番地に帰って来てからというもの日々苛立ちを募らせていました。何故なら「日刊予言者新聞」の一面にその事がちっとも掲載されなかったからです。

一方ダーズリー夫妻には呆れ返っていました。それというのもこの夏休みの間2人はダドリーの軍団の仲間に夜な夜な食事に招かれているという真っ赤な嘘を鵜呑みにしていたからです。ダドリーは夕食に招かれてなどいない。

ハリーはちゃんと知っていました。ダドリーは毎晩ワルガキどもと一緒になって公園で物を壊し街角でタバコを吸い通りがかりの車や子供たちに石をぶつけるなどの悪さをしているのです。ハリーは夕方現場を目撃していました。

ロンもハーマイオニーもシリウスも手紙が途中で行方不明になるかもしれないからとヴォルデモートの事は何も書いて来ませんでした。そこでハリーは道端のゴミ箱から新聞を漁ったりテレビのニュースをチェックしていました。

それはヴォルデモートが何か事を起こせばそれが何らかの形でマグルの新聞やテレビのニュースで報道されるかもしれないとそう考えたからです。しかしテレビのニュースを見ようとするとダーズリー夫妻が邪魔立てするのです。

その日もハリーは庭の花壇に仰向けに寝転んで窓の向こうから聞こえて来るテレビのニュースを聞いていました。これなら2人が睨みつけて来る事もニュースが聞こえなくなるほどの音で歯噛みする事も意地悪な質問もされない。

ところがバーノン叔父さんが窓から顔を出したため見つかってしまいました。そのため暫くの間ハリーはまたしてもダーズリー夫妻と言い争いをする事を余儀なくされました。ハリーはそんな2人に背を向けて家を出たのでした。

ハリーはマグノリア・クレセント通りでダドリーに追いつくと肩を並べて歩き始めました。ところがそこでハリーにとっては信じ難い出来事が起きたのです。突然何かが夜を変えました。星も消え去って真っ暗闇になったのです。

遠くに聞こえていた車の音も木々の囁きも途絶えました。一瞬ハリーは必死で我慢していたのにも関わらず魔法を使ってしまったのかとそう思いました。しかしやがて理性が感覚に追いつきました。自分に星を消す力などはない。

それは複数いました。

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「アズカバンの囚人」編(4)(シリーズ最終回)

ホグズミード許可証の事を忘れるな。挑発に乗っちゃ駄目だ。ハリーは必死に自分にこう言い聞かせて我慢に我慢を重ねて来ました。しかしマージ叔母さん滞在最終日の夜についに堪忍袋の緒が切れてしまいました。事はディナーが終わった後にダイニングルームで勃発しました。(全3項目)

3-1.またも始まってしまって
ダドリーにウィンクをしながらマージ叔母さんはそのダドリーにあんたはお父さんと同じにちゃんとした体格の男になるよと言いました。そしてぐいとハリーのほうを顎で指すと「ところがこっちはどうだい」と言い放ちました。

こっちの子つまりハリーは何だかみすぼらしい生まれ損ないの顔だ。犬にもこういうのがいる。何でも去年はファブスター大佐に水に沈めて1匹処分させたそうです。出来損ないの小さな弱々しくて発育不良の奴だったそうです。

これではまるでハリーも処分してしまえと言っているかのようですよね。空恐ろしい物言いです。ハリーは急いで「ガイドブックだ」と思い立ち12ページの「後退を拒む箒を治す呪文」を必死になって思い浮かべていたのでした。

「こないだも言ったが要するに血統だよ。悪い血が出てしまうのさ。いやいやペチュニアあんたの家族の事を悪く言ってるわけじゃない」

ここでようやくマージ叔母さんはペチュニア叔母さんに対して配慮の言葉を出して来ました。マージ叔母さんはハリーの母親が出来損ないだったとそう言うのです。どんな立派な家系にだってそういうのがひょっこりと出て来る。

それでもってろくでなしと駆け落ちをして結果は目の前にいるよ。ハリーは自分の皿を見つめていました。奇妙な耳鳴りがしました。確か「柄ではなく箒の尾をしっかり掴むこと」だった。ハリーは続きを思い出そうとしました。

しかし思い出せませんでした。

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「アズカバンの囚人」編(3)(4回シリーズ)

ハリーがキッチンに戻って来て席に着いたその時からマージ叔母さんの情け容赦ない罵倒が始まりました。しかしそれでもハリーはホグズミード許可証の事を思い浮かべ何とか対処法も見つけて必死に我慢をしました。そしてついにマージ叔母さん滞在最終日の夜が来たのですが・・・(全3項目)

3-1.情け容赦ない罵倒を聞いて
お前まだここにいたのかい?マージ叔母さんにこう問われてハリーは「はい」と答えました。するとマージ叔母さんは早速ハリーの「はい」の言い方が気に食わないとばかりにハリーの事を恩知らずと罵って来たというわけです。

バーノン叔父さんとペチュニア叔母さんがハリーをここに置いてくれるのは大層なお情けなんだそうです。自分だったらお断りだ。我が家の戸口に捨てられていたらまっすぐ孤児院行きだったとマージ叔母さんは言ったのでした。

ダーズリー一家と暮らすより孤児院に行ったほうがましだった。ハリーはよっぽどそう言ってやりたいと思いました。しかしホグズミード許可証の事を思い浮かべて踏み止まりました。ハリーは無理やり作り笑いをしたのでした。

「私に向かって小馬鹿にした笑い方をするんじゃないよ!」

こう言った後さらにマージ叔母さんのハリーに対する罵倒は続きました。この前に会った時からさっぱり進歩がないと言うのです。ここで例のマージ叔母さんに言ってあるというハリーが行っている学校の事が話題になりました。

「この子をどこの学校にやってると言ったかね?」こう訊くマージ叔母さんに叔父さんは「セント・ブルータス。更生不能のケースでは一流の施設だよ」と素早く答えマージ叔母さんはその学校は鞭を使うのかと訊いて来ました。

ハリーが「えーっと」と言い淀んでいると叔父さんが「そうだと答えろ」と言いたげに頷いたのでハリーは「はい」と答えました。いっその事それらしく答えたほうがいいと思いハリーは「しょっちゅうです」と答えたのでした。

「そうこなくちゃ。引っぱたかれて当然の子を叩かないなんて腰抜け腑抜け間抜けもいいとこだ。お前はしょっちゅう打たれるのかい?」

こう言われてハリーが「そりゃあ。なーんども」と答えるとマージ叔母さんは顔をしかめてまたもハリーの言い方が気に入らないと言い出しました。そんなに気軽にぶたれたなんて言えるのは鞭の入れ方が足りないのだそうです。

マージ叔母さんはペチュニア叔母さんに私なら手紙を書いてハリーの場合は万力込めて叩く事を認めるとはっきり言うんだとまで言うのです。それを聞いて叔父さんはハリーが自分との取引きを忘れては困ると思ったようでした。

「マージ今朝のニュースを聞いたかね?あの脱獄犯をどう思うね。え?」

叔父さんはこう言って突然話題を変えたのでした。

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「アズカバンの囚人」編(2)(4回シリーズ)

マージ叔母さんがここプリベット通り4番地にやって来る?恐怖に怯えるハリーでしたがここで窮地をチャンスに変える秘策を思いついたのです。そこでハリーはバーノン叔父さんを追いかけて玄関ホールに向かったのでした。そして交渉を開始したのでした。(全3項目)

3-1.交渉開始!
バーノン叔父さんは運転用の上着を着ている所でした。振り返ってハリーが見つめているのに気づくと「お前を連れて行く気はない」と唸るように言いました。それにハリーは「僕も行きたいわけじゃない」と冷たく言いました。

ハリーが「お願いがあるんです」と言うと叔父さんは当然胡散臭そうな目つきをしました。そこでハリーは叔父さんに3年生になるとホグズミードに行く事が許されるという事を学校名に地名を言わないようにして説明しました。

その日ハリーの元にはロンにハーマイオニーそれにハグリッドの誕生日プレゼントと同時に学校からの手紙も届いていたのでした。そして学校からの手紙の中にはホグズミード許可証も同封されていたというわけなんですよね。

扉の脇の掛け金から車のキーを外しながら叔父さんは「それで?」とぶっきらぼうに言いました。そこでハリーは「許可証に叔父さんの署名が要るんです」と一気に言いました。すると叔父さんはこう言うとせせら笑いました。

「何でわしがそんなことせなゃならん?」

ハリーは慎重に言葉を選んで「それはマージ叔母さんに僕があそこに行っているっていうふりをするのは大変な事だと思うんだ。ほらセントなんとかっていう」と答えました。叔父さんは大声で学校の名前を言い直したのでした。

「セント・ブルータス更生不能非行少年院!」

しかしその声に紛れもなく恐怖の色を感じ取ったのでハリーは「しめた!」と思いました。そこでハリーは落ち着いて叔父さんの顔を見上げながら「それ。それなんだ」と言いました。そしてこう言って交渉を開始したのでした。

「覚えるのが大変で。それらしく聞こえるようにしないといけないでしょう?うっかり口が滑りでもしたら?」

するとバーノン叔父さんは?

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バーノン・ダーズリー氏のあまりにも虚しい奮闘「アズカバンの囚人」編(1)(4回シリーズ)

さーて!このシリーズも2年前から毎年8月にやる事になっています。無視したり客を呼んでハリーにいないふりをさせてみたりとハリーの誕生日にはあの手この手でひどい仕打ちをして来るバーノン叔父さんだったのですが「やはり!」という感じで今年もやってくれました。(全3項目)

3-1.誕生日なのに
その日はハリー13才の誕生日でした。そのためロンからは携帯の「かくれん防止器」がハーマイオニーからは「箒磨きセット」がそしてハグリッドからは「怪物的な怪物の本」という何だからしくないプレゼントが届きました。

朝になってキッチンに下りて行くとダーズリー一家3人はもう席に着いていて新品のテレビを見ていました。居間のテレビとキッチンの冷蔵庫との間が遠く歩くのが大変だとダドリーが文句を言うので新たに購入したのでした。

ハリーはダドリーとバーノン叔父さんの間に座りました。ハリーに「誕生日おめでとう」と言う所かハリーがキッチンに入って来ても3人とも何の反応も示しません。ハリーもすっかり慣れっこになっていて気にしませんでした。

トーストを1枚食べテレビをふと見るとアナウンサーが脱獄囚のニュースを読んでいる最中でした。何でもその脱獄囚は武器を所持しており極めて危険なので注意して欲しいとの事でした。通報用ホットラインが特設されている。

そのため見かけた方はすぐに知らせて欲しいのだそうです。バーノン叔父さんは新聞を読みながら上目使いに脱獄囚の顔を見て「何じゃあいつは」と言いたげに鼻を鳴らしてこう言ったその後にじろりと横目でハリーを見ました。

「奴が悪人だとは聞くまでもない。一目見れば判る。汚らしい怠け者め!あの髪の毛を見てみろ!」

父親から受け継いだハリーのくしゃくしゃ頭はいつもバーノン叔父さんを苛立たせました。テレビの男はやつれた顔にまといつくようにもつれた髪が肘のあたりまで伸びていました。それに比べれば自分は随分身だしなみがいい。

ハリーはそう思いました。ところがここでテレビの画面がその脱獄囚からアナウンサーに戻り別のニュースを読み始めたためバーノン叔父さんは「ちょっと待った!」と言ったのでした。肝心な事を知らせていないと言うのです。

それは?

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改めて開心術士としてのハリーについて「アズカバンの囚人」編(4)(シリーズ最終回)

「先生は今までで最高の闇の魔術に対する防衛術の先生です。行かないでください」ハリーは必死にルーピン先生に辞職を思い留まるよう説得しましたが駄目でした。2人が話しているとそこにダンブルドア校長がやって来てルーピンに馬車が来たと告げたのですが・・・(全3項目)

3-1.昨夜の事を
「先生は今までで最高の闇の魔術に対する防衛術の先生です。行かないでください」ハリーはこう言って必死の説得を試みましたがルーピンは首を振っただけで何も言いませんでした。何としてもルーピンには辞めないで欲しい。

どう説得をすればルーピンを引き止められるのかとハリーが考えを巡らせているとルーピンはハリーは昨夜随分多くの命を救ったとダンブルドア校長から今朝聞かされたと言ったのでした。君がそれほど多くの事を学んでくれた。

それは自分にとって誇れる事だとルーピンは言うのです。そこでルーピンはハリーの守護霊の事を話して欲しいと言ったのでした。どうしてそれをご存知なんですか?こう訊くハリーに対してルーピンはこう答えたんですよね。

「それ以外吸魂鬼を追い払えるものがあるかい?」

そこでハリーは何が起ったのかをルーピンに話しました。ハリーが話し終えるとルーピンは再び微笑みました。それはハリーから守護霊の姿が牡鹿だったと聞かされたからです。それを聞いてルーピンはハリーにこう言いました。

「そうだ。君のお父さんはいつも牡鹿に変身した。君の推測通りだ。だから私たちはプロングズと呼んでいたんだよ」

ルーピンは最後の数冊の本をスーツケースに放り込んで荷造りを終えると昨夜「叫びの屋敷」からこれを持って来たと言ってハリーに「透明マント」を返しました。さらに若干躊躇してからハリーに「忍びの地図」を渡しました。

自分はもうハリーの先生ではないからこの「忍びの地図」を返しても後ろめたい気持ちはない。持っていても自分には何の役にも立たない。それにハリーにロンとハーマイオニーなら使い道を見つける事だろうとそう言うのです。

ハリーは「忍びの地図」を受け取って思わず笑顔を見せたのでした。

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改めて開心術士としてのハリーについて「アズカバンの囚人」編(3)(4回シリーズ)

シリウスとヒッポグリフのバックビークを助けてから一夜が明けハリーたち3人は昼には担ぎ込まれた病棟から退院する事ができました。ところがハグリッドからルーピン先生が今朝一番で辞めたと聞かされたのです。それを聞いてハリーはルーピンの部屋に向かったのでした。(全3項目)

3-1.一夜明けて
ダーズリー一家と別れて名付け親のシリウスと暮らす。ようやく真実を知って「叫びの屋敷」から戻る道すがらでシリウスからそう持ちかけられて喜びを大爆発させたハリーだったのですが残念ながらそれは実現しませんでした。

その日は何と満月だったのです。一行が校庭に戻って来た所で雲が切れ月が姿を現わしました。ルーピンは硬直していました。そして手足が震え出したかと思うと一同が見ているその前でルーピンは狼に変身して行ったのでした。

この機会を逃がさなかったのがペティグリューでした。ルーピンの落とした杖に飛びつきクルックシャンクスとロンに何らかの呪文をかけるとネズミに変身して逃走して行きました。さらにそこに姿を現わしたのが吸魂鬼でした。

百体の吸魂鬼が真っ黒な塊になってハリーたちに襲いかかって来ました。ハリーは守護霊を創り出そうとしましたが駄目でした。もはや自分もシリウスも吸魂鬼に魂を吸い取られて生きた屍になるのか?そう覚悟した時の事です。

何かが吸魂鬼を追い払っている。実を云うと吸魂鬼を追い払う守護霊を創っていたのはハリー自身でした。ハリーはハーマイオニーが持っていた逆転時計で3時間前に戻りシリウスとヒッポグリフのバックビークを助けたのです。

必要なのは時間じゃ。首尾よく運べば君たちは今夜1つと云わずもっと罪なき者の命を救う事ができるじゃろう。ただし誰にも見られてはならんぞ。ハリーとハーマイオニーはダンブルドアにこう言われて3時間前に戻りました。

そこでハグリッドの小屋の裏庭に行って処刑寸前のバックビークを助け出し3時間待って守護霊を創って自分自身を救いました。そしてバックビークの背中に乗って吸魂鬼に魂を吸い取られる寸前のシリウスを助け出したのです。

ハリーたち3人は翌日の昼には担ぎ込まれた病棟から退院する事ができました。その日はホグズミード行きが許可されていましたがロンもハーマイオニーも出かける気にはなれず校庭を歩きながら前夜の大冒険を語り合いました。

するとそこに姿を見せたのが・・・

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改めて開心術士としてのハリーについて「アズカバンの囚人」編(2)(4回シリーズ)

「君の父親も私のためにそうしたに違いない」シリウス・ブラックのこの言葉を聞いてハリーの胸は憎しみで煮えくり返りました。とこらがいざ自分の杖を取り戻したというのにハリーの杖腕は微動だにしません。何もできないでいる内にルーピン先生がやって来て・・・(全3項目)

3-1.そこにいたのは?
「あいつが犬なんだ。あいつは動物もどきなんだ」こう言うとロンはハリーの肩越しに背後を見つめました。ハリーが振り向くと影の中に立つ男がハリーとハーマイオニーが入って来た扉を閉めました。それが犬だった男でした。

汚れきった髪が肘まで垂れています。暗い落ち窪んだ眼窩の奥で目が光っているのが見えなければまるで死体が立っているかのようです。血の気のない皮膚が顔の骨に張りついていて髑髏のようでした。シリウス・ブラックです。

「エクスペリアームス!」

ロンの杖を2人に向けてシリウス・ブラックはしわがれた声でこう唱えました。ハリーとハーマイオニーの杖が2人の手から飛び出し高々と宙を飛んでシリウス・ブラックの手に収まりました。その目はハリーを見据えていました。

「君なら友を助けに来ると思った。君の父親も私のためにそうしたに違いない。君は勇敢だ。先生の助けを求めなかった。有り難い。そのほうがずっと事は楽だ」

「君の父親も私のためにそうしたに違いない」シリウス・ブラックのこの言葉がハリーにはまるで大声で叫んだかのように鳴り響きました。ハリーの胸は憎しみで煮えくり返り恐れの欠けらが入り込む余地すらなかったのでした。

杖を取り戻したい!生まれて初めてハリーは身を守るためにではなく攻撃のために杖が欲しいと思いました。我を忘れてハリーは身を乗り出しました。すると突然ハリーの両脇で何かが動いて二組の手がハリーを引き戻しました。

ロンとハーマイオニーがハリーを止めたのでした。ハリーを殺害したいのなら僕たちもという事になるぞ。激しい口調でこう言うロンにシリウス・ブラックは「座っていろ。足の怪我が余計ひどくなるぞ」と静かに言いました。

僕たち3人を殺害しなくてはならないと言った事が聞こえたのか?自分の事を思いやるような言葉に驚いたロンがこう問いかけるとシリウス・ブラックは前にも増して笑うと今夜はただ1人を殺害するとそう言い放ったのでした。

ロンとハーマイオニーの手を振り解こうとしながらハリーは「何故なんだ?」と訊きました。それはシリウス・ブラックがピーター・ペティグリューを殺害する際に12人ものマグルを道連れにしていたからに他なりませんでした。

こいつが僕の父さんと母さんを殺害したんだ!ハリーは大声を上げると渾身の力でロンとハーマイオニーの手を振り解きシリウス・ブラックに飛びかかったのでした。

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改めて開心術士としてのハリーについて「アズカバンの囚人」編(1)(4回シリーズ)

2年前からは「夏休みシリーズ」の後はこれをやる事になっています。ハリーがその第一報を聞いたのはプリベット通り4番地のキッチンでした。そのためその脱獄犯が魔法使いだと知った時には驚愕する事になりました。そして学期末試験最終日の夜に・・・(全3項目)

3-1.シリウス・ブラックの脱獄
シリウス・ブラックは自分の命を狙っているらしい。ハリーがこの脱獄犯の事を最初に聞いたのは何とプリベット通り4番地のキッチンでした。マグルのニュースで報道されていたのです。魔法使いだと知った時は驚愕しました。

そして自分の命を狙っているらしいと知ったのは夏休みの最終日の事です。滞在していた「漏れ鍋」の食堂でウィーズリー夫妻が言い争いをしているのを偶然聞いてしまいハリーはそこでこの事を知ったというわけなんですよね。

しかしその時はハリーはシリウス・ブラックの事を楽観視していました。それというのもシリウス・ブラックがヴォルデモートの腹心の1人だと魔法使いだと知った「夜の騎士(ナイト)バス」の中で聞かされたからなんですよね。

ヴォルデモートの右腕だと言うのなら当然シリウス・ブラックもダンブルドアの事を恐れているのでは?ウィーズリーおばさんも同意見でした。ところがシリウス・ブラックはダンブルドアを恐れる事など全くありませんでした。

10月31日のハロウィンにはグリフィンドール寮の門番を務める「太った婦人(レディ)」を襲ったりクィディッチのグリフィンドール対レイブンクロー戦が行われた日の真夜中には合言葉を入手して侵入して来たりもしたのでした。

そんな最中にハリーは知ってしまったのでした。シリウス・ブラックはハリーの父親のジェームズ・ポッターの無二の親友だった。そのシリウス・ブラックが裏切った事で自分の両親はヴォルデモートに殺害されてしまったんだ。

ところが実はシリウス・ブラックが命を狙っていたのはハリーではありませんでした。誰もその理由を見抜けなかったのは世間ではその男は死んだと思われていたからです。ハリーは学期末試験の最終日の夜にそれを知りました。

その出来事はハリーたち3人がハグリッドの小屋を出て城に戻る途中で起きたんですよね。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(24)(シリーズ最終回)

それからというものはアーサー氏もパーシーも大忙しで朝早くに家を出て夕食後遅くまで帰らないという多忙ぶりでした。そうこうする内に夏休みも最終日となりハリーを含めた在校生たちは翌日にはホグワーツに向けて出発する日を迎える事となりました。(全3項目)

3-1.夏休みの最終日になり
それからというものはアーサー氏もパーシーもほとんど家にいませんでした。2人とも朝はみんなが起き出す前に家を出て夜は夕食後遅くまで帰って来ませんでした。夏休みの最終日にパーシーがみんなにこう言ったのでした。

「全く大騒動だったよ」

「吼えメール」が次々に送られて来るのでずっと火消し役だったんだそうです。すぐに開封をしないと「吼えメール」は爆発するのでパーシーの机は焼け焦げだらけになり一番上等な羽根ペンが灰になってしまったのだそうです。

どうしてみんな「吼えメール」をよこすの?ジニーがこう訊くとパーシーは「ワールドカップでの警備の苦情だよ」と答えました。壊された私物の損害賠償を要求しているんだそうです。でもその全てが本物ではないとの事です。

マンダンガス・フレッチャーは寝室が12もあるジャグージつきのテントを弁償しろと言って来たのだそうです。でもパーシーはその魂胆を見抜いていて実際には棒切れにマントを引っかけて寝ていた事実を押さえているそうです。

ウィーズリーおばさんは部屋の隅の大きな柱時計をちらっと見ました。ハリーはこの時計が好きでした。時間を知るのには全く役に立ちません。何故ならそれはウィーズリー家の人たちが今どこにいるのかを示す時計だからです。

家族の名前が掘り込まれた金色の針が9本ついていて家族がいそうな場所が書いてあります。当然「家」に「学校」と「仕事」はもちろんの事で「迷子」に「病院」に「牢屋」もあり12時の位置は「命が危ない」になっています。

今は8本の針が「家」を指していました。しかし一番長いアーサー氏の針は「仕事」を指していました。ウィーズリーおばさんが言うにはアーサー氏が週末に仕事をするのはヴォルデモートの全盛時代以来の事なんだそうです。

お役所はあの人を働かせ過ぎるわ。早く帰宅しないと夕食が台無しになってしまう。溜め息をついてこう言うおばさんにパーシーは父さんはワールドカップの時のミスを埋め合わさなければと思っているのではと言ったのでした。

本当の事を言うと公の発表をする前に部の上司の許可を取りつけなかったのは少々軽率だった。こう言うパーシーにおばさんは怒りリータ・スキーターみたいな卑劣な女が書いた事でお父様を責めるのはお辞めと言ったのでした。

するとロンとチェスをしていたビルが父さんが何も言わなかったらあのリータの事だから魔法省の誰も何もコメントしないのはけしからんとか言って結局は非難をしていたと言ったのでした。実はビルも経験があるのだそうです。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(23)(24回シリーズ)

ほんの数時間眠っただけでハリーたち一同はアーサー氏に起こされ「移動キー」でストーツヘッド・ヒルに戻って来ました。ハリーたちが「隠れ穴」に帰宅をするとアーサー氏の予想通りウィーズリーおばさんが大騒ぎで出迎えてくれたのでした。その原因は?(全3項目)

3-1.キャンプ場を離れて
ほんの数時間眠っただけで一同はアーサー氏に起こされました。アーサー氏が魔法でテントを畳んでハリーたちは取り急ぎキャンプ場を離れました。小屋の戸口にいたロバーツさんは何だか奇妙に虚ろな表情をしていたのでした。

そしてぼんやりと「メリー・クリスマス」と挨拶をしました。アーサー氏がそっと「大丈夫だよ」と言いました。アーサー氏が言うには記憶修正をすると暫くの間は少々ボケる事があるそうです。特に今回は尚更なんだそうです。

何故ならば今回の場合は随分と大変な事を忘れて貰わなくてはならなかったからだそうです。ハリーたちが「移動キー」の置かれている場所に近づくと大勢の人々の切羽詰ったような声が聞こえて来ました。大忙しのようでした。

沢山の人たちが「移動キー」の番人のバージル氏を取り囲み「早くキャンプ場を離れたい!」と大騒ぎをしていました。アーサー氏はバージル氏と手早く話をつけ一同は列に並びました。そして古タイヤに乗って帰って来ました。

到着したのはストーツヘッド・ヒルでした。夜明けの薄明かりの中をオッタリー・セント・キャッチポール村を通って朝食の事だけ考えながら「隠れ穴」に帰って来ました。家の前でウィーズリーおばさんが待っていたのでした。

「ああ!良かった。本当に良かった!」

おばさんのその手には「日刊予言者新聞」が握り締められていました。夫のアーサー氏に腕を回した時に手から力が抜けて落ちました。ハリーが見下ろして見ると「クィディッチ・ワールドカップでの恐怖」という見出しでした。

「みんな生きててくれた。ああお前たち」

驚く事におばさんがアーサー氏の次に抱き締めたのはビルでもチャーリーでもパーシーでもなくてフレッドとジョージでした。それはおばさんが2人に言った最後の言葉が「ふくろう試験の点が低かった」だからなんだそうです。

「さあさあ母さん。みんな無事なんだから」

そんなおばさんをアーサー氏はこう言って優しくなだめたのでした。そしてビルに小声で「新聞を拾って来ておくれ。何が書いてあるか読みたい」と言ったのでした。そして一同は狭いキッチンに無理やり押し入ったのでした。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(22)(24回シリーズ)

ウィンキーに対する扱いのひどさに怒りが収まらないハーマイオニーだったのですがアーサー氏の言う通りで今ここで何とかできるという問題ではありません。そしてテントに戻ってからハリーたちは「闇の印」と死喰い人についての話を聞く事になったのでした。(全3項目)

3-1.やっとこさテントに
空き地を出るなりハーマイオニーは「ウィンキーはどうなるの?」と訊きました。その問いにアーサー氏が「分らない」と答えました。ハーマイオニーは「みんなのひどい扱い方ったら!」と言いつつ怒りが収まらないようです。

ディゴリーさんは始めからウィンキーを「しもべ」と呼び捨てにするしクラウチさんも犯人はウィンキーじゃないと判っているくせにそれでも首にした。ウィンキーがどんなに怖がろうと気が動転していてもどうでもいいんだわ。

まるでウィンキーがヒトじゃないみたい。ハーマイオニーがこう言うとロンが当たり前のように「そりゃヒトじゃないだろ」と言い返しました。するとハーマイオニーはまた怒ってロンにこう反論をしたというわけなんですよね。

「だからと言ってウィンキーが何の感情も持ってない事にはならないでしょ。あのやり方にはむかむかするわ」

するとアーサー氏が早くおいでと合図しながら「私もそう思うよ」とハーマイオニーの意見に賛同してくれました。でも今はしもべ妖精の権利を論じている時ではないとアーサー氏は言うのです。次にアーサー氏が言ったのは?

他のみんなはどうしたのかという事でした。それにはロンが「暗がりで見失っちゃった」と答えました。次にロンが父親のアーサー氏に言ったのは「どうしてみんなあんな髑髏なんかでピリピリしてるの?」という疑問でした。

アーサー氏は緊張の面持ちで「テントに戻ってから全部話してやろう」と答えました。しかし森のはずれに来た所で足止めを食らってしまいました。怯えた顔の人々が大勢集まっていてアーサー氏を見て一斉にやって来たのです。

一同は「あっちで何があったんだ?」とか「誰があれを創り出した?」とかまさか「あの人」つまりヴォルデモートなのかと訊いて来る人もいました。アーサー氏は畳みかけるように「あの人」じゃないとそう答えたのでした。

誰なのかは分らない。どうも「姿くらまし」したようだ。アーサー氏は先ほど言った自分の意見を言うと一同にベッドで寝たいので道を空けて欲しいと言ってハリーたち3人を連れて群衆を掻き分けるとキャンプ場に戻りました。

キャンプ場はもう静かでした。仮面の魔法使いの気配もありませんでした。男子用テントからチャーリーが顔を出していてアーサー氏に「何が起こってるんだい?」と訊いて来ました。フレッドにジョージとジニーは戻っている。

「でも他の子が」と言うチャーリーにアーサー氏が「私と一緒だ」と答えました。アーサー氏が屈んでテントに入りハリーたち3人が後に続きました。そこではまずは「闇の印」の一件の説明から入ったというわけなんですよね。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(21)(24回シリーズ)

「闇の印」の真下で発見されしかも杖を持っていたという事でまずはウィンキーの言い分を聞いてみる事にしました。しかしウィンキーはあくまでも杖は使っていないし「闇の印」の創出方法を知らないと言い張るのです。するとクラウチ氏がウィンキーを罰すると言い出して・・・(全3項目)

3-1.ウィンキーが持っていた杖
「あなたにご異議がなければ屋敷しもべ自身の言い分を訊いてみたいんだが」クラウチ氏はエイモス氏のこの言葉が聞こえたという反応を全く示しませんでした。それをエイモス氏はクラウチ氏が了解したと解釈したようでした。

エイモス氏は杖を上げウィンキーに向けて「リナベイト!蘇生せよ!」と唱えました。するとウィンキーはゆっくりと頼りなげに意識を回復し身を起こしました。そして空に打ち上がった「闇の印」を見ると挙動が一変しました。

ウィンキーはハッと息を呑み狂ったようにあたりを見回しました。そして空き地に詰めかけた大勢の魔法使いを見て今度は怯えたように突然啜り泣きを始めました。そんなウィンキーにエイモス氏が厳しい口調でこう言いました。

「しもべ!私が誰だか知っているか?魔法生物規制管理部の者だ!」

ウィンキーは座ったまま体を前後に揺すり始めると激しい息遣いになりました。それを見てハリーはドビーが命令に従わなかった時の怯えた様子を嫌でも思い出す事になりました。エイモス氏は「闇の印」の事を訊き始めました。

見ての通り今しがた「闇の印」が打ち上げられた。そしてお前はその直後に印の真下で発見されたのだ!申し開きがあるか!するとウィンキーは自分は「闇の印」を打ち上げてはいない。そのやり方を知らないと答えたのでした。

お前が見つかった時。杖を手に持っていた。エイモス氏はウィンキーの目の前で杖を振り回しながらこう吼えました。ところがその時の事でした。浮かぶ髑髏の緑色の光が杖に当たった時にハリーははっと気がついたのでした。

「あれっ。それ僕のだ!」

ハリーのこの一言でその場にいた全ての人々が一斉にハリーを見ました。エイモス氏は自分の耳を疑うかのように「何と言った?」と訊いて来ました。その問いにハリーは「それ僕の杖です!落としたんです!」と答えました。

エイモス氏は信じられないという口調で「落としたんです?」とハリーの言葉を繰り返しました。しかしその後にエイモス氏が言ったその発言でアーサー氏が激高する事になってしまいました。それはこの発言だったんですよね。

「自白しているのか?闇の印を創り出した後で投げ捨てたとでも?」

これを聞いてアーサー氏は語気を荒げて「いやしくもハリー・ポッターが闇の印を創り出す事が有り得るか?」と言いました。言われたエイモス氏は思わず口ごもってその通りだ。済まなかった。どうかしてたと謝ったのでした。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(20)(24回シリーズ)

自分たちのほうに誰かがやって来る。最初に気づいたのはハーマイオニーでハリーとロンも急いで振り返りました。ところがハリーがいくら呼びかけても返事がないのです。すると突然聞き覚えのない声が聞こえたかと思うと空に巨大な髑髏が現れて・・・(全3項目)

3-1.闇の印
ようやく安全な所まで逃げて来れた。そんな安心感もあって色々と話し込んでいたハリーたち3人だったのですがハーマイオニーが突然言葉を切って後ろを振り向きました。それを見てハリーとロンも急いで振り返ったのでした。

誰かがこの空き地に向かってやって来る音がしたからです。3人は暗い木々の陰から聞こえる不規則な足音に耳を澄ませました。突然その足音が止まりました。ハリーが「誰かいますか?」と呼びかけましたが返事はありません。

ハリーは立ち上がって木の陰から向こうを窺いました。暗くて遠くまでは見えません。それでも目の届かない所に誰かが立っているのが感じられます。そしてハリーが「どなたですか?」と問いかけた次の瞬間の事だったのです。

「モースモードル!」

すると何の前触れもなくこの森で聞き覚えのない声が静寂を破りました。その声は恐怖に駆られた叫びではなく呪文のような音でした。そして音が発せられたあたりから巨大な緑色に輝く何かか立ち上がり空に舞い上がりました。

ロンが弾けるように立ち上がり息を呑んで空に現れたものを凝視しました。一瞬ハリーは「レプラコーンの描いた文字か?」と思いました。しかしすぐに違うと気づきました。巨大な髑髏で口からは蛇が這い出していたのでした。

突然周囲の森から爆発的な悲鳴が上りました。ハリーには何故悲鳴が上がるのか分りませんでした。唯一の原因は目の前に上ったこの髑髏です。しかしハリーがいくら闇に目を走らせても髑髏を出した主は見当たりませんでした。

ハリーはもう一度「誰かいるの?」と問いかけました。するとハーマイオニーが上着の背を掴んでハリーを引き戻しました。ハーマイオニーが蒼白な顔で震えているのでハリーは驚き「一体どうしたんだい?」と訊いたのでした。

ハーマイオニーはあれは「闇の印」すなわちヴォルデモートの印だと言うのです。ハリーたち3人は空き地を出ようとしました。ところが急いだ3人がほんの数歩も歩かない内に20人の魔法使いが現れて包囲されてしまいました。

そしてぐるりと周りを見回した瞬間でした。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(19)(24回シリーズ)

仮面を被った集団がマグルのロバーツ一家を宙吊りにするという騒動が勃発してハリーたちは森の中に逃げ込みました。ところがそこでドラコ・マルフォイに出くわしたのです。マルフォイと言い争いをしている内にハリーたちはフレッドにジョージそれにジニーの3人とはぐれてしまい・・・(全3項目)

3-1.小道に戻ると
マルフォイがまた例によって例の如く「穢れた血」と口走ったためロンは「口を慎め!」と叫んでマルフォイのほうに一歩踏み出しました。するとハーマイオニーが「気にしないで」と言ってロンの腕を押さえて止めたのでした。

森の反対側でこれまでよりもずっと大きな爆発音がしました。周りにいた数人が悲鳴を上げました。するとマルフォイはせせら笑い気だるそうに「臆病な連中だねぇ?」と言ったのでした。さらにマルフォイの言葉は続きました。

君の父親がみんなに隠れているように言ったんだろうとか一体何を考えているのやらとかマグルを助け出すつもりなのかねぇとも言いました。そんなマルフォイに対しハリーは熱くなってこう訊き返したというわけなんですよね。

「そっちこそ君の親はどこにいるんだ?あそこに仮面をつけているんじゃないか?」

するとマルフォイは笑ったままハリーのほうに顔を向けました。そして「さあ。そうだとしても僕が君に教えてあげるわけはないだろう?」とハリーに言いました。ハーマイオニーは嫌な奴という目でマルフォイを見つつ・・・

「さあ行きましょうよ。他の人たちを探しましょう」と言いました。そんなハーマイオニーにマルフォイは「その頭でっかちのボサボサ頭をせいぜい低くしているんだな」と嘲ったのでした。ハーマイオニーはまた言いました。

「行きましょうたら」

こう言うとハーマイオニーはハリーとロンを引っ張り小道に戻りました。ロンは激怒して「あいつの父親はきっと仮面団の中にいる。賭けてもいい!」と言いました。そんなロンにハーマイオニーも激しい口調でこう言いました。

「そうね。上手く行けば魔法省が取っ捕まえてくれるわ!」

しかしマルフォイと言い争いをしている内にフレッドにジョージとジニーにはぐれてしまいました。小道は不安げにキャンプ場の騒ぎを振り返る人々でびっしり埋まっているというのに3人の姿はどこにも見当たりませんでした。

ハリーたちと同年代らしき外国の学生のような人たちもいました。ロンに外国語で話しかけて来たのです。ハーマイオニーが言うにはボーバトンの生徒たちだと言うのです。ロンもまた杖を引っ張り出し杖先に灯りを点しました。

ところがだったのです。

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ハリー・ポッターの夏休み「炎のゴブレット」編(18)(24回シリーズ)

ビクトール・クラムがスニッチを捕って試合は終了しました。テントに戻って暫くは試合談義に花を咲かせましたがジニーが眠り込んでしまったので就寝という事になりました。ところがハリーはアーサー氏に突然起こされて着替えもそこそこにテントを出る羽目になってしまいました。その原因は?(全3項目)

3-1.注目の貴賓席で
「まあ我々は勇敢に戦った」こう敗戦の弁を述べたのがブルガリア魔法大臣でした。確かに見せ場はビクトール・クラムがスニッチを捕った場面だけでそれを除いたスコアは「170対10」という事でいい所なしだったんですよね。

ところがこの敗戦の弁を聞いて立腹したのが一日中パントマイムをやらされたコーネリウス・ファッジでした。本来なら満面の笑みを浮かべて受け取るクィディッチ・ワールドカップ優勝杯をファッジは仏頂面で受け取りました。

バグマン氏が「勇猛果敢な敗者に絶大な拍手を。ブルガリア!」と叫ぶと敗者のブルガリア選手7人が階段を上がって貴賓席に入って来ました。観衆が賞讃の拍手を贈りました。相当数の人々がその光景を万眼鏡で見ていました。

ハリーはとてつもない数の万眼鏡のレンズが自分のいる貴賓席に向けられ光っているのを見ました。ブルガリアの選手は貴賓席の座席の間に一列に並んでバグマン氏が選手の名前を呼び上げブルガリア魔法大臣と握手をしました。

そして次にファッジとも握手をしました。最後尾がクラムでまさにボロボロでした。顔は血まみれで両眼の周りは黒いあざになりかけていました。まだしっかりとスニッチを握っていました。地上ではどうもぎくしゃくしている。

ハリーはそう思いました。O脚気味だし明らかに猫背でした。それでもクラムの名前が呼び上げられると競技場の人々は鼓膜が破れんばかりの大歓声を送りました。それから勝者のアイルランドの選手が貴賓席に入って来ました。

シーカーのエイダン・リンチは2人の選手に支えられていました。二度に渡る激突で目を回したようでその目はうろうろしていました。それでも優勝杯が高々と掲げられ観客席から祝福の声が轟くと笑顔を見せていたのでした。

ハリーは拍手のし過ぎで手の感覚がなくなりました。そしていよいよアイルランド・チームが貴賓席を出て箒に乗ると二度目のウイニング飛行を始めました。エイダン・リンチは他の選手の箒に乗って曖昧に笑っていたのでした。

「この試合はこれから何年も語り草になるだろうな」

バグマン氏は杖を自分の喉に向け「クワイエタス!静まれ!」と唱えた後にこう言いました。バグマン氏が言うには実に予想外の展開だったんだそうです。もっと長い試合にならなかったのは残念な事だったとも言ったのでした。

ここでフレッドとジョージが自分たちの座席の背を跨いでその満面に笑みを浮かべて手を突き出しながらバグマン氏の前に立っていました。ビクトール・クラムがスニッチを捕る。しかし勝つのはアイルランド・チームのほうだ。

2人が賭けに勝ったからです。

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