アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(8)(52回シリーズ)

この上なく嫌悪している魔法界のそれも「あの」アルバス・ダンブルドアが創設した不死鳥の騎士団の保護下に入らなければ生き延びる事ができないという事でバーノン叔父さんの葛藤は最高潮に達していました。そんな叔父さんをハリーは懸命に説得をして・・・(全3項目)

3-1.唯一のお気に入り?
もうこれで何度目になるか分らないほどですがバーノン叔父さんはハリーの前で再び立ち止まり「よかろう」と言って自分たちが不死鳥の騎士団の保護下に入る事を了承しました。しかしそれに当たり1つの条件を提示しました。

「例えばの話だがわしらがその警護とやらを受け入れたとしよう。しかし何故あのキングズリーという奴がわしらに付き添わんのだ。理解できん」

ハリーはやれやれという目つきになるのを辛うじて我慢しました。それと言うのも同じ質問にもう何度も答えていたからです。そのためにハリーは叔父さんに歯を食いしばって我慢強く答えなくてはならなかったというわけです。

「もう話したはずだけどキングズリーの役割はマグーつまり英国首相の警護なんだ」

こう答えたハリーに叔父さんは「そうだとも。あいつが一番だ!」と言い点いていないテレビを指差しました。ダーズリー一家は病院を公式見舞いするマグルの首相の背後にぴったりと従いて歩くキングズリーを見つけたのです。

キングズリー・シャックルボルトはマグルの洋服を着こなすコツを心得ているしゆったりした深い声は何かしら人を安心させるものがある。そういう事でダーズリー一家はキングズリーを別の魔法使いとは別格扱いにしています。

「でもキングズリーの役目はもう決まってる。だけどヘスチア・ジョーンズとディーダラス・ディグルなら十分にこの仕事を」

こう言うハリーに叔父さんは「履歴書でも見ていれば」と食い下がろうとしました。しかしハリーはもう我慢できなくなって立ち上がると叔父さんに詰め寄り今度はハリーがテレビを指差して今の状況を説明したというわけです。

テレビで見ている事故はただの事故じゃない。そういうテレビニュースの後にも色々な事件が起こっているに違いない。人が行方不明になったり死んだりしている裏にはヴォルデモートがいるんだ。嫌と言うほど言って聞かせた。

霧が出る時だって吸魂鬼の仕業なんだ。吸魂鬼が何だか思い出せないのなら息子に訊いてみろ!これを聞いてダドリーは両手をびくっと動かして口を覆いました。両親とハリーが見ているのに気づくとダドリーはハリーに・・・

「いるのか。もっと?」

ハリーは「もっと?」と言うと笑いました。そして「僕たちを襲った2体の他にもっといるかって?もちろんだとも。何百。いや今はもう何千かもしれない。恐れと絶望を食い物にして生きる奴らの事だ」とこう答えたのでした。

ハリーはさらに亡者つまり闇の魔術で動かされる屍の話もして言葉の限りを尽くして自分が17才になった途端に必ず襲って来るとダーズリー一家を脅しに脅したのでした。そしてだから叔父さんたちには助けが必要と訴えました。

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(7)(52回シリーズ)

ハリーが今朝届いた「日刊予言者新聞」を力任せに投げつけたその直後の事でした。ハリーはバーノン叔父さんに呼ばれて居間に下りて来ました。叔父さんが話があるとそう言うのです。その話とはハリーにとっては予想できる内容だったのです。それと言うのも・・・(全3項目)

3-1.呼ばれて居間に
「日刊予言者新聞」に掲載されたリータ・スキーターのインタビュー記事を読み終えたハリーは呆然とその紙面を睨みつけていました。嫌悪感と怒りが反吐のように込み上げて来てハリーはその新聞を力任せに投げつけました。

新聞はゴミ箱の周りに散らばっているゴミの山に加わりました。ハリーは部屋の中を無意識に大股で歩き回りました。怒りで何をしているのかの自覚もないほどでスキーターの言葉が怒涛のようにハリーの脳裏を駆け巡りました。

ハリーは大声で「嘘だ!」と叫びました。窓の向こうで芝刈り機の手を休めていた隣の住人が不安げに見上げました。ところがその時の事でした。明るい鮮やかなブルーがきらりと光るのがハリーの目に飛び込んで来たのでした。

気のせいだ。気のせいに違いない。ハリーは振り返りました。しかし背後にあったのはペチュニア叔母さん好みの気持ちの悪い桃色だ。鏡に映るようなブルーの物はどこにもない。ハリーはもう一度「両面鏡」を覗き込みました。

しかし明るい緑色の自分の目が見つめ返しているだけでした。やはり気のせいだ。それしか説明のしようがない。亡くなったダンブルドア校長の事を考えていたから見えたような気がしただけだとハリーはそう思ったのでした。

アルバス・ダンブルドアの明るいブルーの目が自分を見透かすように見つめる事はもう二度とない。それだけは確かだ。ハリーがそんな事を考えていると玄関の扉が閉まる音がしてバーノン叔父さんが叫ぶ声が聞こえて来ました。

バーノン叔父さんが自分を呼んでいる。しかしそれが判ってもハリーはすぐには返事をしませんでした。今しがたほんの一瞬だけシリウスの形見の「両面鏡」にダンブルドアのブルーの目が見えたようなそんな気がしたからです。

今度はバーノン叔父さんの声が怒鳴り声になったのでハリーはようやくゆっくりと立ち上がり部屋の扉に向かいました。しかし途中で足を止めて持って行く予定の物を詰め込んだリュックサックに両面鏡の欠片を入れたのでした。

「ぐずぐずするな!下りて来い。話がある!」

ハリーが階段の上に姿を現わすとバーノン叔父さんが大声でこう言いました。ハリーが居間に入るとダーズリー一家3人全員が旅支度の服装で揃っていました。ハリーが「何か用?」と訊くと叔父さんが「座れ!」と言いました。

ハリーが眉を吊り上げると叔父さんは「座ってくれないか」と言い換えましたが言葉が鋭く喉に突き刺さったかのように顔をしかめたのでした。ハリーは腰掛けました。次に何が来るのか判るようなそんな気がハリーはしました。

予想は的中しました。

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(6)(52回シリーズ)

ハリーがエルファイアス・ドージ氏の追悼文を読み返した当日その追悼文を載せていた「日刊予言者新聞」にはリータ・スキーターのインタビュー記事が掲載されていました。スキーターによれば自分が書いたダンブルドアの伝記本には衝撃の事実が書かれているのだそうです。(全3項目)

3-1.たったの4週間で
スキーターは間違いなく一番乗りでした。それと言うのも900ページもの著書をダンブルドアが謎の死を遂げた6月から僅か4週間で上梓しているのです。スキーターは一体全体どうやってこの超スピード出版を成し遂げたのか?

当のスキーター本人が言うには自分のように長期間に渡ってジャーナリストをやっていると締め切りに間に合わせるのが習い性になっている。魔法界が完全な伝記を待ち望んでいる事は判っていたのでそのニーズに応えたかった。

何でもアルバス・ダンブルドアの長年の友人でウィゼンガモットの特別顧問でもあるエルファイアス・ドージは「スキーターの本に書いてある事実は蛙チョコの付録のカード以下でしかない」とそう批判をしているのだそうです。

このコメントについてインタビュアー兼筆者が訊いてみた所スキーターはのけぞって笑い「ドジのドージ!」と言うと数年前に水中人の権利についてインタビューした事があるが可哀想な事に完全にボケているとそう答えました。

2人でウィンダミア湖の湖底に座っていると勘違いしたらしくスキーターに「鱒に気をつけろ」と何度も注意していたんだそうです。しかしながらエルファイアス・ドージと同様に事実無根と非難する声は他にも多く聞かれる。

スキーターはたった4週間でダンブルドアの傑出した長い生涯を完全に把握できると本気でそう思っているのだろうか?この疑問をぶつけるとスキーターはインタビュアーに向かって「まああなた」とそう言ったんだそうです。

そしてペンを握ったインタビュアーの手の節を親しげに軽く叩いて笑顔を見せたのだそうです。スキーターはあなただってよくご存知でしょう。ガリオン金貨のぎっしり詰まった袋に「ノー」という否定の言葉には耳を貸さない。

スキーターの話はまだまだ続きました。

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(5)(52回シリーズ)

実は自分はダンブルドアの事をほとんど知らなかった。ハリーは「日刊予言者新聞」に寄稿されたエルファイアス・ドージ氏の追悼文を読んでそう気づかされたのでした。そのためダンブルドアを失った悲しい気持ちに恥じ入る気持ちが混じる事となりました。ところがその日届いた予言者新聞には・・・(全3項目)

3-1.相次いだ悲劇
アルバスと共にホグワーツを卒業した時エルファイアス氏はその頃の伝統だった卒業世界旅行に一緒に出かける予定だったんだそうです。海外の魔法使いたちを訪ねて見聞を広める。その後に各々の人生を歩み出すのだそうです。

ところが旅行に出かける前夜に悲劇が起ってしまったんだそうです。アルバスの母ケンドラが亡くなりアルバスは家長にして家族唯一の稼ぎ手になってしまいました。エルファイアス氏は出発を延ばして葬儀に出席したそうです。

弟と妹の面倒を見なければならず残された遺産も少なくアルバスは到底エルファイアス氏と世界旅行に出かける事などできなくなっていたのだそうです。それから暫くの間は2人の人生で最も接触の少ない時期となったそうです。

今にして思えばエルファイアス氏は無神経にもギリシャで危うくキメラから逃れた事やエジプトでの錬金術師の実験に至るまで旅先の驚くべき出来事を書き送ったんだそうです。アルバスからの手紙には日常的な事は皆無でした。

あれだけの秀才の事だから毎日が味気なく焦燥感に駆られていたのではとエルファイアス氏は推察していたのだそうです。しかもそれから約1年の後にダンブルドア一家をまたもや悲劇が襲ったという報せが入ったんだそうです。

それは妹のアリアナの死でした。アリアナは長く病弱だった。とはいえ母親の死に引き続くこの痛手は2人の兄弟に深刻な影響を与えたのだそうです。近しい者は誰もが皆アルバスに一生消えない傷痕を残したと考えたそうです。

帰国後に会ったアルバスは年齢以上の辛酸を舐めた人間になっていたんだそうです。以前と比べると感情を表に出さず快活さも薄れていたのだそうです。アルバスをさらに惨めにしたのはアバーフォースと仲違いをした事でした。

その後2人の関係は修復して親しいとは言えないまでも気心の通じ合う関係に戻ったんだそうです。しかしながらアルバスはそれ以降は母親やアリアナの事をほとんど語らなくなり友人たちもその事を口にしないようになった。

そしてその後のアルバス・ダンブルドアは?

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(4)(52回シリーズ)

ハリーがプリベット通り4番地を離れるという問題の土曜日がやって来ました。その日ハリーはホグワーツに入学して以来学校用のトランクを完全に空にするという作業をしていました。そして最後に取り掛かったのが「日刊予言者新聞」の山の整理でした。それは整理というよりも・・・(全3項目)

3-1.トランクから出て来たのは?
問題の土曜日がやって来ました。ハリーは血を流していました。怪我をした右手を反対の手で押さえ小声で悪態をつきながらハリーは2階の寝室の扉を肩で押し開けました。するとそこに紅茶のカップがあり割れてしまいました。

ハリーは「一体何だ?」と言うとあたりを見回しました。2階の階段の踊り場には誰もいません。紅茶のカップはダドリーの仕掛けた罠かもしれないとハリーはそう思いました。怪我をした右手を庇いながら陶器を片付けました。

それから腹立ち紛れに足を踏み鳴らしながらバスルームに行き怪我をした指を蛇口の下に突き出して洗いました。そんな事をしながらハリーは「あと4日も魔法が使えないなんて馬鹿げている」と思わずにはいられませんでした。

何の意味もないしどうしようもないほど苛立たしい。しかし考えてみればこの指の切り傷はどうにもなりません。傷の治し方など習った事がなかったからです。特にこれからやろうとしている計画を考えると問題かもしれません。

これはハリーが受けて来た魔法教育の重大な欠陥のようです。どうやって治すのかをハーマイオニーに訊かなければと自分にそう言い聞かせながらハリーはトイレットペーパーを分厚く巻き取ってこぼれた紅茶を拭き取りました。

この日ハリーは午前中一杯かけて学校用のトランクを完全に空にするという作業をしていました。これまではトランクの4分の3ほどを学期が始まる前に入れ替えただけで底に溜まったガラクタの層には手をつけなかったのでした。

その万年床に右手を突っ込み薬指に鋭い痛みを感じ引っ込めるとひどく出血していました。ハリーは今度はもっと慎重に取り組もうとトランクの脇に膝をつき底のほうに探りを入れました。すると切り傷の犯人が見つかりました。

正体はすぐに判りました。5年生のクリスマス休暇最終日にグリモールド・プレイス12番地から学校に戻る際に名付け親のシリウスがハリーにくれた「両面鏡」でした。それはシリウスからハリーへの最後の贈り物だったのです。

トランクの整理はまだ続きました。

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(3)(52回シリーズ)

ルシウス・マルフォイ氏の杖を借り受けたヴォルデモートでしたがルシウス氏が代わりに自分の杖を受け取ろうとする素振りを見せたためヴォルデモートはマルフォイ一家を責め立て始めました。ベラトリックス・レストレンジにとっては名誉な事のようですが当のマルフォイ一家にとっては・・・(全3項目)

3-1.恐怖におののくマルフォイ一家の隣には?
「マルフォイ一家は何故不幸な顔をしているのだ?俺様が復帰して勢力を強める事こそ長年の望みだったと公言していたのではないのか?」ヴォルデモートにこう問われてルシウス・マルフォイ氏はこう答えたというわけです。

「我が君もちろんでございます。私どもはそれを望んでおりました。今も望んでおります」

こう答えながらもルシウス氏は上唇の汗を拭う手を震わせていました。そしてその左隣ではヴォルデモートと蛇から目を背けたままで妻のナルシッサ夫人が不自然に硬い頷き方をしていました。右隣には息子のドラコがいました。

ドラコは宙吊りの人間を見ていましたがヴォルデモートの言葉を聞いてちらりと視線をヴォルデモートに向けたものの直に目が合う事を恐れ即座に視線を逸らしてしまいました。確かにヴォルデモートの言う通りかもしれません。

マルフォイ一家の態度や素振りは到底ヴォルデモートが我が家に滞在している事を歓迎しているというのには程遠いという雰囲気でした。するとテーブルの中ほどにいた黒髪の女が感激に声を詰まらせながらこう言ったのでした。

「我が君。あなた様が我が親族の家にお留まりくださる事はこの上ない名誉でございます。これに選る喜びがありましょうか」

こう言ったのは実はナルシッサ夫人の姉でした。しかしその外観は隣に座っているナルシッサ夫人とは似ても似つかない容貌で立ち居振る舞いも全く違っていました。お側に侍(はべ)りたいという渇望を剥き出しにしていました。

「これに優る喜びはない」ヴォルデモートはこう言葉を繰り返すとベラトリックス・レストレンジを吟味するように僅かに頭を傾けました。そして「お前の口からそういう言葉を聞こうとは。ベラ殊勝な事だ」と言ったのでした。

ところがだったのです。

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(2)(52回シリーズ)

マルフォイの館の客間にはヴォルデモートの配下つまり死喰い人の全員が集結していたようですが発言をしているのはもっぱらセブルス・スネイプとヤックスリーの2人だけでした。そしてヴォルデモートが一心に思い詰めていたのは「いかにしてハリー・ポッターを始末するのか?」という事でした。(全3項目)

3-1.パイアス・シックネスに
闇祓いのドーリッシュが漏らした情報によれば例の小僧つまりハリーの移動には闇祓い局から相当な人数が差し向けられるらしい。ヤックスリーがこう言っているとヴォルデモートは手を挙げヤックスリーを制してしまいました。

ヤックスリーは瞬時に黙り込みヴォルデモートが再びスネイプに向き直るのを恨めしげに見る事となりました。ヴォルデモートは「あの小僧を今度はどこに隠すのだ?」と訊いてスネイプはその問いに対してこう答えたのでした。

「騎士団の誰かの家です。情報によればその家には騎士団と魔法省の両方が出来得る限りの防衛策を施したとのこと。一旦そこに入ればもはやポッターを奪う可能性はまずないと思われます」

移動中に奪わなければもはや不可能だろう。しかしそう言う一方でスネイプは土曜日を待たずして魔法省が陥落すれば我々は施された魔法の相当の部分を見つけ出して破り残りの防衛線を突破する機会も十分にあると言うのです。

「さてヤックスリー?果たして魔法省は土曜日を待たずして陥落しているか?」

ヴォルデモートがこう問いかけ全員の目が再びヤックスリーに注がれました。するとヤックスリーは肩を聳やかして「良い報せがあります」と答えました。だいぶ苦労しましたし並大抵の努力ではなかった。一体その努力とは?

それはパイアス・シックネスに「服従の呪文」をかける事に成功したのだそうです。それを聞いてヤックスリーの周りでは感心をしたような顔をする者が多数いました。席が隣のドロホフはヤックスリーの背中を叩くほどでした。

それを聞いてヴォルデモートは?

続きを読む »

アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(1)(52回シリーズ)

今日から13週間「52回」に渡って第7巻「死の秘宝」のアルバス・ダンブルドアを取り上げる事にします。昨年度末にアルバス・ダンブルドアを葬り去り残る脅威はハリー・ポッターのみとなった事を受けてヴォルデモートはハリーを始末するためにと・・・(全3項目)

3-1.セブルス・スネイプとヤックスリー
月明かりに照らされた狭い道にどこからともなく2人の男の姿が同時に現れました。2人の間はほんの数歩しか離れていませんでした。姿を現わした瞬間2人の男は互いの胸元に杖を向けたままでした。身じろぎもしませんでした。

しかし相手が誰だか判ると2人とも杖をしまい足早に同じ方向に歩き出しました。一方の背の高い男が「情報は?」と訊くともう一方の男は「上々だ」と答えました。2人の男の名前はセブルス・スネイプとヤックスリーでした。

小道の左側には茨の潅木がぼうぼうと伸び右側にはきっちり刈り揃えられた高い生垣が続いていました。2人の男は先を急ぎました。先を急ぎながらヤックスリーのほうが「遅れてしまったかもしれん」とスネイプに言いました。

「思っていたより少々面倒だった。しかしこれであの方もお喜びになるだろう。君のほうは受け入れていただけるという確信がありそうだが?」

スネイプは頷いただけで何も言いませんでした。右に曲がると小道は広い馬車道に変わりました。その先には壮大な鍛鉄の門がありました。高い生垣も同様に右に折れ道に沿って門の奥まで続いています。2人とも止まりません。

2人は無言のまま左腕を伸ばして敬礼の姿勢を取り黒い鉄がまるで煙であるかのようにそのまま門を通り抜けてしまいました。そこで再びヤックスリーは杖を抜いてスネイプの頭越しに狙いを定めました。何かを感じたようです。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(8)(シリーズ最終回)

ヴォルデモートを真に滅ぼすためには全ての分霊箱を破壊しなければならない。ハリーはアルバス・ダンブルドアの遺志を継いでロンとハーマイオニーと共にヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出たのでした。そしてホグワーツの大広間で最後の対決に臨んだのでした。(全3項目)

3-1.分霊箱を探す旅に
こうしてハリーはホグワーツに入ってから7年目の最終学年の年度は学校には戻らずヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出る事にしたのでした。そしてロンとハーマイオニーの2人もハリーに同行する事になったというわけです。

そんなハリーたち3人だったのですがヴォルデモートの分霊箱探しは1つ目は比較的早く発見する事ができました。3人が隠れ家として入ったロンドンのグリモールド・プレイス12番地で発見のきっかけを掴む事ができたのでした。

ハリーとダンブルドアが海辺の洞窟に取りに行った分霊箱は何と偽物でした。そこには「R.A.B」というイニシャルの人物のメモ書きが入っていました。その人物こそがシリウスの弟レギュラス・ブラックだと判明したのでした。

その分霊箱は屋敷しもべ妖精のクリーチャーが持ち帰り驚く事に12番地にありました。それをマンダンガス・フレッチャーが持ち去り最終的にはドローレス・アンブリッジの手に渡っていました。3人は魔法省に乗り込みました。

しかし2つ目はなかなか見つかりませんでした。そうこうしている内に分霊箱を破壊できるのは「グリフィンドールの剣」と判り分霊箱に加え探し物がまた1つ増えてしまったのです。そのためロンが2人から離れてしまいました。

でもロンは戻って来ました。ダンブルドアが遺言でロンに譲渡した「灯消しライター」がロンをハリーとハーマイオニーのいるグロスター州のディーンの森に導いてくれました。しかもそこにグリフィンドールの剣もありました。

ハリーはロンと再会できたその上に最初に見つけた分霊箱を破壊でき一挙両得という事になりました。そして思わぬ形で分霊箱のヘルガ・ハッフルパフの金のカップがグリンゴッツのレストレンジ家の金庫にある事が判りました。

ハリーたち3人はハリーが禁句の「ヴォルデモート」を口にしてしまい狼人間のフェンリール・グレイバック率いる人さらい一味に捕まってマルフォイの館に連行されました。そこにベラトリックス・レストレンジが現れました。

ハリーはグリフィンドールの剣を見てハリーたちがグリンゴッツの自分の金庫に侵入したと思い込み血相を変えたベラトリックスを見て分霊箱の1つがレストレンジ家の金庫に隠してあるとそう見抜いたというわけなんですよね。

ハリーたち3人は人さらい一味に捕まった際に一緒になった小鬼のグリップフックに手伝って貰ってグリンゴッツのレストレンジ家の金庫を破りました。こうして2つ目の分霊箱を獲得した事で一気に道が開けて来たんですよね。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(7)(8回シリーズ)

ヴォルデモートは複数の分霊箱を作っている。ハリーがダンブルドアから出された宿題をやり遂げて判ったのはこの事でした。そして何とヴォルデモートの分霊箱を取りに行くダンブルドアにハリーが同行する事になりました。ところがそんなハリーに衝撃の出来事が次々と襲いかかりました。(全3項目)

3-1.分霊箱を取りに
ヴォルデモートは複数の分霊箱を作っている。その全てを探し出し破壊しなければヴォルデモートを真に滅ぼす事はできない。それで先生は分霊箱を探していたがために学校を留守にしていたのですかとハリーは訊いたのでした。

その問いにダンブルドアは「そうじゃ」と答えました。長期間に渡って探していたそうです。そして多分自分の考えでは程なくしてもう1つ発見できるかもしれない。それらしい印がある。それを聞いてハリーはこう言いました。

「発見なさったら僕も一緒に行ってそれを破壊する手伝いができませんか?」

すると何とダンブルドアは「いいじゃろう」と答えたのでした。ハリーはまさかの答えに衝撃を受けつつ「いいんですか?」と訊き返しました。それに対してダンブルドアは僅かに微笑みさえ浮かべながらこう答えたんですよね。

「いかにも。君はその権利を勝ち取ったと思う」

ハリーは胸が高鳴りましたが周囲にいた歴代校長の肖像画はダンブルドアのその決断にはあまり感心していないようでした。そしてついにハリーがダンブルドアと共にヴォルデモートの分霊箱を取りに行く事になったんですよね。

それはハリーがロンとハーマイオニーと談話室にいる時でした。クィディッチのグリフィンドール・チームのメンバーの1人のジミー・ピークスができるだけ早く来て欲しいというダンブルドアからの手紙を持って来たのでした。

ハリーは「すぐ行ったほうがいいよね?」と言うと勢いよく立ち上がり談話室を出ました。夜間外出禁止時間まであと15分しかなかったため大多数の生徒は談話室に戻っていました。ところがそこで思わぬ人物に出くわしました。

それはトレローニー先生でした。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(6)(8回シリーズ)

ヴォルデモート復活の記事を掲載した「日刊予言者新聞」は一転してハリーを褒めそやすようになり加えて「選ばれし者」とも書き立てたのでハリーは女子生徒から羨望の眼差しで見られるようになりました。さらにダンブルドアがハリーに個人教授を受けて欲しいと申し入れをして来て・・・(全3項目)

3-1.予言を巡って
魔法大臣コーネリウス・ファッジの圧力に屈してハリーとダンブルドアを誹謗中傷する記事ばかり載せていた「日刊予言者新聞」はヴォルデモート復活の記事を掲載した後は内容を一転してハリーを褒めそやすようになりました。

そのためハリーには「生き残った男の子」に続き「選ばれし者」という新たな称号が加わり新学期初日のホグワーツ特急内では白眼視されたり陰口を叩かれる事もなくなり女子生徒から羨望の眼差しで見られるようになりました。

さらにハリーは夏休み中にダンブルドア校長から驚くべき申し入れをされる事となりました。何とダンブルドアがハリーに個人教授を施してくれると言うのです。その第1回は学期が始まって最初の土曜日に行なわれたのでした。

ダンブルドアが言うにはハリーが予言の内容を知ったからにはハリーが生き残るために何らかの情報を与える時が来たとそう判断したからだそうです。その授業はヴォルデモートの生涯を祖父の代から振り返るという内容でした。

ヴォルデモートの祖父マールヴォロ・ゴーントは狂信的な純血主義者で何世紀にも渡って純血だという事を誇りにしていました。そんなマールヴォロと息子のモーフィンに娘のメローピーはサラザール・スリザリンの末裔でした。

ところがそんなメローピー・ゴーントが山の向こう側の館に住んでいるマグルのトム・リドルに思いを寄せ「愛の妙薬」を飲ませて駆け落ち結婚をしました。そして後のヴォルデモートになる男の子を産んだというわけですよね。

しかしメローピー・リドルは夫に「愛の妙薬」を飲ませるのを辞めてしまったようでした。その理由はあまりにも夫を深く愛していたので魔法で夫を隷従させ続ける事に耐えられなくなったというのがダンブルドアの見解でした。

トム・リドル・シニアはメローピーを捨て1人でリドル・ハングルトンの館に戻って来ました。メローピーはロンドンに1人取り残され息子に「トム・マールヴォロ・リドル」という名前をつけた直後に亡くなったんだそうです。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(5)(8回シリーズ)

ハリーがトレローニー先生の本当の予言を聞いた翌日ダンブルドアにその事を告げると何とダンブルドアはトレローニー先生の本当の予言はこれで2つになったとそう言うのです。そしてハリーはその自分に大きく関わる予言を5年生の学期末に聞かされて知る事になったのでした。(全3項目)

3-1.本物の予言は2つになった
ハリーはルーピン先生がいなくなった部屋に残り意気消沈して床を見つめていました。扉を閉める音が聞こえたので見上げてみるとダンブルドア校長がまだそこにいました。ダンブルドアはハリーに向かってこう言ったのでした。

「どうしたね?そんなに浮かない顔をして。昨夜の後じゃ。自分を誇りに思って良いのではないかの」

ハリーは昨夜ハーマイオニーの持っていた「逆転時計」で3時間前に戻りヒッポグリフのバックビークにシリウスとさらには自分自身の命を救いました。守護霊を創り出して押し寄せて来た百体もの吸魂鬼を追い払ったのでした。

ダンブルドアはだからハリーに「自分を誇りに思って良いのでは?」とそう言ったのです。しかしハリーは苦い物を噛み締めるような口調で「何にもできませんでした。ペティグリューは逃げてしまいました」と言ったのでした。

「何にもできなかったとな?ハリーそれどころか大きな変化をもたらしたのじゃよ。君は真実を明らかにするのを手伝った。1人の無実の男を恐ろしい運命から救ったのじゃ」

「恐ろしい」ダンブルドアの言ったこの言葉がハリーの記憶を刺激しました。ハリーが思い出したのは昨日「占い学」の学期末試験でトレローニー先生が言った予言の事です。そこでハリーはダンブルドアにこう言ったのでした。

「ダンブルドア先生。昨日占い学の試験を受けていた時にトレローニー先生がとってもとっても変になったんです」

いつもよりもっと変になったという事かな?こう訊くダンブルドアにハリーは声が太くなって目が白目になってこう言ったんですと「占い学」の学期末試験の際にトレローニー先生が言った予言の事をダンブルドアに話しました。

「これはハリー。トレローニー先生はもしかしたらもしかしたのかも知れんのう」

ダンブルドアは考え深げにこう言うと「こんな事が起ころうとはのう。これでトレローニー先生の本当の予言は全部で2つになった。給料を上げてやるべきかの」とも言いました。トレローニー先生の本当の予言は2つあるのか?

ところがだったのです。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(4)(8回シリーズ)

ハリーとセドリックはクラウチ・ジュニアが「移動キー」にした優勝杯に連れられてリドル・ハングルトンの教会墓地にやって来ました。セドリックは即座に殺害されてしまいました。そしてハリーはヴォルデモートが復活する所を目前で見せつけられる事になったのでした。(全3項目)

3-1.傷痕に激痛
こうしてハリーとセドリックの2人は「移動キー」になった優勝杯によってリトル・ハングルトンの教会墓地に連れて来られました。当然2人とも何故に優勝杯が「移動キー」になっていたのかもここがどこなのかも知りません。

突然ハリーが「誰か来る」と言いました。暗がりでじっと目を凝らすと間違いなくこちらに人影が近づいて来ます。顔を見分ける事はできませんが歩き方や腕の組み方から何かを抱えているらしいという事だけは何とか判りました。

その影は2人から僅か2メートルほど先の丈高の大理石の墓石のそばで止まりました。一瞬ハリーにセドリックとその小柄な姿が互いに見つめ合いました。その時の事です。何の前触れもなしにハリーの額の傷痕が痛み出しました。

これまで一度も経験した事のない激しい痛みでした。両手で顔を覆ったため指の間から杖が滑り落ちハリーはがっくりと膝を折って地面に座り込んでしまいました。痛みで全く何も見えず頭が割れるかと思うほどの激痛でした。

余計な奴は殺害しろという甲高い声が聞こえたかと思うと「アバダケダブラ」と唱えるのが聞こえました。そして緑の閃光がハリーの閉じた瞼の裏で光りました。ハリーが目を開けると恐ろしい光景が目に飛び込んで来ました。

セドリックがハリーの足下に大の字になって倒れていました。何と死んでいました。一瞬が永遠に感じられました。信じられない。受け入れられない。感覚が麻痺していました。そんなハリーを誰かが引きずって行ったのでした。

フードを被った小柄な男がハリーを無理やり後ろ向きにするとその背中を墓石に押しつけました。フードの男は杖から頑丈な縄を出しハリーを墓石に縛りつけ始めました。男の手は指が1本欠けていてハリーはそれで判りました。

「お前だったのか!」

それはワームテールでした。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(3)(8回シリーズ)

ワームテールがアルバニアの森にやって来てヴォルデモートはとりあえずは復活に向けて動き出す事ができました。しかし臆病者のワームテールはいかにも頼りなげでした。そんなヴォルデモートにバーテミウス・クラウチ・ジュニアという超強力な味方が加わって・・・(全3項目)

3-1.クラウチ・ジュニアに何を命じたのか?
ヴォルデモートはクラウチ・ジュニアに自分のためにあらゆる危険を冒す覚悟があるのかと訊きました。それは一体いかなる事なのか?それはホグワーツに潜入をしてハリー・ポッターを手に入れるという事だったんですよね。

三校対抗試合の間それと気取られずにハリー・ポッターを誘導する召使いが必要でした。ハリー・ポッターを監視する魔法使い。最終課題でハリー・ポッターが確実に優勝杯に辿り着けるようにする魔法使いが必要だったのです。

優勝杯を「移動キー」にして最初に触れた者をヴォルデモートの待つリドル・ハングルトンの教会墓地に連れて行く。それを実現させるためには今学期の「闇の魔術に対する防衛術」の教師マッド・アイ・ムーディが必要でした。

ワームテールとクラウチ・ジュニアがムーディの家に行きました。ムーディは抵抗して騒ぎが起きましたが何とか間に合いおとなしくさせる事ができました。用意しておいたポリジュース薬を飲んでムーディに成り済ましました。

騒ぎを聞きつけてマグルの処理に駆けつけたアーサー・ウィーズリーには何者かが庭に忍び込んだのでゴミバケツが警報を発したと説明しました。ムーディは訊きたい事があったので「服従の呪文」をかけて生かしておきました。

ダンブルドアでさえ騙す事ができるようにムーディの過去も癖も学ばなければならなかったからです。それからクラウチ・ジュニアはムーディの服や闇の検知器をムーディと一緒にトランクに詰めホグワーツに出発したのでした。

そしてハリー・ポッターを三校対抗試合の代表選手にし課題をクリアさせ最後の課題で優勝杯に最初に触れるよう誘導をするためにポリジュース薬でマッド・アイ・ムーディに成り済ましホグワーツに乗り込んだというわけです。

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(2)(8回シリーズ)

ただのネズミだとそう思っていたら実は何と「動物もどき」だった!シリウスとルーピンに正体をバラされてしまったピーター・ペティグリューことワームテールは「こうなったら闇の帝王を蘇らせるしかない」と決意しアルバニアの森に向かったのでした。さらにもう1人強力な味方も得てヴォルデモートは・・・(全3項目)

3-1.災い転じて福と成す?
シリウスが言う所によればピーター・ペティグリューことワームテールがネズミのスキャバーズとしてウィーズリー家に潜り込んだのは闇の陣営が再び力を得たとの知らせが少しでも入れば行動が起こせる完璧な態勢だそうです。

味方の力に確信が持てたら途端にハリーを襲えるよう準備万端なのだそうです。ポッター家最後の1人を味方に引き渡す。ハリーを差し出せばワームテールはヴォルデモートを裏切ったなどとは決して言われないというわけです。

ワームテールは栄誉をもって再び迎え入れられる。しかしもはやこうなってしまったからには自らの手でご主人様を復活させ蘇らせるしかない。こう決意するとワームテールはアルバニアの森を目指したというわけなんですよね。

ところがワームテールがヴォルデモートの下に戻る旅は容易なものではありませんでした。ワームテールは空腹のため愚かにも食べ物欲しさにある旅籠に立ち寄りました。そこで何と魔法省の職員に出くわしてしまったのでした。

それが驚く事にここで見つかったのは運の尽きとワームテールが思ったらこの魔法省の職員バーサ・ジョーキンズが情報の宝庫になってくれたのです。全てを破壊させるのかと思ったら思いがけない贈り物になってくれたのです。

この魔女は色々教えてくれました。第1に今年度ホグワーツに於いて三大魔法学校対抗試合が行なわれる事に第2には連絡を取りさえすれば喜んでヴォルデモートを助けるであろう忠実な死喰い人を知っていると教えてくれました。

一方ワームテールの体はヴォルデモートが取り憑くには適していませんでした。ワームテールは世間では死んだ事になっているので顔を見られたらあまりに注意を引き過ぎる。しかしワームテールは肉体を使う能力がありました。

ヴォルデモートの召使いにはそれが必要だったのです。魔法使いとしてはお粗末だったもののワームテールはヴォルデモートの指示に従う能力はありました。ヴォルデモートは未発達で虚弱でしたが仮の住処の体を作らせました。

そして旅ができるまでに力を取り戻したのですが・・・

続きを読む »

シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(1)(8回シリーズ)

シビル・トレローニー先生はその生涯に二度に渡って本物の予言を言いました。そのいずれもがハリーの人生に大きく関わる事となりました。そこで今週と来週の2週間をかけて「どう実現するに至ったのか?」を改めて振り返ってみる事にします。(全3項目)

3-1.学期末試験の際に
ハリーにとっては何故か担当教師のスネイプが自分の事を毛嫌いし目の敵にして来る「魔法薬学」が群を抜いて苦手で大嫌いな科目でした。ところが3年生になると「占い学」という新たに嫌いな科目が増えてしまったのでした。

この科目を教えるトレローニー先生は最初の授業のお茶の葉占いでハリーに死神犬が取り憑いていると言ってハリーに死の予告をしたのを皮切りにして手相占いでは生命線がこれまで見た中で一番短いとハリーに告げたのでした。

要するに事ある毎にハリーは早死にすると言って来るのです。ハーマイオニーに至ってはもう我慢がならないしさらにはトレローニー先生はインチキ婆さんだとそう言って学期の途中で履修をするのを辞めてしまったほどでした。

ところがそれは学期末試験の時でした。試験が終わってハリーが帰りかけると背後から太い荒々しい声で「事は今夜起こるぞ」と言うのが聞こえて来ました。ハリーが振り返るとトレローニー先生が虚ろな目をしていたのでした。

さらにトレローニー先生は口をだらりと開け肘掛け椅子に座ったまま硬直していました。明らかに様子がおかしい。ハリーは医務室に駆けつけるべきかどうか迷いました。トレローニー先生は今にも引きつけの発作を起しそうです。

「闇の帝王は友もなく孤独に朋輩に打ち棄てられて横たわっている。その召使いは12年間鎖に繋がれていた。今夜真夜中になる前その召使いは自由の身となりご主人様の下に馳せ参ずるであろう」

「闇の帝王は召使いの手を借り再び立ち上がるであろう。以前よりさらに偉大により恐ろしく。今夜だ。真夜中前。召使いが。そのご主人様の下に馳せ参ずるであろう」


トレローニー先生は先程と同じ太い荒々しい声でこう言いました。しかも自分が言った事を全く覚えていませんでした。ひょっとしたら自分はトレローニー先生の本物の予言を聞いてしまったのかとハリーはそう思ったのでした。

続きを読む »

ハリーが愛した2人目のそして最後の女性(4)(シリーズ最終回)

ようやく両思いになったと思ったらハリーとジニーは引き裂かれて会う事さえままならない状況に陥ってしまいました。ハリーがヴォルデモートの分霊箱を探し出して破壊する旅に出てしまったからです。そしてハリーとジニーが久方ぶりの再会を果たしたのは翌年の5月の事でした。(全3項目)

3-1.久方ぶりの再会
「君とはもう付き合う事ができない」私はこんな事をハリーが言う必要などはなかったのにと思うのですが何分にもそう言ってしまったのにも関わらずハリーは17才の誕生日にはジニーとキスをするなんて事をしてしまいました。

そのためハリーはロンに激しく責め立てられる事となりました。しかしその翌日の8月1日にはビルとフラーの結婚式が魔法省が陥落し死喰い人の集団に急襲された事を受けてハリーたち3人は慌しく出発する事になったのでした。

ヴォルデモートの分霊箱を探し出して破壊する旅に出たのです。そのためハリーとジニーは会う事さえできない状況になってしまいました。そんなハリーとジニーが久方ぶりに会う事ができたのは翌年の5月の事だったのでした。

ハリーはホグズミードの「ホッグズ・ヘッド」から新たにできた秘密の抜け穴を通ってホグワーツに入る事ができました。ヴォルデモートの分霊箱の最後の隠し場所が「ホグワーツ」だとそう判ったからというわけなんですよね。

ハリーたち3人が到着したのは「必要の部屋」でした。そこに最初に逃げ込んだのはハリーたち3人を「ホッグズ・ヘッド」に迎えに来たネビルだったんだそうです。しかし時が経つ毎にどんどん人数が増えていったのだそうです。

ハリーたちが入った後も続々とかつてのダンブルドア軍団のメンバーが馳せ参じて来ました。またしても背後で物音がしてハリーは振り返りました。その途端に心臓が止まったような気がしました。ジニーが入って来たからです。

すぐ後ろにはフレッドとジョージにリー・ジョーダンがいました。ジニーはハリーに輝くような笑顔を向けました。ハリーはジニーがこんなにも美しい事を忘れていました。と言うよりもこれまで十分に気がついていませんでした。

しかし同時にまたこれからホグワーツで起こるであろう事を考えたらジニーを見てうれしくないと思った事も確かでした。

続きを読む »

ハリーが愛した2人目のそして最後の女性(3)(4回シリーズ)

チョウ・チャンと別れたハリーがその次に思いを寄せるようになったのはジニーでした。しかしその時ジニーはディーン・トーマスと付き合っていました。でも紆余曲折を経てハリーとジニーはようやく付き合うようになりました。しかしそんな幸せな期間は長くは続きませんでした。(全3項目)

3-1.愛するが故に
ジニーがハリーの事を好きな時にはハリーは別の女性に好意を抱いていた。ハリーがジニーの事を好きな時にはジニーは別の男性と付き合っていた。こうして4年あまりに渡りハリーとジニーは気持ちがすれ違っていたのでした。

しかしハリー6年生そしてジニー5年生の学期末にようやく2人は愛を実らせる事ができたというわけです。ところがそんな幸せな時間は短期間で終了する事になりました。ダンブルドア校長が死んでしまったからというわけです。

「ジニー話があるんだ。君とはもう付き合う事ができない。もう会わないようにしないといけない。一緒にはいられないんだ」

こう言うハリーに対してジニーは「何か馬鹿げた気高い理由のせいね。そうでしょう?」と奇妙に歪んだ笑顔を浮かべながら言ったのでした。そんなジニーに向かってハリーはこのように言葉を返したというわけなんですよね。

「君と一緒だったこの数週間はまるで他の人の人生を生きていたような気がする」

でも自分は1人でやらなければならない事があるんだ。こう言って別れを切り出したハリーでしたがジニーは泣きませんでした。ただハリーを見つめていました。何故ハリーはジニーに別れを告げなくてはならないというのか?

「ヴォルデモートは敵の親しい人たちを利用する。既に君を囮にした事がある。しかもその時は僕の親友の妹というだけで。僕たちの関係がこのまま続けば君がどんなに危険な目に遭うか考えてみてくれ」

さらにハリーはこう言いました。ヴォルデモートは嗅ぎつけるだろう。判ってしまうだろう。ヴォルデモートはジニーを使って自分を挫こうとするだろう。だからもうジニーとは付き合えない。するとジニーはこう言いました。

「私が気にしないって言ったら?」

ハリーは「僕が気にする」と答えました。それほどまでにジニーの事が好きというわけなんですよね。

続きを読む »