アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(25)(52回シリーズ)

ウィーズリーおばさんの仕掛けた策略のお陰でロンにハーマイオニーの2人と話す事など全くできなかったハリーだったのですが3日目の夜にようやくその機会が巡って来ました。その場でハリーはハーマイオニーがした行為に半ば呆れ半ば感心させられる事になったのでした。(全3項目)

3-1.ゴドリックの谷への思い
ロンとハーマイオニーが自分に同行するためさらには家族を守るためにそこまで準備していたという事を知りハリーはそんな2人に圧倒されて押し黙ってしまいました。部屋の中が静かになりました。そんな沈黙を破ったのは?

4階下から聞こえて来るウィーズリーおばさんのくぐもった怒鳴り声でした。ロンが「ジニーがナプキン・リングなんてつまんない物にちょっぴり染みでも残してたんじゃないか」と言ったその後にこう文句を言ったのでした。

「デラクール一家が何で式の2日も前に来るのかわかんねえよ」

するとハーマイオニーがフラーの妹が花嫁の付き添い役だからリハーサルのために来なくてはならない。それでフラーの妹はまだ小さいので1人では来られないのよとその理由を相も変わらず本を選り分けながら答えたのでした。

「でもさお客が来るとママのテンションは上がる一方なんだよな」

ロンはこう言いましたがハーマイオニーはまるでロンの言葉が聞こえなかったかのように「絶対に決めなくっちゃならないのはここを出てからどこへ行くかってこと」と言うと続けてハリーにこう言ったというわけなんですよね。

「あなたが最初にゴドリックの谷に行きたいって言ったのは知ってるし何故なのかも判っているわ」

しかしハーマイオニーは分霊箱を第1に考えるべきだとそう言うのです。それに対しハリーは「分霊箱の在り処が1つでも判っているなら君に賛成するけど」と言いました。ハリーはゴドリックの谷に帰りたいと願っていました。

でもその願いをハーマイオニーが本当に理解しているとは思えませんでした。両親の墓があるというのはそこに惹かれる理由の1つに過ぎません。あの場所には答えを出してくれるという強い一方で説明のつかない気持ちがある。

もしかしたらヴォルデモートの「死の呪い」から自分が生き残ったのがその場所だったという単にそれだけの事で惹かれているのかもしれない。今自分は「もう一度生き残る事ができるのか?」の挑戦に立ち向かおうとしている。

ハリーは最初にその出来事が起こった場所に惹かれ理解したい。だから行きたいと考えているのかもしれないのです。しかしハーマイオニーは全く別の理由でハリーがゴドリックの谷に行く事を反対しているというわけなのです。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(24)(52回シリーズ)

「君たち本当に真剣に考え抜いたのか?」ハリーはロンとハーマイオニーにこう言いました。それはおそらく分霊箱を探す事はとてつもない困難と危険が伴う事が予想されるからという事なんでしょうね。しかしロンもハーマイオニーもハリーの予想を覆す計画を立てていたというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.いつでも出発できる
「聞いてくれ。聞いてくれよ!」と言うハリーにハーマイオニーは「いいえ」と言ったその上で「あなたのほうこそ聞いて。私たちはあなたと一緒に行くわ。もう何ヵ月も前に決めた事よ。実は何年も前にね」と言ったのでした。

「でも」と言うハリーにロンが「黙れよ」と意見しました。一緒に行くと言ったんだからこれ以上何も言うなというわけです。それでもハリーは「君たち本当に真剣に考え抜いたのか?」と食い下がったというわけなんですよね。

ハーマイオニーはもう随分前から荷造りをして来たのだそうです。だから自分たちはいつでも出発できるんだそうです。参考までに申し上げるとハーマイオニーは準備をするに当たってかなり難しい魔法も使ったとの事でした。

特にウィーズリーおばさんの目と鼻の先でマッド・アイのポリジュース薬を全部頂戴するという事までやってのけたそうです。それに両親の記憶を変えてウェンデルとモニカ・ウィルキンズという名前だと信じ込ませたそうです。

そしてオーストラリアに移住する事が人生の夢だと思わせた。2人はもう移住したんだそうです。それはヴォルデモートが2人を追跡してハリーの事で尋問する事が一層難しくなるようにしたのだそうです。それは何故なのか?

残念ながらハリーの事を両親に随分話してしまったからだそうです。もし自分が分霊箱探しから生きて戻ったら両親を探して呪文を解く。そうでなければ自分のかけた呪文が十分に効いているから安全に幸せに暮らせる事だろう。

ウェンデルとモニカ・ウィルキンズ夫妻は娘がいた事も知らないのだそうです。こう言うとハーマイオニーの目は再び涙で潤み始めました。それを見てロンはベッドから降りて再びハーマイオニーに片腕を回したというわけです。

そして繊細さに欠けると非難をするようにハリーにしかめっ面を向けたのでした。ハリーは言うべき言葉を思いつきませんでした。ハーマイオニーがそこまでして悲愴な覚悟を固めた上でハリーに同行する事を知ったからでした。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(23)(52回シリーズ)

3人が一緒になるのを阻止すれば出発するのを遅らせる事ができる。そう考えたウィーズリーおばさんでしたが3日目の夜になるとほころびが見えて来ました。そのためハリーたち3人はロンの屋根裏部屋で話す機会ができました。そこでハリーはロンとハーマイオニーに・・・(全3項目)

3-1.アーサー氏と鳥小屋に行ってみると
ハリーはウィーズリーおばさんにアーサー氏の手伝いをして鶏の糞を掃除して欲しいと頼まれたものの結局こちらのほうはほとんどする事がありませんでした。何と鳥小屋にはシリウスのバイクの残骸が隠されていたんですよね。

アーサー氏の説明によれば妻のモリーには言う必要がない。テッド・トンクスがシリウスのバイクの残骸をほとんど送ってくれた。そこで保管と称し鳥小屋に隠してある。確か排気ガス抜きとかそんな名前の素晴らしい物がある。

それにブレーキがどう作動するかが判る素晴らしい機会だ。妻のモリーが見ていない。つまり時間がある時にもう一度組み立ててみるつもりなんだそうです。アーサー氏と2人で家の中に戻るとおばさんの姿は見えませんでした。

そこでハリーはこっそり屋根裏のロンの部屋に行きました。ロンはおばさんに言われた部屋の片付けを全くしていませんでした。ハリーが部屋に入って行くと今の今までベッドに寝転がっていたのが見え見えという有り様でした。

「ちゃんとやってるったらやってる!あっ何だ君か」

ハリーが部屋に入るとロンはこう言い再びベッドに横になりました。散らかった部屋はそのままで違うと言えば部屋の隅にハーマイオニーが座り込んで本を選り分けている事でした。その足下にはクルックシャンクスがいました。

「ハーマイオニー君はどうやって抜け出したの?」

ハリーが自分のベッドに座るとハーマイオニーが「あらハリー」と声をかけて来たのでハリーはこう尋ねました。するとハーマイオニーからはこんな答えが返って来ました。どうやらハリーと同様の事のようだったんですよね。

「ああロンのママったら昨日もジニーと私にシーツを代える仕事を言いつけた事を忘れているのよ」

それならばロンとハーマイオニーはここで一体何をしていたのか?何と2人はマッド・アイ・ムーディの事を話していたのだそうです。ロンがハリーに言うには「生き延びたんじゃないかと思うんだ」との事だったんですよね。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(22)(52回シリーズ)

シリウスが不死鳥の騎士団の本部として提供した「グリモールド・プレイス12番地」の「秘密の守人」はダンブルドアでした。ところがそのダンブルドアが死んでしまったため代わりに本部の役目を果たす事になったのが「隠れ穴」でした。そのため夕食の席には・・・(全3項目)

3-1.隠れ穴が12番地に代わって本部?
それじゃ本当なのね?あなたがしようとしている事はヴォルデモートの息の根を止めるという事なのね?ジニーに鋭くこう訊かれハリーはとっさに冗談だと言ってごまかしました。ここでハリーとジニーは見つめ合ったのでした。

ジニーの表情には単に衝撃を受けただけではない何かがありました。突然ハリーはジニーと2人きりになったのは暫くぶりである事に気がつきました。ホグワーツの校庭の隠れた片隅でこっそり過して以来の事だったんですよね。

ハリーはジニーもその時間の事を思い出しているに違いないと思いました。ところがその時に勝手口の扉が開きアーサー氏とキングズリー・シャックルボルトにビルが入って来たのでハリーもジニーも飛び上がるほど驚きました。

今では夕食に騎士団のメンバーが来る事が多くなっていました。何故なら「グリモールド・プレイス12番地」に代わって「隠れ穴」が本部の役目を果たしていたからです。それもやはりダンブルドアが死んでしまったからでした。

12番地の「秘密の守人」はダンブルドアでした。ダンブルドアの死後は本部の場所を打ち明けられていた騎士団員が代わって12番地の「秘密の守人」を務める事になったんだそうです。しかしそれが何と「20人」もいるそうです。

アーサー氏がハリーにこう説明しました。だから「忠誠の術」も相当弱まっている。死喰い人が騎士団の誰かから秘密を聞き出す危険性もまた「20倍」なので秘密が今後どれだけ長く保たれるかあまり期待できないのだそうです。

「でもきっとスネイプがもう12番地を死喰い人に教えてしまったのでは?」

さらにこの懸念もありました。20人いる12番地の「秘密の守人」にはスネイプも含まれていたのです。この問題についてはアーサー氏によればマッド・アイがスネイプが現れた時に備え2種類の呪文をかけておいたのだそうです。

その呪文とは?

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(21)(52回シリーズ)

マッド・アイ・ムーディを失った衝撃が重く垂れ込める中ハリーは罪悪感と哀しみを和らげるには行動しかないとそう感じていました。ところがロンから母親のウィーズリーおばさんがダンブルドアがハリーに託したその使命を知ろうと躍起になっていると告げられて・・・(全3項目)

3-1.7月31日ではなく8月1日
マッド・アイ・ムーディを失った衝撃はそれから何日も「隠れ穴」の中に重く垂れ込めていました。ハリーはニュースを伝えに来る騎士団の面々に混じってマッド・アイがあの義足の音を響かせて入って来るような気がしました。

罪悪感と哀しみを和らげるには行動しかありません。分霊箱を探し出して破壊する使命のためにできるだけ早く出発しなければならないとハリーは感じていました。しかしロンはハリーが17才になるまではできないと言うのです。

何しろまだ「臭い」がついている。つまりハリーはまだ未成年で魔法を使うと魔法省に探知されてしまう。ヴォルデモートの配下の死喰い人で魔法省に勤めている連中はハリーを逮捕する機会を虎視眈々と狙っているんですよね。

それにここ「隠れ穴」でも計画は立てられるだろう。それにヴォルデモートの分霊箱がどこにあるのかもう判っているのかとロンに訊かれてもハリーは「いいや」と答えて分っていない事を認めるとロンはこう言ったのでした。

「ハーマイオニーがずっと何か調べていたと思うよ。君がここへ来るまでは黙ってるってハーマイオニーがそう言ってた」

ハリーとロンは朝食のテーブルで話していました。アーサー氏とビルは仕事に出かけウィーズリーおばさんはハーマイオニーとジニーを起こしに上の階に行きフラーは湯船に浸かるためにゆったりと出て行ったその後の事でした。

「臭いは31日に消える。という事は僕がここにいなければならないのは4日だ」

ハリーがこう言うとロンが「5日だよ」と訂正しました。それはハリー17才の誕生日つまりハリーが成人になって「臭い」が消える翌日の8月1日にはビルとフラーの結婚式が執り行なわれるので出席しなければならないからです。

抗議したそうなハリーの顔を見てロンが「たった1日増えるだけさ」と言いました。理由はヴォルデモートの分霊箱の事を知っているのはハリーにロンとハーマイオニーだけなので他の人たちは事の重要さが分っていないのです。

もちろん分っていない。あの人たちはこれっぽっちも知らない。こう言った後ロンはハリーに「話が出たついでに君に言っておきたい事があるんだ」と言い玄関ホールへの扉をちらりと見て母親がまだ戻らないのを確認しました。

そのロンの話とは?

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(20)(52回シリーズ)

「ハリーお前さんはまた勝った。あいつの手を逃れたしあいつに真上まで迫られたちゅうのに戦って退けた!」ハリーを励ますようにこう言ったハグリッドでしたがハリーは「違うんだ」とそう言うのです。どうやら杖については専門家のオリバンダー翁ですら分らない事をハリーの杖がしたようでした。(全3項目)

3-1.そういう事じゃない!
今ここでハリーに出て行かれたら私たちの努力は全くの無意味になってしまう。こう言うアーサー氏の主張をハグリッドが「お前さんはどこにも行かねえ」と言って後押ししました。それはやはりとんでもない事なんだそうです。

ハリーをここ「隠れ穴」に連れて来るのにあれだけ色々あったというのにそれを全て無にしてはいけないというわけです。そしてジョージが「俺の流血の片耳はどうしてくれる?」と言ってさらに追い打ちをかけて来たのでした。

「判ってる」と答えたハリーにジョージが「マッド・アイはきっと喜ばないと思うぜ」とも言って来たのでハリーは「判ってるったら!」と声を張り上げたのでした。ハリーは包囲されて責められてるみたいだとそう思いました。

みんなが自分のためにしてくれた事を知らないとでも思っているのか?だからこそみんなが自分のためにこれ以上苦しまない内にたった今出て行きたいのだという事が分らないのか?ハリーはこう思って苛立っていたんですよね。

長い気詰まりな沈黙が流れていました。暫くしてそんな沈黙を破ったのはウィーズリーおばさんでした。おばさんはなだめすかすようにハリーに「ヘドウィグはどこなの?」と訊いて来ました。これはこれで大変辛い一言でした。

「ピッグウィジョンと一緒に休ませて何か食べ物をあげましょう」と言うおばさんにハリーは本当の事が言えませんでした。おばさんのその言葉に応えずに済むようハリーはグラスに残るファイア・ウィスキーを飲み干しました。

ハグリッドも同じ思いだったのか?ハリーを何とか励まそうとしたのか?おばさんがヘドウィグについての悲しみに追い打ちをかける言葉を言わないようにと配慮してくれたのか?ハグリッドはハリーにこう言って来たのでした。

「今に知れ渡るだろうがハリーお前さんはまた勝った。あいつの手を逃れたしあいつに真上まで迫られたちゅうのに戦って退けた!」

ハグリッドにこう言われてハリーは?

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(19)(52回シリーズ)

味方を裏切ってハリーが今夜移動する事を死喰い人に教えたのはマンダンガス・フレッチャーなのか?それを最初に口にしたのはルーピンでした。でもそう言い切るのには逡巡する材料もあります。ビルはマンダンガスの事を庇いました。そんな面々に向かってハリーが言った事とは?(全3項目)

3-1.裏切り者はマンダンガス?
ビルは戸棚からファイア・ウィスキーを1本とグラスを取り出しました。そして杖を振ると12人の戦士に並々とウィスキーを満たしたグラスを送りました。ビルは13個のグラスを宙に浮かべて「マッド・アイに」と言いました。

ほぼ全員が「マッド・アイに」と唱和し飲み干しました。一呼吸遅れてハグリッドが唱和したからです。ファイア・ウィスキーはハリーの喉を焦がし焼けるような感覚が麻痺した感覚をも呼び覚まし現実に立ち戻らせたのでした。

「それじゃマンダンガスは行方をくらましたのか?」

ハリーは同時に何かしら勇気のようなものに火が点いたような気がしました。それはルーピンも同じだったようで一気にグラスを飲み干しこう言いました。すると周りの空気が激変し全員の目が緊張してルーピンに注がれました。

ルーピンにそのまま追及して欲しいという気持ちと答えを聞くのが少し恐ろしいという相反する気持ちが混じっているとハリーには思えました。ルーピンのこの発言に言葉を返したのはビルでした。ビルは一同にこう言いました。

「みんなが考えている事は判る。僕もここに戻る道々同じ事を疑った。何しろ連中はどうも我々を待ち伏せしていたようだったからね。しかしマンダンガスが裏切ったはずはない」

何故かと云うとビルは死喰い人の連中はハリーが7人になる事を知らなかった。だからこそ我々が現れた時には連中は混乱した。何とこの「7人のハリー・ポッター作戦」といういんちき戦法を提案したのはマンダンガスだった。

肝心なポイントを奴らに教えていなかったのはおかしい。ビルはダングが単純に恐怖に駆られただけだとそう言うのです。あいつは初めから来たくなかったのにマッド・アイが参加させた。逃げるのは当然だとビルは言うのです。

それは「例のあの人」つまりヴォルデモートが真っ先に追ったのはマッド・アイとマンダンガスだった。その事だけで誰でも動転するとビルは言いマンダンガスにも同情の余地があるとそう言って擁護してくれたというわけです。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(18)(52回シリーズ)

ハーマイオニーが「帰って来たわ!」と喜びの声を上げました。ロンがようやく戻って来たからです。そして最後に戻って来たのはビルとフラーでした。しかし待ちかねていた一同を一気に奈落の底に突き落とす知らせを持って戻って来たのでした。それは?(全3項目)

3-1.ハーマイオニー待望の?
待つ時間はとてつもなく長く感じられました。全員が聞こえて来る全ての音に神経を研ぎ澄ましていました。やがて1本の箒がみんなの真上に現れて地上に向かって急降下して来ました。ハーマイオニーが喜びの声を上げました。

「帰って来たわ!」

箒で戻って来たのはロンとトンクスでした。箒から下りるとトンクスは「リーマス!」と叫びながらルーピンの腕に抱かれました。ルーピンは何も言う事ができずに真っ青で硬い表情をしていました。ロンは呆然としていました。

ロンはよろけながらハリーとハーマイオニーのほうに歩いて来ました。そして「君たち無事だね」と呟きました。ハーマイオニーは飛びついてロンをしっかりと抱き締めると「心配したわ。私心配したわ」とそう言ったのでした。

ロンはハーマイオニーの背中を叩きつつ「僕大丈夫。僕元気」と言いました。するとトンクスがルーピンから離れたと思うと「ロンは凄かったわ」とロンを誉めそやし始めました。トンクスはロンについてさらにこう言いました。

「素晴らしかった。死喰い人の頭に失神呪文を命中させたんだから。何しろ飛んでいる箒から動く的を狙うとなると」

トンクスのこの言葉を聞いてハーマイオニーはロンの首に両腕を巻きつけたまま「本当?」と言ってロンの顔をじっと見上げました。するとロンはハーマイオニーから離れながら少しむっとしたようにこう言ったというわけです。

「意外で悪かったね」

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(17)(52回シリーズ)

ロンにトンクスの組とアーサー氏とフレッドの組は「移動キー」の時間に間に合わず最初に「移動キー」で戻って来たのがハリーとハグリッドの組でした。そして負傷したジョージとルーピンの組の次に「移動キー」の時間に間に合って戻って来た組は?(全3項目)

3-1.その次に戻って来たのは?
「武装解除の呪文」を巡って議論を戦わせていたハリーとルーピンだったのですがハリーの「ジョージは大丈夫?」の一言でルーピンのハリーに対する苛立ちはすっかりどこかに消えてしまったようでルーピンはこう答えました。

「そう思うよ。ただ耳は元通りにはならない。呪いでもぎ取られてしまったのだからね」

すると外で何かが動き回る音がしました。ルーピンは勝手口の扉に飛びつきハリーもまた裏庭に駆け出しました。2人の人影が現れていました。ハリーが近づくにつれてそれがハーマイオニーとキングズリーだと判ったのでした。

2人は曲がったハンガーをしっかり掴んでいました。それが「移動キー」というわけです。ハーマイオニーはハリーの腕に飛び込みましたがキングズリーは誰の姿を見てもうれしそうな顔をせず杖でルーピンの胸を狙うと・・・

「アルバス・ダンブルドアが我ら2人に遺した最後の言葉は?」

キングズリーのこの言葉にルーピンは「ハリーこそ我々の最大の希望だ。彼を信じよ」と静かに答えました。そしてキングズリーは次に杖をハリーに向けましたがルーピンが「本人だ。私がもう調べた!」とそう言ったのでした。

それを聞いてキングズリーは「判った。判った!」と言うと杖を収めました。そして「しかし誰かが裏切ったぞ!あいつらは知っていた。今夜だという事を知っていたんだ!」と言いルーピンがそれにこう答えたというわけです。

「そのようだ。しかしどうやら7人のハリーがいるとは知らなかったようだ」

こう言うルーピンにキングズリーは「大した慰めにはならん!」と言って歯噛みしました。そして「他に戻った者は?」と訊いたのでした。その問いにルーピンはハリーにハグリッドとジョージそれに私だけだと答えたのでした。

「君たちには何があった?」

ルーピンがキングズリーにこう訊くと?

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(16)(52回シリーズ)

またしてもヴォルデモートの魔の手から逃れたハリーはハグリッドと共に「隠れ穴」に戻って来ました。ところが何とハリーとハグリッドが一番乗りだったのです。予定通りならハリーとハグリッドは三番目だったんだそうです。その直後にルーピンとジョージが戻って来て・・・(全3項目)

3-1.2人が「隠れ穴」に到着すると
「隠れ穴」の裏庭に着いたハリーは光らなくなってもはや用無しになった「移動キー」のヘアブラシを放り投げ少しよろめきながら立ち上がりました。ハグリッドもハリーと同様に着地で倒れどっこいしょと立ち上がる所でした。

叫び声を上げたのはウィーズリーおばさんとジニーで勝手口から階段を駆け下りて来るのが見えました。おばさんはハリーに「ハリー?あなたが本物のハリー?何があったの?他のみんなは?」と矢継ぎ早に質問をして来ました。

「どうしたの?他には誰も戻っていないの?」

ハリーが喘ぎながらこう訊くとおばさんの青い顔に答えがはっきりと刻まれていました。ハリーはまずはおばさんに「死喰い人たちが待ち伏せしていたんだ」と口火を開いて何が起こったのかの事の次第の説明を始めたのでした。

飛び出すとすぐに囲まれた。奴らは今夜だという事を知っていたんだ。他のみんながどうなったか自分には分らない。自分たちも4人に追跡され逃げるので精一杯だった。それからヴォルデモートに追いつかれてと説明しました。

ハリーは自分の言い方が弁解がましいのに気づいていました。それはおばさんの息子たちが「どうなったのか?」を自分が知らないわけを理解して欲しいという切実な気持ちからでした。でもおばさんはこう言ってくれました。

「ああ。あなたが無事で本当に良かった」

そしておばさんはハリーを抱き締めました。ハリーは「自分にはそうして貰う価値がない」とそう感じていました。引き続き「7人のハリー・ポッター作戦」に同意してポリジュース薬に髪の毛を提供した引け目があったからです。

一方ハグリッドはおばさんに「ブランデーはねえかな」と言いました。気付け薬用だそうです。それを聞いておばさんは家に走って戻って行きました。ハリーはおばさんの後ろ姿を見て「顔を見られたくないんだ」と思いました。

「呼び寄せ呪文」を使えば走って家に戻る必要などないからです。ハリーはジニーを見ました。すると「様子が知りたい」というハリーの無言の願いをジニーは汲み取ってくれました。そして本来の予定を説明してくれました。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(15)(52回シリーズ)

きっとこれがこの世の見納めだ。ところがハリーがそう思った途端にヴォルデモートの姿が消えました。そしてハリーは気がつくと見知らぬ居間のソファに横になっていました。そこでハリーは「何故ヴォルデモートが消えたのか?」の理由を知る事になったのでした。(全3項目)

3-1.テッド・トンクス
ハリーは金属や革つまりバイクの残骸に埋もれながら起き上がろうともがいていました。立ち上がろうとすると両手が泥水の中に沈み込みました。ヴォルデモートが一体全体どこに行ってしまったのかわけが分らない状態でした。

今にも暗闇からその姿を現わすのではと気が気ではありませんでした。ハリーは池から這い出すと地面に横たわるハグリッドによろよろと近づいて「ハグリッド。ハグリッド何か言ってよ」と声をかけましたが返事はありません。

「誰かね?ポッターか?君はハリー・ポッターかね?」

ハリーには聞き覚えのない男の声でした。それから女性の声がして「テッド!墜落したんだわ。庭に墜落したのよ!」と言うのが聞こえました。ハリーは頭がくらくらし「ハグリッド」と再び名前を繰り返すと意識を失いました。

気がつくとハリーはソファに仰向けに寝ていました。背中にクッションのような物を感じ肋骨と右腕には焼けるような感覚があって折れた歯は元通り生えていましたが額の傷痕はまだ痛んでいました。そこは見知らぬ居間でした。

濡れて泥だらけのリュックサックがハリーのすぐそばの床に置かれています。腹の突き出た明るい色の髪をした男が心配そうにハリーを見つめていました。ハリーがハグリッドの名前を口にしたので男はハリーにこう言いました。

「ハグリッドは大丈夫だよ。今妻が看病している。気分はどうかね?他に折れた所はないかい?肋骨と歯と腕は治しておいたがね。ところで私はテッドだよ。テッド・トンクス。ドーラの父親だ」

ハリーはガバッと起き上がりました。目の前に星が煌き吐き気と眩暈がしました。ハリーが「ヴォルデモートは」と言うとテッド・トンクス氏は「さあ落ち着いて」と言いハリーの肩に手を置いてクッションに押し戻しました。

「ひどい激突だったからね。何が起こったのかね?バイクがおかしくなったのかね?アーサー・ウィーズリーがまたやり過ぎたのかな?何しろマグルの奇妙な仕掛けが好きな男の事だ」

ハリーは「違います」と答えました。

そして・・・

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(14)(52回シリーズ)

ハリーとハグリッドは必死にそして懸命に逃げ死喰い人のほうは必死にそして懸命に追いかけて来ました。ところがです。ハリーが「武装解除の術」を使うと追跡していた死喰い人の1人が「あれだ。あいつがそうだ。あれが本物だ!」と言って姿を消しました。すると・・・(全3項目)

3-1.あれだ。あいつがそうだ。あれが本物だ!
「今行くぞハリー。今行くからな!」ハグリッドの巨大な手がハリーのローブの背中を捕まえ落ちて行くサイドカーから持ち上げました。バイクの座席に這い上がって気がつくとハグリッドとは背中合わせに座っていたのでした。

2人の死喰い人を引き離して上りながらハリーは落下して行くサイドカーに杖を向け「コンフリンゴ!爆発せよ!」と叫びました。サイドカーが爆発した時ハリーはヘドウィグを想い腸がよじれるような激しい痛みを感じました。

近くにいた死喰い人が箒から吹き飛ばされ姿が見えなくなりました。もう1人の仲間も退却して姿を消しました。ハグリッドが「すまねぇ。すまねぇ。俺が自分で直そうとしたんが悪かった。座る場所がなかろう」と謝りました。

そんなハグリッドにハリーは「大丈夫だから飛び続けて!」と叫び返しました。暗闇からまた2人の死喰い人が現れ段々自分たちに近づいていたからです。追っ手の放つ呪いが再びオートバイめがけて矢のように飛んで来ました。

ハグリッドはジグザグ運転でかわしました。自分が不安定な座り方をしている今の状態ではハグリッドは二度とドラゴン噴射を使う気になれないのだろうとハリーは思いました。ハリーは次から次へと「失神呪文」を放ちました。

しかし辛うじて死喰い人との距離を保てただけでした。追っ手を食い止めるためにハリーはまた呪文を発しました。一番近くにいた死喰い人が避けようとした拍子に頭からフードが滑り落ちました。ハリーの知っている人でした。

ハリーが続けて放った「失神呪文」の赤い光が照らし出した顔は奇妙に無表情なスタンリー・シャンパイクでした。ハリーが二度乗った事のある「夜の騎士(ナイト)バス」の車掌をしていたスタン・シャンパイクだったんですよね。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

思わずハリーがこう叫ぶと・・・

「あれだ。あいつがそうだ。あれが本物だ!」

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(13)(52回シリーズ)

ヴォルデモートと死喰い人一行が待ち受けているとも知らずハリーたちは高くさらに高く空へと上って行きました。囲みを突き破って必死にそして懸命に逃げたハリーとハグリッドだったのですが4人の死喰い人が追いかけて来てハリーも応戦し攻防は熾烈を極めたのでした。(全3項目)

3-1.取り囲まれたハリーたち
ハリーたち一行は高くさらに高く空へと上って行きました。その時どこからともなく降って湧いたような人影が一行を包囲しました。少なくとも30人のフードを被った姿が宙に浮かんで大きな円を描いて取り囲んでいたのでした。

不死鳥の騎士団のメンバーはその真っ只中に何も気づかず飛び込んでしまったのです。叫び声が上り緑色の閃光があたり一面に煌きました。ハグリッドはウォッと叫びバイクが引っくり返ってハリーは方角が分らなくなりました。

頭上に街灯の明かりが見え周り中から叫び声が聞こえました。ハリーは必死でサイドカーにしがみつきました。逆さまになったのでヘドウィグの鳥籠にファィアボルトとリュックサックがハリーの膝下から滑り落ちて行きました。

ファイアボルトは落ちて行ってしまいました。ハリーはやっとの事で何とかリュックサックの紐と鳥籠のてっぺんを掴みました。その時バイクがぐるりと回り元の姿勢に戻りました。ほっとしたのも束の間の事だったんですよね。

そしてハリーにとっては衝撃の出来事でした。またしても緑の閃光が走ったと思ったらヘドウィグが甲高く鳴いて籠の底に落ちてしまったのです。しかしそんなハリーの悲しみになど一切構わずにバイクは急速で前進をしました。

ハグリッドが囲みを突き破ってフードを被った死喰い人を蹴散らしていました。ハリーが何度名前を呼んでもヘドウィグはまるでぬいぐるみのように哀れにも鳥籠の底でじっと動かなくなっていました。受け入れ難い事実でした。

ハリーは何が起こったのか理解できませんでした。同時に他の組の安否を思うと恐ろしくなりハリーは振り返りました。すると一塊の集団が動き回り緑の閃光が飛び交っていました。その中から箒に乗った2組が抜け出しました。

その2組は遠くに飛び去って行きましたがハリーには誰の組なのかは分りませんでした。ハリーはエンジンの轟音を凌ぐ大声で「ハグリッド。戻らなきゃ。戻らなきゃ!」と叫びましたがハグリッドは戻ろうとはしませんでした。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(12)(52回シリーズ)

ハリーがポリジュース薬に髪の毛を落とし入れ6人の騎士団員がハリーの姿に変身しました。そしてムーディが誰と誰が組むのかを指示して行ったというわけです。14人はプリベット通り4番地の裏庭から一斉に飛び立ったのでした。(全3項目)

3-1.7人のハリー・ポッター
ハリーはこれまで異常な光景を沢山見て来たのにも関わらず今自分が目にしているものほど不気味なものはないと思いました。6人の「生き霊」が袋に手を突っ込み洋服を引っ張り出してメガネを掛け自分の洋服を片付けている。

全員が臆面もなく裸になるのを見てハリーは「もう少し自分のプライバシーを尊重してくれ」と言いたくなりました。誰もが皆自分の体ならこうは行かないのでしょうが何せ他人の体なので至極気楽という事のようなんですよね。

「ジニーの奴。刺青の事。やっぱり嘘ついてたぜ」

ロンが裸の胸を見ながらこう言いました。一方ハーマイオニーはメガネを掛けながらハリーに「あなたの視力って本当に悪いのね」と言いました。着替え終わると偽ハリーたちは2つ目の袋からハリーが持つ物を取り出しました。

リュックサックと鳥籠です。籠の中にはぬいぐるみの白ふくろうが入っています。服を着てメガネを掛けた7人のハリー・ポッターが荷物を持ってついにマッド・アイ・ムーディの目の前に勢揃いをしたというわけなんですよね。

「よし」と言うとムーディは「次の者同士が組む。マンダンガスはわしと共に移動だ。箒を使う」と言いました。言われたマンダンガスは「どうして俺がおめえと?」と訊きました。その問いにムーディはこう答えたのでした。

「お前が一番目が離せんからだ」

確かにムーディの魔法の目は名前を呼び上げる間もずっとマンダンガスを睨んだままでした。このようにして本物のハリーと偽者のハリー6人が「誰と組むのか?」をムーディが順番に割り振って行ったというわけなんですよね。

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(11)(52回シリーズ)

ダーズリー一家が去ったプリベット通り4番地に13人もの不死鳥の騎士団のメンバーがハリーを迎えにやって来ました。何故こんな大人数になったのか?マッド・アイ・ムーディの説明によればハリーはトンクスの両親の家を目指すのだそうです。そしてハリーが告げられた新たな計画とは?(全3項目)

3-1.出発に際して
これまでハリーとダーズリー一家を守って来た呪文は2つの条件のいずれかが満たされた時に破れる。それは1つ目はハリーが17才になった時で2つ目はこのプリベット通り4番地がもはやハリーが我が家と呼べなくなったその時だ。

ハリーは今夜ダーズリー一家とは別の道に向かう。もう二度と一緒に住む事はないと了解の上だ。そうだなとムーディに確認を求められてハリーは頷きました。さすれば今回この家を去ればハリーはもはや戻って来る事はない。

ハリーがこの家の領域から外に出た途端に守りの呪文は破れる。不死鳥の騎士団は早めに呪文を破るほうを選択したというわけです。何故ならばもう1つの方法ではハリーが17才になるとヴォルデモートがハリーを捕らえに来る。

それを待つだけになるからなのだそうです。そして騎士団にとって1つ有利なのはハリーが今夜移動する事をヴォルデモートは知らない。魔法省には偽情報を流しておいた。連中はハリーは30日の夜中まで発たないと思っている。

しかし相手はヴォルデモートだ。奴が日程を間違える事だけ当てにするわけにはいかぬ。万が一のためこのあたりの空全体を2人の死喰い人にパトロールさせているに違いない。そこで騎士団は12軒の家に保護呪文をかけました。

そのいずれも何らかの関係がある場所で騎士団がハリーを隠しそうな家なんだそうです。ムーディにそう言われハリーは「ええ」と言ったものの必ずしも正直な答えではありませんでした。この計画には大きな落とし穴が見える。

「お前はトンクスの両親の家に向かう。一旦我々がそこにかけておいた保護呪文の境界内に入ってしまえば隠れ穴に向かう移動キーが使える。質問は?」

最後にムーディに「質問は?」と問われて・・・

ハリーが訊いた事とは?

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(10)(52回シリーズ)

ダーズリー一家が去りプリベット通り4番地にはハリー1人だけが残されました。すると大勢の不死鳥の騎士団のメンバーがハリーを迎えにやって来ました。何でもマッド・アイ・ムーディの説明によればパイアス・シックネスが寝返った事でこんな大人数になったとの事だそうです。(全3項目)

3-1.ダーズリー一家が去って
ハリーは2階に駆け戻り自分の部屋の窓辺に走り寄りました。ちょうど車が庭から車道に出て行く所でした。後部座席にペチュニア叔母さんとダドリーが座っていて2人の間にディーダラス・ディグルがいるのが見えたのでした。

プリベット通りの端で右に曲がった車の窓ガラスが沈みかけた太陽に照らされて一瞬真っ赤に染まりました。そして次の瞬間には車の姿は消えていたのでした。ハリーは鳥籠にファイアボルトとリュックサックを持ち上げました。

そして不自然なほどにすっきり片付いた部屋をもう一度ぐるりと見回しました。それから階段を下りて持って来た物を置いて玄関ホールに立ちました。陽射しは急速に弱まり夕暮れの薄明かりが様々な影を落としていたのでした。

静まり返ったこの家に佇み「まもなくこの家を永久に去るのだ」と思うと何とも言えない不思議な気持ちがしました。辛い事の連続だったはずなのにハリーの脳裏に浮かんで来るのは何故か楽しい思い出ばかりだったんですよね。

ダーズリー一家が遊びに出かけた後の取り残された孤独な時間は貴重なお楽しみの時間だった。冷蔵庫からおいしそうな物をかすめ急いで2階に上がりダドリーのコンピュータ・ゲームをしたりテレビを心行くまで見たりもした。

その頃を思い出すとハリーは何だかちぐはぐで虚ろな気持ちになりました。まるで死んだ弟を思い出すような気持ちでした。ハリーはすねて翼に頭を突っ込んだままのヘドウィグに話しかけました。しかし何の反応もありません。

「最後にもう一度見ておきたくないのかい?」

ヘドウィグにこう言ったハリーでしたが・・・

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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(9)(52回シリーズ)

有名なハリー・ポッターに対してまだ生きている親族の中では一番近いこの一家があまりにも冷淡な事に魔法界の人々はショックを受けるようです。ところが永遠の別れの時に際してハリーはダドリーにひどく驚かされる事になったのでした。ダドリーが最後に取った行動とは?(全3項目)

3-1.動かぬダドリー
ダーズリー一家と一緒に行きたいなんてこれっぽっちも思わない。ハリーがそう言うのでバーノン叔父さんは息子のダドリーに向かって「それ見ろ。さあ来い。出かけるぞ」と言うとさっさと部屋から出て行ってしまいました。

玄関の扉が開く音がしました。しかしダドリーは動きません。数歩躊躇しながら歩き出したペチュニア叔母さんも立ち止まりました。するとまた戻って来て居間の入口に顔を出した叔父さんが「今度は何だ?」と訊いて来ました。

ダドリーは言葉にするのが難しい考えと格闘しているように見えました。いかにも痛々しげな心の葛藤が暫く続いた後にダドリーは「それじゃあいつはどこに行くの?」と言いました。ダーズリー夫妻は顔を見合わせていました。

「でも・・・あなたたちの甥御さんがどこに行くか知らないはずはないでしょう?」

ヘスチア・ジョーンズが沈黙を破り困惑した顔でこう訊きました。その問いに叔父さんが「知っているとも。お前たちの仲間と一緒に行く。そうだろうが?」と答えました。そして息子に急いでるんだから車に乗れと言いました。

叔父さんは再びさっさと出て行きました。しかしダドリーは相変わらず動こうとはしません。ヘスチアは「私たちの仲間と一緒に行く?」と言いながら憤慨したようでした。同じような反応をハリーはこれまでも見て来ました。

有名なハリー・ポッターに対してまだ生きている親族の中では一番近いこのダーズリー一家があまりに冷淡な事に魔法界の人々はショックを受けるようなのです。そんなヘスチア・ジョーンズに向かってハリーはこう言いました。

「気にしないで。本当に何でもないんだから」

するとヘスチアは?

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