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ハリーが階段の一番下の段に足を掛けた所でダドリーが声を取り戻し「あいつ」と口走ったためハリーも台所に行く羽目になりました。ハリーが事の次第を説明しようとするとそこにコノハズクがやって来て魔法省からの手紙を届けました。さらにアーサー氏からも手紙が届いて・・・(全3項目)

3-1.コノハズクが手紙を持って来て
「やってない!僕はダドリーに何にもしていない。僕じゃない」こう言った後ハリーが事の次第を説明しようとしているちょうどその時にコノハズクが台所の窓から入って来てバーノン叔父さんの頭のてっぺんを掠めました。

そして台所の中をスィーッと飛んで嘴にくわえていた大きな羊皮紙の封筒をハリーの足元に落とすと優雅に向きを変えて羽の先端で冷蔵庫の上を軽く払って再び外へと滑空して庭を横切ると飛び去って行ったというわけです。

バーノン叔父さんは「ふくろうめ!」と喚くとこめかみに毎度お馴染みの怒りの青筋をピクピクさせて台所の窓をピシャリと閉めました。それから「またふくろうだ!わしの家でこれ以上ふくろうは許さん!」と言いました。

しかしハリーは既に封筒を破り中から手紙を引っ張り出していました。ハリーの心臓は喉仏のあたりで強く脈打っていました。手紙は「親愛なるポッター殿」で始まり魔法省の魔法不適正使用取締局から届いていたのでした。

何でも我々の把握した情報によれば貴殿つまりハリーは今夜9時23分過ぎにマグルの居住地区にてマグルの面前で「守護霊の呪文」を行使した。この事は「未成年魔法使いの妥当な制限に関する法令」の重大な違反だそうです。

そのためにハリーはホグワーツ魔法魔術学校を退学処分となるんだそうです。さらに魔法省の役人がまもなくハリーの住居に出向いてハリーの杖を破壊するであろうとの事でした。加えてそれだけでは済まないのだそうです。

ハリーにはもう既に「国際魔法戦士連盟機密保持法」の第13条違反の前科があるため遺憾ながら魔法省の懲戒尋問への出席が要求されるんだそうです。尋問は8月12日の午前9時から魔法省にて行われるとの事なんだそうです。

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年寄りのフィッグばあさんでは到底無理なのでハリーが申し出てダドリーはハリーが担ぎ上げて自宅に運ぶ事になりました。その途中でマンダンガス・フレッチャーが現れてダンブルドアに知らせる事になりました。そしてようやくハリーは自宅のプリベット通り4番地に到着したのですが・・・(全3項目)

3-1.マンダンガスが知らせに
どうにも身の置き場がないような様子でマンダンガスは何せいい商売のチャンスだったもんでなどと言い訳をしましたがフィッグばあさんは手提げ袋を抱えた腕を振り上げマンダンガスの顔と首のあたりを張り飛ばしました。

「痛え。やーめろ。やーめろ。このくそ婆あ!誰かダンブルドアに知らせねえと!」

フィッグばあさんは缶詰入り手提げ袋をぶん回してどこもかしこもお構いなしにマンダンガスを打ちました。それからマンダンガスに向かって「その。通り。だわい」と言ったその後にこうも言ったというわけなんですよね。

「それに。お前が。知らせに。行け。そして。自分で。ダンブルドアに。言うんだ。どうして。お前が。その場に。いなかったのかって!」

マンダンガスは身をすくめて腕で顔を覆いながら「とさかを立てるなって!行くから。俺が行くからよう!」と言いました。そして再び「バシッ」と音がしてマンダンガスの姿が消えフィッグばあさんはこう言ったのでした。

「ダンブルドアがあいつを死刑にすりゃいいんだ!」

フィッグばあさんは怒り狂っていてハリーに向かって「さあハリー早く。何をぐずぐずしてるんだい?」と言いました。ハリーは大荷物のダドリーを抱えていて歩くのがやっとと言いたかったのですが言わない事にしました。

既に息絶え絶えだったので息の無駄使いはしない事にしたのです。半死半生のダドリーを揺すり上げよろよろとハリーは前進しました。プリベット通りに入るとフィッグばあさんはハリーに「戸口まで送るよ」と言いました。

そしてフィッグばあさんはしゃべり続けました。連中がまだその辺にいるかもしれん。ああ全く。何てひどいこった。そいでお前さんは自分で奴らを撃退しなきゃならなかった。さらにフィッグばあさんはこうも言いました。

「そいでダンブルドアはどんな事があってもお前さんに魔法を使わせるなってあたしらにお言いつけなすった。まあこぼれた魔法薬盆に帰らずってとこか。しかし猫の尾を踏んじまったね」

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二度も失敗した挙句に三度目にようやく守護霊を創り出す事ができてハリーはようやく吸魂鬼を追い払う事ができました。そこに姿を現したのがフィッグばあさんでした。ハリーは急いで杖を隠そうとしました。ところがフィッグばあさんから杖をしまうなと言われてしまい・・・(全3項目)

3-1.フィッグばあさん
突然現れたフィッグばあさんに杖をしまうなと言われハリーはポカンとして「えっ?」と驚きました。フィッグばあさんは手を揉みしだきながら「あいつめ行っちまった!」と言うと続けて事の次第の説明を始めたのでした。

何でもそのマンダンガス・フレッチャーはちょろまかした大鍋がまとまった数あると言って誰かに会いに行ってしまったんだそうです。フィッグばあさんはそんな事をしたら生皮を剥いでやると言ったとの事なのだそうです。

「言わんこっちゃない!吸魂鬼!あたしがミスター・チブルスを見張りにつけといたのが幸いだった!だけどここでぐずぐずしてる間はないよ!急ぐんだ。さああんたを家に帰してやんなきゃ!ああ大変な事になった!」

路地で吸魂鬼に出会ったのもショックでしたが変人で猫狂いの近所に住むフィッグばあさんが吸魂鬼の事を知っていたというのもハリーは同じくらい大きなショックでした。ハリーは思わずこう質問したというわけですよね。

「でも。おばあさんが。あなたが魔女?」

ハリーのこの問いにフィッグばあさんは自分は出来損ないのスクイブだと答えました。マンダンガス・フレッチャーはそれをよく知っているんだそうです。だからハリーが吸魂鬼を撃退するのを助けてやれないのだそうです。

マンダンガスには忠告をしたのにハリーに何の護衛もつけずに置き去りにしてしまったとの事でした。フィッグばあさんがこうして説明してくれたのでハリーはようやくあの「バシッ」という音の主が判ったというわけです。

「そのマンダンガスが僕を追けてたの?ちょっと待って。あれは彼だったのか!マンダンガスが僕の家の前から姿くらまししたんだ!」

フィッグばあさんは「そうそうそうさ」と応えました。しかし幸いな事にフィッグばあさんが万が一の事を考えてミスター・チブルスを車の下に配置しといたんだそうです。そのミスター・チブルスが危ないと知らせに来た。

でもフィッグばあさんがハリーの家に着いた時にはハリーはもういなくなっていたのだそうです。それで今みたいな事が起きてしまったというわけです。フィッグばあさんはダンブルドアが何と言うかと嘆いたんですよね。

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突然月も星も街灯の明かりも遠くに聞こえた車の音も庭の木々のざわめきも消えました。当初ハリーは必死に我慢していたのに魔法を使ってしまったのかとそう思いました。しかしやがて理性が感覚に追いつきました。到底信じられない事が起きていたのです。それは?(全3項目)

3-1.恐れていた音が聞こえて来て
ハリーは何か見える物はないかとあっちこっちに首を回しました。しかし暗闇はまるで無重力のベールのようにハリーの目を塞いでいました。恐怖に駆られたダドリーの声がハリーの耳に飛び込んで来たというわけですよね。

「な何をするつもりだ?辞めろ!」

これにハリーは「僕は何もしていないぞ!黙っていろ。動くな!」と答えました。しかしダドリーはまるでハリーの言った事が聞こえなかったかのように「み見えない!僕め目が見えなくなった!僕」とそう言ったのでした。

ハリーは「黙ってろって言ったろう!」と言うと見えない目を左右に走らせながら身じろぎもせずに立っていました。激しい冷気でハリーは体中が震えていました。腕には鳥肌が立って首の後ろの髪は逆立っていたのでした。

ハリーは開けられるだけ大きく目を開けて周囲に目を凝らしましたが何も見えません。そんな事は不可能だ。あいつらがまさかここにいるなんて。リトル・ウィンジングにいるはずがない。ハリーは耳をそばだてたのでした。

あいつらなら目に見えるよりも先に音が聞こえるはずだと思ったからです。ところがまたもダドリーが邪魔立てして来ました。ダドリーは「パパにい言いつけてやる!どどこにいるんだ?な何をして?」と口走ったのでした。

ハリーは歯を食い縛ったまま「黙っててくれないか?聞こうとしてるんだから」と囁きました。ハリーは突然沈黙しました。まさにハリーが恐れていた音を聞いたのです。路地にはハリーとダドリーの他に何かがいたのです。

その何かがガラガラとかすれた音を立てて長々と息を吸い込んでいました。ハリーは恐怖に打ちのめされ凍りつくような外気に震えながら立ち尽くしたのでした。するとまたしてもダドリーが口を開いてこう言ったのでした。

「や辞めろ!こんなこと辞めろ!殴るぞ!本気だ!」

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取り巻きのダドリー軍団が消えた後ハリーはダドリーと並んで帰路につきました。当初はハリーがダドリーをからかって挑発しダドリーが自制心を総動員するという構図になっていましたがダドリーが反撃に打って出て来ました。ところがそこに突如として異変が起きたのでした。一体それは?(全3項目)

3-1.ダドリーと歩きながら
ビッグDなんてかっこいい名前だ。だけど僕にとっちゃ君はいつまで経ってもちっちゃなダドリー坊やだな。ハリーがこう言ってからかって来るのでダドリーは拳を握って「黙れって言ってるんだ!」と言ったというわけです。

ハリーが「あの連中はママが君をそう呼んでいるのを知らないのか?」と問うのに対してダドリーはまたも「黙れよ」と言葉を返しました。そんなダドリーに向かってハリーはさらにこう言って挑発したというわけですよね。

「ママにも黙れって言えるかい?かわい子ちゃんとかダディちゃんなんてのはどうだい?じゃあ僕もそう呼んでいいかい?」

ダドリーは黙っていました。ハリーを殴りたいのを我慢するのに自制心を総動員しているようです。そこで今度はハリーは戦術を変えてニヤニヤ笑いを止めながらダドリーに向かってこう問いかけたというわけなんですよね。

「それで今夜は誰を殴ったんだい?また10才の子か?一昨日の晩マーク・エバンズを殴ったのは知ってるぞ」

ダドリーは唸るように「あいつがそうさせたんだ」と答えハリーが「へーそうかい」と言うとダドリーは「生言いやがった」と言いました。それにハリーはこう言葉を返しました。これもやはり挑発の言葉だったんですよね。

「そうかな?君が後ろ足で歩く事を覚えた豚みたいだとか言ったかい?そりゃダッド生意気じゃないな。本当だもの」

ダドリーの顎の筋肉がひくひく痙攣しました。ダドリーをそれだけ怒らせたと思うとハリーは大いに満足でした。鬱憤を唯一の捌け口のダドリーに注ぎ込んでいるような気がしました。2人は角を曲がって狭い路地に入りました。

そこはハリーがシリウスを最初に見かけた場所でマグノリア・クレセント通りからウィステリア・ウォークへの近道になっていました。路地には人影もなく街灯がないので路地の両端に伸びる道よりずっと暗かったのでした。

路地の片側はガレージの壁でもう片側は高い塀になっていてその挟間に足音が吸い込まれて行きました。すると今度は一呼吸置いてダドリーがハリーに話しかけて来ました。ダドリーはハリーにこう問いかけて来たのでした。

「あれを持ってるから自分は偉いと思ってるんだろう?」

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ロンとハーマイオニーにシリウスとダンブルドアさらには「日刊予言者新聞」と不満に思う所が「これでもか!」というほどに沢山あったのでハリーの怒りは爆発寸前でした。そんな想いに耽っている時にハリーの目の前にダドリー軍団が現れました。そこでハリーは?(全3項目)

3-1.公園でブランコに腰掛け
少なくともシリウスだけはハリーの気持ちを理解してくれているようでした。もちろんシリウスの手紙の内容にもロンやハーマイオニーのと同じくちゃんとしたニュースは何も書かれてはいなかったというわけなんですよね。

しかし思わせぶりなヒントではなく少なくとも警戒や慰めの言葉が書かれていました。マグノリア・クレセント通りを横切ってマグノリア通りに曲がり暗闇の迫る遊園地に向かいながらハリーは「そうだなあ」と思いました。

「君はきっとイライラしている事だろう。おとなしくしていなさい。そうすれば全て大丈夫だ。気をつけるんだ。無茶するなよ」

これまでハリーは大抵はシリウスの忠告通りに振舞って来ました。少なくとも箒にトランクを括りつけて自分勝手に「隠れ穴」に出かけたいという誘惑に負けはしませんでした。しかしそれは決してしてはならない事でした。

ハーマイオニーはもちろんロンを含めたウィーズリー家の人々もいない空の「隠れ穴」に到着する事になるからです。こんなに長くプリベット通りに釘づけにされ花壇に隠れるような真似までしてテレビのニュースを聞いた。

それもまたヴォルデモートの動きの手がかりを掴みたい一心だったのです。こんなに苛立ち怒っている割には自分の態度は実際上出来とハリーは思いました。それにしても魔法使いの牢獄アズカバンに12年も入れられていた。

そして脱獄してそもそも投獄されるきっかけになった未遂の殺人をやり遂げようとした。さらに盗んだヒッポグリフに乗って逃亡したような人間に無茶するなよと諭されるなんて全く理不尽だとハリーはそう思ったのでした。

ハリーは鍵の掛かった公園の入口を飛び越えて乾き切った芝生を歩き始めました。周りの通りと同じように公園にも人の気配はありません。ハリーはブランコに近づきダドリー一味が唯一壊し残したブランコに腰掛けました。

片腕を鎖に巻きつけてぼんやりと地面を見つめました。もう4番地の花壇に隠れる事はできない。明日はニュースを聞く新しいやり方を考えないといけないとハリーは思いました。それまでは期待して待つような事は何もない。

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ハリーは居間の外の花壇に寝転んで7時のニュースを聞いていました。ところが「バシッ」という音が響き渡った事がきっかけでダーズリー夫妻に見つかってしまいました。そのためしばしの間ハリーはバーノン叔父さんにペチュニア叔母さんと押し問答をする羽目になってしまったのでした。(全3項目)

3-1.押し問答に
バーノン叔父さんはレースのカーテン越しに睨みつけている向かいの7番地の奥方に手を振りながら大声で「気持ちのよい夜ですな!」と挨拶をすると続けてあの音は我が家が出した音ではないとばかりにこう言ったのでした。

「今しがた車がバックファイアしたのをお聞きになりましたか?わしもペチュニアもびっくり仰天で!」

詮索好きのご近所の顔があちらこちらの窓から全員引っ込むまで叔父さんは狂気じみた恐ろしい顔でにっこり笑い続けました。それから笑顔が一転して怒りのしかめ面に変わるとハリーを手招きしたというわけなんですよね。

ハリーは数歩近寄りましたが叔父さんが両手を伸ばして再び首締めに取り掛からないように用心し距離を保って立ち止まりました。叔父さんは怒りで声を震わせながらハリーに向かってこうがなり立てたというわけですよね。

「小僧一体全体あれは何のつもりだ?」

ハリーは「あれって何のこと?」と冷たく訊き返しました。通りの左右に目を走らせハリーはあのバシッという音の正体が見えるかもしれないとまだ期待していました。叔父さんはあくまでもハリーだと思っているようです。

「よーいドンのピストルのような騒音を出しおって。我が家のすぐ前で」

叔父さんがまだ言葉を言い終わらない内にハリーは「あの音を出したのは僕じゃない」ときっぱり言いました。すると今度は叔母さんが叔父さんの隣にひどく怒った顔で現れました。そしてハリーに向かってこう言いました。

「お前はどうして窓の下でこそこそしていたんだい?」

すると叔父さんは「そうだ。ペチュニアいい事を言ってくれた!」と言いハリーに「小僧。我が家の窓の下で何をしとった?」と問い詰めて来たのでハリーはしかたなく「ニュースを聞いてた」とそう答えたというわけです。

叔父さんと叔母さんは顔を見合せました。そして叔父さんが「ニュースを聞いてただと!またか?」と言ったのでした。

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これも8月毎年恒例のシリーズ物で今日から「3週間・12回」に渡ってお届けする事にします。いつものようにハリーは夏休みはプリベット通り4番地に帰って来たのですがバーノン叔父さんとの関係は相変わらず最悪中の最悪というわけなんですよね。(全3項目)

3-1.花壇に寝転ぶハリー・ポッター
この夏一番の暑い日が暮れようとする中プリベット通りの角張った大きな家々をけだるい静けさが覆っていました。普段なら光り輝く車は家の前の路地で埃を被っていますしエメラルド色だった芝生は黄ばんでいたのでした。

日照りのせいでホースで散水をする事が禁止されたからです。車を洗い上げたり芝生を刈ったりする日頃の趣味を奪われたプリベット通りの住人は日蔭を求めて涼しい屋内に引きこもり窓を広々と開け放っていたんですよね。

窓を開け放っていたのは吹きもしない風を誘い込むためです。戸外に取り残されているのは十代の少年がただ1人で4番地の庭の花壇に仰向けに寝転んでいました。その少年は痩せて黒髪でメガネをかけていたというわけです。

その少年は短い間にぐんと背が伸びたようで少し具合の悪そうなやつれた顔をしていました。汚いジーンズはボロボロで色の褪せたTシャツはだぶだぶで加えてスニーカーの底は剥がれかけているという有り様だったのでした。

こんな恰好のハリー・ポッターをご近所がお気に召すはずはありません。何しろみすぼらしいのは法律で罰するべきだと連中は考えているのです。しかしこの日のハリー・ポッターは紫陽花の大きな茂みに隠されていました。

そのため道往く人の目には全く見えません。もし見つかるとすればバーノン叔父さんとペチュニア叔母さんが居間の窓から首を突き出し真下の花壇を見下ろした場合だけです。ここに寝転ぼうと思ったのはハリー自身でした。

色々考え合せるとここに隠れるというアイデアは我ながら天晴れとハリーはそう思いました。熱くて固い地面に寝転がるのは確かにあまり快適とは言えませんがここなら睨みつける誰かさんもいないというわけなんですよね。

その誰かさんは他にニュースが聞こえなくなるほどの音で歯噛みをしたり意地悪な質問をぶつけて来たりもします。何しろバーノン叔父さんとペチュニア叔母さんと一緒に居間でテレビを見ようとすると必ずそうなるのです。

ハリーのそんな思いが羽を生やして開け放たれた窓から飛び込んで行ったかのように突如としてバーノン叔父さんがこう言う声が聞こえて来たのでした。叔父さんはニュースを見たがるハリーの心理が理解できないようです。

「あいつめ割り込むのを辞めたようでよかったわい。ところであいつはどこにいるんだ?」

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ハリーはクリスマス休暇明けからダンブルドア校長の肝煎りで閉心術という魔法を学ぶために何とスネイプの課外授業を受ける事になりました。ところがハリーはなかなか閉心術を習得する事ができずむしろ事態は悪化するばかりだったのですが・・・(全3項目)

3-1.スネイプが12番地に
そしてそれはクリスマス休暇の最終日の事でした。魔法チェスをしているハリーとロンの所にウィーズリーおばさんがやって来てハリーにスネイプが会いに来たとそう告げたんですよね。ハリーは恐怖で呆然としたのでした。

ハリーが厨房の扉を開けるとそこにはシリウスとスネイプがいました。2人は共に長テーブルに座り目を背けて反対方向を睨みつけていました。その場にはお互いの嫌悪感で重苦しい沈黙が流れていたというわけなんですよね。

「校長が君に伝えるようにと我輩をよこしたのだポッター。校長は来学期に君が閉心術を学ぶ事をお望みだ」

ハリーと向き合うとスネイプはハリーにこう告げました。スネイプの説明によれば「閉心術」とは外部からの侵入に対して心を防衛する魔法だそうです。世には知られていない分野の魔法ですが非常に役に立つんだそうです。

ハリーの心臓が急速に鼓動を始めました。自分はヴォルデモートに取り憑かれていないとみんなが認めた。そこでハリーは思わず何故自分がその閉心術とかいう魔法を学ばなくてはいけないのかとスネイプに質問をしました。

その問いにスネイプは何故ならダンブルドア校長がそうするのが良いとの考えだからだとさらりと答えました。1週間に一度個人教授を受ける。しかし誰にも言うな。特にドローレス・アンブリッジにはとの事なんだそうです。

そこでハリーは「はい」と応えたその後に「誰が教えてくださるのですか?」と訊きました。するとスネイプは眉を吊り上げ「我輩だ」と答えました。ハリーは腸が溶けて行くような恐ろしい感覚に襲われたというわけです。

スネイプと課外授業。こんな目に遭うなんて自分は何をしたって言うんだ?ハリーは助けを求めてシリウスを見ました。シリウスはどうしてダンブルドアが教えないんだ。何で君なんだとスネイプに食ってかかったのでした。

「多分あまり喜ばしくない仕事を委譲するのは校長の特権なのだろう。言っておくが我輩がこの仕事を懇願したわけではない」

こう答えるとスネイプは立ち上がり月曜日の夕方6時に自分の研究室に来るのだとハリーに告げました。誰かに訊かれたら「魔法薬」の補習だと言えとの事です。こうしてハリーはスネイプの課外授業を受ける事になりました。

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ダンブルドアのお陰で懲戒尋問は無罪放免を勝ち取りホグワーツに戻れる事になったハリーだったのですが例によって例の如くハリーには毎度お馴染みの試練が待ち受けていました。そんなハリーは入学して初めて思わぬ経緯で学校の外でクリスマス休暇を過ごす事になりました。(全3項目)

3-1.再びグリモールド・プレイス12番地へ
こうしてめでたくもロンにハーマイオニーと共にホグワーツに戻ったハリーだったのですが例によって例の如くハリーには毎度お馴染みの厳しい試練が待ち受けていました。それは新学期初日の9月1日の事だったんですよね。

ハリーは8月12日の懲戒尋問の際に魔法大臣コーネリウス・ファッジの右隣に座っていたドローレス・アンブリッジという魔女が教職員テーブルにいるのを見て驚愕する事となりました。このアンブリッジが問題だったのです。

アンブリッジはファッジが懲戒尋問で果たせなかったハリーの退学を成し遂げるために魔法省から「闇の魔術に対する防衛術」の教師としてホグワーツに派遣されて来たのでした。試練は早速その最初の授業で訪れました。

アンブリッジはハリーに罰則を言い渡しました。その罰則は手の甲が血まみれになるという残酷な内容でした。その授業内容も問題でした。つまらない教科書を読ませるだけで実践的な内容が全くないという有り様でした。

それは何でもファッジがダンブルドアが私設軍団を組織して魔法省と抗争するつもりだと思っているからなんだそうです。グリフィンドール寮の談話室の暖炉に顔を出したシリウスがハリーたち3人にそう教えてくれました。

これでは今学期「闇の魔術に対する防衛術」をまともに学べない。そう危機感を抱いたハーマイオニーはこの科目を自習すると言い出しました。こうしてハーマイオニーが発足させたのが「ダンブルドア軍団」だったのです。

そしてそれはクリスマス休暇前最後のDA会合が行われた日の夜でした。ハリーはDAの部屋に戻った夢を見ていました。嘘の口実で誘い出したとチョウ・チャンが責めていました。すると突然見ていた夢の内容が激変しました。

ハリーは蛇になり男に襲いかかりました。男はアーサー氏でした。しかもそれは単なる夢ではなくて現実の事だったのです。ハリーはネビルが連れて来たマクゴナガル先生にアーサー氏が蛇に襲われて血の海だと訴えました。

マクゴナガル先生は「信じますよ」と言ってくれました。そしてハリーはロンと一緒に校長室に赴いてマクゴナガル先生が連れて来たフレッドにジョージとジニーとダンブルドアが作った「移動キー」で学校を後にしました。

到着したのはグリモールド・プレイス12番地でした。

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ハリーが臨んだ懲戒尋問は色んな意味で予想外の展開になったものの被告側の証人として出廷したダンブルドア校長のお陰でハリーは無罪放免を勝ち取る事ができました。そして夏休み最終日には当の本人も驚愕するロンが監督生に任命されるという出来事が起きて厨房でパーティが開催され・・・(全3項目)

3-1.フレッドとジョージの所へ
こうして懲戒尋問に出廷するために魔法省に赴いたハリーだったのですが到着直後にアーサー氏の同僚のパーキンズ氏が驚くべき知らせを持って来ました。開廷が午前8時になり場所が地下の10号法廷に変更されたのでした。

それを知った時には8時を5分過ぎていました。そのためアーサー氏とハリーは大慌ての大急ぎで地下の10号法廷に駆け付ける事となってしまいました。しかしそこに被告側の証人として現われたのがダンブルドア校長でした。

ダンブルドアの口添えのお陰でハリーはめでたく無罪放免という事になりました。法廷の外で待っていたアーサー氏も一抹の不安は抱えていたようですがそれでもハリーから結果を聞き喜んでくれたというわけなんですよね。

こうしてハリーは退学を免れホグワーツに戻れる事になりました。そんなハリーが毎年恒例の学校からの手紙を受け取ったのは夏休み最終日の事だったのですがロンへの手紙には当の本人も驚愕する内容が含まれていました。

何とロンが監督生に任命されたのです。母親のウィーズリーおばさんはもう大喜びでロンがお祝いに新品の箒が欲しいと言ったら希望を叶えてくれました。そしてその日の夜には12番地の厨房でパーティが執り行われました。

こちらのほうは当然の結果としてハーマイオニーもまた監督生になったからです。ハリーはおばさんとビルのそばを離れて隅っこで何やら密談の真っ最中のフレッドとジョージにマンダンガスがいる所に近づいて行きました。

マンダンガスはハリーの姿を見ると口を閉じましたがフレッドがウィンクしてハリーにそばに来いと招きました。そしてマンダンガスに「大丈夫さ。ハリーは信用できる。俺たちのスポンサーだ」とそう言ったというわけです。

ジョージがハリーに手を突き出して見せてくれたのは萎びた黒い豆の鞘のような物でした。これは有毒食虫蔓の種で「ずる休みスナックボックス」に必要なんですが取引禁止品目Cクラスで入手に若干問題があるんだそうです。

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ハリーが夏休みをどう過ごしたのかをやったその後は毎年「ハリーはどこで開心術を発揮したのか?」を紹介するのが恒例という事になっています。5年生の夏休みの8月12日にハリーはアーサー氏が付き添って懲戒尋問に出廷するために魔法省に赴く事となりました。(全3項目)

3-1.懲戒尋問の朝
8月12日の懲戒尋問の朝ハリーは5時半にしかもまるで誰かが耳元で大声を出したかのように突然はっきりと目覚めました。暫くの間ハリーはじっと横になっていましたが懲戒尋問の事が頭の隅々まで埋め尽くされたのでした。

そのためついに耐えられなくなりハリーはベッドから飛び出してメガネを掛けて着替えると階段を下りて厨房へとやって来たのでした。ハリーは誰もいないだろうと思っていましたが扉の所まで来ると話し声が聞こえました。

扉を開けるとウィーズリー夫妻にシリウスとルーピンにトンクスがハリーを待ち受けていたかのように座っていました。全員着替えを済ませていましたがおばさんだけ紫のキルトの部屋着を羽織っていたというわけですよね。

ハリーが入って行くとおばさんが勢いよく立ち上がり「朝食ね」と言って杖を取り出し暖炉のほうに急いだその後に「何を食べる?オートミール?マフィン?ニシンの燻製?ベーコンエッグ?トースト?」と呼びかけました。

ハリーは「あの-トーストだけお願いします」と答えました。おばさんはマーマレードを塗ったトーストを2枚ハリーの前に置いてくれました。ハリーは何とか食べようとしましたがまるで絨毯を噛み締めているかのようです。

アーサー氏は今日は魔法使いのローブではなく細縞のズボンに袖口と腰の締まった古いボマージャケットを着ていました。話していたトンクスからハリーのほうに向き直ると「気分はどうかね?」とそう訊いて来たのでした。

肩をすくめるハリーにアーサー氏は元気づけるように「すぐ終わるよ。数時間後には無罪放免だ」と言いました。それからその場に居合わせたトンクスにルーピンとシリウスがそれぞれアドバイスをしてくれたというわけです。

アーサー氏は時間をチェックしてハリーのほうを見ると「そろそろ出かけよう。少し早いがここでぐずぐずしているより魔法省に行っていたほうがいいだろう」と言ってハリーはトーストを離し反射的に「OK」と応えました。

こうしてハリーはアーサー氏について厨房を出るとアーサー氏が玄関の閂を外して冷たい灰色の夜明けの外に出たというわけです。

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ようやく厨房を抜け出して自分の寝室に向かおうとしたハリーだったのですが客間で思ってもみなかった足止めを食らう事となってしまいました。ウィーズリーおばさんがまね妖怪を処理しようとしていたのですが当初の思いとは裏腹に手間取っていたのです。まね妖怪が変身したのは?(全3項目)

3-1.次から次へと
ウィーズリーおばさんは泣きながら震える杖先をロンの死体に向けると「リ-リ-リディクラス!」と唱えました。パチンと音がしてロンの死体が今度はビルへと変わりました。仰向けに大の字になり虚ろな目を見開いています。

おばさんはますます激しく啜り泣き「リ-リディクラス!」と唱えたかと思うとまた啜り上げました。再びパチンと音がしてビルがアーサー氏の死体に変わりました。メガネがずれて顔からはすーっと血が流れ出したのでした。

「やめてーっ!やめて。リディクラス!リディクラス!リディクラス!」

おばさんがこう呻くと「リディクラス!」と唱える毎にパチンと音がしてフレッドとジョージの死体になりパーシーの死体になりハリーの死体になりました。絨毯に横たわる自分の死体を見てハリーはおばさんに言いました。

「おばさんここから出て!誰か他の人に」

こう言う時にハリーが思わず叫んだのでルーピンが「どうした?」と言いながら客間に駆け上がって来ました。すぐ後からシリウスがその後ろにはマッド・アイ・ムーディが続いてルーピンはおばさんから視線を移しました。

転がっているハリーの死体へと目を移して即座に理解したようでした。杖を取り出しルーピンが力強くはっきりと「リディクラス!」と唱えました。ハリーの死体が消えて横たわっていたあたりに銀白色の球が漂いました。

ルーピンがもう一度杖を振ると球は煙となって消えて行ったのでした。

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父親のジェームズが監督生ではなかったと知ってパーティが急に楽しく感じられるようになったと思ったら今度はハリーはフレッドとジョージに悪戯専門店の開業資金を提供した事で後悔の念に駆られる事となってしまいました。すると1人になったハリーにマッド・アイ・ムーディが声を掛けて来て・・・(全3項目)

3-1.マッド・アイ・ムーディに声を掛けられて
するとそんな1人でいるハリーにマッド・アイ・ムーディが「元気かポッター?」と低い声で訊いて来てハリーは「うん元気」と嘘をつきました。ムーディは魔法の目でハリーを横睨みしながら携帯瓶からぐいっと飲みました。

「こっちへ来い。お前が興味を持ちそうな物がある」

ムーディはこう言うとローブの内ポケットから古くてボロボロの写真を1枚引っ張り出して来て「不死鳥の騎士団創立メンバーだ」と唸るように言いました。昨夜「透明マント」の予備を探している時に見つけたんだそうです。

スタージス・ポドモアが礼儀知らずにもムーディの一張羅マントを返してくれないんだそうです。みんなが見たがるだろうと思い持って来たのだそうです。ハリーが写真を手に取ると小さな集団がハリーを見つめ返しました。

何人かはハリーに手を振り何人かは乾杯をしました。ムーディは自分を指して「わしだ」と言いました。指す必要はありませんでした。写真のムーディは見間違える事などありませんでした。ただ若干違った所はありました。

今ほど白髪ではなく鼻はちゃんとついていました。ムーディは「ほれわしの隣がダンブルドア反対隣がディーダラス・ディグルだ」と写真に載っている騎士団の創立メンバーの紹介を始めて次にはこう言ったというわけです。

「これは魔女のマーリン・マッキノン。この写真の2週間後に殺された。家族全員殺られた。こっちがフランク・ロングボトムと妻のアリス」

既にむかむかしていたハリーの胃がアリス・ロングボトムを見て強く捻じれました。一度も会った事がないのにこの丸くて人懐っこそうな顔は知っていたからです。息子のネビルそっくりだったからというわけなんですよね。

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監督生の話が一区切りするとパーティは様々な話題が盛り沢山になりました。一方隅のほうではフレッドにジョージとマンダンガスが何やら怪しげな商談の真っ最中でした。ところがそんなフレッドとジョージの所に行った事がきっかけでハリーは思わぬ気持ちを抱く結果になってしまい・・・(全3項目)

3-1.パーティは個々の話が盛り沢山で
今宵の宴はロンとハーマイオニーの監督生就任披露パーティという事で誰が監督生になれて誰がなれなかったのかという話で盛り沢山でしたが主役の1人のロンはと云えば口を極めての新品の箒自慢だったというわけですよね。

「10秒でゼロから120キロに加速だ。悪くないだろ?コメット290なんかゼロからせいぜい100キロだもんな。しかも追い風でだぜ。賢い箒の選び方にそう書いてあった」

一方監督生の話が一区切りしてハーマイオニーは屋敷しもべ妖精の権利についてルーピンに自分の意見をとうとうと述べていました。ルーピンは狼人間なのでハーマイオニーはその問題と照らし合わせてこう言ったのでした。

「だってこれは狼人間の差別とおんなじようにナンセンスでしょう?自分たちが他の生物より優れているなんていう魔法使いの馬鹿な考え方に端を発してるんだわ」

ウィーズリーおばさんとビルはいつもの髪型論争をしていておばさんは「本当に手に負えなくなってるわ。あなたはとってもハンサムなのよ。短い髪のほうがずっと素敵に見えるわ」と毎度お馴染みの主張の繰り返しでした。

するとここでおばさんは「そうでしょうハリー?」とハリーに同意を求めて来ました。急に意見を求められハリーは若干面食らい「あ。僕分んない」と答えておばさんとビルのそばをそっと離れて隅っこのほうに行きました。

そこではマンダンガスとフレッドにジョージが密談の真っ最中でした。マンダンガスはハリーを見ると口を閉じましたがフレッドがウィンクしてハリーにそばに来いと招き寄せました。そしてマンダンガスにこう言いました。

「大丈夫さ。ハリーは信用できる。俺たちのスポンサーさ」

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自分ではなく何故ロンなんだ?当初はロンが監督生に任命されたという事で不当だと苛立っていたハリーだったのですがようやく気持ちの整理もついてハリーはロンの監督生就任を心底喜べるようになりました。そしてロンとハーマイオニーの監督生就任を祝って厨房で盛大にパーティが執り行われて・・・(全3項目)

3-1.ようやく気持ちの整理もついて
ロンの一番の親友の自分が監督生バッジを貰えなかったからといって拗ねたりするのか?フレッドにジョージと一緒になってロンの背後で笑うのか?ロンが初めて何か1つ自分に勝ったというのにその気持ちに水を注すのか?

ハリーがちょうどそう思っている時に階段を戻って来るロンの足音が聞こえて来ました。ハリーは立ち上がってメガネを掛け直すと顔に笑いを貼りつけました。ロンは弾むようにして入って来てうれしそうにこう言いました。

「ちょうど間に合った!できればクリーンスイープを買うってさ」

ハリーは「かっこいい。おい。ロン。おめでとっ」と言いました。自分の声が変に上ずっていないのでほっとしました。しかしロンの顔からは笑いが消えて行きました。そしてロンは首を振り振りこう言ったというわけです。

「僕だなんて考えた事なかった!僕。君だと思ってた!」

そんなロンにハリーは「いーや僕はあんまり色々トラブルを起こし過ぎた」とフレッドの言葉を繰り返しました。それを聞いてロンは「うん。うんそうだな」と言ったその後に「さあ荷造りしちまおうぜ。な?」と言いました。

何とも奇妙な事にここ12番地に到着して以来ハリーとロンの持ち物が勝手に散らばってしまったかのようでした。屋敷のあちらこちらから本や持ち物を掻き集めて学校用のトランクに戻すのにほとんど午前中一杯かかりました。

ロンが監督生バッジを持ってそわそわしているのにハリーは気づきました。最初は自分のベッド脇のテーブルに置きジーンズのポケットに入れそれを取り出し黒の上で赤色が映えるか確かめるようにローブの上に置きました。

フレッドとジョージがやって来て「永久粘着術」で監督生バッジをロンの額に貼りつけてやろうかと申し出た時ロンはようやく監督生バッジを栗色の靴下にそっと包みトランクに入れると鍵を掛けたというわけなんですよね。

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母親のウィーズリーおばさんの喜びようと興奮ぶりを見て苦笑いを浮かべるフレッドとジョージだったのですが一方ハリーのほうは1人になってみると様々な思いが込み上げて来て自問自答する事となったのでした。そして散々色々考えた挙句にハリーの出した結論は?(全3項目)

3-1.母親の興奮ぶりを見て
ご褒美をあげなくっちゃ!でも新しいドレス・ローブはフレッドとジョージから貰ってしまった。それじゃチャーリーのお古は錆びて穴が空いて来たので新しい大鍋か?それとも新しいペットのネズミなんかはどうだろう?

ロンはスキャバーズの事を可愛がっていた。監督生のお祝いに何を買ってあげようかとウィーズリーおばさんがあれこれ言っているとロンはそんな母親に期待を込めて新しい箒は駄目かとそう訊いたというわけなんですよね。

おばさんの顔が少し曇りました。箒は高価なのです。するとロンは「そんなに高級じゃなくていいい!ただ。ただ一度ぐらい新しいのが」と急いで付け足しました。おばさんは若干逡巡しましたが笑顔を見せこう言いました。

「もちろんいいですとも。さあ箒も買うとなるともう行かなくちゃ。みんなまた後でね。ロニー坊やが監督生!みんなちゃんとトランクに詰めるんですよ。監督生。ああ私どうしていいやら!」

おばさんはロンの頬にもう一度キスすると大きく洟(はな)を啜(すす)って興奮して部屋を出て行きました。それを見てフレッドとジョージは顔を見合せました。母親の興奮ぶりを見て「何じゃありゃ」と思ったんでしょうね。

フレッドがいかにも心配そうな作り声で「僕たちも君にキスしなくていいのかいロン?」と言いました。次にジョージが「跪(ひざまず)いてお辞儀してもいいぜ」と言ってロンは「馬鹿辞めろよ」と言って2人を睨みました。

フレッドは悪戯っぽい笑いを顔に広げ「さもないと?罰則を与えるかい?」と言いジョージは「やらせてみたいねぇ」と言うと鼻先で笑いました。そんなフレッドとジョージにハーマイオニーが怒ったようにこう言いました。

「気をつけないとロンは本当にそうできるんだから!」

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何とロンが監督生に任命されました。フレッドもジョージもさらにはハーマイオニーもまたハリーが本命と予想していたようでハリーがロンのバッジを持っているのを見て「そうだと思った!」と言いました。母親のウィーズリーおばさんに至っては夢想だにしなかったようで・・・(全3項目)

3-1.ロンが監督生に
ロンが監督生?フレッドは「間違いだろ」と言うとロンの握っている手紙をひったくって透かし模様を確かめるかのように光にかざして見ました。それから「正気でロンを監督生にする奴ぁいないぜ」とそう言ったのでした。

フレッドとジョージは頭を同時に動かしてハリーをじっと見つめると「君が本命だと思ってた」と言いました。フレッドはまるでハリーがみんなを騙したんだろうという調子でジョージは怒ったようにこう言ったんですよね。

「ダンブルドアは絶対君を選ぶと思った」

これに応えるようにフレッドが「三校対抗試合に優勝したし!」と言いましたがそんなフレッドにジョージが「ぶっ飛んだ事が色々あったのがマイナスになったかもな」と言ってフレッドが考えるようにこう言ったのでした。

「そうだな。うん相棒。君はあんまり色々トラブルを起こし過ぎたぜ。まあ少なくともご両人の内1人は何がより大切か判ってたってこった」

フレッドは大股でハリーに近づくと背中をバンと叩きました。一方ロンには軽蔑したような目つきをしました。そしてジョージは「監督生。ロニー坊やが監督生。おうおうママがむかつくぜ」と呻くように言ったのでした。

そう言う前にジョージは監督生のバッジをまるで自分を汚すかのようにロンに突き返したのでした。その当のロンはまだ一言も口を利いていませんでした。突き返された監督生のバッジを受け取ると一瞬それを見つめました。

それから本物かどうかを確かめてくれとでも言いたげに無言でハリーに差し出しました。ハリーは監督生バッジを手にしました。グリフィンドールのライオンのシンボルの上に大きく「P」の文字が書かれていたんですよね。

これと同じようなバッジがパーシーの胸にあったのをハリーはホグワーツに入学した最初の日に見ていました。

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