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さて!知っている方々はよくよくご存知のように来たる6月5日が誕生日ということで今週は「この人」を取り上げることにします。マルフォイの館に死喰い人たちが結集しましたが、その青白い顔の青年は何やら落ち着かない様子で頻繁に上を見上げていたのでした。それは客間のテーブルの上に・・・(全3項目)

3-1.青白い顔の青年
スネイプとヤックスリーがマルフォイの館に到着して客間の扉を開けると装飾を凝らした長テーブルは黙りこくった人々で埋め尽くされていました。部屋の薄暗さに目が慣れて来ると2人はその異様な光景に引きつけられ・・・

思わず視線を上に向けました。テーブルの上に逆さになって浮かんでいる人間がいたのです。どうやら気を失っているようでした。見えないロープで吊り下げられているかのようにゆっくりと回転していました。ところが・・・

テーブルの周囲では誰1人としてその異様な光景を見てはいませんでした。ただ1人真下に座っている青白い顔の青年だけはほとんど1分おきにちらちらと上を見ずにはいられない様子でした。2人が指定された席について・・・

スネイプとヤックスリーの報告が一通り終わるとヴォルデモート卿が杖を差し出させるために最初に声を掛けたのはルシウス・マルフォイでした。その次にヴォルデモートのほうから話しかけたのが息子のドラコだったのです。

ルシウス・ナルシッサ夫妻とベラトリックス・レストレンジの姪つまりドラコにとっては従姉にあたるニンファドーラ・トンクスが狼人間のリーマス・ルーピンと結婚したという知らせを受けてヴォルデモートはドラコに・・・

「ドラコ、お前はどうだ?」

「狼の子が産まれたら子守をするのか?」

一座から湧き起こった嘲笑が一段と高まる中ドラコは恐怖に目を見開いて父親のルシウスを見たのでした。しかしルシウスは自分の膝をじっと見つめたままだったのでドラコは今度は母親のナルシッサの視線を捕えたのでした。

ナルシッサはほとんど気づかれないくらいに首を振ったきりで向かい側の壁を無表情に見つめる姿勢に戻りました。ヴォルデモートはマルフォイ一家にはこれで十二分に屈辱を与えることができたと思ったのか一同を制して・・・

ヴォルデモートが気の立っている蛇をなでながら「もうよい」と二度に渡って言うと笑い声はぴたりと止んだのでした。

3-2.ドラコの目の前で・・・
ヴォルデモートは早速ルシウス・マルフォイから取り上げた杖を上げるとテーブルの上で回転する人間に向けて小さく振りました。息を吹き返した魔女は呻き声を上げて見えない呪縛から逃れようとしてもがいていたのでした。

「セブルス、客人が誰だか判るか?」

ヴォルデモートがこう言うとスネイプは上下逆さまになった顔のほうに目を上げたのでした。今まで存在していなかったかのごとく無視していた死喰い人たちも興味を示す許可が出たかのようにして囚われ人を見上げたのでした。

「お前はどうだ?ドラコ?」

杖を持っていない手で蛇の鼻面を撫でながらヴォルデモートがこう訊きました。これまでドラコは1分おきに見ていましたが魔女が目を覚ましてしまった今となってはもうその姿を見ることはできないとでも言いたげに・・・

ドラコは痙攣したように首を横に振ったのでした。ハリーでもその科目を取らず一度も授業を受けたことがなくても「数占い学」のベクトル先生を知っているぐらいですからドラコも顔を見た瞬間に誰だか判ったというわけです。

ヴォルデモートはドラコに「お前がこの女の授業を取るはずはなかったな」と言った後に知らない者のためにご紹介申し上げると言ったのでした。実はマルフォイの館の客間のテーブルの上に宙吊りになっていたその魔女は?

つい最近までホグワーツ魔法魔術学校で教鞭を取っていたチャリティ・バーベッジ先生だったのです。ヴォルデモートがそう言うと周囲からは納得したような声が僅かに上がったのでした。ヴォルデモートの説明によれば・・・

バーベッジ先生は魔法使いの子弟にマグルのことを教えておられた。つまり「マグル学」の教授だったのです。奴らつまりマグルが我々魔法族とそれほど変わらないなどとヴォルデモートに言わせればとんでもないことを・・・

さらに魔法族の子弟の精神を汚辱するだけでは飽き足らずバーベッジ先生は先週「日刊予言者新聞」に穢れた血を擁護する熱烈な一文を載せたのだそうです。我々の知識や魔法を盗む奴らを受け入れなくてはならないと・・・

バーベッジ先生によれば純血が徐々に減って来ているのは最も望ましい状況なのだそうです。バーベッジ先生は我々全員をマグルと交わらせるつもりらしい。もしくはもちろん「狼人間とな」とヴォルデモートが言うと・・・

今度は誰も笑いませんでした。そしてヴォルデモートがチャリティ・バーベッジに向かって「死の呪文」を唱えるとチャリティの体は真下のテーブルに落下していき、その衝撃でドラコは椅子から床に転げ落ちて行ったのでした。

3-3.露骨な論功行賞人事
8月1日に魔法大臣ルーファス・スクリムジョールが殺害され魔法省がついにヴォルデモートの手に落ちると、一ヵ月後の9月1日「日刊予言者新聞」にはハリー、ロン、ハーマイオニーにとっては驚きの記事が掲載されたのでした。

しかしそれは同時にドラコにとっても衝撃的なことだったんじゃないかな?と私はそう思いますね。それというのも自分の目の前でホグワーツ魔法魔術学校校長のアルバス・ダンブルドアを殺害したセブルス・スネイプが・・・

校長職に就任したからです。さらにスネイプがダンブルドア校長に向けて「死の呪文」を唱えたその瞬間にドラコとそこに居合わせたアレクト・カローがこれまたドラコの目の前で殺害されたチャリティ・バーベッジの・・・

後任として「マグル学」の教職に就いたのです。さらにスネイプが校長になったため空席になった「闇の魔術に対する防衛術」の教師にはアミカス・カローがその座に就いたのでした。さらにはヤックスリーも同様にして・・・

ヤックスリーが「服従の呪文」をかけたパイアス・シックネスが殺害されたルーファス・スクリムジョールの後任として魔法大臣に就任したため後任の魔法法執行部の部長にはそのヤックスリーがその座に就任したので・・・

ダンブルドアを殺害したスネイプが校長の座に就き、さらにはドラコと共にその場にいた死喰い人たちがホグワーツ魔法魔術学校のそれぞれの教師の席に収まってヤックスリーが魔法省の要職の座に就任したということで・・・

ドラコはいったいどんな思いを抱きながら9月1日にホグワーツ特急に乗ったんでしょうね?さらにクラッブやゴイルを筆頭に同じコンパートメントに乗り合わせたスリザリン生たちに一連の出来事をどう説明したんでしょうね?

今日の最後に
そういえばハグリッドが巨人の居住地から帰って来てからの最初の「魔法生物飼育学」の授業で教えた時にはドラコは「いったい何が見えるはずなんでしょうね?」なーんて言っていたぐらいですから当然その時点では・・・

人の死を見たことがない。そのためセストラルも見えなかったというわけなんですけど、このようにしてヴォルデモートが目の前でチャリティ・バーベッジを殺害する所を見たのですから見えるようになっているハズですよね?

最終学年の年度の初日つまり9月1日にホグズミード駅を出て馬車を轢いているセストラルを初めて見た時ドラコはどう思ったんでしょうね?
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