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4年生の夏休みにハリーが「隠れ穴」に招待されたのはイギリスで30年ぶりにクィディッチ・ワールドカップが開催されたからでした。それを受けてハリーはワールドカップに関係する魔法省の役人の人たちに会ったり試合に出る選手を見る機会を持ったというわけなんですよね。(全3項目)

3-1.バーテミウス・クラウチ(父)
昨日の記事でもチラリと名前が出て来ていました。学校を卒業した三男のパーシーは母親のウィーズリーおばさんの希望通り魔法省への就職を果たしました。そこで最初に配属された「国際魔法協力部」の部長というわけです。

パーシーの惚れ込みようはもはや凄まじいもので「クラウチ氏によれば、クラウチさんに僕が申し上げたように、クラウチ氏の意見では、クラウチさんが僕におっしゃるには」と口を開けば「クラウチ」といった感じで・・・

ロンが言うには「きっとこの2人、近い内に婚約発表するぜ」との事でした。しかしクィディッチ・ワールドカップのキャンプ場で初めて会った時にハリーはパーシーが何故クラウチ氏を尊敬しているのかが判ったのでした。

クラウチ氏はしゃきっと背筋を伸ばし非の打ち所のない背広にネクタイ姿でした。短い銀髪の分け目は不自然なまでに真っ直ぐで歯ブラシ状の口髭は定規を当てて刈り込んだようでした。靴はピカピカに磨き上げられていました。

パーシーは規則を厳密に守る事が大切だと固く信じる人でした。クラウチ氏はマグルの服装に関する規則を完璧に守っていました。これなら銀行の頭取だと言っても通用したでしょう。ハリーはバーノン叔父さんでさえも・・・

この人の正体を見破れないのでは?と思ったのでした。ここまで完璧にできる人なのですからパーシーがクラウチ氏に惚れ込むのは当然の事だとハリーは思ったのでした。ところがそんなクラウチ氏の極めて意外な側面を・・・

ハリーは学期に入ってから知る事になったのです。

3-2.ルドビッチ・バグマン
そんなパーシーが崇拝に近い尊敬の念を浮かべているクラウチ氏とは正反対のまさに対極的立場にいるのが「魔法ゲーム・スポーツ部」の部長バグマン氏というわけです。父親のアーサー氏はバグマン氏が好きなんだそうです。

それと言うのもこのバグマン氏が留守番で家に残るウィーズリーおばさん以外のハリーとハーマイオニーを含めた10人分ものクィディッチ・ワールドカップの決勝戦の貴賓席のチケットを手に入れてくれたからというわけです。

パーシーに言わせれば「好かれるぐらいが関の山」なんだそうですが、そんなルドビッチ・バグマンが初登場したのはハリーたち一行がワールドカップの競技場に隣接するキャンプ場で昼食を食べている最中に現れたのでした。

バグマン氏はハリーがこれまでキャンプ場で出会ったどの人物よりも派手で目立つ服装をしていました。鮮やかな黄色と黒の太い横縞が入った胸には巨大なスズメバチが1匹描かれたクィディッチ用の長いローブを着ていました。

たくましい体つきの男が少し弛んだという感じでした。イングランド代表チームでプレイしていた頃よりかなり太ったようでお腹のあたりがパンパンになっていました。迷走ブラッジャーが当たったようで鼻がつぶれていました。

丸いブルーの瞳に短いブロンドの髪さらには薔薇色の顔が育ち過ぎた少年のような印象を与えていました。バグマン氏はまるで踵にバネがついているように弾み完全に興奮していました。そしてうれしそうにアーサー氏に・・・

「ようよう!我が友アーサー」と呼びかけました。そして息を切らしながら焚き火に近づくと「こんな完全な日和はまたとないだろう?今夜は雲1つないぞ」そして準備は万全だから俺の出る幕はほとんどないと言ったのでした。

そんなバグマン氏の背後をげっそりとやつれた魔法省の役人が数人急いで通り過ぎて行きました。遠くのほうで魔法火が6メートルもの高さまで紫の火花を上げていたからです。バグマン氏はそんな事は意に介さない様子でした。

アーサー氏がハリーを紹介するとバグマン氏はほんの少しだけたじろぎ視線が毎度お馴染みの動きでハリーの額の傷痕を探りました。アーサー氏がバグマン氏を紹介して「この人のお陰でいい席が手に入った」と言うと・・・

バグマン氏は笑顔を見せて「そんな事は何でもない」と言いたげに手を振ったのでした。そしてローブのポケットに入った大量の金貨をチャラつかせながらアーサー氏に「試合に賭ける気はないかね?」と言って来たのでした。

今にして思えばアーサー氏が1ガリオンしか賭けなかったのは賢明な判断でした。バグマン氏が「他に賭ける者は?」と訊くとフレッドとジョージが急いで金貨を掻き集めて出したのが37ガリオンに15シックル3クヌートでした。

この掛け金は全て踏み倒されたのでした。

3-3.ビクトール・クラム
ハリーが2年ぶりに「隠れ穴」入りしたその日の夕食の席では翌日がクィディッチ・ワールドカップの決勝戦という事で、フレッドにジョージそれにチャーリーの3人の間で試合の行方について活発な議論が交わされていました。

チャーリーは「準決勝でペルーをぺしゃんこにしたんだから絶対アイルランドだ」と言ったのでした。それに対してフレッドが「でもブルガリアにはビクトール・クラムがいるぞ」と反論をするとチャーリーが言うには・・・

チャーリーは「クラムはいい選手だが1人だ。アイルランドはそれが7人だ」とキッパリそう言うのです。そこでフレッドとジョージはバグマン氏に「試合に賭けないか?」と言われた時にはこう言って掛け金を渡したのでした。

「まずアイルランドが勝つ。でもビクトール・クラムがスニッチを取る」

ハリーにロンにハーマイオニーの3人が水を汲むためにキャンプ場の水汲み場に向かっているとシェーマス・フィネガンとそのお母さんに会いました。フィネガン夫人がブルガリアのテントには何がぶら下がっているのか・・・

見てごらんよと言うので3人が行くとそこにあったのがブルガリア代表選手でポジションはハリーと同じシーカーのビクトール・クラムその人のポスターだったというわけです。最初にそれを見た時にはハーマイオニーは・・・

ビクトール・クラムは真っ黒なゲジゲジ眉毛の無愛想な顔をしていました。ハーマイオニーはそれを見て「とっても気難しそう」と言いました。するとロンが顔がどうだって関係ない。凄いしまだ若いんだと反論したのでした。

ロンが言うには18才かそこいらで天才なんだそうです。今晩の試合を観れば判るとの事でした。そしてクラムが見せた「ウロンスキー・フェイント」を筆頭にした数々のプレイを観てハリーも素晴らしい選手だと思ったのでした。

こんな風に飛ぶ人をハリーは今まで見た事がありませんでした。クラムはまるで箒になど跨っていないかのように自由自在に軽々と無重力で何の支えもなく空中を飛んでいるように見えました。しかし箒から降りてみると・・・

地上ではどうもぎくしゃくしているとハリーは思ったのでした。はっきり言ってO脚気味で猫背だったからです。ところがそのビクトール・クラムが三大魔法学校対抗試合の代表選手候補の1人としてホグワーツ入りして・・・

ロンのみならずホグワーツの数多の生徒たちを狂喜乱舞させる事になったというわけなんですよね。

今日の最後に
そういえばハリーはバーテミウス・クラウチ氏に初めて会った時「完璧だ。これならバーノン叔父でも正体を見破れないのでは?」と思ったようです。しかし今にして思えば後ろめたさの裏返しだったと思えなくもないですよね。

この時クラウチ氏は既にもう屋敷しもべ妖精のウィンキーと自分の息子を競技場の貴賓席に送り届けた後だったのです。そしてその息子が試合終了後に空に「闇の印」を打ち上げてクラウチ氏は自分の息子が死喰い人だと・・・

はっきりと確認させられる事になったのです。
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