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バーノン叔父さんが1日中飲まず食わずで車を走らせてまでハリーから隠したかった事をハグリッドはいとも簡単にハリーに告げてしまいました。さらにペチュニア叔母さんやハグリッドの口からもたらされた事はハリーにとっては衝撃と驚きの連続でした。両親の死因は自動車事故などではなかったのです。(全3項目)

3-1.お前は魔法使いだ
小屋の中がシーンと静まり返りました。聞こえて来るのは外の波の音とヒューヒュー吹く風の音だけでした。バーノン叔父さんが1日中飲まず食わずで車を走らせてまでハリーから隠したかったのは実はこの事だったんですよね。

「2人とも勝手に喚いていろ。ハリー-お前は魔法使いだ」

ハグリッドのこの言葉を聞いてハリーは思わず息を呑んで「僕が何だって?」と訊き返したのでした。それに対してハグリッドは「魔法使いだよ。今言った通り」と答えた後さらに付け加えてこう言ったというわけなんですよね。

「しかも訓練さえ愛けりゃそんじょそこらの魔法使いより凄くなる。なんせああいう父さんと母さんの子だ。お前は魔法使いに決まってる。そうじゃないか?さて手紙を読む時が来たようだ」

海の上
岩の上の小屋

ハリー・ポッター様


ハリーはついに黄色味がかった封筒に手を伸ばしました。エメラルド色で宛名が書いてあります。中から手紙を取り出し読みました。それは一番最初に届いて以来バーノン叔父さんがハリーに渡すまいと必死になっていた・・・

ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可書だったのです。

3-2.怒りと驚きさらには困惑
ダンブルドア宛てにハリーに手紙を渡したというふくろう便を出した後ハグリッドが「どこまで話したかな?」と言うと、バーノン叔父さんが灰色の顔に怒りの表情を露わにして暖炉の火の明るみに出るとこう言ったのでした。

「ハリーには行かせんぞ」

それに対してハグリッドは「お前のようなコチコチのマグルにこの子を止められるもんなら拝見しようじゃないか」と言って暗に「そんな事できるはずがない」と反論したのでした。ところがそれでもバーノン叔父さんは・・・

自分たちはハリーを引き取った時「くだらんゴチャゴチャはお終いにする」と誓った。この子からそんなものは叩き出すと誓ったんだ。ここで実はバーノン叔父さんもペチュニア叔母さんもハリーが魔法使いだという事を・・・

知っていたという事が明らかになったのです。叔母さんは堰を切ったように話し出し、ハリーのお母さんの所にも同じような手紙が来た。そしてその学校で2人は出会いその結果結婚してハリーが生まれたんだ。それから・・・

自業自得で吹っ飛んじまった。お陰で自分たちはお前を押し付けられたってわけさ!ハリーはショックで真っ青で声を出す事すらできません。やっとの事で口が利けるようになった時にハリーは叫ぶようにこう言ったのでした。

「吹っ飛んだ?自動車事故で死んだって言ったじゃない!」

それを聞いてハグリッドはソファから立ち上がり怒りの唸り声を上げました。自動車事故なんかでリリーとジェームズ・ポッターが死ぬはずがないだろう。しかし同時に魔法界の子供なら1人残らず知っているというのに・・・

ハリー自身がその事を全く知らないという事実に驚くと同時に唖然としているようでした。そこでハリーは「でもどうしてなの?一体何があったの?」と急き込んで訊くとハグリッドは怒りから気遣わしげな表情になって・・・

「こんな事になろうとは」

ハグリッドの声は低く物憂げでした。ダンブルドアが「ハリーを捕まえるのに苦労するかもしれん」と言っていたんだそうです。しかしハリーがここまで知らないという事にハグリッドも驚きを隠し切れないという面持ちでした。

ハグリッドはハリーに「お前に話して聞かせるのは俺には荷が重過ぎるかもしれん」と言いました。しかし誰かがやらなければ。ハリーが何も知らずホグワーツに行くわけにはいかないとハグリッドは言うのです。そして・・・

まずは「あの魔法使い」の名前を言うのが第一関門でした。それはヴォルデモート!ハグリッドはもう20年も前の話になるがこの魔法使いが仲間を集め始めた事。我々の世界をそいつが支配するようになった事。さらには・・・

もちろん立ち向かう者もいた。だがみんな殺された。残された数少ない安全な場所がダンブルドアのいるホグワーツだった。ハリーの父さんに母さんは俺が知っている中では一番優れた魔法使いと魔女だった事。在学中は・・・

2人とも首席だった。何故「あの人」は2人を仲間に引き入れようとしなかったのか?それは2人はダンブルドアと親しいし闇の世界とは関わるはずがないと知っていたのだろう。2人を説得できると思ったのか?あるいは・・・

邪魔者として片付けようと思ったのかもしれない。ただ判っているのは10年前のハロウィンの日にハリーたち3人が住んでいた村にあやつが現れた事だとハグリッドは言うのです。あの人つまりヴォルデモートは2人を殺した。

さらにこれが全くの謎なんだがヴォルデモートは1才になったばかりのハリーをも殺そうとした。ところがそれができなかった。ヴォルデモートに命を狙われて生き残った者は1人もいない。にも関わらずハリーは生き残った。

まだほんの赤ん坊のハリーだけが生き残った。だからハリーは有名なんだ。ハグリッドが語り終えた時。ハリーの心に言い知れぬ痛みが走りました。両親が死んだ時の事を思い出そうとしているとハリーは目も眩むような・・・

緑の閃光を見ていたのです。それがこれまでよりずっと鮮烈に一度も思い出さなかった事まで初めて思い出したのです。冷たくて残忍な笑いを。ところがさらにハリーを有名にしたのが「あの人」が消え去った事だと言うのです。

「それが分らんのだ。ハリー。消えたんだ。消滅だ。お前さんを殺そうとしたその夜にな」

それが最大の謎だとハグリッドは言うのです。あやつはますます強くなっていた。それなのに何で消えなきゃならん?それについては死んだと言う者もいれば「まだどこかにいて時が来るのを待っている」と主張する者もいる。

しかしハグリッドはそうは思わないと言うのです。奴に従っていた連中は我々の方に戻って来た。あいつが戻って来るのならそんな事はできない。ハグリッドが言うにはヴォルデモートはまだどこかにいるが力を失ってしまった。

そう考えている者が大多数なんだそうです。もう何もできないぐらいに弱っているのだ。ハリーの何かがあやつを降参させたからだよ。あの日の晩あやつが考えてもみなかった何かが起きたんだ。ところがここでハリーは・・・

「きっと間違いだよ。僕が魔法使いだなんて有り得ないよ」

3-3.お前は確かに魔法使いだ
ハリーは喜ぶ気にも誇る気にもなれませんでした。むしろ「とんでもない間違いだ」という思いの方が強かったのです。僕が魔法使いだって?バーノン叔父さんにもペチュニア叔母さんにもさらにはダドリーからでさえも・・・

もし本当に自分が魔法使いなら物置に閉じ込められそうになる毎に何故ダーズリー一家をいぼいぼヒキガエルに変える事ができなかったのだろう?何故ダドリーが面白がってサッカーボールのように蹴る事ができたんだろう?

ところが驚いた事にハグリッドはクスクスと笑って「魔法使いじゃないって?」と言うのです。それならハリーが怖かった時や怒った時などに何事も起こらなかったのか?とハグリッドは言うのです。そう言われてみれば・・・

バーノン叔父さんやペチュニア叔母さんをカンカンに怒らせたおかしな出来事はハリーが困った時や腹を立てた時に起こった。どうやったのかは分らないがダドリー軍団に追いかけられた時学校の屋根の上に逃げる事ができた。

ちんちくりんな髪に刈り上げられて学校に行くのがとても嫌だった時に髪は一夜にしてあっという間に元通りに伸びた。さらにはほんの1ヵ月前にも動物園でダドリーに殴られた時に自分ではそうと気づいていなかったが・・・

仕返しをしたんじゃないか?大ニシキヘビにダドリーを襲わせたじゃないか。数々のエピソードや逸話を思い出すとハリーはハグリッドに向かって微笑んだのでした。ハグリッドもまた笑顔を返してハリーにこう言ったのでした。

「なあ?ハリー・ポッターが魔法使いじゃないなんてそんな事はないぞ。見ておれ。お前さんはホグワーツで凄く有名になるぞ」

こいつはストーンウォール校に行くんだ。やがてはそれを感謝する事になる。自分は手紙を読んだが呪文の本だの魔法の杖だの準備するのはバカバカしい物ばかりだ。こう言ってあくまでもホグワーツ魔法魔術学校などに・・・

行くなんてとんでもないと食い下がるバーノン叔父さんを黙らせた後ハグリッドは中途退学になった理由を答える事なく上着のコートを脱いでハリーに放ってよこしたのでした。そして最後にこう言ったというわけなんですよね。

「それを掛けて寝るといい。ちいとばかりモゴモゴ動いても気にするなよ。どっかのポケットにヤマネが2、3匹入っているはずだ」

今日の最後に
この場面を改めて読み返すと伏線の宝庫といった感じですよね。例えばハグリッドはハリーの両親リリーとジェームズ・ポッターがダンブルドアと親しいと言っていますが2人が不死鳥の騎士団の創立メンバーだった事は・・・

言っていません。さらには2人がヴォルデモートに殺される事になったのはジェームズの無二の親友シリウス・ブラックの裏切りで死んだんだという事にも触れていません。他にもハグリッドは3年生の時にホグワーツを・・・

中途退学になったもののダンブルドアが森の番人としてホグワーツにいられるようにしてくれた事も言及しています。ハリーが「どうして退学になったの?」と訊いてもハグリッドは当然答えていません。この事もまた・・・

後にハリーが真相を明らかにする事になるんですよね。シリウスの件もまた同じというわけなんですよね。
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