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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

「それなら死ねばよかったんだ。友を裏切るくらいなら死ぬべきだった。我々も君のためにそうしただろう」シリウスはピーター・ペティグリューを信じていました。だからこそポッター夫妻の「秘密の守人」をピーターにしたのです。信じていたからこそ裏切られた時のシリウスの怒りは・・・(全3項目)

3-1.叫びの屋敷にて、その1
汚れきった髪がもじゃもじゃと肘まで垂れていました。暗い落ち窪んだ眼窩の奥で目がギラギラしているのが見えなければまるで死体が立っていると言ってもいい。血の気のない皮膚が顔にぴったりと貼りつき髑髏のようでした。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

ロンの杖を2人に向けシリウス・ブラックがしわがれ声で唱えました。ハリーとハーマイオニーの杖が2人の手から離れ高々と宙を飛んでシリウス・ブラックの手に収まりました。その目はしっかりとハリーを見据えていました。

「君なら友を助けに来ると思った。君の父親も私のためにそうしたに違いない。君は勇敢だ。先生の助けを求めなかった。有り難い。そのほうがずっと事は楽だ」

父親についての嘲るような言葉がハリーの耳にはまるでシリウス・ブラックが大声で叫んだかのように鳴り響きました。ハリーの胸は憎しみで煮えくり返り恐れの欠けらが入り込む余地はなかったのです。この時ハリーは・・・

杖を取り戻したかった。生まれて初めてハリーは身を守るためではなく攻撃のために杖が欲しいと思いました。我を忘れてハリーは身を乗り出しました。しかし杖を取り戻したその後もハリーの杖腕は微動だにしませんでした。

すると新しい物音が聞こえて来ました。床にこだまするくぐもった足音でした。ハーマイオニーの叫びに応えて4人がいる部屋に飛び込んで来たのはルーピン先生でした。部屋の中の状況を確認するとルーピン先生が再び・・・

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

ルーピンは3本の杖を器用に捕まえシリウス・ブラックを見据えたまま部屋に入って来ました。ハリーは急に虚ろな気持ちになって立ちすくみました。とうとうやらなかった。弱気になったんだ。ところがルーピンは・・・

「シリウス、あいつはどこだ?」

この後ルーピンとシリウス・ブラックが言い出した事はハリーたち3人には到底理解できないものでした。ロンのペットのスキャバーズが「動物もどき」の魔法使いでピーター・ペティグリューだと2人はそう主張するのです。

3-2.叫びの屋敷にて、その2
事態はルーピンが消し忘れた「忍びの地図」を見て暴れ柳の前にハリーが放っておいた「透明マント」を被って後を追ったセブルス・スネイプが乱入して来た事でむしろ急展開を見せる事となりました。ルーピンはロンに・・・

「本当は何が起こったのか証明する道は唯一つだ。ロンそのネズミをよこしなさい」

ハリーにロンにハーマイオニーの3人がスネイプに同時に武装解除の術をかけスネイプは吹き飛んで気を失いました。その事がルーピンの心にアクセルをかけたようです。ルーピンはこう言ってスキャバーズを差し出せと・・・

ロンはためらいました。がしかしとうとうスキャバースを差し出しました。青白い光が2本の杖から発射されるとスキャバーズは宙に浮きそこに静止しました。もう一度目も眩むような閃光が走りスキャバーズはその姿を・・・

木が育つのを早送りで見ているようでした。頭が床からシュッと上に伸び手足が生えて次の瞬間にはスキャバーズがいた所に1人の男が立っていました。小柄な男で背丈はハリーにハーマイオニーとあまり変わりませんでした。

「やあ、ピーター」

もはや見慣れた光景のようでルーピンはピーター・ペティグリューに朗らかに声をかけました。シリウスの杖腕が上がりましたがルーピンがその手首を押さえたしなめるような目でシリウスを見ました。そして話を始めたのです。

こいつはまた私を殺害するためにやって来た。ペティグリューは突然シリウスを指差して金切り声を上げました。シリウスはジェームズとリリーを殺害した。今度は私をも殺害しようとしている。助けておくれとも言いました。

それに対してルーピンは少し話の整理がつくまでは誰も君を殺害したりしないと答えました。するとペティグリューはシリウスが自分を追って来ると判っていた。私は12年もこの時を待っていたとそう言うのです。すると・・・

ルーピンは眉根を寄せて未だかつて脱獄した者は誰もいないのにシリウスがアズカバンを逃げ出す事が判っていたのかと反論したのでした。話せば話すほどペティグリューの説明は説得力を失っていったのでした。そして・・・

「ジェームズとリリーは私が勧めたからお前を秘密の守人にした」

私はこれこそ完璧な計画だと思った。ヴォルデモートはきっと私を追う。お前のような弱虫の能無しを利用しようとは夢にも思うまい。ヴォルデモートにポッター一家を売った時はお前の惨めな生涯の最高の瞬間だっただろう。

「信じてくれハリー。私は決してジェームズやリリーを裏切った事はない。裏切るくらいなら私が死ぬほうがましだ」

こう言われてハリーはようやくシリウスを信じる事ができました。しかしそれはつまりペティグリューにとっては死刑宣告を意味していました。そして最後に教えなければ私が殺害されていたんだと言うペティグリューに・・・

シリウスは・・・

「それなら死ねばよかったんだ。友を裏切るくらいなら死ぬべきだった。我々も君のためにそうしただろう」

3-3.改めてこの場面のシリウスについて
当時ヴォルデモートがポッター一家の命を狙っているとダンブルドアに知らせたのはその時はまだ死喰い人だったセブルス・スネイプでした。ジェームズと結婚したその後もリリーの事を愛していたスネイプが知らせたのです。

当然他の人に漏らせばスネイプに危害が及ぶ恐れがあるという事でダンブルドアはルーピンにもシリウスにも教えなかったというわけです。そしてダンブルドアは2人に助かる方法は唯一つ「忠誠の術」のみだと言ったのでした。

ハリーの両親ポッター夫妻は「私たちの居場所を教えるぐらいなら死を選んでくれるだろう」との全幅の信頼を持って「秘密の守人」にシリウスを指名しました。するとそこでシリウスは2人に意外な提案をしたというわけです。

前述のような理由つまり「ヴォルデモートは私が秘密の守人だと思うだろう。そこで奴の裏をかいてピーターにするんだ。そんな事は夢にも思うまい」と考えたのです。そこでピーター・ペティグリューを秘密の守人にしました。

味方の中に裏切り者の内通者がいる。シリウスはその人物をリーマス・ルーピンだと考えました。そのためルーピンには一切何も伝えず事を進めたのです。ここで重要なのはシリウスはピーター・ペティグリューに対して・・・

ポッター夫妻が自分に対して抱いているのと同等の信頼を寄せていたという事です。信じ切っていたからこそ裏切られた時の怒りは凄まじかったというわけです。そのためにシリウスは烈火の如く激しく怒ってピーターを・・・

追ったというわけなんですよね。

今日の最後に
シリウスはピーター・ペティグリューの事を信じていました。そのためゴドリックの谷に行ってジェームズとリリーが死んでいるのを見た時ピーターに対して激怒すると同時にそうしてしまった自分にも腹が立ったんでしょうね。

そして12年後シリウスはネズミの姿でロンの肩に乗ったピーター・ペティグリューを「日刊予言者新聞」で見つけます。その時の気持ちは妄執だったとシリウスは言っています。シリウス自身にとっては極めて皮肉な事に・・・

ピーター・ペティグリューと自分自身に対する怒りの気持ちがアズカバンを脱獄する力になったというわけなんですよね。

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