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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

8月最後の週から私の好きな登場人物4人の名場面を各回1つずつ紹介して来ました。最後を締めくくるのは「この人」です。ハリーは1年生の新学期初日にキングズ・クロス駅の9と3/4番線への入り方を教えて貰ったのですが、その時おばさんは目の前の黒髪の少年がハリーだという事を知りませんでした。しかしこの時は・・・(全3項目)

3-1.初めての「隠れ穴」にて、その1
夏休みで帰って来て以来バーノン叔父さんはハリーをいつ爆発するのか分らない爆弾のように扱いました。何しろハリーは普通の少年ではありません。それどころか思いっ切りまともではない。魔法使いだからというわけです。

未成年の魔法使いは学校の外で魔法を使う事を許されていない。ハリーはこの事をダーズリー一家に話していませんでした。そのため叔父さんたちはフンコロガシに変えられては大変とハリーの事を怖がっていたというわけです。

ところがそれを突如として現れた屋敷しもべ妖精のドビーが一家に教えてしまったのです。ドビーは「学校に戻ってはなりません」という無理難題をハリーに課した挙句にペチュニア叔母さんの傑作デザートを浮遊術で・・・

山盛りのホイップクリームとスミレの砂糖漬けは台所の床に落ちて破壊されました。魔法省から公式警告状が届きハリーがそれを隠していたという事実に激怒したバーノン叔父さんはハリーを部屋に監禁してしまったのでした。

そこに救いの手を差し伸べたのがロンにフレッドにジョージのウィーズリー3兄弟でした。父親のアーサー氏の勤め先が魔法省のためハリーが公式警告状を受け取った事を知ったのです。3人はアーサー氏が魔法をかけた・・・

空飛ぶフォード・アングリアでプリベット通り4番地にやって来ました。こうして餓死寸前に追い込まれていたハリーは脱出を果たし初めてオッタリー・セント・キャッチポール村の近くにあるウィーズリー家の住居の・・・

「隠れ穴」に来る事になったというわけなんですよね。

3-2.初めての「隠れ穴」にて、その2
この日父親のアーサー氏は抜き打ち調査のため夜間勤務で不在でした。そこで3人の作戦は母親が眠っている間にハリーを連れて来て朝食の際にロンが「夜の間に誰が来たと思う?」と言ってハリーを紹介しさえすれば・・・

お袋はハリーを見て大喜びで自分たちが車を飛ばしたなんて気づきやしないというものでした。そこでロンが「了解」と言ってハリーを自分の寝室に案内しようとしました。ところが残念ながらそうは問屋が卸さなかったのです。

ロンは一瞬にして青ざめました。目が一ヵ所に釘付けになっています。それ以外の3人が急いで振り返りました。庭の向こうから小柄で丸っこい体型のウィーズリーおばさんが鶏を蹴散らして猛然と突き進んで来ていました。

優しそうな顔の女性なのに鋭い牙を剥いた虎にそっくりなのはなかなかの見物でした。フレッドが「アチャ!」と言いジョージもまた「こりゃ駄目だ」と言いました。ウィーズリーおばさんは4人の前でぴたりと止まりました。

両手を腰に当てバツの悪そうな顔を個々に睨み付けました。花柄のエプロンのポケットからは杖が覗いています。一言「それで」と言われてジョージが「おはようママ」と自分では朗らかに愛想よく挨拶したつもりのようでした。

ウィーズリーおばさんは低い声に凄みを効かせて「母さんがどんなに心配したかあなたたち判っているの?」と言いました。3人の息子は揃って母親より背が高かったのですが母親の怒りが爆発すると3人とも縮こまったのでした。

「ベッドは空っぽ!メモも置いてない!車は消えてる。事故でも起こしたかもしれない。心配で心配で気が狂いそうだった。判ってるの?こんな事は初めてだわ。お父さまがお帰りになったら覚悟なさい」

さらにおばさんはビルやチャーリーやパーシーはこんな苦労はかけなかったのにとも言ったのでした。それを聞いてフレッドは「完璧・パーフェクト・パーシー」と呟きました。おばさんはフレッドの胸に指を突きつけて・・・

「パーシーの爪のあかでも煎じて飲みなさい!あなたたち死んだかもしれないのよ。姿を見られたかもしれないのよ。お父さまが仕事を失う事になったかもしれないのよ」

この調子がまるで何時間も続いたかのようでした。ウィーズリーおばさんは声が嗄れるまで怒鳴り続けました。そしてハリーのほうに向き直りました。その迫力に押されてハリーは思わずたじたじと後退りしたのですが・・・

「まあハリーよく来てくださったわねえ。家に入って朝食をどうぞ」

ウィーズリーおばさんはこう言うとくるりと向きを変えて家のほうに歩き出しました。ハリーはどうしようかと思ってロンをちらりと見ました。するとロンが「大丈夫」と言いたげに頷いたのでハリーはおばさんに従いて・・・

「隠れ穴」の台所に入って行ったのでした。

3-3.改めてこの場面のおばさんについて
第2巻「秘密の部屋」で私が一番気に入っている場面なんですよね。3人の息子の事は激しく叱責する一方でハリーに対しては一転して優しい口調で「家に入って朝食をどうぞ」と言う。この半端ない落差が大好きなんですよね。

この後もおばさんは息子たちには怒りの眼差しを投げつけながら「お前たちと来たら一体何を考えてるやら」とか「こんな事絶対思ってもみなかったわ」などと低い声で凄みを効かせながら言いつつもハリーに対しては・・・

ウィーズリーおばさんはフライパンを傾けてハリーのお皿に8本も9本もソーセージを滑り込ませながらハリーには「あなたの事は責めていませんよ」と言ったのでした。さらにハリーのお皿に目玉焼きを3個も入れながら・・・

「アーサーと2人であなたの事を心配していたの。昨夜も金曜日までにあなたからロンへの返事が来なかったら私たちがあなたを迎えに行こうって話をしていたぐらいよ」

しかし不正使用の車で国中の空の半分も飛んで来たら誰かに見られてもおかしくない。それにウィーズリー夫妻ならロンにフレッドとジョージの3人とは違って魔法が使えますからもっとすんなりと事が解決するというわけです。

おばさんは引き続きフレッドが「曇り空だったよ!」と言ってみたりジョージが「連中はハリーを餓死させるとこだったんだよ!」と言っても「物を食べてる時はおしゃべりしないこと!」などと言って一喝する一方で・・・

ハリーのためにパンを切ってバターを塗り始めると再び一転して和らいだ表情になったのでした。そして食事が終わると息子たちには庭で庭小人の駆除をしなさいと命じた後ハリーに対してはこう言ったというわけなんですよね。

「ハリー。あなたは上に行ってお休みなさいな。あのしょうもない車を飛ばせてくれってあなたが頼んだわけじゃないんですもの」

今日の最後に
こうしてハリーは夏休みの残りの期間を「隠れ穴」で過ごす事になりました。この後もおばさんはハリーの靴下がどうのこうのと小うるさく言ってみたり、食事の時には無理やり「4回」もお代わりをさせようとしたのでした。

プリベット通り4番地では同じ屋根の下に住むダーズリー一家全員がハリーの事を嫌っていました。ところが「隠れ穴」でのハリーは全くの逆でウィーズリー一家全員がハリーに対して好意を寄せていました。この事が・・・

ハリーにとっては他のどんな事よりも「一番不思議だ」と思ったというわけなんですよね。

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