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ホグワーツに死喰い人が侵入してダンブルドアはセブルス・スネイプに殺害されてしまいました。さらにビルは狼人間のフェンリール・グレイバックに襲われてしまったのでした。ウィーズリーおばさんは「これでビルとフラーの結婚もご破算になる」と思ったのですが・・・(全3項目)

3-1.傷ついたビル
まさにその日はウィーズリー家に不死鳥の騎士団そしてハリーにとって最悪の日だったのではないでしょうか?ダンブルドアがセブルス・スネイプに殺害された上にビルは狼人間のフェンリール・グレイバックに襲われて・・・

ハリーがジニーと共に医務室に駆けつけるとロンにハーマイオニーにルーナそれにトンクスとルーピンが病棟の一番奥にあるベッドを囲んでいました。ハーマイオニーが駆け寄ってハリーを抱き締めルーピンも心配そうに・・・

「ハリー、大丈夫か?」
「僕は大丈夫。ビルはどうですか?」

誰も答えませんでした。5人が囲んでいたベッドを見るとビルが寝ているはずの枕の上にひどく切り裂かれて不気味な見知らぬ顔がありました。マダム・ポンフリーがきつい臭いのする緑色の軟膏を傷口に塗りつけていました。

ハリーが「呪文か何かで傷を治せないんですか?」と訊くとマダム・ポンフリーが「この傷にはどんな呪文も効きません」と答えました。知っている呪文は全て試してみましたが狼人間の噛み傷には治療法がないのだそうです。

グレイバックは変身していなかった。ロンが戸惑いがちに見るとルーピンは「ビルは本物の狼人間にはならないと思う」と言いました。しかし全く汚染されないという事ではない。呪いのかかった傷なんだ。だからビルは・・・

これから何らかの狼的な特徴を持つ事になるだろうとルーピンは言うのです。するとロンは「ダンブルドアなら何か上手いやり方を知っているかもしれない」と言い始めました。しかしそんなロンにジニーはこう告げたのでした。

「ロン-ダンブルドアは死んだわ」

3-2.変わらぬ思い
次に扉が開いて病棟に入って来たのはマクゴナガル先生でした。開口一番先生はウィーズリー夫妻がここに来る事を告げました。病棟の扉が勢いよく開きウィーズリー夫妻が急ぎ足で入って来ました。そしてその後ろには・・・

美しい顔を恐怖に強張らせたフラーの姿がありました。フラーは凍りついたような表情で変わり果てた姿のビルを見下ろしていました。すすり泣くウィーズリーおばさんの涙がずたずたになったビルの顔にポトポトと落ちました。

「もちろんどんな顔になったって構わないわ。そんな事は。どうでもいい事だわ。でもこの子はとっても可愛いちっちゃな男の子だった。いつでもとってもハンサムだった。それにもうすぐ結婚するはずだったのに!」

すると突然フラーが大きな声で「それどういう意味ですか?この人が結婚するはずだった?」と言い出しました。ウィーズリーおばさんは驚いたように涙に濡れた顔を上げました。そしてフラーはすっと背筋を伸ばすと・・・

ためらいがちにそして言葉を途切れがちにしなから「ビルがこんな姿になってしまったら、もうこの人とは結婚したくないのでは?」と言おうとしているウィーズリーおばさんに向かってフラーは激しい口調で訴えたのでした。

私がこの人と結婚したくないだろうと思ったのですか?それとももしかしてそうなって欲しいと思いましたか?

この人がどんな顔でも私が気にしますか?私だけで十分2人分美しいと思います!傷痕は私のハズバンドが勇敢だという印です!それにそれは私がやります!

フラーは軟膏を奪うとウィーズリーおばさんを押し退けました。ウィーズリーおばさんはアーサー氏に倒れ掛かりフラーがビルの傷を拭うのを何とも奇妙な表情で見つめていました。誰も何も言いませんでした。ハリーは・・・

身動きする事さえ遠慮しました。誰もがウィーズリーおばさんの怒りが大爆発する時が来るのを待っていました。ところが長い沈黙の後ウィーズリーおばさんが発した言葉の口調は一同にとっては意外な事に静かだったのです。

「大叔母のミュリエルがとても美しいティアラを持っているわ。ゴブリン製のよ。あなたの結婚式に貸していただけるように大叔母を説得できると思うわ。大叔母はビルが大好きなの。それにティアラは」

ウィーズリーおばさんは最後に「ティアラはあなたの髪にとても似合うと思いますよ」とフラーに言ったのでした。フラーは硬い口調で「ありがとう。それはきっと美しいでしょう」と言葉を返したのでした。すると今度は・・・

「判ったでしょう!フラーはそれでもビルと結婚したいのよ。噛まれたというのに!そんな事はどうでもいいのよ!」

張り詰めた声でこう言い放ったのはトンクスでした。トンクスが睨んでいたのはルーピンでした。ルーピンはほとんど唇を動かさず「次元が違う」と言いました。突然表情が強張っていました。ビルは完全な狼人間にはならない。

「事情が全く違う」と言おうとするルーピンの言葉を途中で遮りトンクスは「でも私も気にしないわ。気にしないわ!」とルーピンのローブの胸元を掴んで揺さぶりながら訴えたのでした。トンクスの守護霊にくすんだ茶色の髪。

ハリーはここでようやくその理由が判ったのです。トンクスが愛していたのはルーピンだったのです。

3-3.決まった結婚にジニーの思い
授業は全て中止となり試験は延期されました。ハリーにロンにハーマイオニーそれにジニーの4人は1日に2度病棟に見舞いに行きました。ビルの傷痕は相変わらずひどい状態でした。何らかの狼的な特徴を持つ事になると・・・

ルーピンが言っていましたが人格は前と変わりないようでした。ただ1つだけ変わったと思われるのはステーキのレアを好むようになった事でした。しかしフラーはビルの枕を直しながらうれしそうにこう言っていたのでした。

「それでこのいと(人)が私と結婚するのはとーてもラッキーな事でーすね」

その理由は?

「何故ならイギリース人、お肉を焼きすーぎます。私いーつもそう言ってましたね」

その夜4人でグリフィンドールの談話室の窓際に座り開け放した窓から夕暮れの校庭を見下ろしながらジニーが「ビルが間違いなくあの女と結婚するんだって事受け入れるしかないみたいね」と言って溜め息をついたのでした。

そんなジニーにハリーは「そんなに悪い人じゃないよ」と言ったのでした。しかしジニーが眉を吊り上げたのでハリーは慌てて「ブスだけどね」と付け加えたのでした。するとジニーはしかたなしにクスクスと笑ったのでした。

そして「そうねママが我慢できるなら私もできると思うわ」と言って自分を慰めたのでした。

最後に
そんなわけでジニーにしてみればトンクスとビルが結婚してくれたらいいと思っていたのに何とトンクスはルーピンと結婚する事になってしまった。だからもはやビルとフラーが結婚するという現実を受け入れなくてはならない。

自分の思惑が二重に外れてしまったのでなおさらショックが大きいんでしょうね。こうして7月にはルーピンとトンクスがそして8月にはビルとフラーが結婚するという事になりました。実はこの2組の夫婦はそのどちらも・・・

新郎のほうがフェンリール・グレイバックに噛まれているという共通点があるんですよね。その2組が同時期に結婚したというわけです。
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