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デザートも食べ終わりウィーズリーおばさんが欠伸をしながら「もうお休みの時間ね」と言いました。ところがシリウスがヴォルデモートの名前を口にした途端その場の雰囲気は一変しました。そしてその後は「ハリーに騎士団の活動内容を教えるべきか否か?」でシリウスとおばさんの大激論になったのです。(全3項目)

3-1.夕食を取りながら
みんなが夕食を食べ始めると暫くの間は皿やナイフにフォークのカチャカチャ言う音や誰かが椅子を引き寄せる音がするだけで話をする人はいませんでした。するとやがてウィーズリーおばさんがシリウスに話しかけたのでした。

おばさんが言うには客間の文机に何かが閉じ込められているんだそうです。しょっちゅうガタガタ揺れているのだそうです。もちろん単なるまね妖怪かもしれない。しかし出してやる前にアラスターつまりマッド・アイに・・・

頼んで見て貰わないといけないと思う。しかしシリウスはどうでもいいという口調で「お好きなように」と答えただけでした。おばさんはさらに話し続けました。その客間のカーテンは噛みつき妖精のドクシーが一杯で・・・

明日にでもみんなで退治したいと思ってるんだけどとおばさんが言うとシリウスは「楽しみだね」と答えました。ハリーはシリウスのその声に皮肉な響きを聞き取りましたが他の人もそう聞えたのかどうかは分りませんでした。

食事が終わると徐々に会話が弾むようになりました。マンダンガスが盗んだヒキガエルを当の盗まれた本人がそっくり高値で買い戻したという話をしているとウィーズリーおばさんはマンダンガスに厳しい声でこう言いました。

「マンダンガス、あなたの商売の話はもうこれ以上聞きたくありません。もう結構」

おばさんは立ち上がってデザートを取りに行く前に何故か嫌な表情を浮かべてシリウスをちらりと睨みつけました。するとシリウスは振り返ったハリーに「モリーはマンダンガスを認めていないんだ」と低い声で言ったのでした。

ハリーもこっそりと「どうしてあの人が騎士団に入ってるの?」と訊きました。シリウスが言うには「あいつは役に立つ」んだそうです。ならず者を全部知っている。何故ならマンダンガスもその内の1人だからというわけです。

マンダンガスはダンブルドアに忠実だ。それは一度危ない所を救われたから。ダングのようなのが1人いるとそれなりに価値がある。それはマンダンガスは自分たちの耳には入って来ないような事を聞き込んで来るから・・・

しかしウィーズリーおばさんはマンダンガスを夕食に招待するのはやり過ぎだと思っているのだそうです。それはハリーを見張るべき時に任務を放棄して消えた事でおばさんはマンダンガスを許していないからなんだそうです。

3-2.おばさんと大激論
デザートを食べ終わってハリーがスプーンを置く頃には会話もだいたい一段落していました。ところがウィーズリーおばさんが欠伸をしながら「もうお休みの時間ね」と言った所でシリウスが「まだだ」と言って来たのでした。

そしてハリーに・・・

「いいか君には驚いたよ。ここに着いた時君は真っ先にヴォルデモートの事を聞くだろうと思っていたんだが」

部屋の雰囲気が瞬時に変わりました。吸魂鬼が現れた時のような急激な変化だとハリーは思いました。それまでは眠たげでくつろいでいたのにシリウスが「ヴォルデモート」の名前を出した途端に警戒し張り詰めていたのでした。

ハリーは憤慨して「訊いたよ!」と言いました。ロンとハーマイオニーに訊いた。でも2人が言ったんだ。僕たちは騎士団に入れて貰えないから。すると今や眠気など一欠けらも残っていないウィーズリーおばさんが・・・

「2人の言う通りよ。あなたたちはまだ若すぎるの」

するとシリウスが「騎士団に入っていなければ質問してはいけないといつからそう決まったんだ?」と反論して来ました。ハリーはあのマグルの家に1ヵ月も閉じ込められていた。ハリーには何が起こったのかを知る権利がある。

さらにシリウスは「何でハリーだけが質問に答えて貰えるんだ?ハリーはまだ成人にもなっていないというのに!」と抗議するジョージに「君たちが教えて貰えなかったのは私の責任じゃない」とそう言うのです。その理由は?

「それは君たちのご両親の決めた事だ。ところがハリーのほうは-」

ハリーが質問する事を「許すか否か?」を決めるのは自分だと主張するシリウスにウィーズリーおばさんが噛み付いて来ました。おばさんはハリーにとって何がいいのかを決めるのは「あなたではない!」と鋭く言ったのでした。

いつもならハリーに対して優しいウィーズリーおばさんの顔が険しくなっていました。おばさんはダンブルドアが言った「ハリーが知る必要がある事以外は話してはならない」という言葉を忘れてはいけないとそう言うのです。

それに対してシリウスは「私はハリーが知る必要がある事以外にこの子に話してやるつもりはない」と言い返しました。ヴォルデモートの復活を目撃した以上ハリーには大方の人間より知る権利があるとシリウスは言うのです。

ハリーは不死鳥の騎士団のメンバーでもないしまだ15才です。だから何もかも教えていいというものではない。そう主張するおばさんにシリウスはハリーは騎士団の大多数に匹敵いや何人かを凌ぐほどの事をやり遂げて来た。

するとおばさんは「誰もこの子がやり遂げた事を否定しやしません!」と反論しました。当のシリウスは否定しましたがおばさんはシリウスが「ハリーと父親のジェームズとの区別がつかなくなっている」とそう言い張るのです。

ハリーにあなたはまだ学生なのだからハリーに責任を持つべき大人がそれを忘れてはいけない。おばさんがハリーにこう言っているとシリウスは声を荒げて「私が無責任な名付け親という意味ですかね?」と問い質したのでした。

あなたは向こう見ずな行動を取る事もある。だからこそダンブルドアはあなたに「家の中にいるように」と何度もおっしゃる。するとシリウスはダンブルドアが私に指図する事は別にしておいて欲しいと大声で言ったのでした。

いくら話し合っても埒が明きそうにないのでおばさんは「何とか言ってくださいな!」と夫のアーサー氏に助け舟を出してくれるようにと頼みました。ところがおばさんにとっては極めて残念な事にアーサー氏だけでなく・・・

ルーピンまでもが「間違った話を他の者から聞くよりある程度の正確な情報はハリーに教えるべき」とシリウスの意見に賛同してしまったため、結局ハリーは現在の不死鳥の騎士団の活動内容の説明を受ける事になったのでした。

3-3.十分話した?
こうしてハリーは「ヴォルデモートは何故人殺しを止めたのか?」を皮切りに現在の魔法省の状況そしてそれを踏まえて今不死鳥の騎士団が「どんな活動をしているのか?」などの説明を居合わせたメンバーから受けたのでした。

ヴォルデモートが人殺しを止めたのは自身の復活が自分の思い通りに行かなかったからなんだそうです。つまりハリーが生き残ってしまった。そしてハリーがそれを一番伝えて欲しくないダンブルドアその人に伝えてしまった。

ヴォルデモート以外に復活を知るのは死喰い人だけのはずだった。ところがハリーは証人として生き残った。さらにハリーが知らせたのでダンブルドアはヴォルデモートが復活した直後に不死鳥の騎士団を再結成する事ができた。

そして騎士団がしている事はヴォルデモートが計画を実行できないよう出来る限りの事をしている。騎士団にとって一番重要な事とは「なるべく多くの魔法使いたちにヴォルデモートは本当に戻って来たんだ」という事を・・・

信じさせ警戒させる事なんだそうです。ところが魔法省の態度がそれを邪魔しているのだそうです。それは何故かと云えば魔法大臣コーネリウス・ファッジがヴォルデモートの復活を真っ向から否定しているからなんだそうです。

ヴォルデモートの復活を直視できないファッジは「ダンブルドアが嘘をついて自分を転覆させようとしている」と考える事にした。何故ならそのほうがずっとヴォルデモートの復活を認めるよりも気が楽だからなのだそうです。

魔法省がヴォルデモートの復活を否定し続ける限り「奴が戻って来た」と説得するのは難しい。そもそもそんな事は誰もが信じたくないのだから。それでも騎士団は何人かの人を説得して信じ込ませる事ができたのだそうです。

ところが話が佳境に入りかけた所でウィーズリーおばさんの邪魔が入ってしまいました。それはヴォルデモートが配下集め以外に極秘に進めている計画をシリウスが話し始めた時でした。扉の脇の暗がりからおばさんが・・・

「あなたはハリーに十分な情報を与えたわ。これ以上何か言うならいっそハリーを騎士団に引き入れたらいいでしょう」

それを聞いてハリーは「入って戦いたい!」と言いました。しかしそれを否定したのはルーピンでした。不死鳥の騎士団は学校を卒業した成人の魔法使いに限られるのでホグワーツ在学中で15才のハリーは駄目なんだそうです。

シリウスは中途半端に肩をすくめましたが言い争いはしませんでした。ハリーも敗北を認めみんなと一緒に厨房を出たのでした。

今日の最後に
先回の記事で触れたようにシリウスはプリベット通り4番地に釘付けになっているハリーがイライラしている事を「理解できる」と手紙に綴っています。つまりこの時のハリーとシリウスは状況と待遇が全く同じというわけです。

グリモールド・プレイス12番地にいるシリウスが苛立ちを募らせていたのは騎士団の会議等を事実上取り仕切って主導権を握っていたのが自分とは意見が全く合わないウィーズリーおばさんとスネイプだったからなんでしょうね。

魔法省に追われて12番地を離れる事ができないその上に要所要所ではウィーズリーおばさんに取り仕切られてしまって自分の意見が全く通らない。そのためにシリウスは日々ストレスと鬱憤が溜まる一方というわけなんですよね。
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