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「ここに戻って来たくなかった。またこの屋敷に閉じ込められるとは思わなかった」騎士団の本部で初めての一夜を過ごしたハリーは屋敷しもべ妖精のクリーチャーと会いました。そのクリーチャーを筆頭にここ12番地はシリウスにとっては忌まわしい記憶ばかりが残る場所だったのです。(全3項目)

3-1.一夜明けて
翌朝ハリーとロンが食事を済ませて客間に行くとウィーズリーおばさんにハーマイオニーにジニーさらにはフレッドとジョージが鼻と口を布で覆うという奇妙な格好で2人を迎えました。前日におばさんが言っていた通り・・・

今日は客間のドクシー退治でした。5人はそれぞれが手に手に黒い液体が入った噴射用ノズル付きの瓶を持っていました。そしておばさんはテーブルの上にある2つの瓶を指差しハリーとロンにも持つようにと言ったのでした。

「ドクシー・キラーよ。こんなにひどく蔓延っているのは初めて見たわ。あの屋敷しもべ妖精はこの10年間一体何をしてた事やら」

ハーマイオニーの顔はキッチンタオルで半分が隠れていました。がしかしウィーズリーおばさんに咎めるような目を向けたのをハリーは間違いなく見ました。そしてその屋敷しもべ妖精の事を庇うこんな発言をしたのでした。

「クリーチャーはとっても歳を取ってるもの。到底手が回らなくって」

するとちょうど部屋に入って来たシリウスがハーマイオニーに「クリーチャーが本気になれば君が驚くほど色々な事に手が回るよ」と言ったのでした。血に染まった袋を抱えていました。死んだネズミが入っているようでした。

ハリーが怪訝そうな顔をしているのでシリウスは「バックビークに餌をやっていたんだ」と説明しました。そしてそこにあった文机を調べ始めました。その時ハリーは初めて机がガタガタ揺れている事に気づいたというわけです。

鍵穴から覗き込みながらシリウスはウィーズリーおばさんに「まね妖怪に間違いないと思う」と言いました。しかし何しろ私の母親の事だからもっと悪質な物かもしれない。だからマッド・アイに覗いて貰った方がいいと思う。

するとおばさんはシリウスに「判ったわ」と返事をしました。2人とも慎重に何気ない丁寧な声で話をしていました。それがむしろ2人とも昨夜の言い争いを忘れてはいない事をはっきり物語っているとハリーは思ったのでした。

3-2.クリーチャーと家系図
ハリーはこの12番地にいる屋敷しもべ妖精のクリーチャーの名前をロンとハーマイオニーにウィーズリーおばさんの口から聞いていました。そしてハリーが実際にその姿を見たのは客間でドクシー退治をしている時だったのです。

ハリーは笑っていいものかすら分りませんでした。フレッドを「血を裏切る者のいやらしいガキ」と呼びハーマイオニーは「穢れた血」と呼び、誰も自分の言う事が聞えないと思っているらしくブツブツ言い続けているのです。

「ところで一体何の用だい?」とジョージが訊くとクリーチャーは「クリーチャーめは掃除をしております」と答えました。するとそこにシリウスが戻って来て戸口から苦々しげに睨みながら「見え透いた事を」と言いました。

シリウスの姿を見るとクリーチャーは身を躍らせバカ丁寧に頭を下げて鼻を床に押し付けました。シリウスがイライラと「ちゃんと立つんだ。さあ一体何が狙いだ?」と言うと、クリーチャーは同じ言葉を繰り返したのでした。

「クリーチャーめは掃除をしております」

そしてクリーチャーは自分は高貴なブラック家にお仕えするために生きておりますと言いました。それに対してシリウスは「そのブラック家は日に日にますますブラックになっている。汚らしい」と言葉を返しました。すると?

クリーチャーはもう一度お辞儀をして低い声で「ご主人様はいつもご冗談がお好きでした。ご主人様は母君の心をめちゃめちゃにしたひどい恩知らずの卑劣漢でした」と言ったのでした。するとシリウスは今度はばしりと・・・

「クリーチャー、私の母に心などなかった。母は怨念だけで生き続けた」

クリーチャーは憤慨するとシリウスを激しく罵り始めました。ご主人様は母君の靴の泥を拭くのにもふさわしくない。ああお可哀想な奥様。クリーチャーがこの方にお仕えしているのを奥様がご覧になったら何と仰せられるか。

どんなにこの人をお嫌いになられていたか。この方がどんなに奥様を失望させたか。言葉の限りを尽くして自分を罵倒して来るクリーチャーに対してシリウスは冷たい口調で「何が狙いだと聞いている」と言い放ったのでした。

掃除をしているふりをして現れる時お前は私たちが捨ててしまわないように必ず何かをくすねて自分の部屋に持って行く。シリウスがこう追及するとクリーチャーは自分はこの屋敷であるべき場所から何かを動かした事はない。

タペストリーが捨てられてしまったら奥様は自分を決してお許しにはならない。七世紀もこの家に伝わる物をクリーチャーは守らなければなりません。ここでクリーチャーがこの客間に入って来た理由と目的が判ったのでした。

反対側の壁に貼られている家系図を守るためだったのです。

3-3.ここに載っている連中は
シリウスは蔑むような目つきで反対側の壁を見ると「そうじゃないかと思っていた」と言ったのでした。あの女は家系図の裏にも「永久粘着呪文」をかけているだろう。しかしもし取り外せるなら必ずそうする。そして・・・

クリーチャーに立ち去る事を命じました。クリーチャーはご主人様直々の命令には到底逆らえないようでした。にも関わらずのろのろと足を引きずるようにしてシリウスのそばを通り過ぎる時ありったけの嫌悪感を込めて・・・

シリウスを見ました。クリーチャーが出て行った後ハーマイオニーが弁護するように「クリーチャーは気が変なのよ。私たちには聞えないと思っているのよ」と言いました。そして願いを込めてシリウスにこう言ったのでした。

「自由にしてあげさえすれば。もしかしたら-」

しかし騎士団の事を知り過ぎている。自由にはできないとシリウスは言うのです。シリウスは壁のほうに歩いて行きました。そこにはクリーチャーが守ろうとしていた家系図が壁一杯に掛けられていました。それを見て・・・

「おじさんが載っていない!」

家系図の一番下をざっと見てハリーがこう言いました。するとシリウスが「かつてはここにあった」と言って小さな丸い焼き焦げを指差しました。16才の時にシリウスが家を出た時にお母さんがここから抹消したのだそうです。

「どこに行ったの?」と訊くハリーにシリウスは「君の父さんの所だ」と答えました。ハリーの祖父母夫妻は本当に良くしてくれたそうです。シリウスの事をまるで2番目の息子同然に扱ってくれたんだそうです。そして・・・

17才になると一人暮らしを始めた。叔父のアルファードがシリウスにかなりの金貨を残してくれたからだそうです。その叔父もおそらくシリウスに遺産を譲った事が原因でこの家系図から消されているんだそうです。そして・・・

「だけど・・・どうして?」
「家出したか?」

何故ならシリウスはこの家の者全員を憎んでいたからです。両親は狂信的な純血主義者でブラック家が事実上王族だと信じていた。弟のレギュラスは両親の言う事を信じていた。だから弟は自分より良い息子だと言われていた。

「でも死んでる」とハリーが言うとシリウスは返す言葉で「バカな奴だ。死喰い人に加わったんだ」と言うのです。それを聞いて「嘘でしょう!」と驚くハリーにシリウスはこれだけこの家を見れば判るだろうと言ったのでした。

シリウスの両親は死喰い人ではなかったんだそうです。しかしヴォルデモートが本性を現すまではその考え方が正しいと思っていたそうです。魔法族の浄化に賛成だった。マグル生まれを排除し純血の者が支配する事を・・・

そして何よりもハリーを驚愕させショックを受けたのがシリウスがルシウス氏を含むマルフォイ家そしてネビルの両親に「磔の呪文」をかけて廃人にしたベラトリックス・レストレンジが親戚だという事でした。ところが・・・

「私の従姉だったらどうだって言うのかね?」

シリウスに言わせればこの家系図に名前が載っている連中は私の家族ではない。この魔女つまりベラトリックス・レストレンジはアズカバンでちらりと見かけただけでハリーの今の年齢の時から一度も会っていないのだそうです。

「ここに戻って来たくなかった。またこの屋敷に閉じ込められるとは思わなかった」

シリウスにとっては屋敷しもべ妖精のクリーチャーを筆頭にここには忌まわしい記憶が残っているだけというわけなんですよね。

今日の最後に
昨日の記事で触れたようにウィーズリーおばさんが夕食の席で「明日みんなで客間のドクシー退治をしようと思っている」と言った際のシリウスの「楽しみだね」というその言葉の裏にハリーは皮肉な響きを感じていましたよね。

すると翌日そのドクシー退治をしている時にフレッドとジョージが開発中の「ずる休みスナックボックス」にドクシーの毒液を実験したいと言っているんですよね。つまりシリウスはこの事を2人から聞いていたんでしょうか?

ウィーズリーおばさんにとっては「百害あって一利なし」のドクシーなんですがフレッドとジョージにとっては「欲しくて堪らない物」というわけです。シリウスはこの事を指して「楽しみだね」という言葉の響きの中に・・・

皮肉を込めたんですかね?
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