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さて!先週はハグリッドを取り上げたという事で今週はそれに関連してこの魔法生物の事を久方ぶりに振り返ってみる事にしました。ハリーは3年生の新学期初日に初めてセストラルが牽く馬車に乗りました。その時は「馬車は透明の馬に引かれている」と思ったのですが・・・(全3項目)

3-1.透明の馬
新学期初日ホグワーツ特急がホグズミード駅に到着すると新入生たちはハグリッドの「イッチ年生はこっちだ!」の声に呼び寄せられてボートに乗り湖を渡って組分けの儀式を受けます。昨年度2年生の時ハリーとロンは・・・

屋敷しもべ妖精のドビーに邪魔をされてホグワーツ特急に乗る事ができなかったのでハグリッドのこの声を聞くのは2年ぶりという事になりました。ハリーたち3人が振り返るとホームの向こう端にハグリッドの姿が見えました。

ハグリッドが群れの頭越しに大声でハリーたちに「3人とも元気か?」と呼びかけました。3人ともハグリッドに手を振ったものの話しかける事はありませんでした。周りの人波が3人をホームから逸れる方向へと押し流しました。

3人はその流れに従いて行き凸凹のぬかるんだ馬車道に出ました。そこにはざっと百台の馬車が生徒を待ち受けていました。馬車は透明の馬に引かれている。ハリーはそう思うしかありませんでした。何しろ不思議な事に・・・

馬車に乗り込んで扉を閉めると独りでに馬車が走り出してガタゴトと揺れながら隊列を組んで進んで行くのです。馬車は微かに黴(かび)と藁(わら)の匂いがしました。馬車は壮大な鉄の門をゆるゆると走り抜けて行きました。

門の両脇に石柱がありそのてっぺんには羽を生やしたイノシシの像が立っていました。城に向かう長い上り坂に差しかかると馬車はさらに速度を上げました。ハーマイオニーは小窓から身を乗り出し城の尖塔や大小の塔が・・・

徐々に近づいて来るのを眺めていました。そして一揺れして馬車は止まりました。そこから石段を上がって正面玄関の巨大な樫の扉を通って広々として明々と松明に照らされた玄関ホールに入り右のほうへ進んで行くと・・・

そこに大広間があるというわけなんですよね。

3-2.戸惑いの連続
ハリーにそれにもちろんロンも翌年度もまた無事ホグワーツ特急に乗る事ができたので昨年度と同様「イッチ年生はこっち!」を聞く事ができたのでした。したがって馬なしの馬車にも2年連続で乗ったというわけなんですよね。

新学期初日にホグズミード駅のホームに立てば「イッチ年生はこっち!」が聞ける。つまりハグリッドに会える。これがハリーの心の拠り所になっていました。そのため5年生の新学期初日にホグズミード駅に降りた時も・・・

ハリーは懐かしい「イッチ年生はこっち」を聞こうとしました。ところがその声が聞こえません。代わりに別の声が呼びかけていました。きびきびした魔女の声でした。それは昨年一時期ハグリッドの代わりに教えていた・・・

グラブリー・プランク先生だったのです。ハリーは思わず「ハグリッドはどこ?」と声に出して言ってしまいました。しかしこの年ハリーが戸惑うのはこれだけではなかったのです。ホグズミード駅の外に押し出されて・・・

そこには2年生以上の生徒を城まで連れて行く馬なしの馬車が百台余り待っているのです。ハリーは馬車をちらりと見てすぐに目を逸らしロンとハーマイオニーを探しにかかりました。ところがその途端にぎょっとしたのです。

馬車はもう馬なしではありませんでした。馬車の轅(ながえ)の間に生き物がいました。名前をつけるなら馬と呼ぶべきなのだろう。しかし何だか爬虫類のようでもありました。全く肉がなく黒い皮が骨にぴったりとついています。

頭はドラゴンのようでした。瞳のない目は白濁していてじっと見つめています。背中の隆起した部分から翼が生えています。巨大な黒い鞣革(なめしがわ)のような翼はむしろ巨大コウモリにふさわしいと思えるような物でした。

暗闇にじっと静かに立ち尽くす姿はこの世の物とは思えず不吉に見えました。馬なしで走れる馬車なのに何故こんな恐ろしげな馬に牽かせなければならないのか?ハリーは理解できませんでした。するとさらに戸惑う事が・・・

ハリーが「こいつら一体何だと思う?」と訊いてもロンは「こいつらって?」と言うのです。さらにハリーが「この馬みたいなものは何だろう?」と訊いてもロンはまたもや「どの馬みたいなもの?」と訊き返してくるのです。

ハリーはイライラして来ました。一番近いのは僅か1メートル先にいるのに。虚ろな白濁した目でこっちを見ているのに。しかしロンはわけが分らないという目つきでハリーを見て「何の事を話してるんだ?」と言うのです。

つまりロンには見えていないのです。ハリーには見えていてもロンには見えないのです。ハリーは全くわけが分りませんでした。馬は目の前にいる。背後の駅の窓から流れ出るぼんやりとした明かりにてらてらと光って・・・

冷たい夜気の中で鼻息が白く立ち昇っている。それなのにロンには見えない。ロンは心配そうにハリーを見て戸惑いながら「それじゃ乗ろうか?」と言ったのでした。ところがロンが馬車に乗って姿が見えなくなった所で・・・

「大丈夫だよ」

こう言って来たのが・・・

3-3.私にも見える
あんたがおかしくなったわけでも何でもないよ。あたしにも見える。ハリーの脇で夢見るような声がしたかと思うとこう言って来たのはハリーが今日知り合ったばかりでジニーとは同学年というルーナ・ラブグッドだったのです。

ハリーはルーナを振り返り藁(わら)にもすがる思いで「君に見える?」と訊きました。するとルーナの見開いた銀色の目にコウモリ翼のこの馬が映っているのが見えました。ルーナは「うん見える」と言いました。さらに・・・

「あたしなんかここに来た最初の日から見えてたよ。こいつたちいつも馬車を牽いてたんだ。心配ないよ。あんたはあたしと同じくらい正気だもン」

ルーナはこう言うと少し微笑みながらロンの後からその馬車に乗り込みました。言った人物が人物なだけにむしろなおさら自信が持てなくなったような気持ちになってハリーもルーナに続いてその馬車に乗り込んで行きました。

ルーナと自分が同じ幻覚を見た?幻覚だったかもしれない。そんな事をハリーは他の誰にも言いたくはありませんでした。馬車に乗り込んで扉をピシャリと閉めた後はハリーは馬の事にはそれ以上は一言も触れはしませんでした。

にも関わらず窓の外を動いているその馬のシルエットをハリーはどうしても見てしまうのでした。いつものように正面玄関の樫の扉に続く石段の近くで馬車はシャンシャンと止まりました。一番最初に降りたのはハリーでした。

もう一度振り返り「禁じられた森」のそばの窓明かりを探しました。しかしどう見てもハグリッドの小屋には人の気配はありませんでした。内心は「姿が見えなければいい」と願ったので気が進みませんでした。がしかし・・・

ハリーは骸骨のような不気味な生き物に目を向けました。冷え冷えとした夜気の中に白一色の目を光らせてその生き物は静かに立っていました。以前に一度だけロンには見えない物がハリーだけに見えたという事がありました。

しかしあれは鏡に映る姿で今回ほど実体のある物ではありませんでした。今度は馬車の隊列を牽くだけの力がある百頭余りの形がちゃんとある生き物なのです。もしルーナを信用するならこの生き物はずっと存在していたのです。

見えなかっただけだ。それなら何故ハリーには急に見えるようになったのか?ロンには見えないのだろう?ハリーがそう考えているとロンが「来るのか来ないのか?」と言うのでハリーは石段を上って城内へと急いでいる・・・

群れに加わりました。こうしてハリーはハグリッドの不在と共に新たな不安材料を抱える事になったというわけです。

今日の最後に
当サイトでは折ある毎に「ハリーは極めて優秀な開心術士である」との指摘をしています。3年生の新学期初日に初めてセストラルが牽いている馬車を見てハリーは「透明な馬が馬車を牽いている?」と思っているんですよね。

つまりハリーは開心術に長けているので実を云うと無意識の内にセストラルつまり何らかの馬に似た生き物が馬車を牽いている事に気づいた。だから「透明な馬が牽いている」と思ったんじゃないかな?と私はそう思いますね。

ただ単に「馬車に魔法がかけられている」とそう考えても不思議ではないと私は思うからです。
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