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ハグリッドが飼ったノルウェー・リッチバック種のノーバートのお陰でドラゴンという生き物の恐ろしさを思い知らされたハリーは今度は正面からそのドラゴンに立ち向かわなくてはならなくなってしまいました。それはハリーが三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれてしまって最初の課題で・・・(全3項目)

3-1.ハンガリー・ホーンテール、その1
まだ14才で「17才」の年齢資格を満たしていない上に炎のゴブレットに名前を入れていないのに、三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれてしまいハリーはかつて過去に類を見ない程の最悪の状況に追い込まれてしまいました。

ハリーは四面楚歌状態になりロンもハリーの元を離れて行ってしまいました。これ以上自分が置かれた状況が悪くなる事があるのだろうか?ところがそれがあったのです。それはハグリッドに誘われ深夜に小屋を訪ねた時でした。

「ハリー、お前さんか?」

ハリーが小屋の戸をノックすると扉を開けてキョロキョロしながらハグリッドが声を潜めてこう言いました。ハリーは小屋の中に滑り込んで「透明マント」を引っ張って頭から脱ぐとハグリッドに「何なの?」と尋ねました。

ハグリッドは何だかひどく興奮していました。そしてハリーに「ちょっくら見せる物があってな」と言いました。ハリーが「何を見せたいの?」と訊くとハグリッドは黙ってそのマントを被ったままで一緒に来いと言うのです。

ボーバトンの校長マダム・マクシームも一緒でした。3人は「禁じられた森」の周囲を随分歩いたので城も湖も見えなくなっていました。ハリーは何かの物音を聞きました。前方で男たちが怒鳴っています。耳を劈く大咆哮。

「ドラゴンだ」

3-2.ハンガリー・ホーンテール、その2
ハリーの口があんぐりと開きました。見るからに獰猛な四頭の巨大な成獣が分厚い板で柵を巡らせた囲い地の中に後ろ脚で立ち上がり吼え哮り鼻息を荒げていたのです。地上15から16メードルはあろうかという首の先で・・・

カッと開いた口は牙を剥き暗い夜空に向かって火柱を吹き上げています。長い鋭い角を持つシルバーブルーのドラゴンは地上の魔法使いたちに向かって唸り牙を鳴らして噛みつこうとしていました。すべすべした鱗を持つ・・・

緑のドラゴンは全身をくねらせ力の限りに脚を踏み鳴らしています。赤いドラゴンは顔の周りに奇妙な金色の細い棘の縁取りがありキノコ形の火炎を吐いていました。ハリーたちに一番近い所にいた巨大な黒いドラゴンは・・・

他の三頭と比べるとトカゲに似ています。一頭のドラゴンに7人か8人の全部で少なくとも30人程の魔法使いがドラゴンの首や脚に回した太い革バンドにつけた鎖を引いてドラゴンを抑えようとしています。怖い物見たさに・・・

ハリーはずーっと上を見上げました。黒ドラゴンの目が見えました。猫のように縦に瞳孔の開いたその目が怒りからか恐れからかはハリーにはそのどちらとも分りませんでしたが飛び出しています。そしてそのドラゴンは・・・

恐ろしい音を立てて暴れ悲しげに吼えギャーッギャーッと甲高い猛った声を上げていました。柵のそばにいた魔法使いが握った鎖を引き締めながら「離れてハグリッド!」と叫びました。その魔法使いが言う所によれば・・・

「ドラゴンの吐く炎は6~7メートルにもなるんだから!このホーンテールなんかその倍も吹いたのを僕は見たんだ!」

その魔法使いが言っている事を聞こえているのか?いないのか?ハグリッドはドラゴンを見ていとおしそうに「きれいだよなあ?」と言っていました。別の魔法使いが「これじゃ駄目だ!」と叫び目の前にいるドラゴンに・・・

全員が一斉に「失神の呪文」を唱えました。そのハリーたちの一番近くにいたドラゴンは後脚で立ったまま危なかしげによろけ顎は開けたまま吼え声が急に消え鼻の穴からは突然炎が消えたのでした。それからゆっくりと・・・

ドラゴンは倒れました。筋骨隆々の鱗に覆われた黒ドラゴンの数トンはあろうかという胴体が地面を打つとその衝撃でハリーの後ろの木立が激しく揺れ動いたのでした。興奮した様子のハグリッドはマダム・マクシームに・・・

「近くで見たいかね?」と訊きました。2人は柵のすぐそばまで移動しハリーも従いて行きました。ハグリッドに「離れて!」と警告した魔法使いがやって来ました。そこでハリーはその人が誰なのかに初めて気づいたのでした。

この夏クィディッチ・ワールドカップ観戦のために久しぶりに「隠れ穴」に帰って来てハリーが初対面を果たしたばかりのチャーリー・ウィーズリーその人だったのです。マダム・マクシームを連れて来るなんて知らなかったぜ。

代表選手は課題を知らない事になってる。あの人はきっと自分の生徒にしゃべるだろうと言うチャーリーにハグリッドは肩をすくめて「あの人が見たいだろうって思っただけだ」と答えたのでした。ドラゴンが四頭という事は?

1人の代表選手に一頭という事か。何をするんだ。戦うのか?と訊くハグリッドにチャーリーは多分上手く出し抜くだけだと答えたのでした。ひどい事になりかけたら俺たちが控えていて「消火呪文」をかける事になっている。

営巣中の母親ドラゴンが欲しいという注文だったんだそうです。でもこれだけは言えるな。ハンガリー・ホーンテールに当たった選手はお気の毒様なのだそうです。狂暴な上に尻尾のほうも正面と同じくらい危険との事でした。

卵を見て欲しくて堪らなそうな呻き声を出すハグリッドにチャーリーは「ちゃんと数えたからね」と厳しく言いました。そして実は目の前にいるとは知らず「ハリーは元気?」と訊いて来ました。その問いにハグリッドは・・・

「こいつらに立ち向かった後でもまだ元気だといいんだが」

チャーリーもまたハリーが「第1の課題」で何をしなければならないのかを到底母親のウィーズリーおばさんには話せないと言うのです。何しろおばさんはハリーの事が心配で心配で堪らなくって今でも大変なのだそうです。

これから起こる事を見てしまったのが喜ぶべき事なのか?ハリーには分りませんでした。多分このほうが良かったのだ。最初のショックは過ぎた。課題当日に初めてドラゴンを見たら全校生の前で気絶してしまったかもしれない。

でも一体どうやって?

ドラゴンを出し抜かなくてはならない。

みんなの見ている前で・・・

3-3.ハンガリー・ホーンテール、その3
その日の夜ハリーは超ハードスケジュールでした。夜中の1時に談話室の暖炉でシリウスと会う事になっていたからです。しかしドラゴンの話を始めた所でロンが邪魔に入ってしまいその問題を解決する事はできませんでした。

日曜日の朝ハリーは起きて服を着始めたものの全くの上の空で足に靴下を履かせる代わりに帽子を被せようとしている事に気づくまで暫くかかる程でした。ようやく体のそれぞれの部分に当て嵌まる服を身に着け終わると・・・

ハリーは急いで生徒の中では唯一の理解者ハーマイオニーを探しに寝室を出ました。ハーマイオニーは大広間でジニーと一緒に朝食を取っていました。ハリーは食べる気になどなれずハーマイオニーが食べ終わるのを待ちました。

暖炉で話した時シリウスが「カルカロフを警戒せよ」と言った事はハーマイオニーを驚かせました。がしかしやはりドラゴンのほうが「より緊急の問題だ」という事でドラゴンを抑えつける簡単な呪文は何だろう?と考えました。

2人は湖の周りを3周もしましたが全く何も思いつきませんでした。そこで2人は図書室に移動しました。そこでドラゴンに関するありとあらゆる本を引っ張り出して山と積まれた蔵書に取り組みました。がやはり見つかりません。

ハリーはその日の夜ほとんど眠れませんでした。月曜日の朝ハリーは初めてホグワーツから逃げ出す事を真剣に考えました。しかしハリーが今まで幸せと感じたのはここしかない!ここにいてドラゴンと立ち向かうほうが・・・

それがはっきりしただけでハリーは少し落ち着きました。無理やりベーコンを飲み込みハリーとハーマイオニーが立ち上がると正規の枠で代表選手に選ばれたハッフルパフ生のセドリック・ディゴリーもまた席を立つ所でした。

セドリックはまだドラゴンの事を知らない。おそらく現時点でドラゴンの事を知らない代表選手はセドリックだけだろう。そう考えた時ハリーの気持ちは決まりました。何とか策を講じセドリックを1人にするとハリーは・・・

「セドリック、第1の課題はドラゴンだ」

フリットウィック先生が見に来たら困るという事でハリーは早口で言いました。四頭だから1人に一頭だ。僕たちドラゴンを出し抜かないといけないと言われセドリックの目にハリーが土曜日の夜から抱いていた恐怖感が・・・

その目にチラついているのをハリーは見ました。セドリックは声を潜めて「確かかい?」と訊いて来ました。ハリーが「絶対だ。僕見たんだ」と答えるとセドリックは僕たち知らない事になっているのにと戸惑いを見せました。

他の代表選手は既にもう知っているはずだ。ハリーがそう言うとセドリックは当惑したようなほとんど疑っているような目でハリーを見て「どうして僕に教えてくれるんだい?」と訊くのです。そこでハリーはこう言いました。

「だってそれがフェアじゃないか?もう僕たち全員が知っている。これで足並みが揃ったんじゃない?」

ハリーは信じられない気持ちでした。セドリックだって自分の目であのドラゴンを見ていたら絶対に「どうして教えてくれるの?」なんて言わないだろう。しかしそれでもまだセドリックは疑わしげにハリーを見つめていました。

するとそこに・・・

「ポッター、一緒に来い」

「ディゴリー、もう行け」

そう言って来たのは今年度「闇の魔術に対する防衛術」の教師に1年限りという約束で着任したマッド・アイ・ムーディでした。

今日の最後に
今改めて考えてみるとノーバートは確かにハグリッドの言う通り生まれたばかりの赤ん坊でノーバートを入れた木箱はハリーの「透明マント」で隠せるぐらいですからまだとっても小さかったんですよね。ところがそれが・・・

そのノーバートが尻尾を振るとハグリッドの小屋の窓がガタガタと揺れたのです。赤ん坊のドラゴンでもあれだけ怖いのに三大魔法学校対抗試合の「第1の課題」でハリーが立ち向かったのは営巣中の母親ドラゴンだったのです。

そりゃ逃げ出したくもなりますよね。(苦笑)
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