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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

この夏イギリスに於いて30年ぶりにクィディッチ・ワールドカップなるものが開催される事になりハリーも決勝戦を観戦するために2年ぶりに「隠れ穴」に行く事になりました。そこでウィーズリーおじさんにフレッドとジョージそれにロンの4人がハリーを迎えにプリベット通り4番地にやって来たのですが・・・(全3項目)

3-1.初めてプリベット通り4番地に、その1
その日プリベット通り4番地には極度に緊張した空気がみなぎっていました。魔法使いの一行つまりウィーズリー家の人たちがこの家にやって来るという事でダーズリー一家はガチガチに緊張しなおかつイライラもしていました。

そもそもの事の始まりはこの夏イギリスに於いて30年ぶりにクィディッチ・ワールドカップが開催される事になりました。アーサー氏が魔法省内にいる知り合いを通じとってもいい席のチケットを入手する事ができたので・・・

ハリーも決勝戦を観戦するため2年ぶりに「隠れ穴」に招待される事になったのです。ウィーズリー一家一行が日曜の午後5時にやって来るとハリーが告げた時バーノン叔父さんは間違いなく度肝を抜かれました。そして・・・

「きちんとした身なりで来るように言ってやったろうな。連中に」

バーノン叔父さんは即座に歯を剥き出してこう怒鳴りました。叔父さんはハリーの仲間つまり魔法使いの服装を見た事があるんだそうです。まともな服を着て来るぐらいの礼儀は持ち合わせたほうがいいと叔父さんは言うのです。

そう言われてハリーはチラリと不吉な予感がしました。子供たちなら休み中にマグルの服を着ていました。しかしバーノン叔父さんが「まとも」と呼ぶような格好をウィーズリー夫妻がしているのを見た事など一度もありません。

夫妻はよれよれの度合いこそ違えハリーが見た時にはいつも長いローブを着ていました。隣近所が何と言おうとハリーは気になりませんでした。ただもしウィーズリー一家の面々がダーズリー一家が持っている魔法使いの・・・

最悪のイメージそのものの姿で現れたらダーズリー一家がウィーズリー家の人たちに対し「失礼な態度を取るのでは?」と思うとそれが心配でした。こうしてウィーズリー一家がやって来る日曜日をついに迎えたのですが・・・

バーノン叔父さんは一張羅の背広を着ていました。他人が見たら「歓迎の気持ちの表れなのでは?」と思うかもしれません。しかしハリーには判っていました。叔父さんは威風堂々さらに威嚇的に見えるようにしたかったのです。

一方ダドリーは何故か縮んだように見えました。ついにこの夏していたダイエット効果が現れたというわけではなく恐怖のせいでした。昼食の間はほとんど沈黙が続きました。ペチュニア叔母さんに至っては何にも食べません。

こうして問題の午後5時を迎えたのですが・・・

3-2.初めてプリベット通り4番地に、その2
バーノン叔父さんが気にしたのはウィーズリー一家一行の服装だけではありませんでした。昼食の時叔父さんはテーブル越しにハリーに向かって「当然車で来るんだろうな?」と吠え立てました。そう言われてハリーは・・・

「そうだと思うけど」

こう答えたもののハリーは「ウィーズリー一家は一体どうやって自分を迎えに来るのだろう?」と思いました。もう車は持っていません。昔持っていた中古のフォード・アングリアは学校の「禁じられた森」で野生化しています。

でも去年ウィーズリーおじさんは魔法省から車を借りているので今日もまた借りるのかな?そう思っていたらウィーズリーおじさんはハリーも全く予想だにしていなかった意外な方法を使ってハリーを迎えに4番地に来たのです。

それは約束の時間を30分も過ぎた5時半の事でした。ハリーが玄関でウィーズリー一家を待っていると居間からダーズリー一家がパニックして部屋の隅に逃げ込む音が聞こえて来ました。次の瞬間にはダドリーが出て来ました。

ハリーが「どうした?何が起こったんだ?」と訊いてもダドリーは口もきけない様子です。ドタドタとそれなりに急いでキッチンに駆け込んで行きました。何が起こったのかを確かめるためにハリーが居間に入って行くと・・・

「あれは何なの?」

ペチュニア叔母さんが後退りして壁に張りつき恐る恐る暖炉を見つめて喘ぎながらこう言いました。板を打ちつけて塞いだ暖炉の中からバンバン叩いたりガリガリ擦ったりさらには塞いだ暖炉の中から声が聞こえて来たのです。

「イタッ!駄目だフレッド。戻って戻って。何か手違いがあった。ジョージに駄目だって言いなさい。痛い!ジョージ駄目だ。場所がない。早く戻ってロンに言いなさい」

ウィーズリー一家は煙突飛行粉でプリベット通り4番地にやって来たのです。ハリーは笑いそうになるのをグッと堪えました。ハリーは暖炉に近づき打ちつけた板越しに「ウィーズリーおじさん聞えますか?」と声をかけました。

バンバン叩く音が止んで煙突の中の誰かが「シーッ!」と言いました。ハリーが「この暖炉は塞がれているんです。ここからは出られません」と言うとおじさんが「馬鹿な!暖炉を塞ぐとは全くどういうつもりだ!」と言いました。

ハリーが「電気の暖炉なんです」と言うとウィーズリーおじさんは声を弾ませ「プラグを使う奴?ぜひ見ないと」と言いました。そしておじさんは「どうしたらいいのか?」これしかないと考えが浮かんだようでハリーに・・・

「下がっていなさい」と言ったのでした。そこでハリーは後ろに下がりました。ところがバーノン叔父さんは逆に前に出たのです。そして暖炉に向かって「ちょっと待った。一体全体何をやらかそうと」と言ったその瞬間でした。

「バーン!」という音と共に暖炉の板張りが破裂して電気ストーブが部屋を横切って吹き飛びました。瓦礫や木っ端と一緒くたになってアーサー氏にフレッドとジョージそして最後にはロンが暖炉から吐き出されて来たのでした。

「これでよし。と」

息を切らしアーサー氏はこう言うと長い緑のローブの埃を払って曲がったメガネを直しました。そして「ハリーの叔父さんと叔母さんでしょうな!」と言いながら握手をしようと手を差し出してバーノン叔父さんに近づきました。

バーノン叔父さんはペチュニア叔母さんを引きずって後退りしました。返事をする余裕など全くありません。一張羅の背広は埃で真っ白で髪も口髭も埃まみれでバーノン叔父さんは急に30才も老けて見える有り様だったのです。

手を下ろし吹き飛んだ暖炉を振り返りながらアーサー氏は「あぁ-いや-申し訳ない」と謝りました。全て自分のせいです。まさか到着地点で出られなくなるとは思いませんでしたよ。アーサー氏は事の経緯を説明したのでした。

何でもプリベット通り4番地の暖炉を今日の午後に限って「煙突飛行ネットワーク」に組み込んだんだそうです。厳密に云うとマグルの暖炉は結んではいけないそうです。しかしアーサー氏は「煙突飛行規制委員会」に・・・

ちょっとしたコネがあるのでその人に細工して貰ったとの事でした。アーサー氏はダーズリー夫妻に言いました。あっという間に元通りにできますのでご心配なく。子供たちを送り返す火を熾してこの暖炉を直した後は・・・

その後はアーサー氏が「姿くらまし」をすれば万事解決というわけです。賭けてもいい。ダーズリー夫妻には一言も分らなかったに違いないとハリーは思いました。そしてさらなる悲劇がダーズリー一家に襲いかかったのでした。

ハリーと私たち読者にとっては最上級のコメディーでした。キッチンから居間に戻って来たダドリーがフレッドとジョージの「ベロベロ飴」の餌食になったのです。ペチュニア叔母さんが伸びたダドリーの舌を引っ張るわ・・・

バーノン叔父さんが大声で喚くわ両腕を振り回すわでアーサー氏は何を言うにも大声を張り上げなければなりませんでした。アーサー氏は「ご心配なく。私がちゃんとしますから!」と叫び杖を掲げて歩み寄ったのですが・・・

「全く!私は助けようとしているのに!」

アーサー氏がいくらどれだけ説明をしてもダーズリー一家はそれで納得する所か前にも増してパニック状態に陥って行きました。アーサー氏はハリーに「行きなさい!いいから早く!私が何とかするから!」と叫んだのでした。

こんな面白い見せ物を見逃したくはありませんでした。がしかしハリーはバーノン叔父さんの投げた2つ目の置物が耳元を掠めましたし結局はウィーズリーおじさんに任せるのが一番いいと思ったので火に足を踏み入れ・・・

後ろの様子を伺いつつ「隠れ穴!」と叫んだというわけなんですよね。

3-3.改めてこの場面のアーサー・ウィーズリー氏について
ウィーズリーおじさんにしてみればこれはもう痛恨の極みという感じですよね。無類のマグル好きのおじさんは当然「この機会に是非ダーズリー一家の皆さんとお友達関係になりたい!」と意気込んでいたと私はそう思いますね。

暖炉から出て来た時にもウィーズリーおじさんは握手する気満々で手を差し出していました。が残念ながらそれには応じてもらえませんでした。その後も何とか会話を成り立たせようとあの手この手でおじさんの奮闘が続きます。

おじさんは「やあハリー!トランクは準備できているかね?」と朗らかに言うと何とも気まずい沈黙を破る言葉を探して「さーて」と言い腕を少しブラブラさせながらこう言いました。精一杯のお世辞のつもりだったんでしょう。

「なかなか-エヘン-なかなかいいお住まいですな」

しかし普段ならシミ1つない居間が埃とレンガの欠けらで埋まっている状態とあってはダーズリー夫妻はおじさんのこの言葉をすんなり納得して受け入れる事など到底できません。バーノン叔父さんの顔には再び血が上り・・・

ペチュニア叔母さんは口の中で舌をゴニョゴニョとやり始めました。それでも怖くて何も言えないようでした。そして次におじさんはあたりを見回しました。とにかくマグルに関する物なら何でも大好きなのです。そこで・・・

おじさんが目をつけたのはテレビとビデオのようでした。そばに行って調べてみたくてうずうずしているのがハリーには判りました。この後プラグと電池をコレクションしていると自身の趣味を披露するおじさんを見て・・・

バーノン叔父さんもまたおじさんを奇人だと思ったようです。ペチュニア叔母さんを隠すようにして右のほうにそろりと体を動かしました。まるでおじさんが今にも自分たちに飛びかかって攻撃して来ると思ったかのようでした。

するとそこに突然ダドリーが戻って来ました。ダドリーはおじさんを恐々見つめながら壁伝いにそろそろと歩き父親と母親の陰に隠れようとしました。しかしもはや父親より巨大になっていたので無理な話だったというわけです。

「ああこの子が君の従兄か。そうだねハリー?」

おじさんは何とかダーズリー一家との会話を成り立たせようと勇敢にもこう突っ込みを入れました。訊かれたハリーは「そう。ダドリーです」と言って自分の従兄を紹介しました。そこでおじさんはダドリーに向かって・・・

「ダドリー夏休みは楽しいかね?」

ダドリーは以前に魔法使いに会った時お尻に尻尾を生やされるという仕打ちを受けました。そのためこの時も尻をしっかりと押さえたままだったのです。ところがおじさんはダドリーのこの奇怪な行動を心から心配したようです。

そのためこう言った時おじさんの口調にその気持ちが表れていました。ダーズリー夫妻がおじさんを変だと思ったようにおじさんもダドリーを変だと思ったのです。ただおじさんの場合は恐怖心などというものではなく・・・

ダドリーの事を「気の毒だ」と思う気持ちからだという所が根本的に違っていたのです。だから口調が優しかったのです。しかしダドリーは尻に当てた手にさらに力を込めて「ヒッ」という低い悲鳴を上げるだけだったのです。

こうして残念ながらウィーズリーおじさんとダーズリー一家の会話は成り立たないまま別れの時を迎えてしまったというわけです。

今日の最後に
暖炉の火の中に入る直前ハリーが「それじゃさらなら」と言ったのにダーズリー一家は挨拶を返しませんでした。それを見たウィーズリーおじさんがハリーが「さよなら」と言ったのが聞えなかったんですかと抗議をしました。

おじさんはさらに来年の夏までハリーに会えないんですよと軽い怒りを込めて言ってもいます。つまりウィーズリーおじさんは残念ながらダーズリー一家がどれだけハリーの事を嫌っているのかという事を知らなかったようです。

最後の最後までウィーズリーおじさんとダーズリー一家の気持ちはすれ違ったままだったというわけなんですよね。

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