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父親のアーサー氏が抜き打ち調査で家にいないので夜中に車を飛ばしてハリーを連れ出す。そしてお袋が「朝食ですよ」と呼ぶのを待つ。ハリーを見ればお袋は大喜びだから俺たちが車を飛ばしたなんて誰も気づきやしない。それがロンにフレッドとジョージの目算でした。ところが残念ながら・・・(全3項目)

3-1.初めて「隠れ穴」に
ロンが自分の寝室にハリーを案内しようと説明を始めた時でした。ロンが青ざめました。目が一ヵ所に釘付けになっています。後の3人が振り返ると庭の向こうからウィーズリーおばさんが猛然と突き進んで来るのが見えました。

フレッドが「アチャ!」と言ってそれにジョージが「こりゃ駄目だ」と応えました。ウィーズリーおばさんは4人の前でぴたりと止まりました。両手を腰に当てて3人を睨みつけると凄みを効かせて「それで?」と言いました。

ジョージが自分では朗らかに愛想のいいつもりで「おはよう。ママ」と挨拶をしました。しかしおばさんは「母さんがどんなに心配したかあなたたち判ってるの?」と言いました。そしてついにおばさんの怒りが爆発しました。

「ベッドは空っぽ!メモも置いてない!車は消えてる。事故でも起こしたかもしれない。心配で心配で気が狂いそうだった。判ってるの?こんな事は初めてだった。お父さまがお帰りになったら覚悟なさい」

最後におばさんは「ビルやチャーリーやパーシーはこんな苦労はかけなかった」と怒鳴って言葉を締め括りました。フレッドが「完璧・パーフェクト・パーシー」と呟くとおばさんはフレッドの胸に指を突きつけこう怒鳴りました。

「パーシーの爪のあかでも煎じて飲みなさい!」

さらにおばさんは「あなたたち死んだかもしれないのよ。姿を見られたかもしれないのよ。お父さまが仕事を失う事になったかもしれないのよ」と言いました。この調子がまるで何時間も続いたかのようでした。ところが・・・

「まあハリー。よく来てくださったわねえ。家へ入って朝食をどうぞ」

自分のほうに向き直られハリーは思わずたじたじと後退りしました。しかしウィーズリーおばさんは態度を一変させこう言いました。ハリーは「どうしたものか?」と思いましたがロンが「大丈夫」と言いたげに頷くので・・・

くるりと向きを変えて家のほうに歩き出したウィーズリーおばさんに従いて行ったというわけなんですよね。

3-2.朝食を終えて
台所は小さくかなり狭苦しくてしっかり洗い込まれた木のテーブルと椅子が真ん中に置かれていました。ハリーは椅子の端っこに腰掛けて周囲を見回しました。ハリーの反対側の壁に掛かっている時計には針が1本だけで・・・

数字が1つもなく「お茶を入れる時間」「鶏に餌をやる時間」「遅刻よ」等の項目があり、暖炉の上には「自家製魔法スープの作り方」「お菓子を作る楽しい呪文」「1分間でご馳走を。まさに魔法だ!」という本がありました。

流しの脇に置かれた古ぼけたラジオからは放送が聞こえていました。番組名は「魔女の時間」で人気歌手のセレスティナ・ワーベックがゲストのようでした。台所に入ってからも息子たちに対する怒りは収まらないようで・・・

ウィーズリーおばさんは朝食を作りながら時々低い声で「お前たちと来たら一体何を考えてるやら」とか「こんなこと絶対思ってもみなかったわ」などとぶつぶつ呟きながら息子たちに怒りの眼差しを投げつけていたのでした。

その一方でおばさんは「あなたの事は責めていませんよ」と言いながらフライパンを傾けハリーのお皿には9本ものソーセージを滑り込ませながら念を押しました。何でもアーサー氏とハリーの事を心配していたんだそうです。

昨夜も金曜日までにハリーからロンへの返事の手紙が来なかったら自分たちがハリーを迎えに行こうと話をしていたのだそうです。しかしハリーのお皿に3個もの目玉焼きを入れつつウィーズリーおばさんはこう言ったのでした。

「不正使用の車で国中の空の半分も飛んで来るなんて。誰かに見られてもおかしくないでしょう」

確かにウィーズリー夫妻ならロンにフレッドとジョージとは違い魔法を使う事ができるのでもっとすんなりとハリーを助け出せたでしょうね。しかしハリーのあの惨状を考えると一日も早い救助のほうが有り難いというものです。

おばさんが当たり前のように流しに向かって杖を振ると中で勝手に皿洗いが始まりました。おばさんは相変わらず怒っていて息子たちが話しかけても「食べている時はおしゃべりしないこと!」などと一喝したりしていました。

しかしハリーのためにパンを切ってバターを塗り始めると一転して和らいだ表情になりました。その時ハリーたちの気を逸らす事が起きました。ネグリジェ姿の小さな赤毛の女の子が現れたと思ったら「キャッ」と言って・・・

ロンが小声でハリーに「ジニー」と囁きました。走り去って行ったのは妹で夏休みの間はずっとハリーの事ばっかり話していたんだそうです。フレッドがニヤッと笑って「あぁハリー。君のサインを欲しがるぜ」と言いました。

ハリーを助けに行くために徹夜だったし満腹になれば眠くなるのは当然というわけです。しかしウィーズリーおばさんはそんな3人を庭小人駆除に追い立てました。また手に負えないほど増えているのだそうです。そこで・・・

「僕ロンの手伝いをします。庭小人駆除って見た事がありませんし」

あのしょうもない車を飛ばせてくれってハリーが頼んだわけじゃない。あなたは上に行って休みなさいと言うウィーズリーおばさんにハリーはこう言いました。それというのもハリーのほうはバッチリと目が覚めていたからです。

おばさんは「まあ優しい子ね。でもつまらない仕事なのよ」と言うと暖炉の上から「ギルデロイ・ロックハートのガイドブック-一般家庭の害虫」という本を取り出しました。フレッドが言うにはおばさんは彼にお熱だそうです。

いいでしょう。ロックハートよりよく知っていると言うのならお手並みを見せていただきましょう。ウィーズリーおばさんにそう言われてロンにフレッドにジョージの3人は欠伸をしたり文句をぶつくさ言いながら庭に出ました。

そしてハリーも従いて行ったのでした。

3-3.アーサー・ウィーズリー氏
「隠れ穴」の庭は広くてハリーは「これこそ庭だ」と思いました。雑草が生い茂り芝生は伸び放題なのでハリーは「ダーズリー一家は気に入らないだろう」とも思いました。壁の周りは曲がりくねった木でぐるりと囲まれ・・・

花壇という花壇にはハリーが見た事もないような植物が溢れるばかりに茂っていました。大きな緑色の池はカエルで一杯でした。お父さんは面白い奴らだと思っていて庭小人に甘いんだそうです。そんな話をしている時に・・・

「噂をすれば。だ!親父が帰って来た!」

4人は大急ぎで庭を横切り家に駆け戻りました。アーサー氏は台所の椅子に倒れ込みメガネを外し目を閉じていました。細身で禿げていましたが僅かに残った髪は子供たちと全く同じ赤毛でした。子供たちが周りに座ると・・・

「ひどい夜だったよ」

9件も抜き打ち調査をしたのだそうです。マンダンガス・フレッチャーはアーサー氏がちょっと後ろを向いた隙に呪いをかけようとしたそうです。フレッドが急き込んで「何か面白い物見つけた?」とアーサー氏に訊きました。

アーサー氏が押収したのは縮む鍵が数個と噛みつくヤカンが1個だけとの事でした。かなり凄いのも1つあったがアーサー氏の局の管轄外だったそうです。アーサー氏が縮む鍵の事を説明しているとウィーズリーおばさんが・・・

「例えば車なんか?」

こう言われてそれまで眠そうだったアーサー氏の目がバッチリと開きました。そして奥さんをバツの悪そうな目で見ると「モリー母さんや。く、車とは?」と訊きました。おばさんは「ええアーサー。その車です」と答えました。

おばさんは目をランランと輝かせて「ある魔法使いが錆びついたおんぼろ車を買って奥さんには仕組みを調べるので分解するとか何とか言って実は呪文をかけて車が飛べるようにしたというお話がありますわ」と言ったのでした。

するとアーサー氏が言うには「それをやった人は法律の許す範囲でやっている」との事でした。法律というのは抜け穴があり「たとえ飛ぶ能力を持っていても飛ばすつもりがなければ」それは法律違反にはならないんだそうです。

しかしウィーズリーおばさんに言わせれば「あなたが納屋一杯のマグルのガラクタに悪戯したいからそうしたんでしょう」という事でした。そしておばさんはその飛ばすつもりのない車で今朝ハリーが到着したと告げたのでした。

「ハリー?どのハリーだね?」

アーサー氏はボカンとしてこう言いました。そしてぐるりと見渡してハリーを見つけると飛び上がって「何とまあハリー・ポッター君かい?よく来てくれた。ロンがいつも君の事を」とまで言った所でおばさんが口を挟みました。

「あなたの息子たちが昨夜ハリーの家まで車を飛ばしてまた戻って来たんです!」

何か言いたい事はないのかと自分の妻に怒鳴られながらアーサー氏はうずうずして「やったのか?上手く行ったのか?つまりだ」と子供たちに訊きました。しかしおばさんの目から火花が飛び散るのを見るとアーサー氏は・・・

一転して「そりゃ絶対いかん」と言い出しました。おばさんの体が怒りで膨れ上がるのを見てロンは「2人にやらせとけばいい」と言ってハリーを自分の部屋に案内したのでした。ロンの部屋はベッドカバーも壁も天井も・・・

燃えるようなオレンジ色でした。よく見ると壁に貼られているのはポスターでした。7人の魔法使いと魔女が鮮やかなオレンジ色のユニフォームを着て箒を手に元気よく手を振っていました。それを見てハリーはロンに・・・

「ご贔屓のクィディッチ・チームかい?」

ロンは「チャドリー・キャノンズさ」と答えベッドカバーを指差し「ランキング9位だ」と言いました。ちょっと狭いし君のマグルの所の部屋みたいじゃない。それに屋根裏お化けが頻繁にパイプを叩いたり呻くんだそうです。

しかしハリーは思いっ切りにっこりして・・・

「僕こんな素敵な家は生まれて初めてだ」

ロンは耳元をポッと紅く染めたのでした。

今日の最後に
ホグワーツに入学する前のハリーはダドリー軍団が睨みを効かせていたので友達が1人もできませんでした。そのためホグワーツから届いたふくろう便つまり入学許可証がハリーにとって生涯で初めての手紙になったんですよね。

ダーズリー一家が家を留守にする時にハリーが預けられたフィッグばあさんの所も飼っている猫の写真を無理やり見せるので居心地はあまりよくありませんでした。ハリーが足を踏み入れた他人の家は「隠れ穴」が二軒目でした。

ウィーズリー家の人たちはハリーを見てもダーズリー一家のように嫌悪感を露わになどせず歓迎してくれました。フィッグばあさんのようにハリーの事を冷遇したりもしません。だからハリーが「隠れ穴」を気に入るのは・・・

至極当然というわけなんですよね。(笑)
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