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ギルデロイ・ロックハートによれは誕生日の理想的な贈り物ではないがくれると言うなら断らないそうです。ロンはホッグズ・ヘッドに行った際に「飲んでみたい!」と言ったものの当然ハーマイオニーに反対されて断念する事になりました。ところが思わぬ形でこのお酒を飲む機会を得たのでした。(全3項目)

3-1.オグデンのオールド・ファイア・ウィスキー
この飲物の名前を初めて口にしたのはハリーが2年生の時に「闇の魔術に対する防衛術」の教師になったギルデロイ・ロックハートでした。ロックハートは生徒たちがどのぐらい私の本を読んで覚えているのかをチェックする。

そう言って最初の授業の冒頭に全54問から成るミニテストをやりました。最後の問題は「ギルデロイ・ロックハートの誕生日はいつで理想的な贈り物は何?」でした。ロックハートは30分後に答案を回収すると生徒たちに・・・

何でも最後の問題の答えは「狼男との大いなる山歩き」の第12章ではっきり書いてあるように「魔法界と非魔法界のハーモニー」なのだそうです。するとここでロックハートは「もっとも」と前置きをした上でこう言いました。

「オグデンのオールド・ファイア・ウィスキーの大瓶でもお断りはいたしませんよ!」

ロックハートは授業の冒頭にネビルが持っていた「トロールとのとろい旅」を高々と掲げる時に続いて生徒全員に向かって悪戯っぽくウィンクをしました。ロンは「もう呆れて何も言えない」という表情でそれを見ていました。

前列に座っていたシェーマス・フィネガンとディーン・トーマスは声を出さないようにして笑っていました。しかし魔法界の人間なら誰もが「誕生日のプレゼントには是非これを貰いたい!」と思わずにはいられないようですね。

このオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーというお酒はそういう物のようです。

3-2.隠れ穴にも
さて!そんな大人の魔法使いにとっては誕生日プレゼントに貰えたら最高というオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーなんですが「隠れ穴」にもありました。それはクィディッチ・ワールドカップの決勝戦の翌日に・・・

狭いキッチンにすし詰め状態になりハーマイオニーがウィーズリーおばさんに濃い紅茶を入れました。ウィーズリーおじさんはその紅茶の中にオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーをたっぷり入れると強く主張したのです。

「新聞を拾って来ておくれ。何が書いてあるか読みたい」

おじさんがビルにこう言いました。ビルがおじさんに「クィディッチ・ワールドカップでの恐怖」という見出しが載った「日刊予言者新聞」を渡しおじさんは一面にざっと目を通しパーシーはおじさんの肩越しに覗き込みました。

おじさんが重苦しい声で「思った通りだ」と言いました。何故かと云えば一面のその記事を書いていたのがリータ・スキーターだったからです。魔法省のヘマとか犯人を取り逃がすとか警備の甘さとか。その一面記事には・・・

闇の魔法使いやりたい放題とか国家的恥辱などと魔法省の対応を酷評する文言が並べ立てられていました。するとおじさんがその記事に「私の事が書いてある」と言い出しました。それは記事の一番最後に書かれていたようです。

「どこに?」と訊きながら急にしゃべったのでウィーズリーおばさんはオールド・ファイア・ウィスキー入りの紅茶に咽ました。そこを読んでいればあなたが無事だと判ったとおばさんは言うのです。ところが残念な事に・・・

名前が出ていないそうです。そこにはおじさんが「怪我人はなかった」と事実をありのままに言ったのに「1時間後に数人の遺体が森から運び出されたという噂を十分に打ち消す事ができるのか?」などと書かれていたのです。

おじさんは「ああ、やれやれ」と呆れたように言って新聞をパーシーに渡しました。そして「他に何と言えばいいのかね?こんな風に(しかも新聞に)書かれてしまったら確実に噂が立つだろうよ」と言って溜め息をつきました。

こうして私たち読者は「実は隠れ穴にもオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーがあった」と知る事ができました。しかし自宅にあるもののロンは飲んだ事がなかったようです。おそらくはきっと高価なお酒なんでしょうね。

つまり「ここぞ」という時に飲む物であまり頻繁には飲まないお酒なのです。それは翌年度に後のダンブルドア軍団の準備会合のためハリーたち3人が初めて「ホッグズ・ヘッド」に行った時の事でした。ロンがこう言うのです。

ここなら何でも好きな物を注文できるぞ。あの爺さんなら何でもお構いなしに売ってくれるぜ。ロンはこう言ってオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーを一度試してみたかったとそう言うのです。しかし残念ながら・・・

横にはハーマイオニーがいます。ハーマイオニーが飲んでいいと言うはずがありません。それは今年度からロンは他の生徒の模範的な存在にならなくてはいけない監督生に任命されているのです。それを指摘されてしまい・・・

ロンはファイア・ウィスキーを飲む事を断念したのでした。

3-3.ようやく飲めたのは?
オグデンのオールド・ファイア・ウィスキーを飲みたい!ホッグズ・ヘッドでそう言ったもののハーマイオニーに「あなたは監督生です」と言われてしまいロンはそれを断念する事になりました。それから約2年後の事でした。

ロンは思わぬ形で自宅にあるそのオールド・ファイア・ウィスキーを飲む機会を得たのです。それは不死鳥の騎士団のメンバーが大挙13人も動員されてハリーをプリベット通り4番地から「隠れ穴」に移動させた後の事でした。

死喰い人とヴォルデモートにはハリーは誕生日の前日つまり30日の夜まで動かないという偽情報を流しておきました。ところがそれを知られてしまいハリーたちは出発した次の瞬間に大勢の死喰い人に取り囲まれてしまいました。

「マッド・アイが死んだ」

この知らせを持ち帰って来たのはビルとフラーでした。マッド・アイとマンダンガス・フレッチャーがビルたちのそばにいて北を目指していた。ヴォルデモートはまっすぐマッド・アイとマンダンガスに向かって行ったそうです。

マンダンガスは気が動転して叫ぶのをビルは聞いたんだそうです。マッド・アイが何とか止めようとしたがマンダンガスは「姿くらまし」してしまった。そしてヴォルデモートの呪いがマッド・アイの顔にまともに当たり・・・

マッド・アイは箒から仰向けに落ちてしまった。ビルとフラーもまた6人に追われていたので何もできなかったんだそうです。ビルは戸棚に近づきオールド・ファイア・ウィスキー1本とグラスを取り出しました。そして・・・

「マッド・アイに」

ビルは杖を振り12人の戦士つまり不死鳥の騎士団の面々にファイア・ウィスキーを並々と満たしたグラスを送って13個のグラスを宙に浮かべてこう言いました。全員が「マッド・アイに」と唱和してウィスキーを飲み干しました。

その13人の中に当然ロンもいました。こうしてロンは生まれて初めてオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーを飲みました。極めて残念な事に「これがファイア・ウィスキーかぁ!」と感慨に浸る余裕はありませんでした。

今日の最後に
実は私はずっとウィーズリーおじさんが紅茶にファイア・ウィスキーを入れたのは自分が飲む紅茶に入れたんだと勘違いをしていました。入れたのはハーマイオニーがウィーズリーおばさんのために作った紅茶だったんですよね。

つまりおじさんは1人で留守番をしていて家族の事をとても心配しながら帰って来るのを待っていたおばさんの労をねぎらうために、おばさんが飲む紅茶にオールド・ファイア・ウィスキーを入れると言い張ったというわけです。

つまりこのオールド・ファイア・ウィスキーというお酒は自分たちあるいはその周辺に思わぬ災難や不幸が振りかかって来た時に心配したり頑張った人たちの労をねぎらう時つまり「ここぞ!」という時に飲むお酒のようですね。

したがってハリーたち3人がホッグズ・ヘッドに行った時などに軽々しく飲むお酒ではないというわけなんですよね。(笑)
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