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家の郵便受けを塞いでも玄関と裏口の扉の隙間を全て塞いでもハリー宛ての手紙の配達を阻止する事はできませんでした。さらにはお休みのハズの日曜日にまで手紙が届けられてバーノン叔父さんは家族とハリーを引き連れ家を出たのでした。ところが何と出かけたその先にも・・・(全3項目)

3-1.チューリップ畑を忍び足
ハリーに3通の手紙が届いたその日。バーノン叔父さんは会社を休みました。そして家の郵便受けを釘付けにしました。口一杯釘をくわえたまま叔父さんはペチュニア叔母さんにその理由をこう説明したというわけなんですよね。

「いいか。配達さえさせなけりゃ連中も諦めるさ」

しかし叔母さんは「そんな事で上手く行くかしら」と否定的でした。バーノン叔父さんは今しがた自分の妻が持って来たフルーツケーキで釘を打とうとしていました。そして翌日。ペチュニア叔母さんの言う通りになったのです。

ハリーの元に12通もの手紙が届けられました。郵便受けに入らないので扉の下から押し込まれたり横の隙間に差し込まれたり1階のトイレの小窓から捻じ込まれた手紙も数通ありました。すると叔父さんはまた会社を休みました。

手紙を全て焼き捨て玄関と裏口の扉の隙間という隙間に板を打ちつけて誰1人外に出られないようにしました。釘を打ちながら「チューリップ畑を忍び足」というせかせかした曲を鼻歌で歌い小さな物音にも跳び上がりました。

しかしその翌日には24通ものハリー宛ての手紙が家の中に忍び込んで来ました。牛乳配達が「一体何事だろう?」という顔つきで居間の窓からペチュニア叔母さんに卵を2ダース手渡しました。ところが何とその卵の中に・・・

丸めた手紙が隠してあったのです。バーノン叔父さんは誰かに文句を言わなければ気が済まず郵便局と牛乳店に怒りの電話をかけました。そして叔父さんにとっては喜ばしい事に翌日は日曜日でした。その理由と云うのが・・・

「日曜は郵便は休みだ」

叔父さんは疲れたやや青い顔の一方でうれしそうに朝食の席に着きました。叔父さんは新聞にマーマレードを塗りたくりながら嬉々としてこう言いました。しかし「今日はいまいましい手紙なんぞ」と言い終わらない内に・・・

何かがキッチンの煙突を伝って落ちて来て叔父さんの後頭部にぶつかりました。次の瞬間30通も40通もの手紙が暖炉から雨あられと降って来ました。ダーズリー一家は全員身をかわしましたがハリーは手紙を取ろうとしました。

「出て行け。出て行くんだ!」

「出て行け!」と言われてペチュニア叔母さんとダドリーの2人は出て行きました。バーノン叔父さんはハリーの腰のあたりを捕まえると廊下に放り出しました。それからバーノン叔父さんと手紙の大格闘が始まったのでした。

3-2.コークワース州レールヴューホテル
手紙との激闘を終え部屋から出て来たバーノン叔父さんは平静を装ってはいたものの口髭をしこたま引き抜いていました。出発の準備をして5分後にここに集合だ。家を離れる事にする。着替えだけ持って来なさい。問答無用だ。

口髭を半分も引き抜いてしまった叔父さんの形相は凄まじく誰も問答する気にはなれませんでした。10分後に板をガンガンに打ちつけた扉をこじ開け一行は車に乗り込んで高速道路を目指して突っ走っていました。そして・・・

一行を乗せて車は走りました。どこまでも走りました。ペチュニア叔母さんでさえどこに行くのかと質問もできません。バーノン叔父さんは時々急カーブを切って進行方向と反対に車を走らせたりして何やら呟いていたのでした。

「振り払うんだ。振り切るんだ」

一行は一日中飲まず食わずで走りに走りました。暗くなるとバーノン叔父さんは大きな町外れの陰気臭いホテルの前でようやく車を止めました。そしてそれは翌朝一行がそのホテルで朝食を食べ終わった時に起きてしまいました。

「ごめんなさいまっし。ハリー・ポッターという人はいなさるかね?今しがたフロントにこれとおんなじもんがざっと百ほど届いたがね」

コークワース州
レールヴューホテル
17号室
ハリー・ポッター様


ホテルの女主人がやって来て誰もが宛名を読めるように手紙をかざして見せました。緑色のインクで書かれています。ハリーが手紙を掴もうとしましたがバーノン叔父さんがその手を払い退けたので女主人は目を丸くしました。

「わしが引き取る」

バーノン叔父さんは素早く立ち上がると女主人に従いて食堂を出て行きました。つまりは一日中飲まず食わずで車を走りに走らせても振り払う事も振り切る事もできなかったというわけです。バーノン叔父さんの奮闘は・・・

こうして再び徒労に終わったのでした。

3-3.申し分のない場所
しかしそれでもバーノン叔父さんはめげません。数時間後ペチュニア叔母さんが恐る恐る「家に帰ったほうがいいんじゃないかしら?」と言いました。ところが車を走らせるバーノン叔父さんには全く聞こえていないようでした。

そしてバーノン叔父さんの行動はますます不可解にさらには理解不能になりました。一体叔父さんが何を探そうとしているのか?誰にも皆目見当がつきません。ある時は森の奥深くまで入って車から降りると周囲を見回し・・・

またある時には耕された畑のど真ん中でも周囲を見回しあるいは吊り橋のこれも真ん中でさらには立体駐車場の屋上でも叔父さんは同じ事を繰り返しました。ダドリーが「気が変になったんじゃない?」と言い出す始末でした。

夕方近くになるとバーノン叔父さんは海岸のそばに車を止め姿を消しました。ダドリーが「今日は月曜だ」と言うのを聞いてハリーは何かを思い出しかけていました。そうなんです。明日はハリー11才の誕生日だったのでした。

バノーン叔父さんはにんまりしながら戻って来ました。長くて細い包みを抱えています。何を買ったのかとペチュニア叔母さんが訊いても答えません。そして申し分のない場所を見つけたから車から降りて来いとそう言うのです。

バーノン叔父さんは海の彼方に見える何やら大きな岩を指差していました。その岩のてっぺんには途方もなくみすぼらしい小屋がちょこんと乗っていました。バーノン叔父さんはもう上機嫌で手を叩きながらこう言ったのでした。

「今夜は嵐が来るぞ!」

「このご親切な方が船を貸してくださる事になった」叔父さんがこう言うと歯のすっかり抜けた老人が近づいて来て何やら気味の悪い笑みを浮かべつつ、鉛色の波打ち際に木の葉のように浮かんでいるボロ船を指差したのでした。

バーノン叔父さんは上機嫌でした。こんな嵐の最中にまさかここまで郵便を届けに来る奴はいないだろうと思っているようです。ハリーも叔父さんと同意見でした。がしかし叔父さんとは違って到底上機嫌にはなれませんでした。

ところが!

そこに・・・

今日の最後に
ハリーとダーズリー一家が宿泊したコークワース州のレールヴューホテルにはハリー宛ての手紙が百通も届きました。宛名は「緑色」のインクで書かれていました。つまり魔法界の相当数の人がハリーの居場所を知ったのです。

外は嵐だ。それに加えてこんな海の上の小屋に郵便が届くはずがない。バーノン叔父さんはそう考えたようです。しかし叔父さんは「それなら直接会いに来るかもしれない」とそう考えてあらかじめ準備を進めていたようです。

こうして7月31日の午前0時を迎えたのでした。
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