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「誰だ。そこにいるのは。言っとくがこっちには銃があるぞ!」車に戻って来た時にバーノン叔父さんが持っていた長くて細い包みはライフル銃だったのです。ところが「今すぐお引取りを願いたい。家宅侵入罪ですぞ」と即刻退去を言い渡す叔父さんに対して現れた大男は・・・(全3項目)

3-1.そこに現れたのは?
ドーンという音と共に小屋全体が揺れました。誰か外にいる。誰かが扉をノックしています。すると向こうの部屋でガラガラガッシャンと派手な音がしたかと思うとバーノン叔父さんがライフル銃を手にして飛び出して来ました。

「誰だ。そこにいるのは。言っとくがこっちには銃があるぞ!」

叔父さんはこう叫びました。車に戻って来た時に持っていた細長い包みは何だったのかが今判りました。すると一瞬の空白がありました。そして「バターン!」という轟音と共に扉が開くと床に落ちました。戸口にいたのは?

戸口には巨大な男が立っていました。大男は窮屈そうに入って来ました。身を屈めても髪が天井をこするほどでした。男は腰を折って扉を拾い上げると至極簡単に元の枠に戻しました。外の嵐の音がやや薄らいで聞こえました。

「お茶でも入れてくれんかね?いやはやここまで来るのは骨だったぞ」

こう言った後に男は大股でソファに近づき恐怖で凍りついているダドリーに「少し空けてくれや」と言いました。ダドリーは金切り声を上げて逃げ出し母親の陰に隠れました。すると大男は「オーッ。ハリーだ!」と言いました。

最後にお前さんを見た時にはまだほんの赤ん坊だった。あんた父さんそっくりだ。でも目は母さんの目だなあ。どうやら赤ん坊だった時にハリーを見ているらしく、大男は久しぶりにハリーを見て感慨に耽っているようでした。

「今すぐお引取りを願いたい。家宅侵入罪ですぞ」

バーノン叔父さんは奇妙な嗄れ声でこう言いました。ところが大男は「黙れダーズリー。腐った大すももめ」と言うとソファの背中越しに手を伸ばして叔父さんの手からライフル銃をひったくってしまったのです。さらに・・・

まるでゴム細工の銃を捻るように簡単に丸めて一結びにすると部屋の隅に放り投げてしまいました。叔父さんは今度は踏みつけられたネズミのような声を上げました。こっちには銃があると凄んでみせた叔父さんでしたが・・・

いとも簡単に唯一にして最大の武器を失ってしまったというわけなんですよね。

3-2.現れた大男に
大男はダーズリー一家に背を向けるとハリーに「誕生日おめでとう。お前さんにちょいとあげたいモンがある。どっかで俺が尻に敷いちまったかもしれんがまあ味は変わらんだろう」と言って黒いコートの内ポケットから・・・

ややひしゃげた箱を出して来ました。ハリーが震える指で箱を開けると上に緑色の砂糖で「ハリー誕生日おめでとう」と書かれた大きくてとろりとしたチョコレート・ケーキが入っていました。ハリーは感激するあまりに・・・

「ありがとう」と言うつもりが言葉が途中で迷子になって代りに「あなたは誰?」と訊いてしまったのでした。すると大男は笑いながら自己紹介をしました。名前はルビウス・ハグリッド。ホグワーツの鍵と領地を守る番人だ。

ハグリッドはまるで魔法のようにあっという間に暖炉に火を熾しました。そして琥珀色の液体を一杯ひっかけるとその暖炉の火を使ってソーセージを焼き始めました。太くて軟らかそうな少し焦げ目のついたソーセージが・・・

焼き串から外されるとダドリーがそわそわし始めたのでバーノン叔父さんはダドリーに「この男のくれる物に一切触ってはいかん」と一喝しました。するとハグリッドは低く笑いながらバーノン叔父さんにこう言ったのでした。

「お前のデブチン息子はこれ以上太らんでいい。ダーズリーとっつあん余計な心配じゃ」

ハグリッドはソーセージをハリーに渡しました。それはそれはお腹が空いていたのでハリーは「こんなにおいしい物は食べた事がない!」と思いました。それでも目だけはハグリッドに釘付けになっていました。そして・・・

「あの、僕、まだあなたが誰だか分らないんですけど」

ハリーがこう言うとハグリッドはお茶をガブリと飲んで手の甲で口を拭うと「ハグリッドと呼んでおくれ」と名前ではなく苗字で呼んで欲しいと言いました。ところが次のやり取りで再びハグリッドの表情が激変する事に・・・

「ごめんなさい」はこいつらのセリフだ。お前さんが手紙を受け取っていないのは知っていたがまさかホグワーツの事も知らんとは思ってもみなかった。さらにハグリッドはハリーが本当に何にも知らない事を知らされて・・・

「我々の世界の事だよ。つまりお前さんの世界だ。俺の世界。お前さんの両親の世界の事だ」

こう言ってもハリーが「何の世界?」と訊き返して来るのでハグリッドは爆発寸前の形相でバーノン叔父さんに「ダーズリー!」と詰め寄りました。叔父さんは顔を真っ青にして何やら意味不明の言葉を口走るばかりでした。

「お前は自分が何者なのか知らんのだな?」

するとそこでバーノン叔父さんが突然声を取り戻して命令口調で「辞めろ!客人。今すぐ辞めろ!その子にこれ以上何も言ってはいかん!」と言い放ったのでした。ハグリッドは凄まじい形相で叔父さんを睨みつけたのでした。

ハグリッドの言葉は一言一言が怒りで震えていました。貴様はダンブルドアがこの子のために残した手紙の中身を何も一度も話してやらなかったんだな?俺はあの場にいたんだ。ダンブルドアが手紙を置くのを見ていたんだぞ!

それなのに貴様はずっとこの子に隠していたんだな?ハリーが「一体何を隠してたの?」と急き込んで訊くとバーノン叔父さんはまるで狂ったように「辞めろ。絶対言うな」と叫んだのでした。しかしそこでハグリッドが・・・

「ハリーお前は魔法使いだ」

3-3.お前は魔法使いだ
小屋の中が静まり返りました。聞こえて来るのは外の波と風の音だけでした。沈黙を破ったのはハリーの「僕が何だって?」という問いかけでした。それに対してハグリッドは「魔法使いだよ。今言った通り」と答えたのでした。

しかも訓練さえ受ければそんじょそこらの魔法使いよりも凄くなる。なんせああいう父さんと母さんの子だ。お前は魔法使いに決まってる。そうじゃないか?そこでハグリッドは「手紙を読む時が来たようだ」と言って・・・

海の上
岩の上の小屋

ハリー・ポッター様


ハリーはついに黄色味がかった封筒に手を伸ばしました。エメラルド色のインクで宛名が書いてあります。封筒の中から手紙を取り出すと読みました。それはホグワーツ魔法魔術学校の入学許可証だったというわけなんですよね。

ハリーの頭にまるで花火のように次々と疑問が浮かびました。何から先に訊いていいのか分らないほどでした。暫くしてようやくハリーが「これどういう意味ですか?ふくろう便を待つって」と訊いてみるとハグリッドは・・・

ハグリッドは「おっとどっこい。忘れるとこだった」と言うと「しまった」という風におでこを手で叩いて、今度はコートのポケットからふくろうを引っ張り出しました。そして手紙を書き終えるとふくろうにくわえさせ・・・

戸を開けると嵐の中にふくろうを放りました。そして「どこまで話したかな?」とハグリッドが言っている所にバーノン叔父さんが灰色の顔に怒りの表情を露わにして暖炉の火の明るみに進み出て来てこう言い放ったのでした。

「ハリーは行かせんぞ」

今日の最後に
ハリーの元に初めて届けられた魔法界からの手紙。そしてバーノン叔父さんが中身を唯一見たのがホグワーツの入学許可書でした。そこには「7月31日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております」と書かれていました。

叔父さんはお断りと返事を書いてと言うペチュニア叔母さんに「ほっておこう。返事がなけりゃ。それが一番だ」と言いました。入学する旨の返事の手紙が届かないまま8月1日を迎えてしまえばこっちの勝ちと思ったんでしょう。

魔法界の人間が直接来たとしても銃で追い払ってしまえばいい。そう思ってライフル銃を用意したバーノン叔父さんだったのですが魔法界の人間に対する認識は悲しいほどに甘かったんですよね。あっという間に奪われて・・・

すごすごと引き下がる事になってしまったというわけなんですよね。
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