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さて!今年2014年も残り「11日」という事になりました。来週の途中で年が変わるという事で「どう締め括ろうか?」と色々考えましたが今週と来週の年内は「ハグリッドはハリーに何をしてくれたのか?」を巻毎に一場面ずつ振り返ってみる事にしました。(全3項目)

3-1.ハリー11才の誕生日に
それはハリーが11才の誕生日を迎えた次の瞬間の時でした。海の上の岩に建つみすぼらしい小屋でバーノン叔父さんがライフル銃を構えている所にその男は現れました。バターンという轟音と共に扉が開けられ床に落ちました。

ボウボウと長い髪にモジャモジャの荒々しい髯に隠れて顔はほとんど見えません。しかし毛むくじゃらの中から真っ黒な黄金虫のような目がキラキラ輝いているのが見えます。その大男は窮屈そうに部屋の中に入って来ました。

身を屈めても髪が天井をこするほどでした。男は扉を拾い上げると至極簡単に元の枠に戻しました。そして振り返るとみんなを見回し「お茶でも入れてくれんかね?いやはやここまで来るのは骨だったぞ」と挨拶をしたのでした。

大男が「少し空けてくれや。太っちょ」と言うとダドリーは金切り声を上げて逃げて行きました。大男に「オーッ。ハリーだ」と言われてハリーが見上げると黄金虫のようなその目がクシャクシャになって笑いかけていたのでした。

「最後にお前さんを見た時にゃまだほんの赤ん坊だったなあ。あんた父さんそっくりだ。でも目は母さんの目だなあ」

「今すぐお引き取りを願いたい。家宅侵入罪ですぞ!」と言うバーノン叔父さんに大男は「黙れダーズリー。腐った大すももめ」と言うやいなやソファの背中越しに手を伸ばして叔父さんの手から銃をひったくってしまいました。

そしてまるでゴム細工の銃をひねるかのように安々と丸めて一結びにすると部屋の隅に放り投げてしまいました。唯一にして最大の武器を失ったバーノン叔父は今度は踏みつけられたねずみのような奇妙な声を出したのでした。

「何はともあれハリーや。お誕生日おめでとう。お前さんにちょいとあげたいモンがある。どっかで俺が尻に敷いちまったかもしれんが。まあ味は変わらんだろう」

大男はバーノン叔父さんに背を向けハリーにこう言うとコートの内ポケットからややひしゃげた箱を出して来ました。震える指で開けるとそこには緑色の砂糖で「ハリー誕生日おめでとう」と書かれたチョコレート・ケーキが!

ハリーは大男を見上げました。本当は「ありがとう」と言うつもりだったのに言葉が途中で迷子になり思わずその代わりに「あなたは誰?」と訊いてしまったのでした。大男はクスクス笑うとハリーにこう答えてくれたのでした。

「さよう。まだ自己紹介をしとらんかった。俺はルビウス・ハグリッド。ホグワーツの鍵と領地を守る番人だ」

男は巨大な手を差し出しハリーの腕をブンブン振って握手しました。そしてもみ手をしながら「お茶にしようじゃないか」と言いさらに「紅茶よりちょいと強い液体だって構わんぞ。まああればの話だがな」とも言ったのでした。

しかしもちろんそんな気の利いた物はないし例え持っていたとしてもダーズリー夫妻が出すわけはないというわけなんですよね。

3-2.お前は魔法使いだ
大男はチリチリに縮んだポテトチップスの空き袋が転がっているだけの火の気のない暖炉に目をやるとフンと鼻を鳴らして暖炉に覆いかぶさるようにして何やら始めました。大男が身を引くと暖炉には火が轟々と起きていました。

火は湿った小屋を揺らめく明かりで満たしハリーは暖かい湯につかったような温もりが体中を包むのを感じました。大男がドッカと座るとソファは重みで沈み込みました。男はコートのポケットから実に色々な物を取り出しました。

銅のヤカンにひしゃげたソーセージ一袋。火掻き棒にティーポットに口の欠けたマグカップ数個。琥珀色の液体が入った瓶。その液体を一杯ひっかけると大男は今しがた起こしたばかりの暖炉の火でソーセージを焼き始めました。

やがてソーセージがジュージュー焼ける音と匂いで小屋中が一杯になりました。誰も声を出しません。そして太くて軟らかそうな少し焦げ目のついたソーセージが焼串から外された時にダドリーがそわそわとするのを見て・・・

「ダドリー。この男のくれる物に一切触ってはいかん」

バーノン叔父さんがこう言って自分の息子を一喝すると大男はクックッと低く笑って「お前のデブチン息子はそれ以上太らんでいい。ダーズリーとっつあん余計な心配じゃ」と言って暗に分けてやる気などないと言ったのでした。

男はソーセージをハリーに渡しました。それはそれはとてもお腹が空いていたのでハリーは「こんなにおいしい物は食べた事がない!」と思いました。それでもハリーの目だけは大男に釘付けになっていました。そこで・・・

「あの僕。まだあなたが誰だか分らないんですけど」

誰も何も説明してくれないのでハリーは大男にこう訊きました。大男はお茶をガブリと飲んで手の甲で口を拭うと「ハグリッドと呼んでおくれ。みんなそう呼ぶんだ。さっき言ったようにホグワーツの番人だ」と答えたのでした。

ところが次に「ホグワーツの事はもちろん知っとろうな?」と訊くのに対してハリーが「いいえ」と答えるのでハグリッドはショックを受けたような顔をしました。それを見てハリーが慌てて「ごめんなさい」と謝ると・・・

ハグリッドは吠えるような大声で「ごめんなさいだと?」と言ってダーズリー一家を睨みつけました。そしてハグリッドは「ごめんなさい」はハリーではなくて、こいつらつまりはダーズリー一家のセリフだとそう言うのです。

「この子が・・・この子ともあろう者が・・・何も知らんと言うのか・・・全く何にも?」

ハリーに何を言っても全く話が通じないのでハグリッドはダーズリー一家に詰め寄って噛みつくようにこう言いました。ハリーはちょっと言い過ぎじゃないかと思いました。学校にも行ったし成績もそう悪くなかったんだから。

しかしハグリッドに言わせれば「一番肝心な事をハリーは全く知らない」というわけです。ハリーの両親が有名だという事も知らない。そして何よりもハリーは「自分が何者なのかという事を知らない」というわけなんですよね。

そこでハグリッドがハリーに告げたのは?

「お前は魔法使いだ」

3-3.ロンドンへ
ハグリッドにそう言われてもハリーは当初それが信じられませんでした。だからこう言ったのです。きっと間違いだよ。僕が魔法使いだなんて事はないよ。驚いた事にハグリッドは笑うのです。そしてハリーにこう言うのです。

「魔法使いじゃないって?えっ?お前が怖かった時。怒った時。何も起こらなかったか?」

言われてみれば叔父さんと叔母さんを激怒させたおかしな出来事はハリーが困った時や腹を立てた時に起こった。どうやったのかは分らないが連中の手の届かない所に逃げられた。髪を刈り上げられ学校に行きたくないと思った。

その時も髪はあっという間に元通りに伸びた。つい最近も自分でもそうと気づかず仕返しをしたんじゃないか?大ニシキヘビにダドリーを襲わせたじゃないか。ハリーが微笑むとハグリッドもまたハリーに笑顔を返したのでした。

翌日ハグリッドとハリーは地下鉄でロンドンに出ると学用品を揃えるためにダイアゴン横丁に入りました。手前の「漏れ鍋」でハリーは大歓迎を受けてハグリッドが言っていた自分は有名人なんだという事を知る事になりました。

魔法界唯一の銀行グリンゴッツでお金を下ろした後はハグリッドは大忙しでした。しかしハリーはそれほどでもありませんでした。それと言うのもハリーは必要な物を購入するハグリッドに従いて行けばそれでよかったからです。

そんな中ハグリッドはハリーのためにナッツ入りのチョコレートとラズベリーアイスクリームを買って来てくれました。さらには誕生祝いとして「イーロップふくろう百貨店」でふくろうを買ってくれたというわけなんですよね。

今日の最後に
ハグリッドは11才の誕生祝いとしてチョコレート・ケーキをくれたその上にダイアゴン横丁でふくろうを買ってくれました。ハリーはこのふくろうに魔法史の本の中からその名前を見つけて来て「ヘドウィグ」と名付けました。

そのヘドウィグが初めてハリーに届けたのがハグリッドからの手紙でした。さらにヘドウィグが初めて遠出をしたのが実はハグリッドが飼っていたドラゴンのノーバートを預けたいというチャーリーへの手紙だったんですよね。

しかし改めてよくよく考えてみると11才の誕生日を迎えた直後にハグリッドがハリーのために焼いてくれたあのソーセージはハグリッドが調理をした食べ物の中ではハリーが唯一「おいしい」と思ったんじゃないでしょうか?

極めて貴重な経験だったというわけなんですよね。(笑)
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