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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

君のパパが襲われた。噛まれたんだ。重態だ。どこもかしこも血だらけだった。ロンは半信半疑でしたがマクゴナガル先生はすぐに信じてくれました。ハリーにロンそれにフレッドとジョージにジニーの5人はダンブルドアの作った「移動キー」で急遽ロンドンのグリモールド・プレイス12番地へ・・・(全3項目)

3-1.襲われたアーサー氏
ヴォルデモート卿が復活した事を受けて不死鳥の騎士団は再結成されアーサー氏もメンバーの1人として加わる事になりました。かつてはシリウスの生家だったロンドンのグリモールド・プレイス12番地に本部が設置されました。

本部に入ったその夜ハリーは騎士団に入る事を熱望しましたがルーピンに駄目だと言われてしまいました。騎士団は成人の魔法使いだけで組織されているしハリーたちには考えも及ばないような危険が待ち受けているそうです。

「ハリー!ハリー!」

額が激しく痛みました。割れそうだ。灼熱した火掻き棒を額に押し当てられたような感じでした。ハリーは目を開けました。体中から氷のような冷や汗が噴き出していました。ロンがひどく驚いた顔で覆いかぶさっていました。

ロンに話さなければならない。大事な事だ。ロンに話さないと。大きく息を吸い込むと額の痛みでほとんど目が見えないままにハリーはようやく体を起こしました。ハリーは胸を波打たせ喘ぎながらロンにこう言ったのでした。

「君のパパが。君のパパが襲われた。君のパパだよ!噛まれたんだ。重態だ。どこもかしこも血だらけだった」

ロンは「え?」と言ってさっぱりわけが分らないという声でした。ロンは半信半疑で「おいハリー。君は夢を見てただけなんだ」とそう言いました。しかしそんなロンにハリーは「そうじゃない!」と激しく否定したのでした。

「夢なんかじゃない。普通の夢じゃない。僕がそこにいたんだ。僕は見たんだ。僕がやったんだ」

やがて階段を急いで上がって来る足音がしてネビルが「先生こっちです」と言うのが聞こえました。マクゴナガル先生がタータンチェックのガウンを羽織りあたふたと寝室に入って来ました。ハリーを見て先生はこう言いました。

「ポッターどうしましたか?どこが痛むのですか?」

マクゴナガル先生の姿を見てこんなにうれしかった事はありません。今ハリーに必要なのは役にも立たない薬を処方してくれる人ではなく「不死鳥の騎士団」のメンバーなのです。ハリーは再び起き上がると必死に訴えました。

するとマクゴナガル先生は・・・

「信じますよ。ポッター。ガウンを着なさい。校長先生にお目にかかります」

3-2.校長室にて
マクゴナガル先生が信じてくれた事で安堵したハリーはベッドから飛び降りガウンを着てメガネを鼻にぐいと押しつけました。さらにマクゴナガル先生は「あなたも一緒に来るべきです」とロンも同行するように言ったのでした。

マクゴナガル先生が合言葉を言って3人が螺旋状の階段に乗って上に行くと真夜中をとうに過ぎているのに部屋の中からは十数人分の話し声がはっきりと聞こえました。ところが先生がドア・ノッカーで扉を三度叩くと・・・

突然誰かがスイッチを切ったかのように話し声がやみました。扉はひとりでに開いてマクゴナガル先生はハリーとロンを従えて中に入りました。ダンブルドアは書類が広げられた机に向かい背もたれの高い椅子に座っていました。

ロンのお父さんが巨大な蛇に襲われたんです。ハリーがこう言った後のダンブルドアとの会話はとても奇妙でした。ダンブルドアに「どんな風に見たのかね?」と訊かれたハリーが「僕の頭の中でだと思います」と答えると・・・

ダンブルドアは「私の言った事が分らなかったようだね」と言うのです。もっと具体的に例えば「犠牲者の脇に立っていた」とか「上からその場面を見下ろしていた」といった感じでハリーには説明して欲しいとそう言うのです。

ハリーは驚愕してダンブルドアを見つめました。まるで何もかも知っているようだったからです。そこでハリーが「僕が蛇でした。全部蛇の目から見ました」と答えるとダンブルドアはさっきとは違う鋭い声でこう訊きました。

「アーサーはひどい怪我なのか?」

ずっと自分の顔を直視しようとしないダンブルドアに苛立ちを募らせながらハリーが力んで「はい」と答えるとダンブルドアは驚くほど素早く立ち上がりました。そして天井近くに掛かる2枚の肖像画に向かって話しかけました。

「エバラード!それにディリスあなたもだ!」

熟睡しているように見えた短く黒い前髪の青白い顔をした魔法使いと隣の銀色の長い巻き毛の魔女がすぐに目を開けました。ダンブルドアが「聞いていたじゃろうな?」と言うと魔法使いは頷き魔女は「当然です」と答えました。

「その男は赤毛でメガネを掛けておる。エバラードあなたから警報を発する必要があろう。その男が然るべき者によって発見されるよう」

ダンブルドアがこう言うと2人は頷いて横に移動し額の端から姿を消しました。ダンブルドアが言うにはエバラードとディリスはホグワーツの歴代校長の中で最も有名なのでその肖像画は他の魔法施設にも飾られているそうです。

ダンブルドアはフォークスを起こしアンブリッジの見張りを頼みました。やがてエバラードと呼ばれた魔法使いが少し息を切らしながら戻って来ました。ダンブルドアが「どうじゃった?」と訊くとエバラードはこう答えました。

「誰かが駆けつけて来るまで叫び続けましたよ」

下の階で何か物音がすると言ったのだが誰もが半信半疑で確かめに下りて行った。このエバラードは下の階には肖像画がないので覗く事ができなかったんだそうです。するとまもなくみんながその男を運び出して行ったそうです。

その男つまりアーサー氏はよくない事に血だらけだったのだそうです。ダンブルドアはエバラードに「ごくろう」と言うと「なればディリスがその男の到着を見届けたじゃろう」と言ったのでした。そしてディリスが戻り・・・

「ええダンブルドア。みんながその男を聖マンゴに運び込みました。私の肖像画の前を運ばれて行きましたよ。ひどい状態のようです」

ダンブルドアはディリスに「ごくろうじゃった」と言うとマクゴナガル先生にウィーズリー家の他の子供たちを起こして連れて来るようにと頼みました。そして扉の前で立ち止まるとマクゴナガル先生はこう訊いて来たのでした。

「モリーはどうしますか?」

この問いにダンブルドアはそれは見張りを終えた後のフォークスの仕事だと答えました。しかし「もう知っておるかもしれん。あの素晴らしい時計が」とダンブルドアは言うのです。それはハリーも好きなあの時計の事でした。

アーサー氏の針が一番上の12時の所の「命が危ない」を指しているに違いないと思うとハリーは胸が痛みました。しかし今は真夜中なのでウィーズリーおばさんは多分眠っていて時計を見ていないだろう。まだ知らないだろう。

ダンブルドアは今度はハリーとロンの背後にある戸棚を掻き回していました。そして中から黒ずんだ古いヤカンを取り出し机の上にそっと置くと杖を上げて「ポータス!」と唱えました。ヤカンは一瞬震え青い光を発しました。

そして渋るフィニアスにシリウスへの伝言を頼んだ所へマクゴナガル先生がジニーにフレッドとジョージを連れて戻って来ました。ジニーが恐怖の面持ちでハリーに「一体どうしたの?」と訊くとダンブルドアがこう答えました。

「お父上は不死鳥の騎士団の任務中に怪我をなさったのじゃ。お父上はもう聖マンゴ魔法疾患障害病院に運び込まれておる。君たちをシリウスの家に送る事にした。病院へはそのほうが隠れ穴よりずっと便利じゃからの」

最後にダンブルドアは「お母上とは向こうで会える」と言ったのでした。煙突飛行粉は現在は安全ではないので「移動キー」を使うとの事でした。先ほど「ポータス!」と唱え青い光を発したヤカンがそうだったというわけです。

フォークスの警告が届きアンブリッジがハリーたちがベッドを抜け出した事に気づいたようなので事を急がなくてはなりませんでした。こうしてハリーにロンとそれにジニーとフレッドとジョージの5人は急遽校長室から・・・

ダンブルドアが作った「移動キー」でロンドンのグリモールド・プレイス12番地へ慌ただしく移って行ったのでした。

3.グリモールド・プレイス12番地にて
5人が着いたのは厨房でした。心配顔のシリウスが急ぎ足でやって来ました。シリウスはジニーを助け起こしながら「どうしたんだ?フィニアス・ナイジェラスはアーサーがひどい怪我をしたと言っていたが?」と言いました。

「ハリーに訊いて」とフレッドが言いジョージが「そうだ。俺もそれが訊きたい」と言いました。ハリーは事の次第を説明したもののマクゴナガル先生やダンブルドアに話すよりもずっと厄介な事に気づかされる事になりました。

ジニーにフレッドとジョージの3人はすぐにも聖マンゴに行きたいと言い出しました。そのためシリウスがアーサー氏が襲われた事を奥さんにも知らせていないのに君たちが知っているとどう説明するんだと説得したのでした。

君たちの父さんは騎士団の任務中に負傷した。それだけでも十分状況が怪しいのにそれが知れれば騎士団に重大な損害を与えるかもしれない。君たちの父さんは自分の任務を承知していた。君たちが事を台無しにしたら・・・

父さんが喜ぶのか?だから君たちは騎士団に入れない。分ってない。世の中には死んでもやらなければならない事があるんだ!それに対しフレッドが「口で言うのは簡単だ。そっちの首は懸ってないじゃないか」と言うと・・・

「辛いのは判る。しかし我々全員がまだ何も知らないかのように行動しなければならないんだ。少なくとも君たちの母さんから連絡があるまではここにじっとしていなければならない。いいか?」

シリウスが決然とした口調の一方で静かにこう言うとジニーは手近の椅子に崩れるように座りました。フレッドとジョージはそれでも反抗的な顔でしたが暫くの間シリウスを睨みつけた後にジニーを挟んで椅子に座ったのでした。

「それでいい。さあみんなで・・・みんなで何か飲みながら待とう。アクシオ!バタービールよ来い!」

シリウスは励ますようにこう言うと杖を上げ最後に呼び寄せ呪文を唱えました。6本のバタービールが食料庫から飛んで来ました。それからロンとフレッドにジョージとジニーにとってはとてつもなく長い夜が始まったのでした。

お父さまはまだ生きています。母さんは聖マンゴに行く所です。じっとしているのですよ。できるだけ早く知らせを送ります。

フォークスがウィーズリーおばさんの手紙を届けて来ました。ジョージがゆっくりとした口調で「まだ生きてる。だけど。それじゃ。まるで」と言いました。最後まで言わなくても判りました。父さんが生死の境を彷徨っている。

シリウスが言うだけは言ってみようという調子でベッドで寝てはどうかと一度だけ提案しました。がしかしウィーズリー兄弟妹の嫌悪の目つきだけで答えは明らかでした。全員がほとんど黙り込んで時折話す事といったら・・・

時間を確かめ合うとか「どうなっているんだろう?」と言ってみるとか「母さんがとっくに聖マンゴに着いていたのだから悪い事が起こっていれば既にそういう知らせが来ていたはずだ」と互いに確認し合ったりするだけでした。

フレッドがとろっと眠り頭が傾いて肩につきました。ジニーは椅子の上で丸まっていましたが目はしっかり開いていました。そこに暖炉の火が映っているのが見えました。部外者のハリーとシリウスは幾度も顔を見合わせました。

そしてロンの腕時計で明け方の5時10分過ぎ厨房の扉が開いてウィーズリーおばさんが入って来ました。ひどく青ざめてはいたものの一斉にみんなが顔を向けフレッドにロンにハリーが椅子から腰を浮かせた時おばさんは・・・

「大丈夫ですよ。お父さまは眠っています。後でみんなで面会に行きましょう。今はビルが看ています。午前中仕事を休む予定でね」

おばさんの声は疲れ切って弱々しく笑顔も元気がありませんでした。しかしアーサー氏は危機を脱したのでした。

最後に
ヴォルデモート卿の復活直後にウィーズリーおばさんは自分の夫のアーサー氏が昇進できなかったのはマグル好きで魔法使いとしてのプライドに欠けると魔法大臣コーネリウス・ファッジに考えられているからだと言っています。

それに対してダンブルドアは「魔法省内部でコーネリウスと違って先を見通せる者たちと接触するにはアーサーは格好の位置にいる」と言っていますね。つまりあまり高い位置の要職に就いているとむしろ都合が悪いんですよね。

それは要職に就いていると目立ってしまって動きづらいというわけです。それに加えてダンブルドアは「もし騎士団の任務中に負傷などをして現場を離れるような事があったら?」という事も考えていたと私はそう思いますね。

そういう時もあまり高い位置の要職に就いていると魔法省内での影響力が大きいので都合が悪い。そういった観点からもアーサー氏は格好の位置にいる。だから不死鳥の騎士団に加わるには非常に好都合というわけなんですよね。

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