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あなたはハリー・ポッターを傷つけてはならない。ドビーにご主人様はいない!ドビーは自由な妖精だ。そしてドビーはハリー・ポッターとその友達を助けに来た!客間のシャンデリアを落としドビーはかつての女主人を指差しながら小走りで部屋の中に入って来ました。ところがマルフォイの館を脱出したその後に・・・(全3項目)

3-1.シャンデリアを落としたのは?
グレイバックがハーマイオニーの面倒を見ている内にこの英雄気取りさんたちを我々の手でもう一度縛らないといけないようだ。ハーマイオニーを人質に取って口も絶好調のベラトリックス・レストレンジだったのですが・・・

その言葉を言い終わらない内に奇妙なガリガリという音が上から聞こえて来ました。その場にいた全員が見上げるとクリスタルのシャンデリアが小刻みに震えています。そして軋む音やチリンチリンという不吉な音と共に・・・

シャンデリアが落ち始めました。真下にいたベラトリックスはハーマイオニーを放り出し悲鳴を上げて飛び退きました。シャンデリアは床に激突して大破したクリスタルと鎖がハーマイオニーとグリップフックの上に落ちました。

キラキラ光るクリスタルの欠けらが周囲に飛び散りました。ドラコは血だらけの顔を手で覆い体をくの字に曲げていました。ロンはハーマイオニーに駆け寄り瓦礫の下から引っ張り出そうとしました。その一方でハリーは・・・

ハリーがこのチャンスを逃すわけがありません。肘掛椅子を飛び越えてドラコが持っていた3本の杖をもぎ取りました。そしてその3本の杖をグレイバックに一度に向けて「ステューピファイ!麻痺せよ!」と叫んだのでした。

3倍もの呪文を浴びたグレイバックは撥ね飛ばされて天井まで吹き飛び床に叩きつけられました。顔が血だらけのドラコは母親のナルシッサが庇って引き寄せていました。そしてベラトリックスは勢いよく立ち上がると・・・

髪を振り乱しハーマイオニーに突きつけていた銀の小刀を振り回していました。しかしナルシッサは杖を扉に向けていました。そのナルシッサが「ドビー!」と叫ぶ声にベラトリックスでさえ凍りつかずにはいられませんでした。

「お前!お前がシャンデリアを落としたのか?」

ドビーは震える指でかつての女主人を指差しながら小走りで部屋の中に入って来ました。そしてこう言ったのです。

「あなたはハリー・ポッターを傷つけてはならない」

3-2.ドビーにご主人様はいない!
ベラトリックスが金切り声でナルシッサに殺害するよう指示しました。しかし「バチン」と大きな音がしてナルシッサの杖も宙を飛び部屋の反対側に落ちました。ベラトリックスは「この汚らわしいチビ猿」と喚きさらに・・・

「魔女の杖を取り上げるとは!よくもご主人様に歯向かったな!」

こう言うベラトリックスに対しドビーは「ドビーにご主人様はいない!」と言った後さらに「ドビーは自由な妖精だ。そしてドビーはハリー・ポッターとその友達を助けに来た!」と高らかに宣言をしたというわけなんですよね。

その一方でハリーは傷痕の激痛で目か眩みそうでした。薄れる意識の中でハリーはヴォルデモートが来るまでに数秒しかない事を感じ取りました。そこで「ロン受け取れ。そして逃げろ!」と叫ぶと杖を1本放り投げたのでした。

そして身を屈めてグリップフックをシャンデリアの下から引っ張り出しました。グリフィンドールの剣をしっかり抱えたまま呻いているグリップフックを肩に背負いドビーの手を捕らえハリーはその場で「姿くらまし」しました。

暗闇に入り込む直前に客間の様子が見えました。ナルシッサとドラコがその場に凍りつきロンの髪が流れ部屋の向こうからベラトリックスの投げた小刀がハリーの姿が消えつつあるあたりでぼやけた銀色の光になっていました。

「ビルとフラーのところ・・・貝殻の家・・・ビルとフラーのところ」

ハリーは知らない所に「姿くらまし」しました。目的地の名前を繰り返し行ける事を願うしかありません。ドビーがハリーに握られた手をぐいと引きました。もしかしたらドビーが正しい方向へ導こうとしているのかもしれない。

ハリーは「それでいい」と伝えようとしてドビーの指を力を込めて握ったのでした。その時ハリーは固い地面を感じ潮の香を嗅ぎました。ハリーは膝をつきドビーの手を離してグリップフックをそっと地面に下ろそうとしました。

ハリーは暗闇を透かしてあたりを見回しました。一面に星空が広がり少し離れた所に小さな家が建っています。その外で何か動く物が見えたような気がしました。ハリーは必要とあらば戦えるよう2本の杖をしっかり握り・・・

「ドビー。これが貝殻の家なの?」

「僕たち正しい場所に着いたの?ドビー?」

ハリーは再びあたりを見回しました。

ドビーはすぐそばに立っていました。

ところが・・・

「ドビー!」

3-3.その胸には
ドビーはぐらりと傾きました。ドビーとハリーは同時に激しく波打つ胸から出ている銀の小刀を見下ろしました。それを見てハリーは小屋に向かってそこで動いている人影に向かって大声を上げて必死に助けを求めたのでした。

「ドビー-ああっ-誰か!助けて!」

その人影が魔法使いかマグルか?敵か味方か?ハリーには分らなかったしそれはどうでもいい事でした。ドビーの胸に広がって行くどす黒い染みの事しか考えられず、すがりつくように伸ばされた細い両腕しか見えませんでした。

「ドビー駄目だ。死んじゃ駄目だ。死なないで・・・」

ハリーはドビーを抱き止めるとひんやりした草の上に横たえました。ドビーの眼がハリーを捕らえ何か物言いたげに唇を震わせました。そんなドビーの口から最後に発せられたのはドビーがこの世で一番好きな人の名前でした。

「ハリー・・・ポッター・・・」

そして小さく身を震わせドビーはそれきり動かなくなりました。大きなガラス玉のような両眼がもはや見る事のできない満天の星の光を散りばめキラキラと光っています。ドビーはハリーの呼び戻せない所に逝ってしまいました。

今日の最後に
客間のシャンデリアを落としかつての女主人ナルシッサを震える指で指差しながら「あなたはハリー・ポッターを傷つけてはならない」と言うドビーはもう「最高にかっこいい!」と言えると私はそう思わずにはいられませんね。

最初に「姿現わし」で地下牢に来た時には昔のご主人様の館に戻って来て恐怖で足の先から耳の先まで震えていました。忌まわしい思い出ばかり残るマルフォイの館に再び足を踏み入れる事になってしまった心情を思うと・・・

それでもドビーはハリーとロンそれに最大の理解者ハーマイオニーを助けるために全身全霊を傾けて頑張ったんですよね。
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