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世界最高レベルのクィディッチの試合を観る事ができて至福の時を過ごしたハリーたちだったのですが幸せで心地よい時間は何と翌日の朝まですら持ちませんでした。試合終了後に極めて不愉快な事件が勃発したからです。そしてそれはウィンキーにとっても同じ事だったんですよね。挙句の果てにウィンキーは・・・(全3項目)

3-1.逃げる途中で
ハーマイオニーとジニーが隣の女子用テントに行きハリーがパジャマに着替えてロンの上の段のベッドで横になる時にも外では優勝したアイルランド勢のお祭り騒ぎがまだ続いていました。それを聞きながらアーサー氏は・・・

「やれやれ非番でよかった。アイルランド勢にお祝い騒ぎを辞めろなんて言いに行く気がしないからね」

その次にアーサー氏に「起きなさい!さあ起きて!緊急事態だ!」と言われて飛び起きた時ハリーは寝ぼけてテントに頭のてっぺんをぶつけてしまいました。それでもハリーはぼんやりと「何かがおかしい」と思ったのでした。

キャンプ場の騒音が様変わりして人々が叫ぶ声や走る音が聞こえて来ました。ハリーとロンがテントの外に出て見えたのはキャンプ場の管理人のロバーツさん一家がフードを被った魔法使いの一団に宙吊りにされている所でした。

「私らは魔法省を助太刀する。お前たち。森へ入りなさい。バラバラになるんじゃないぞ。片がついたら迎えに行くから」

アーサー氏はこう言うとビルにチャーリーとパーシーと近づいて来る一団に向かって駆け出して行きました。しかしハリーたちは避難する途中ドラコ・マルフォイに出くわしジニーにフレッドとジョージとはぐれてしまいました。

「悪い魔法使いたちがいる!人が高く-空に高く!ウィンキーは退くのです!」

そんなハリーたちが逃げる途中でウィンキーが近くの灌木の茂みから抜け出そうともがいている所に遭遇しました。動き方がとっても奇妙で見るからに動きにくそうです。まるで見えない誰かが後ろから引き止めているようでした。

そしてウィンキーは自分を引き止めている力に抵抗しながら息を切らし小道の向こう側の木立へ消えて行きました。そんなウィンキーの後ろ姿を訝しげに目で追いながらロンはこんな疑問の声を漏らしたというわけなんですよね。

「一体どうなってるの?どうしてまともに走れないんだろ?」

その疑問にハリーは「隠れてもいいという許可を取ってないんだよ」と答えました。ドビーの事を思い出していたのです。マルフォイ一家が気に入らないと思うかもしれない事をする時にドビーは自分を嫌と言うほど殴りました。

「ねえ。屋敷妖精ってとっても不当な扱いを受けているわ!」

すると今度はこう言ってハーマイオニーが怒り始めました。奴隷だわ。そうなのよ!高所恐怖症なのにウィンキーを競技場のてっぺんに行かせた。その上ウィンキーに魔法をかけてテントからも逃げられないようにしたんだわ。

どうして誰も抗議しないの?こう言って憤慨するハーマイオニーにロンが「でも妖精たち。満足してるんだろ?」と言いました。競技場でも「楽しんではいけない」と言ってた。振り回されるのが好きなんだとロンは言うのです。

そして3人はようやく静かな所に到着したのですが・・・

3-2.闇の印の下で
ハーマイオニーが突然言葉を切って後ろを振り向きました。ハリーとロンも急いで同じ事をしました。誰かがこの空き地に向かって来ている。足音が聞こえるのです。3人が不規則な足音に耳を澄ますと突然それが止まりました。

「誰かいますか?」とハリーが呼びかけました。暗くて遠くまでは見えません。それでも誰かが立っているのが感じられます。再びハリーが「どなたですか?」と呼びかけました。するとそれはまたしても突然の事だったのです。

「モースモードル!」

何の前触れもなく聞き覚えのない声が静寂を破りました。その声は恐怖に駆られた叫びではなく呪文のような音を発しました。すると声が聞こえたあたりから巨大な緑色に輝く何かが立ち上りました。それは巨大な髑髏でした。

空き地を出ようとしてハリーの服を引っ張るハーマイオニーが蒼白な顔で震えているのを見てハリーは驚きました。何とこの髑髏は「闇の印」だとハーマイオニーは言うのです。これはヴォルデモートの印だとそう言われて・・・

ところが3人がほんの数歩も行かない内にどこからともなく20人もの魔法使いが現れ3人を包囲しました。その人たちが手に手に杖を構え一斉に自分たちを狙っているのを見て考える余裕もなくハリーは「伏せろ!」と叫びました。

そしてハリーはロンとハーマイオニーを掴んで地面に引き下ろしました。20人の魔法使いたちは同時に「ステューピファイ!麻痺せよ!」と叫びました。その20人の中にはアーサー氏もいました。さらにはクラウチ氏もいました。

「誰がやった?お前たちの誰が闇の印を出したのだ?」

刺すような目で3人を見ながらクラウチ氏がバシリとこう言いました。違うと言っているのにクラウチ氏は「白々しい事を!お前たちは犯罪の現場にいた!」と叫びました。クラウチ氏は怒りで目は飛び出し狂気じみた顔でした。

「失神光線があの木立を突き抜けた。犯人に当たった可能性は大きい」

ハーマイオニーが声の聞こえたあたりを指差しあの木立のあたりから呪文が聞こえたと震え声で説明をするとエイモス・ディゴリー氏がこう言いました。ディゴリー氏は肩を聳やかし杖を構えて暗闇へと突き進んで行きました。

ところが何と再び姿を現したディゴリー氏は両腕に小さなぐったりした何かを抱えていました。ハリーはキッチン・タオルにすぐ気づきました。驚く事に「闇の印」が打ち上げられたその真下からウィンキーが見つかったのです。

3-3.洋服に値する
ディゴリー氏がクラウチ氏の足下にウィンキーを置くとクラウチ氏は身動きもせず無言のままでした。クラウチ氏はウィンキーを見下ろしたまま立ちすくんでいました。しかしようやく我に返ったかと思うとクラウチ氏は・・・

「こんな-はずは-ない-絶対に-」

言葉を途切れ途切れにこう言うとクラウチ氏はディゴリー氏の後ろに回って荒々しい歩調でウィンキーが見つかったあたりへと歩き出しました。ディゴリー氏がそこにはもう誰もいないから探しても無駄ですよと言っても・・・

クラウチ氏はその言葉を鵜呑みにはできないようでした。あちこち動き回り茂みを掻き分けて探す音が聞こえて来ました。ところが驚く事に「闇の印」を創るには杖が必要だと言うアーサー氏にディゴリー氏がこう言ったのです。

「そうとも。そしてこの屋敷しもべは杖を持っていたんだ」

そこに唐突にルード・バグマン氏も現れる中クラウチ氏が幽霊のように蒼白な顔のまま両手と口髭を痙攣させながら手ぶらで戻って来ました。その後はウィンキーが「闇の印」を創ったのかどうかを巡っての議論になりました。

「さてクラウチさん。あなたにご異議がなければ屋敷しもべ自身の言い分を聞いてみたいんだが」

クラウチ氏はディゴリー氏のこの言葉が聞こえたという反応を全く示しませんでした。しかしディゴリー氏はその沈黙がクラウチ氏の了解だと取ったようです。ディゴリー氏は杖を上げるとウィンキーに向かってこう唱えました。

「リナベイト!蘇生せよ!」

ウィンキーは微かに動くと大きな茶色の目を開きました。寝呆けたように数回瞬きをしました。魔法使いたちが無言で見つめる中ウィンキーはよろよろと身を起こしました。そしてディゴリー氏を見つめた後に空を見上げました。

ウィンキーはハッと息を呑み狂ったようにあたりを見回しました。そして周りにいる大勢の魔法使いたちを見てウィンキーは怯えたように突然すすり泣きを始めたのでした。そんなウィンキーにデイゴリー氏が話しかけました。

「しもべ!私が誰だか知っているか?魔法生物規制管理部の者だ!」

ディゴリー氏がこう言うとウィンキーは座ったまま体を前後に揺すり激しい息遣いになりました。それを見てハリーはドビーが命令に従わなかった時の怯えた様子を嫌でも思い出す事になりました。ディゴリー氏はさらに・・・

「見ての通りしもべよ。今しがた闇の印が打ち上げられた。そしてお前はその直後に印の真下で発見されたのだ!申し開きがあるか!」

ここでウィンキーが持っていたのが実はハリーの杖だと判りディゴリー氏がハリーが「闇の印」を創ったと勘違いして激怒したアーサー氏が語気を荒げるという一幕になりました。しかしウィンキーの主張は変わりませんでした。

自分はそのハリーの杖で魔法を使ったりしていない。自分は「闇の印」を創ってない。第一創り方を知らないとウィンキーはそう言うのです。しかしディゴリー氏が調べてみると「闇の印」を創ったのは確かにハリーの杖でした。

しかしディゴリー氏が勝ち誇った容赦ない目で見下ろしてもウィンキーは自分は決して「闇の印」を創っていない。それは創り方を知らないからの一点張りなのです。クラウチ氏もウィンキーにできるはずがないと言い張るのです。

私のしもべを咎めるのは私を咎める事だ!他にどこでウィンキーが印の創出法を身につけると言うのだ?そこでアーサー氏はウィンキーに「正確に言うとどこでハリーの杖を見つけたのかね?」とそう訊いてみたというわけです。

するとウィンキーは小声で言葉を途切れがちにしながら「そこの木立の中で見つけた」と答えたのでした。それを聞いてアーサー氏は結局はこういう事だったんだろうとディゴリー氏にその見解を示したというわけなんですよね。

「闇の印」を創り出したのが誰であれ創った直後にハリーの杖を残して「姿くらまし」したのだろう。後で足がつかないようにと狡猾にも自分の杖を使わなかった。ウィンキーは運悪くそのすぐ後にたまたま杖を見つけて拾った。

「しかしそれならウィンキーは真犯人のすぐ近くにいたはずだ!」

ディゴリー氏はこう言ってウィンキーに「しもべどうだ?誰か見たか?」と訊きました。するとウィンキーは前にも増して激しく震え出しました。そしてウィンキーはゴクリと唾を飲んでその問いにこう答えたというわけです。

「あたしは誰もご覧になっておりません。誰も・・・」

するとここでクラウチ氏がディゴリー氏に「通常なら君はウィンキーを役所に連行して尋問したいだろう。しかしながらこの件は私に処理を任せて欲しい」と申し出ました。ディゴリー氏はこの提案が気に入らないようでした。

しかしクラウチ氏は魔法省の実力者なので断るわけにはいかない。そういう事のようです。そんなディゴリー氏の気持ちを察してか?クラウチ氏は冷たく「心配ご無用。必ず罰する」と言い放ったのでした。そしてここで・・・

「ウィンキーは今夜。私が到底有り得ないと思っていた行動を取った」

こう言う時のクラウチ氏は顔つきが険しくなり何の哀れみもない目つきになっていました。私はしもべにテントにいるようにと言いつけた。トラブルの処理に出かける間はその場にいるようにと申し渡した。にも関わらず・・・

こやつは私に従わなかった。それは「洋服」に値する。ウィンキーはクラウチ氏がディゴリー氏に「心配ご無用。必ず罰する」と言ったその時から「こうなるのでは?」と恐れていたようです。それが現実になってしまいました。

「お辞めください!どうぞご主人様!洋服だけは。洋服だけはお辞めください!」

屋敷しもべ妖精を自由の身にする唯一の方法はちゃんとした洋服をくれてやる事だとハリーは知っていました。憤慨したハーマイオニーがクラウチ氏に激しく抗議をしました。がしかしそれもまた全く効果がありませんでした。

クラウチ氏は磨き立てられた靴を汚す腐った汚物を見るような目で足下のウィンキーを見ていました。そして一歩退いてウィンキーに触れられないようにしました。さらにハーマイオニーを見ながら冷たくこう言い放ちました。

「私の命令に逆らうしもべに用はない。主人や主人の名誉への忠誠を忘れるようなしもべに用はない」

ウィンキーの激しい泣き声があたり一面に響き渡りました。ひどく居心地の悪い沈黙が流れていたのでした。

今日の最後に
クラウチ氏にしてみれば「このお嬢さんは何にもご存じないのだからこういう反応を示すのはしかたがない」と思いつつハーマイオニーに対しては「こっちの事情を知りもしないで偉そうに」と腹が立ったりもしたんでしょうね。

昨日の記事でも言ったようにウィンキーは「いいものはいい。駄目なものは駄目」とはっきり自分の意見を言う性格です。そもそも高所恐怖症のウィンキーが貴賓席に行く事になったのも自らが招いてああいう状況になりました。

何故高所恐怖症のウィンキーが貴賓席に行くハメになったのか?ハリーたちが事の次第を知ったのは翌年の6月末の事だったんですよね。
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