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マルフォイの館にドビーを遣わしてくれたのも実はアバーフォースでした。つまりアバーフォースは一度ならずも二度までもハリーたち3人の命を救ってくれたというわけなんですよね。そして「逃げろ」と言うアバーフォースに対してハリーは「僕たちは逃げません」と言って2人の意見は真っ向から対立したのですが・・・(全3項目)

3-1.満腹になった所で
「銀色の牝鹿!あれもあなただったのですか?」ロンが興奮してこう叫びましたがアバーフォースは「一体何の事だ?」と答えました。ハリーと一旦別れたロンはディーンの森で銀色の牝鹿に導かれ再会を果たしていたからです。

俺の守護霊は山羊だと証明してみせただろうが。アバーフォースがそう答えるのと時を同じくしてロンのお腹が空腹を訴えました。アバーフォースは「食い物はある」と言うと部屋を抜け出して暫く経つと戻って来たのでした。

大きなパンの塊とチーズ。それに蜂蜜酒の入った錫製の水差しを手に戻って来てアバーフォースはそれを暖炉前の小さなテーブルの上に置きました。3人が食べている間は暖炉の火が爆ぜる音とゴブレットが触れ合う音に・・・

物を噛む音以外は何の音もしませんでした。3人が食べ終わりハリーとロンが眠そうに椅子に座り込むとアバーフォースは口を開き「君たちをここから出す手立てを考えないといかん」と言ったのでした。ところがここで・・・

「僕たちは逃げません。ホグワーツに行かなければならないんです」こう言うハリーにアバーフォースは「馬鹿を言うんじゃない」と言いました。君たちがしなければならんのはここからできるだけ遠ざかる事だとも言いました。

逃げるわけにはいきません。いやその2人と国外に逃げるべきだ。暫くの間はハリーとアバーフォースの間で互いに譲らぬ激しい押し問答になりました。他の人にはできない仕事なんです。ダンブルドアが全て説明してくれた。

「ほうそうかね?それで何もかも話してくれたかね?君に対して正直だったかね?」

アバーフォースにこう言われてハリーは「そうだ」と答えたいと思いました。しかし何故かその簡単な言葉が口を突いて出て来ませんでした。アバーフォースはハリーが何を考えているか判っているようでこう言って来ました。

「ポッター俺は兄を知っている。秘密主義を母親の膝で覚えたのだ。秘密と嘘をな。俺たちはそうやって育った。そしてアルバスには天性のものがあった」

アバーフォースの視線が暖炉の上に掛かっている少女の絵に移りました。ハリーが改めて部屋の中を見てみるとそこにはその少女の絵しかありません。アルバス・ダンブルドアの写真もなければ他の誰の写真もありませんでした。

そこでハーマイオニーが遠慮がちにこう訊きました。

「ダンブルドアさん?あれは妹さんですか?アリアナ?」

3-2.ダンブルドア家を襲った悲劇
絵の少女は妹のアリアナさんですか?ハーマイオニーにこう訊かれてアバーフォースは「そうだ」と素っ気なく答えた後ハーマイオニーにリータ・スキーターの本を読んでいるのかと訊き返しました。それはまさに図星でした。

真っ赤になったハーマイオニーにハリーが「エルファイアス・ドージが妹さんの事を話してくれました」と助け舟を出すとアバーフォースはエルファイアス・ドージの事を「あのしょうもない馬鹿が」と言うのを皮切りに・・・

言葉を尽くして酷評しました。俺の兄の毛穴という毛穴から太陽が輝くと思っていた奴だ。そして矛先を今度はハリーたちに向けると「そう思っていた連中は沢山いる。どうやら君たちもその類のようだが」と言ったのでした。

「ダンブルドア先生はハリーの事をとても気にかけていました」

ハーマイオニーがこう言うとアバーフォースは「おかしな事に兄がとても気にかけた相手の多くは結局むしろ放っておかれたほうが良かったと思われる状態になった」とそう言うのです。それに対してハーマイオニーが・・・

どういう事でしょうと訊くとアバーフォースは「気にするな」と答えました。でも今おっしゃった事はとても深刻な事だわ。それは妹さんの事ですか?こう問い詰めるハーマイオニーの事をアバーフォースは睨みつけたのでした。

アバーフォースは出かかった言葉を必死に我慢しているかのように唇を動かしました。そしてついに我慢できなくなったようで堰を切ったように話し出しました。それはハリーたち3人にとってはまさに衝撃の事実だったのです。

妹のアリアナは6才の時に3人のマグルの男子に襲われ乱暴された。妹が魔法を使っている所を奴らは裏庭の垣根からこっそり覗いていたのだ。誰でもそうだが妹はまだ子供で魔法力を制御する事ができなかった。そのため・・・

奴らのせいで妹はめちゃめちゃになった。魔法力を消し去る事ができずそれが内にこもった。自分で抑えられなくなると魔法力が内側から爆発した。そして父はアリアナを襲ったマグルを攻撃してアズカバンに閉じ込められた。

その理由を父は決して口にしなかった。魔法省がその状態を知ったらアリアナは聖マンゴに一生閉じ込められてしまう。そのため家族はアリアナをそっと安全に守ってやらなければならなかった。そこで俺たちは引っ越し・・・

アリアナは病気だと言いふらした。母はアリアナの面倒を見て安静に幸せに過ごさせようとしていた。そんな生活の中でアリアナのお気に入りはアバーフォースのほうだったんだそうです。アルバスではなかったのだそうです。

母が食べさせようとして嫌がるアリアナにアバーフォースなら食べさせる事ができた。アルバスは家に帰ると自分の部屋に閉じこもり本を読んだり貰った賞を数えたり当世の最も著名な魔法使いたちと手紙のやり取りをしていた。

そしてアリアナが14才の時でした。アバーフォースはその場にいませんでした。事故でした。母が死んでしまったのでした。俺ならアリアナの面倒を見る事ができる。学校なんてどうでもいい。家にいてアリアナの面倒を見る。

そう言うアバーフォースに兄アルバスは「最後まで教育を受けるべきだ。自分が母親から引き継ぐ」と言ったそうです。アリアナの面倒を見たからといって何の見返りもない。それでもアルバスは何とかやっていたのだそうです。

ところがそこにグリンデルバルドが現れました。アルバスはようやく自分と同等の話し相手に出会いました。するとアリアナの面倒を見る事は二の次になってしまいました。ところがこれが決定的な悲劇を生む事になったのです。

アバーフォースは兄アルバスに言いました。すぐに辞めろ。アリアナを動かす事はできない。そんな状態じゃない。アルバスは気を悪くしました。ところがそれどころかグリンデルバルドは怒ってアバーフォースを攻撃したのです。

グリンデルバルドはアバーフォースに「磔の呪文」をかけました。アルバスは止めようとしました。三つ巴の争いになりました。アリアナは発作を起こしました。アリアナには耐えられなかったのです。そして気がつくと・・・

アリアナは死んでいたそうです。

3-3.入り口はただ1つ
「妹は死んだ」最後の言葉は泣き声になりアバーフォースは傍らの椅子にがっくりと座り込みました。ハリーは激しい嫌悪感以外に何も感じませんでした。聞かなければ良かった。きれいさっぱり忘れてしまいたいと思いました。

しかし「これで妹という重荷から解放されアルバスは自由になった」と言うアバーフォースにハリーは「先生は決して自由ではなかった」と反論したのでした。それを聞いて「何だって?」と言うアバーフォースに対して・・・

「あなたのお兄さんは亡くなったあの晩。魔法の毒薬を飲み幻覚を見ました。叫び出し。その場にいない誰かに向かって懇願しました。あの者たちを傷つけないでくれ。頼む。代わりにわしを傷つけてくれ」

ハリーがこう言うのを聞いてロンもハーマイオニーも目を見張りました。ヴォルデモートの分霊箱を取りに行ったその直後にダンブルドアが死んでしまったためにハリーはその時の詳しい話を2人にさえ話していなかったのです。

先生はグリンデルバルドがあなたとアリアナを傷つけている幻覚を見ていたんだ。それが先生にとっては拷問だった。あの時のダンブルドアをあなたが見ていたら自由になったなんて言わないはずだ。ハリーにそう言われ・・・

それでもアバーフォースは俺の兄はハリーの事なんかより「より大きな善」のほうに関心があったとは思わないのか?アリアナと同じように使い捨てにされているとは思わんのか?と言うのです。さらにアバーフォースは・・・

どうして身を隠せと言わん?自分を大事にしろ。こうすれば生き残れると何故言わんのだ?不死鳥の騎士団はもうお終いだ。ヴォルデモートの勝ちだ。そうじゃないと言う奴は自分を騙している。そんなアバーフォースに・・・

ハリーはあなたのお兄さんはどうすればヴォルデモートの息の根を止められるのか知っていた。そしてその知識を自分に引き渡してくれた。だからやり遂げるか自分が倒れるまでそれを続けるとアバーフォースに言ったのでした。

「お前はどうすれば良いか判っているね」

アバーフォースは咳払いをして立ち上がりアリアナの肖像画のほうに歩いて行ってこう言いました。アリアナは微笑むと後ろを向いて歩き始めました。絵から出て行くのではなく背後にある長いトンネルに入って行くようでした。

「入り口は今や唯1つ」

「あのう。これは?」と訊きかけたロンにアバーフォースはこう言いました。絵に描かれたトンネルの向こう側に再び白い点が現れアリアナが今度はこちらに向かって歩いて来ます。するとアリアナは1人ではありませんでした。

「君が来ると信じていた!僕は信じていた!ハリー!」

本物のトンネルの入り口が現れ何とそこから大きな歓声を上げながら姿を現したのはネビル・ロングボトムその人でした。ネビルは「必要の部屋」に隠れこのトンネルを通じてアバーフォースから食料の提供を受けていたのです。

最後に
ダンブルドア先生はグリンデルバルドがあなたとアリアナを傷つけている幻覚を見ていた。ハリーにこう言われるまでアバーフォースはどうやら「兄はアリアナが死んだ事など何とも思っていない」とそう考えていたようですね。

だからアリアナの死については兄アルバスに対しては憎しみの気持ちしかなかった。ところがハリーにこう言われて「そうだったのか」と思い直した。そのため兄アルバスに対する思いが和らいだのではという気が私はしますね。

だからこそアバーフォースは唯一の秘密の抜け穴を通してハリーたちをホグワーツに行かせてくれたんだと私はそう思いますね。
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