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これがダーズリー一家からの誕生日プレゼント?もしそうだとすれば最悪の贈り物です。何と今日ここにハリーにとっては恐怖のマージ叔母さんがやって来て一週間も滞在するのだそうです。しかしここでハリーは閃きました。そこでバーノン叔父さんに取り引きを持ちかけたのでした。(全3項目)

3-1.キッチンに下りて行くと
翌朝ハリーがキッチンに下りて行くとダーズリー一家の3人はテーブルの周りに座って新品のテレビを見ていました。居間にあるテレビとキッチンの冷蔵庫との間が遠くて歩くのが大変だとダドリーが文句たらたらなので・・・

夏休みの「お帰りなさい」プレゼントに買ったのです。ダドリーは夏休みの大半をキッチンで過ごし目はテレビに釘付けのままでひっきりなしに何かを食べていました。ハリーが入って行っても誰も気づいた様子はありません。

もちろん「誕生日おめでとう」の一言もありません。ハリーも期待もしていませんでしたし無視されるのはもう慣れっこになっていたので気にもしませんでした。テレビではアナウンサーが脱獄囚のニュースを読んでいました。

「ブラックは武器を所持しており極めて危険ですのでどうぞご注意ください。通報用ホットラインが特設されています。ブラックを見かけた方はすぐにお知らせください」

バーノン叔父さんは新聞を読みながら上目使いに脱獄囚の顔を見て「奴が悪人だとは聞くまでもない。一目見れば判る。汚らしい怠け者め!あの髪の毛を見てみろ!」と言ったかと思うと横目でじろりとハリーを見たのでした。

ハリーのくしゃくしゃ頭はいつもバーノン叔父さんのイライラの種でした。テレビに映っている脱獄囚はやつれた顔にまといつくようにもつれた髪が肘のあたりまで伸びていました。それに比べれば自分は随分身だしなみがいい。

ハリーはそう思いました。すると画面がアナウンサーの顔に戻りました。そして次のニュースに移ったのでバーノン叔父さんは「その極悪人がどこから脱獄したか聞いてないぞ!何のためのニュースだ?」と文句をつけました。

脱獄犯が今にもこの辺に現れるかも知れないからだと叔父さんはそう言うのです。するとペチュニア叔母さんが慌ててキッチンの窓のほうを向いてしっかりと外を窺っていたのでした。ホットラインに電話をしたくて堪らない。

ペチュニア叔母さんがそう考えている事をハリーは判っていました。何しろ叔母さんは世界一お節介で規則に従うだけの退屈なご近所さんの粗探しをする事に人生の大半を費やしているのです。今度は叔父さんがこう言いました。

「一体連中はいつになったら判るんだ!あいつらを始末するには絞首刑しかないんだ!」

するとペチュニア叔母さんはお隣のインゲン豆の蔦を透かすように目を凝らしながら「本当にそうだわ」と言ったのでした。

3-2.マージ叔母さんが来る?
バーノン叔父さんは残りの茶を飲み干し腕時計をチラッと見るとペチュニア叔母さんに「わしはそろそろ出かけるぞ。マージの汽車は10時着だ」と言いました。その時ハリーは二階にある「箒磨きセット」の事を考えていました。

「マージ叔母さん?マ、マージ叔母さんがここに来る?」

マージ叔母さんが来る。それはハリーにとっては衝撃の出来事でした。マージ叔母さんはバーノン叔父さんの妹です。だから血の繋がりはありません。田舎にある大きな庭つきの家に住みブルドックのブリーダーをしていました。

大切な犬を放っておくわけにはいかないとプリベット通りに滞在するのはそれほど頻繁ではありません。でもその1回1回の恐ろしさが克明にハリーの脳裏に焼きついていました。マージ叔母さんはダドリーがお気に入りでした。

ダドリー5才の誕生日には「動いたら負け」というゲームでマージ叔母さんはダドリーが負けないようにと杖でハリーの向こう脛を叩いてハリーを動かしました。それから数年後のクリスマスに現れた時にはこんな事をしました。

ダドリーにはコンピューター仕掛けのロボットをその一方ハリーには犬用ビスケット一箱を持って来ました。前回の訪問はハリーがホグワーツに入る1年前でした。それはダドリーにとってはまさに抱腹絶倒のエピソードでした。

マージ叔母さんお気に入りのブルドックのリッパーの前脚をハリーがうっかり踏んでしまいハリーは犬に追いかけられて庭の木の上に逃げるハメになりました。マージ叔母さんは真夜中過ぎまで犬を呼び戻そうとしませんでした。

ダドリーはそれを思い出すたびに今でも涙が出るほどに笑います。マージ叔母さんは一週間ここに泊まるのだそうです。するとここでバーノン叔父さんは脅すようにして指を突きつけるとハリーに対してこう言って来たのでした。

「ついでだから言っておこう。マージを迎えに行く前にはっきりさせておきたい事が幾つかある」

ダドリーがにんまりしてテレビから視線を外しました。ハリーが父親に痛めつけられるのを見物するのがダドリーのお気に入りの娯楽でした。まず第1にはマージ叔母さんと話す時には礼儀をわきまえた言葉を話せとの事でした。

そして第2にはマージ叔母さんはハリーの異常さについては何も知らん。だからマージ叔母さんがいる間はそういう事は一切起すな。行儀よくしろ。ハリーはいずれの通告に対しても「叔母さんもそうするなら」と答えました。

ところが叔父さんが「第3に」と言って来たのが何とハリーは「セント・ブルータス更生不能非行少年院」に収容されていると言ってある。だから口裏を合わせろ。さもないとひどい目に遭うと叔父さんはハリーに言うのです。

ハリーは思わず「何だって?」と叫びました。あまりの事にハリーは蒼白になり煮えくり返るような気持ちでバーノン叔父さんを見つめたまま動けなくなりました。マージ叔母さんが一週間も泊る。最悪の誕生日プレゼントだ。

息子に「一緒に来るか?」とバーノン叔父さんが訊くとダドリーは「行かない」と答えました。父親のハリー脅しが終わったのでダドリーの視線はテレビに戻っていました。ペチュニア叔母さんは事前に知っていたようでした。

ダドリーのために素敵な蝶ネクタイを買っておいたのだそうです。ハリーは恐怖で茫然と座り込んでいました。しかし突然そこで閃きました。ハリーは急いで立ち上がるとバーノン叔父さんを追って玄関に走って行ったのでした。

3-3.取り引き
叔父さんは運転用の上着を着ている所でした。ハリーが来ている事に気がつくと「お前を連れて行く気はない」と言いました。それにハリーは「僕も行きたいわけじゃない」と冷たく答えました。そこでハリーはこう言いました。

「お願いがあるんです」

お願いがある。ハリーにそう言われてバーノン叔父さんは当然胡散臭そうな目つきをしました。そこでハリーはホグズミード村を「町」に言い換えそこに出かけるためには許可証に叔父さんの署名がいるとそう説明したのでした。

何でわしがそんな事せにゃならん?こう言ってせせら笑う叔父さんにハリーは取引に打って出たのでした。僕がその「セント・ブルータス更生不能非行少年院」という所に行っているふりをするのは大変な事だとそう思うんだ。

それらしく聞こえるようにしないといけないでしょう?うっかり口を滑らしでもすればとハリーが言うと叔父さんは「グウの音も出ないほど叩きのめされたいか?」と言って拳を振り上げるとハリーのほうにじりっと寄りました。

「叩きのめしたって僕が言っちゃた事をマージ叔母さんは忘れてくれるかな」

ハリーはその場を動かず叔父さんにこう言いました。こう言えば叔父さんが上げた拳を振り下ろす事など到底できないのが判っていたのでした。そしてハリーの推察通りバーノン叔父さんは拳を振り下ろす事ができませんでした。

拳を振り上げたまま立ちつくす叔父さんにハリーは許可証にサインしてくれるなら絶対に忘れないと約束する。それにちゃんと普通の人みたいにしているとそう言ったのでした。叔父さんは憤懣やるかたない様子でしたが・・・

バーノン叔父さんは「よかろう」と言うとマージ叔母さんがいる間ハリーの行動を監視する事にしよう。そして最後までハリーが守るべき事を守って話の辻褄を合わせたその時には許可証にサインをすると言ってくれたのでした。

今日の最後に
バーノン叔父さんはマージ叔母さんにハリーは「セント・ブルータス更生不能非行少年院」に収容されていると言っている。そこでハリーはホグズミード行きの許可証に署名してくれたら口裏を合わせてもいいと言ったのでした。

この話は実を云うとバーノン叔父さんしいてはダーズリー一家にとってもメリットがあるんですよね。ダーズリー一家が何よりも一番恐れているのは他の人にハリーが魔法使いだという事を知られてしまうという事なんですよね。

ハリーがこの一週間おとなしくしていてくれればマージにハリーが魔法使いだという事を知られずに済む。マージ叔母さんにそれを知られるのは何よりもおぞましい事なのです。だからこそバーノン叔父さんは取引に応じました。

こうして一週間に渡るハリーの苦闘が始まったのでした。
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