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イギリス人にとって紅茶は生活に欠かせない飲み物でハリーポッター・シリーズにも紅茶を飲むシーンが頻繁に出て来るという事は以前に紹介しました。今週はそんな紅茶を飲む場面の中から私が特に気に入っているシーンを4つ拾い出してお届けする事にしました。(全3項目)

3-1.何だか今日は変な日だ
その日イギリス中で摩訶不思議な出来事が次々と起こりバーノン・ダーズリー氏の周辺にもそれは飛び火していました。しかしバーノン氏の頭の中は仕事の事で一杯だったので取りあえず何とか午前中だけはいつもの通りでした。

最初の異変はバーノン氏が車で外に出た時の事です。バーノン氏は一瞬我が目を疑いました。それは何と猫が地図を見たり標識を読んだりしているのです。いや見ているだけだ。猫が地図やら標識を読めるはずがないじゃないか。

バーノン氏は自分にそう言い聞かせて猫の事を頭から振り払いました。ところが今度は街外れまで来た時でした。奇妙なマント姿の人たちが何やら興奮して囁き合っています。あんなおかしな服を着た連中には我慢がならない。

近頃の若い奴らの格好と来たら!マントも最近の馬鹿げた流行なんだろう。ところがバーノン氏にとってはけしからん事に到底若いとは言い難い人がマントを着ていたのです。あいつなんか自分よりも年を取っているじゃないか。

それなのにエメラルド色のマントを着ている。どういう神経だ!しかしそれだけではありません。バーノン氏は仕事の時はいつも窓に背を向けて座っていました。そうでなかったら今日は仕事に集中できなかったかもしれません。

道行く人の多くはそれを目撃しました。真っ昼間からふくろうが飛び交ったのです。次から次とふくろうが飛んで行くのを指差して「一体あれは何だ?」と見つめていたのです。そしてそれは向かい側のパン屋に行った時でした。

マントを着た連中の事はすっかり忘れていたのにバーノン氏は再びマント集団に出くわしました。けしからん。そう思うと同時に何故かしらバーノン氏は不安な気持ちになりました。それはその連中がこう言っていたからでした。

「ポッターさんたちが。そう。わたしゃそう聞きました」
「そうそう息子のハリーがね」

それは妻の妹のポッター夫妻とその息子ハリーの事なのでは?バーノン氏はそう思ったから不安な気持ちになったのです。しかし一旦は自宅に電話をかけて確かめようとしたもののバーノン氏はそれを途中で辞めてしまいました。

ポッターなんて珍しい名前じゃない。ハリーという名の男の子がいるポッター家だって山ほどあるに違いない。そう思ったからです。でも午後からはバーノン氏は仕事に集中できなくなりました。そしてそれは家に帰る時でした。

「すみません」

外に出た途端バーノン氏は誰かと正面衝突してしまいました。数秒後バーノン氏はぶつかったその老人がスミレ色のマントを着ている事に気づきました。ところがその老人は怒るどころか満面に笑顔を浮かべてこう言ったのです。

「旦那。すみませんなんてとんでもない。今日は何があったって気にしませんよ。万歳!例のあの人がとうとういなくなったんですよ!あなたのようなマグルもこんな幸せなめでたい日はお祝いすべきです」

こう言われてバーノン氏は?

3-2.家に帰ると
その老人はとっても小柄だったのでバーノン氏のおへそのあたりを抱き締めると立ち去って行きました。全く見ず知らずの人に抱き締められた。マグルとか何とか呼ばれたような気もする。どうか自分の幻想でありますように。

バーノン氏は急いで車に乗り込むと家に向かって走り出しました。ところが自宅に戻ってみると真っ先に目に入ったのは地図やら標識を見ていたあの猫でした。バーノン氏は大声で「シッシッ!」と言いましたが猫は動きません。

じろりとバーノン氏を見ただけでした。まともな猫がこんな態度を取るのか?それからバーノン氏は気を取り直して家に入って行きました。妻には何も言うまいという決心は変わっていませんでした。そして夕食後の事でした。

バーノン氏はテレビのニュースで真っ昼間にふくろうが飛んだという事を知りました。さらには昨日の夜は雨ではなくて代わりに流れ星が土砂降りだったんだそうです。それはやはり妻の妹のポッター一家が関係しているのか?

そこに妻のペチュニアが紅茶を2つ持って入って来ました。まずい。妻に何か言わねばなるまい。バーノン氏は落ち着かない咳払いをしました。バーノン氏がこう訊くと案の定という感じでやはり奥さんは怒った顔をしました。

「あーペチュニアや。ところで最近お前の妹から便りはなかったろうね」

奥さんは「ありませんよ。どうして?」ととげとげしく答えました。そこでバーノン氏はふくろうとか流れ星とか「おかしなニュースを見たんでね」と言葉を濁して返事をしました。すると奥方は「それで?」と訊いて来ました。

「いやちょっと思っただけだがね。もしかしたら。何か関わりがあるかと。その。何だ。あれの仲間と」

奥さんは口をすぼめて紅茶をすすりました。バーノン氏は「ポッター」という名前を耳にしたと思い切って打ち明けるべきかどうか迷いましたが結局やはり辞める事にしました。その代わり一家の事を極力さりげなく訊きました。

あそこの息子だが。確か我が家のダドリーと同じくらいの年じゃなかったかね?バーノン氏がこう訊くと奥方は「そうかも」と答えました。そしてバーノン氏が「何という名前だったか。確かハワードだったね」と訊くと・・・

「ハリーよ。私に言わせりゃ下品でありふれた名前ですよ」

バーノン氏は自分の妻に「ああそうだった。お前の言う通りだよ」と答えながらすっかり落ち込んでいました。まさにバーノン氏が恐れていた「ハリー」という名前を自分の奥方が答えてしまったからです。やっぱりそうなのか。

あの連中が話していたのは妻の妹夫妻とその息子の事だったんだ。

3-3.眠りについたものの
妻と2人で2階の寝室に上がって行く時もバーノン氏は全くこの話題には触れませんでした。奥さんが洗面所に行っているその間に寝室の窓に近寄りバーノン氏は家の前を覗いてみました。するとあの猫はまだそこにいたのでした。

これも自分の幻想なのか?これまでの事は何もかもポッター一家と関わりがあるのだろうか?ベッドに入ると奥さんのほうはすぐに寝入ってしまいました。しかしバーノン氏は様々な思いが駆け巡りなかなか寝付けませんでした。

たとえ万々が一そうだとしてもあの連中が自分たちの近くにやって来るはずがない。あの2人やあの連中の事をわしらがどう思っているのか?ポッター夫妻は知っているはずだ。自分やペチュニアと関わり合いになるはずがない。

そう思うとバーノン氏は少しホッとして欠伸をすると寝返りを打ちました。しかしバーノン氏がようやく浅い眠りに落ちて行っても塀の上の猫は眠る気配さえ見せず銅像のように座ったまま瞬きすらしようとしていませんでした。

真夜中近くになって猫が見つめていたあたりの曲がり角に1人の男が現れました。その人の名前はアルバス・ダンブルドア。そして猫は実はミネルバ・マクゴナガル先生。2人はホグワーツ魔法魔術学校の校長と副校長でした。

さらにそこにハグリッドという大男もやって来ました。巨大な腕には毛布にくるまった何かを抱えていました。それこそがハリー・ポッターだったのです。ハリーの両親は「例のあの人」ことヴォルデモートに殺害されました。

しかし息子のハリーは額に稲妻形の傷がついただけで奇跡的に生き残りました。両親のポッター夫妻は死んで一人息子のハリーだけが生き残った。そのためハリーはプリベット通り4番地の叔父叔母夫妻の所にやって来たのです。

こうしてハリーはダンブルドアの判断でダーズリー夫妻の所に来たというわけなんですよね。

今日の最後に
第7巻「死の秘宝」では実はペチュニア叔母さんはハリーのお母さんのリリーとは大の仲良しだった。そこで何と驚く事に一度はホグワーツに入学しようとしてダンブルドア校長に手紙を出したという事が明らかになっています。

さらにロンドンのグリモールド・プレイス12番地のシリウスの部屋から発見されたリリーの手紙の中でペチュニア叔母さんはポッター夫妻にクリスマス・プレゼントを贈っていたという事実があった事もまた明らかになりました。

当然ポッター夫妻もペチュニア叔母さんにクリスマス・プレゼントを贈っていた。それは第1巻「賢者の石」の冒頭章でダーズリー夫妻が紅茶を飲んでいる時のカップだと以前に紹介しました。そこでこの場面を取り上げました。

バーノン叔父さんが最近リリーから便りはなかったろうねと訊いたその後にペチュニア叔母さんは口をすぼめて紅茶を飲んでいます。私はこれは実はバーノン叔父さんが今手にしている紅茶カップはポッター夫妻からの贈り物だ。

あなたはそれを知らないけど実はそうなの。それを示す奥方の仕草だとそう思いますね。後にペチュニア叔母さんは吸魂鬼やヴォルデモート卿の事も知っていたという事も明らかになっています。つまりペチュニア叔母さんは?

夫のバーノン氏には内緒にしていて打ち明けていない事がそれはもう沢山あるというわけなんですよね。(笑)

ちなみに今日の記事ではペチュニア叔母さんはリリーの姉だとして書いています。
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