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荷造りを終えて玄関ホールに来てみるとダンブルドアが待っていてくれなかったのでハリーは落胆しました。また客間に戻らなくてはならなかったからです。しかしそれはハリーが立ち会ってダーズリー夫妻に最後に話しておきたい事があったからなのです。(全3項目)

3-1.鋭い指摘
ヒッポグリフのバックビークはハグリッドと一緒にいていいです。バックビークはそのほうがうれしいと思います。ハリーが即座にこう言うとダンブルドアは微笑みながら「ハグリッドが大喜びするじゃろう」と言ったのでした。

バックビークに再会する事ができてハグリッドは興奮していたそうです。そして安全のために暫くの間バックビークの事をウィザウィングズと呼ぶ事に決めたんだそうです。しかしこの措置も一応念のためという事のようでした。

それというのも魔法省がかつて死刑宣告をしたあのヒッポグリフだと気づくとは思えないとダンブルドアは言うのです。こうして諸問題が解決してダンブルドアに「トランクは詰め終わっているのかね?」と訊かれてハリーは?

荷造りをしていなかったのでハリーが「えーと」と言い淀んでいるとダンブルドアは「わしが現れるかどうか疑っていたのじゃな?」と鋭く指摘したのでした。そんなダンブルドアに対してハリーは急いでこう答えたのでした。

「ちょっと行って―あの―仕上げして来ます」

ハリーは望遠鏡とスニーカーを慌てて拾い上げ部屋に戻りました。それから必要な物を探し出すのに10分少々かかりました。ようやく荷造りを終えると今度は片手にトランクもう片手にヘドウィグの鳥籠を持って部屋を出ました。

ダンブルドアが玄関ホールで待っていてくれなかったのでハリーは落胆しました。また居間に戻らなくてはならないからです。そこでは誰も話をしてはいませんでした。ダンブルドアは鼻歌を歌いながらくつろいだ様子でした。

しかしその場の雰囲気たるや冷え切ったお粥より冷たく固まっているという感じでした。ハリーは到底ダーズリー一家を見る気にはなれず一家からは目を逸らしながら「先生。用意ができました」とダンブルドアに言いました。

するとそこでダンブルドアは?

「では最後にもう1つ」

3-2.ダンブルドアがダーズリー夫妻に
「当然お判りのようにハリーはあと一年で成人となる」ダンブルドアはこう言って最後にもう一度ダーズリー一家に話しかけました。するとダンブルドアが到着してから初めてペチュニア叔母さんが「違うわ」と口を利きました。

そこで「とおっしゃいますと?」とダンブルドアが礼儀正しく訊くとペチュニア叔母さんはハリーはダドリーより一カ月下だしダドリーはあと二年経たないと18才にはなりません。するとダンブルドアは愛想良くこう答えました。

「しかし魔法界では17才で成人となるのじゃ」

バーノン叔父さんが「生意気な」と呟きましたがダンブルドアは無視しました。そしてこう言いました。既にご存じのように魔法界でヴォルデモート卿と呼ばれている者がこの国に戻って来ておる。魔法界は今戦闘状態にある。

ヴォルデモート卿が何度も殺害しようとしたハリーは15年前よりさらに大きな危険にさらされているのじゃ。15年前とはわしがそなたたちにハリーの両親が殺害された事を説明してハリーを実の息子同様に世話をするよう望む。

そう書いた手紙をつけハリーをこの家の戸口に置き去りにした時の事だ。ここまで言った所でダンブルドアは一旦言葉を切りました。気軽で静かな声でしたし怒っている様子は全くありません。でも何か冷たいものを感じました。

ハリーはダーズリー一家が僅かに身を寄せ合った事に気づきました。そしてダンブルドアは再び話し始めました。そなたたちはわしが頼んだようにはせなんだ。ハリーを息子として遇した事はなくハリーはただ無視をされていた。

ハリーはそなたたちの手でたびたび残酷に扱われていた。せめてもの救いは2人の間に座っているその哀れな少年がこうむったような言語道断の被害をハリーは免れたという事だ。ダーズリー夫妻は思わずあたりを見回しました。

我々が息子のダドリーを虐待したと?何を言っているんだ?バーノン叔父さんが激怒してこう言いかけましたが言葉の途中でダンブルドアが人差し指を上げて静かにと合図をしました。きっとそう言っているのではないと・・・

そういう事ではないとダンブルドアは言いたかったんでしょうね。沈黙が訪れダンブルドアはまた話し始めました。わしが15年前にかけた魔法はハリーがこの家を家庭を呼べる内はハリーに強力な保護を与えるというものだった。

ハリーがこの家でどんなに惨めだったにしろどれだけ疎まれひどい仕打ちを受けていたにしてもそなたたちは渋々ではあったが少なくともハリーに居場所を与えた。この魔法はハリーが17才になった時に効き目を失うであろう。

それはつまりハリーが一人前の男になった瞬間だとダンブルドアは言うのです。そこでダンブルドアは唯一のお願いとしてハリーが17才の誕生日を迎える前にハリーがもう一度この家に戻る事を許して欲しいと言ったのでした。

ダーズリー一家は無言でした。ダドリーは「一体自分はいつ虐待されたんだ?」と言いたげに顔をしかめていました。バーノン叔父さんは喉に何かつっかえたような顔をしていました。ペチュニア叔母さんは赤面していました。

ダンブルドアの「言語道断の被害」の真の意味を理解していたのはどうやらベチュニア叔母さん1人だけだったようですね。

3-3.ようやく出発
「さてハリー。出発の時間じゃ」立ち上がって旅行用マントの皺を伸ばしながらハリーにとっては待望の言葉をダンブルドアが言いました。ダンブルドアはダーズリー一家に「またお会いする時まで」と別れの挨拶をしました。

しかしダーズリー一家は「自分たちとしてはその時が永久に来なくていい」という顔をしていました。帽子を脱いで挨拶をするとダンブルドアは部屋を出ました。ハリーも急いで「さよなら」と言うとダンブルドアに続きました。

「これは今のところ邪魔じゃな」

ダンブルドアは鳥籠が上に載ったトランクのそばで立ち止まりこう言って杖を取り出しました。そして「隠れ穴で待っているように送っておこう。ただ透明マントだけは持って行きなさい。万が一のためじゃ」と言ったのでした。

トランクの中がごちゃごちゃなのでダンブルドアに見られないようにマントを取り出すのは一苦労でした。マントを上着の内ポケットに仕舞い込むとダンブルドアが杖を一振りしてトランクもヘドウィグも鳥籠ごと消えました。

ダンブルドアがさらに杖を振ると玄関の扉が開いて外のひんやりした霧の闇が現れました。ダンブルドアがこう言って2人はプリベット通り4番地を後にしたのでした。

「それではハリー。夜の世界に踏み出しあの気まぐれで蟲惑的な女性を追求するのじゃ。冒険という名の」

今日の最後に
ハリーが荷造りを終えて一階に下りて来た時にもダンブルドアはまだ客間にいました。ハリーはがっかりしましたが客間に顔を出した所でダンブルドアは「最後にもう1つ」と言ってダーズリー夫妻に話しかけたというわけです。

それは静かな口調だったもののダーズリー夫妻に対する苦言でした。2人は自分が実の息子同様に世話するよう望むと手紙に書いたのにそうしなかった。ハリーをひたすら無視したその上にハリーはたびたび残酷に扱われていた。

しかしその一方でせめてもの救いは2人の間に座っているその哀れな少年つまりダドリーがこうむった言語道断の被害をハリーは免れたとダンブルドアは言っています。ダンブルドアはここをハリーに聞かせたかったんですよね。

ひどい扱いは受けたものの真面目で人から信頼される子に育ってくれた。だからこれで良かったんだとダンブルドアはハリーに言いたかった。そして溺愛するあまりわがままに育てるのも程々にとダーズリー夫妻に言いたかった。

そういう事だったと私はそう思いますね。
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