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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

およそ一カ月ぶりに行われたダンブルドアの個人教授だったのですが今回の授業でハリーが「憂いの篩」で見たのは孤児院にいるトム・リドルをダンブルドアが訪ねた時の光景でした。まずはトム・リドル本人に会う前に関門が待ち構えていたというわけなんですよね。しかしその一方で・・・(全3項目)

3-1.ダンブルドア自身の記憶
机の前に並んで立つのに合わせてハリーが「どこへ行くのですか?」と訊くとダンブルドアは「今回はわしの記憶に入るのじゃ」と答えました。細部に渡って緻密でありしかも正確さにおいても満足できるとの事なんだそうです。

足が固い地面を打ち目を開けるとハリーはダンブルドアと2人で賑やかで古めかしいロンドンの街角に立っていました。ダンブルドアは「わしじゃ」と言うと朗らかに先方を指差しました。そこに若いダンブルドアがいました。

若いアルバス・ダンブルドアの長い髪と顎髭は鳶色でした。道を横切ってハリーたちの側に来るとダンブルドアは悠々と歩道を歩き出しました。濃紫のビロードの派手なカットの背広を着て大勢の人が物珍しげに見ていました。

その姿を見てハリーが思わず「先生。素敵な背広だ」と言うとダンブルドアは若き日の自分の後に従いて歩きながらクスクス笑ったのでした。けれども自分のその姿を見て何か感想などを話すという事は一切しなかったのでした。

3人は短い距離を歩いたその後に鉄の門を通って殺風景な中庭に入りました。その奥には高い鉄柵に囲まれた相当に陰気な四角い建物がありました。若きダンブルドアは石段を数段上がると正面の扉を1回だけノックしました。

暫くの時間が経ってエプロン姿のだらしない身なりの若い女性が扉を開けました。その女性に若いダンブルドアは「こんにちは。ミセス・コールとお約束があります。こちらの院長でいらっしゃいますな?」と言ったのでした。

ダンブルドアの異常な格好をじろじろと観察しながらその女性は当惑顔で「ああ」と答えました。そして後ろを振り向くと大声で「ミセス・コール!」と呼びました。すると遠くのほうで何か大声で答える声が聞こえて来ました。

その女性はダンブルドアに向き直ると「入んな。すぐ来るで」と言いました。そこでダンブルドアは白黒タイルが貼ってある玄関ホールに入りました。全体にみすぼらしい所だったものの建物の中は染みが1つもなく清潔でした。

ハリーと老ダンブルドアはその後から従いて行きました。背後の玄関の扉がまだ閉まり切らない内に痩せた女性が「煩わしい事が多過ぎる」という表情でせかせかと近づいて来ました。別のヘルパーに色々と指示をしていました。

ところがダンブルドアの姿を見ると・・・

3-2.ミセス・コール
そのミセス・コールという女性は濃紫の派手な背広姿のダンブルドアを見た途端に唖然としてその場に釘付けになってしまいました。ダンブルドアは「こんにちは」と言って手を差し出すとミセス・コールにこう言ったのでした。

「アルバス・ダンブルドアと申します。お手紙で面会をお願いしましたところ今日ここにお招きをいただきました」

ミセス・コールは目を瞬きました。どうやらダンブルドアが幻覚ではないと結論を出したようで弱々しい声で「ああそうでした」と言うと私の事務室にお越しいただきましょうと言ってダンブルドアを小さな部屋に案内しました。

ここにお伺いしたのは手紙にも書いたようにトム・リドルについて将来の事を相談するためです。ダンブルドアがこう言うとミセス・コールは「ご家族の方で?」と訊いて来ました。ダンブルドアは自分は教師だと答えました。

私の学校にトムを入学させるお話で参りました。するとミセス・コールは「ではどんな学校ですの?」と問い質して来ました。ダンブルドアが「ホグワーツという名です」と答えると今度は「何故トムに関心を?」と言うのです。

トムは我々が求める能力を備えていると思います。ダンブルドアがこう言うとミセス・コールは「奨学金を獲得したという事ですか?どうしてそんな事が?あの子は一度も試験を受けた事がありません」と反論して来たのでした。

トムの名前は生まれた時から我々の学校に入るように記されている。ダンブルドアがこう言うとミセス・コールは「誰が登録を?ご両親が?」と突っ込んで来ました。ミセス・コールは都合の悪い事に鋭い女性だったんですよね。

ダンブルドアも明らかにそう思ったようでした。そこで背広のポケットから杖を取り出して同時に机からまっさらな紙を1枚取り上げてミセス・コールにその紙を渡しながら杖を1回振りました。記憶修正を施したというわけです。

「これで全てが明らかになると思いますよ」ダンブルドアがこう言うとミセス・コールは目を一瞬ぼんやりさせた後に「全て完璧に整っているようです」と紙を返しながら落ち着いて言いました。そこにはジンの瓶もありました。

殊更に上品な声で「ジンを一杯いかがですか?」と訊くミセス・コールにダンブルドアは笑顔を浮かべて「いただきます」と答えました。自分の分を一気に飲み干すとミセス・コールは初めてダンブルドアに笑顔を見せました。

すかさずダンブルドアはこう言ったのでした。

「トム・リドルの生い立ちについて何かお話しいただけませんでしょうか?この孤児院で生まれたのだと思いますが?」

3-3.トム・リドルの生い立ち
ミセス・コールは「そうですよ」と答えて自分のグラスに再びジンを注ぎました。その時の事は何しろ自分がここで仕事を始めたばかりだったので何よりはっきり憶えているのだそうです。冷たい雪の降る大晦日だったそうです。

その女性は当時のミセス・コールとあまり変わらない年頃で玄関の石段をよろめきながら上がって来たそうです。この孤児院では珍しい事ではなく中に入れてやり1時間後には赤ん坊が生まれさらに1時間後にその人は亡くなった。

「亡くなる前にその方は何か言いましたか?例えば父親の事を何か?」ダンブルドアがこう訊くとミセス・コールは「まさにそれなんですよ。言いましたとも」と答えました。熱心な聞き手を得てその手には大好きなジンがある。

ミセス・コールは今やかなり興に乗った様子でした。その女性はミセス・コールに「この子がパパに似ますように」と言ったんだそうです。女性のその言葉を聞いてミセス・コールは正直な話その願いは正解だとそう言いました。

何せその女性は美人とは言えなかった。それからその子の名前は父親のトムと自分の父親のマールヴォロを取ってつけてくれと言ったのだそうです。ミセス・コールはそのおかしな名前を聞いて女性がサーカス出身だと思った。

それから男の子の姓はリドルだと言った。そしてそれ以上は一言も言わずに亡くなってしまったとの事でした。そこで孤児院では言われた通りの名前をつけたそうです。あの可哀想な女性にとってはとても大切な事のようだった。

だからトム・マールヴォロ・リドルと名付けた。しかしトムだろうがマールヴォロだろうがリドルの一族だろうが誰もあの子を探しに来なかった。親戚さえ来ない。だからあの子はこの孤児院に残ってずっとここにいるそうです。

さらにダンブルドアとミセス・コールの話し合いは続きます。

今日の最後に
母親のメローピーは自分を必要とする息子がいるのに死を選んだ。しかしメローピーはハリーの母親ほどに強くなかったのでそういう事になってしまった。こうしてブレーキ役がいなくなってヴォルデモート卿の暴走が始まった。

孤児院のミセス・コールはダンブルドアに「誰もあの子を探しに来ませんでしたし親戚も来やしませんでした」と言いました。でもきっとメローピーは「ひょっとしたら父親が探してくれるかもしれない」と思ったんでしょうね。

あるいは自分の父親のマールヴォロ・ゴーントが探してくれるかもと思ったのかもしれません。だから息子に「トム・マールヴォロ・リドル」という名前をつけた。しかしメローピーの願いは叶えられなかったというわけです。

これが本当にヴォルデモート卿の暴走を止める最後のチャンスだったというわけなんですよね。

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