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扉が勢いよく開いて病棟にウィーズリー夫妻とフラーが入って来ました。ビルの無残な姿を見てウィーズリーおばさんは啜り泣きを始めました。ところがその場にいた一同全員が驚きのあまり茫然自失とする出来事が起きたのです。それはウィーズリーおばさんがフラーに向かって・・・(全3項目)

3-1.ウィーズリー夫妻とフラーが入って来て
扉が勢いよく開いたので病棟にいた一同全員が飛び上がりました。ウィーズリー夫妻が急ぎ足で入って来ました。そのすぐ後ろに顔を恐怖に強張らせたフラーの姿がありました。マクゴナガル先生が急いで2人を迎えたのでした。

めちゃめちゃになったビルの顔を見るなりウィーズリーおばさんは「ビル」と言いました。そして「お気の毒です」と2人を迎えたマクゴナガル先生のそばを走り過ぎるとおばさんは小声で「ああビル!」と呼びかけたのでした。

ルーピンとトンクスが急いで立ち上がり身を引いてウィーズリー夫妻がベッドに近寄れるようにしました。おばさんはビルに覆いかぶさり血だらけの額に口づけをしました。アーサー氏が気がかりで堪らないという感じで・・・

「息子はグレイバックに襲われたとおっしゃいましたかね?しかし変身してはいなかったのですね?するとどういう事なのでしょう?ビルはどうなりますか?」

こうマクゴナガル先生に訊きました。マクゴナガル先生は「まだ分らないのです」と答えると助けを求めるようにルーピンを見ました。当然の如くこれは狼人間の事だからというわけです。するとルーピンはこう答えたのでした。

「アーサーおそらく何らかの汚染はあるだろう。珍しいケースだ。おそらく例がない。ビルが目を覚ました時どういう行動に出るかは分らない」

おばさんはマダム・ポンフリーから軟膏を受け取りビルの傷に塗り込み始めました。一方アーサー氏は今度はダンブルドアが死んだ事をマクゴナガル先生に訊きました。アーサー氏もにわかには信じられないといった様子でした。

マクゴナガル先生が頷くとアーサー氏は「ダンブルドアが逝ってしまった」と呟くように言いました。しかしおばさんはビルを見ていました。そして啜り泣きを始めました。おばさんはどんな事よりビルが気がかりだったのです。

ビルの事しか考えられなかったのです。

3-2.フラーの決意
もちろんどんな顔になったって構わないわ。そんな事はどうでもいい事だわ。でもこの子はとっても可愛い。ちっちゃな男の子だった。いつでもとってもハンサムだった。それにもうすぐ結婚するはずだったのに。ところがです。

もうすぐ結婚するはずだった。最後にウィーズリーおばさんがこう言うと突然フラーが大きな声で「どういう意味ですか?この人が結婚するはずだった?」と言って来ました。おばさんは驚いたように涙に濡れた顔を上げました。

言葉を途切れがちにそしてさらには躊躇しながら「でも。ただ」と言うおばさんにフラーは「ビルがもう私と結婚したくないと思うのですか?こんな噛み傷のせいでこの人がもう私を愛さないと思いますか?」と問い詰めました。

「いいえ。そういう事ではなくて」と言うおばさんにフラーは「だってこの人は私を愛します!」と言いました。そして背筋を伸ばし長い髪を後ろに払うと「狼人間なんかがビルに私を愛する事を辞めさせられません」と・・・

こう言うフラーにおばさんは「まあ。ええ。きっとそうでしょう」と言いました。狼人間に噛まれたからってビルがあなたを愛さないという事はないでしょう。そういう事を言っているのではないとおばさんは言いたいのです。

再び言葉を途切れがちにしながら「でももしかしたら。もうこんな。この子がこんな」とおばさんが言うとフラーはこう言ったのでした。それはフラーの決意を示すものでした。狼人間に噛まれても構わないと宣言したのでした。

「私がこの人と結婚したくないだろうと思ったのですか?それとももしかしてそうなって欲しいと思いましたか?」

さらにフラーは激しい口調で「この人がどんな顔でも私が気にしますか?私だけで十分2人分美しいと思います。傷痕は私のハズバンドが勇敢だという印です!」と言い放ったのでした。それにそれは私がやると言って・・・

フラーはおばさんが持っていた軟膏を奪いおばさんを押し退けビルの傷を拭い始めました。ウィーズリーおばさんはアーサー氏に倒れかかり何とも奇妙な表情でその光景を見つめていました。誰も何も言おうとはしませんでした。

ハリーは身動きする事さえ遠慮しました。誰もがウィーズリーおばさんが怒りを大爆発させるとそう思ったからです。

ところがでした。

3-3.ウィーズリーおばさんの決意
大叔母のミュリエルがとても美しい小鬼製のティアラを持っている。あなたの結婚式に貸していただけるよう大叔母を説得できると思う。大叔母はビルが大好きなの。それにあのティアラはあなたの髪にとても似合うと思います。

長い沈黙の後ウィーズリーおばさんは口を開いてこう言いました。その口調は怒りに猛り狂っているのではなくむしろ静かでした。その言葉にフラーは硬い口調で「ありがとう。それはきっと美しいでしょう」と答えたのでした。

そしてハリーにはどうしてそうなったのかよく分りませんでしたがウィーズリーおばさんとフラーは抱き合い泣き出しました。何が何だか全く分らず「一体世の中はどうなっているんだろう?」と訝りながらロンを見ると・・・

ロンもハリーと同じ気持ちのようで茫然自失といった面持ちでした。そしてジニーとハーマイオニーもまた呆気に取られて顔を見合わせていました。要するにウィーズリーおばさんがビルとフラーの結婚を承諾したという事です。

おばさんもとっさの判断でビルが狼人間のフェンリール・グレイバックに襲われてこんな無残な姿になってしまったからにはビルがどれだけ温厚で物静かな性格だといっても今後新たに思いを寄せてくれる女性は現れないだろう。

だからこんな姿になってしまってもビルの事を引き続き愛してくれると言っているのだからビルの事はこのフラーに託すしかない。ウィーズリーおばさんはそう思ったからこそ「ビルとフラーの結婚を承諾しよう」と決心をした。

そういう事なんでしょうね。

今日の最後に
こうしてフラーにしてみればようやくといった感じでビルのお母さんが自分との結婚を承諾してくれたというわけです。そもそもこのビル・ウィーズリーとフラー・デラクールを引き合わせたのはダンブルドアだったんですよね。

三大魔法学校対抗試合の最終課題の時に代表選手の家族を招待しました。そしてそこにハリーの家族として呼ばれたのがウィーズリーおばさんとビルの2人だったんですよね。そこでフラーがビルの事を見初めたというわけです。

当初はビルの容姿に惹かれたフラーでしたがビルのその人柄に惚れ込んで「どんな顔でも気にしない。私だけで2人分美しい」と言ってフラーはもう何が何でもいった感じでビルと結婚をすると言ってくれました。そして・・・

このビルとフラーの結婚もまたダンブルドアの先を見据えた取り計らいというわけなんですよね。
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