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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

これまでならハリーがバーノン叔父さんと話す時には恐々あるいはおっかなびっくりという感じでした。しかし今回に限ってはハリーはいつになく強気でした。何故かと云うとハリーには最後の切り札があったからです。そしてそれはハリーの予想通り効果てきめんでした。さらにハリーが寝室に戻ると・・・(全3項目)

3-1.最後の切り札
バーノン叔父さんはまた手紙を眺め回しました。叔父さんの唇の動きをハリーは「普通の方法で私どもにお送りいただくのがよろしいかと」とそう読み取りました。そしてハリーの推察通りで叔父さんはこう訊いて来たのでした。

「どういう意味だ。この普通の方法っていうのは?」

バーノン叔父さんが止める間も与えずハリーは「僕たちにとって普通の方法。つまりふくろう便のこと。それが魔法使いの普通の方法だよ」と答えました。するとそれを聞いた叔父さんは身を震わせ烈火の如く激怒したのでした。

まるでハリーが汚らしい罵りの言葉でも吐いたかのようでした。叔父さんは神経を尖らせて窓の外を見ました。まるで隣近所が窓ガラスに耳を押しつけて聞いているかのようでした。窓の外を見た後に叔父さんはこう言いました。

「何度言ったら判るんだ?この屋根の下で不自然な事を口にするな。恩知らずめが。わしとペチュニアのお陰でそんな風に服を着ていられるものを」

凄んでこう言う叔父さんにハリーは「ダドリーが着古した後にだけどね」と冷たく言いました。すると叔父さんは怒り狂って震えながら「わしに向かってその口の利きようは何だ!」と言いました。でもハリーも引っ込みません。

それは何故かと云うとハリーには最後の切り札があったからです。これを言えばバーノン叔父さんは今度は怒りではなく恐怖で身を震わせる事になる。ハリーは深く息を吸って気持ちを落ち着けました。そしてこう言ったのです。

「じゃ僕ワールドカップを見に行けないんだ。もう行ってもいいですか?シリウスに書いてる手紙を書き終えなきゃ。ほら僕の名付け親」

ハリーがこう言うとバーノン叔父さんは「お前-お前は奴に手紙を書いているのか?」と訊いて来ました。叔父さんは表向きは平静を装っていました。でもハリーは叔父さんの小さな目が恐怖でさらに縮んだのを見て取りました。

「ウン。まあね。もう随分長いこと手紙を出してなかったから。それに僕からの便りがないとほら何か悪い事が起こったんじゃないかって心配するかもしれないし」

ハリーはさりげなく言いそしてここで言葉を切って言葉の効果を楽しみました。シリウスに手紙を書くのを辞めさせればシリウスはハリーが虐待されていると思うだろう。ワールドカップに行ってはならんとハリーに言ったら?

ハリーはそれを手紙に書きシリウスがその事を知ってしまう。つまりバーノン叔父さんの選択は1つしかないというわけです。ハリーには叔父さんの頭にその結論が出来上がって行くのが見えるようでした。ハリーは待ちました。

すると?

3-2.自分の部屋に戻ると
バーノン叔父さんはクィディッチ・ワールドカップの事を「いまいましい」とか「馬鹿馬鹿しい」などと散々ケチをつけながらハリーに行ってもいい。そしてウィーズリー一家に迎えに来るように言えとハリーに告げたのでした。

それから当然夏休みの残りの期間を「隠れ穴」で過ごしていい。そして名付け親つまりシリウスにもその事を伝えるようにと言ったのでした。ハリーがそうしないと自分たちの身に危害が及ぶかもしれないと思っているからです。

ハリーはうれしさを隠し切れず「オッケーだよ」と朗らかに言いました。そして向き直ると飛び上がり「ヤッタ!」と叫ぶのを堪えつつ居間の扉を開け廊下に出ました。するとそこにはダドリーがいてぶつかりそうになりました。

自分が叱られる所を盗み聞きしていたに違いない。ハリーはそう思いました。ハリーが笑顔なのを見てダドリーはショックを受けたようでした。そんなダドリーに追い打ちをかけるようにハリーはダドリーにこう言ったのでした。

「素晴らしい朝食だったね?僕満腹さ。君は?」

ダドリーが驚くのを見て笑いながらハリーは階段を一度に三段ずつ駆け上がり飛ぶように自分の部屋に戻りました。するとヘドウィグが戻っていました。気分は最高潮のハリーとは違ってヘドウィグのほうは何やらご機嫌斜めです。

「アイタッ!」

小さな灰色のふかふかしたテニスボールのようなものがハリーの頭の横にぶつかりました。手の平に収まるくらい小柄なふくろうが迷子の花火のように興奮し飛び回っていました。先学期末にシリウスがロンに贈ったんですよね。

豆ふくろうはハリーの足下に手紙を落としていました。そのロンの手紙によれば名前は「ピッグ」というのだそうです。手紙の冒頭にはアイルランド対ブルガリア戦の切符をアーサー氏が手に入れた事が綴られていたのでした。

それから母親のウィーズリーおばさんがダーズリー夫妻に書いて今朝届いたマグルの郵便の事が書かれていました。そしてダーズリー側の返事が「イエス」でも「ノー」であっても明日の午後5時に迎えに行くと書かれていました。

そして最後にはパーシーが魔法省に就職し「国際魔法協力部」に配属になった事が書かれていたのでした。ハリーが手紙を読み終えてもピッグはまだ部屋の中を飛び回っていました。そこでハリーはピッグにこう呼びかけました。

「落ち着けよ!ここへおいで。返事を出すのに君が必要なんだから」

ピッグはヘドウィグの籠の上に舞い降りました。ヘドウィグは「それ以上近づけるものなら近づいてごらん」と言いたげに冷たい目で見上げていました。そこでハリーは今しがたあった事を綴りロンへの返事の手紙を書きました。

「ロン。全てオッケーだ。マグルは僕が行ってもいいって言った。明日の午後5時に会おう。待ち遠しいよ」

ピッグが興奮して何度も飛び上がるので手紙を脚に縛る作業は困難を極めました。ようやく結びつけるとピッグは「待ってました!」と言わんばかりに飛び立って行きました。そしてハリーは今度はヘドウィグにこう言いました。

「長旅できるかい?」

3-3.ヘドウィグを見送ると
二通の手紙を届けたのが南国風の鳥だった。その事から察するにシリウスはどうやら相当遠くにいるらしい。そこでハリーはシリウスに手紙を届けて貰うのに当たってヘドウィグに長旅はできるかいとそう尋ねたというわけです。

ヘドウィグは「お任せあれ!」と言いたげに威厳たっぷりに鳴きました。ハリーは手紙を取り上げると「これをシリウスに届けられるね?」と言った後「ちょっと待って。一言書き加えるから」と言って急いで追伸を書きました。

僕に連絡をしたい時には夏休み中は友達のロン・ウィーズリーの所にいる。ロンのお父さんがクィディッチ・ワールドカップの切符を手に入れてくれたんです。こう書き加えるとハリーは手紙をヘドウィグの脚に縛り付けました。

ヘドウィグはいつにも増してじっとしていました。本物の郵便配達ふくろうが「どう振舞うべきか?」をハリーにしっかり見せてやろうとしているかのようでした。そんなヘドウィグにハリーはこう声をかけたというわけです。

「君が戻る頃。僕ロンの所にいるから。判ったね?」

ヘドウィグは愛情を込めてハリーの指を噛み翼を広げて開け放った窓から飛び立って行きました。ハリーはヘドウィグの姿が見えなくなるまで見送りベッド下に潜り込んで例の床板を開けてバースデー・ケーキを取り出しました。

床に座ってケーキを食べながらハリーは幸福感がひたひたと溢れて来るのを味わいました。自分にはケーキがある。ダドリーにはグレープフルーツしかない。明日には迎えが来て自分はプリベット通り4番地を離れる事になるんだ。

そしてクィディッチ・ワールドカップを見に行くのだ。だから今は何かを心配しろというほうが無理というわけなんですよね。

今日の最後に
こうしてヘドウィグはシリウスに手紙を届けるために長旅をする事になりました。ハリーはその手紙に追伸として夏休み中はロンの所つまりは「隠れ穴」にいると書き加えました。ヘドウィグにもその旨をそう伝えていますよね。

しかしヘドウィグは夏休み中に戻って来る事はできませんでした。ヘドウィグがハリーにシリウスの返事の手紙を持って来たのは学校で学期が始まってから5日目の事でした。そこにはシリウスが帰って来ると記されていました。

ヘドウィグが旅立ったのは夏休みも残り二週間という日でした。という事は片道9日ないし10日の工程だったという事になりますよね。

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