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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

やっとこさダーズリー夫妻との対面を果たし握手をしようと手を差し出したアーサー氏だったのですが残念ながらバーノン叔父さんのほうにはそれに応じる余裕はありませんでした。さらに帰りがけにはフレッドとジョージの仕掛けた悪戯で居間は修羅場と化してしまったのでした。(全3項目)

3-1.ようやくご対面となったものの
アーサー氏は長い緑のローブの埃を払い曲がったメガネを直すとダーズリー夫妻に「ああ。ハリーの叔父さんと叔母さんでしょうな!」と声をかけると握手をしようとして手を差し出しつつバーノン叔父さんに近づいたのでした。

バーノン叔父さんはペチュニア叔母さんを引きずって数歩後退りしました。残念ながら叔父さんのほうはそれに応じる余裕は全くないようでした。一張羅の背広は埃で真っ白で髪も口髭も埃まみれて30才も老けて見えたのでした。

握手を諦めて手を下ろし吹き飛んだ暖炉を振り返るとアーサー氏は申し訳ないと謝罪しました。何でもプリベット通り4番地の暖炉を「煙突飛行ネットーワーク」にハリーを迎えに来るために今日の午後だけ組み込んだそうです。

マグルの暖炉は厳密には結んではいけないのだそうです。でもアーサー氏は「煙突飛行規制委員会」にコネがありそこの人が細工をしてくれたんだそうです。そして吹き飛んだ暖炉はすぐに元通りにできるので心配ないそうです。

子供たちを送り返す火を熾しそれからこの暖炉を直して自分は「姿くらまし」する。そう理路整然と冷静沈着に説明をしたもののターズリー夫妻には一言もアーサー氏の説明は分らなかっただろう。ハリーはそう思ったのでした。

ダーズリー夫妻は雷に打たれたように大口を開けてアーサー氏を見つめたままでした。ペチュニア叔母さんはよろよろと立ち上がると叔父さんの陰に隠れました。ダーズリー夫妻への説明が終わるとアーサー氏は朗らかに・・・

「やあハリー!トランクは準備できているかね?」

ハリーは笑顔を見せると「二階にあります」と答えました。するとフレッドがハリーにウインクをしながら「俺たちが取って来る」と言ってジョージと一緒に部屋を出て行きました。2人はダドリーに会うのを楽しみにしている。

ハリーはそう思いました。一方アーサー氏はハリーへの挨拶が終わったので再びダーズリー夫妻に声をかけました。何せアーサー氏はマグル好きなので「この機会に是非ともダーズリー一家と仲良くなりたい」と思っているのです。

「なかなかいいお住まいですな」

アーサー氏はこう言ったのですが・・・

3-2.アーサー氏必死の努力
普段はシミ1つない居間が埃とレンガの欠けらで埋まっているとあってはダーズリー夫妻にはこの言葉に納得できるはずなどありません。しかしそれでもアーサー氏の事が怖くて怖くて言い返す事など全くできないようでした。

アーサー氏はあたりを見回しました。とにもかくにもマグルに関する物は何でも好きなのです。どうやらアーサー氏はテレビとビデオを調べたくてしかたがないようでした。そしてアーサー氏は自身の趣味の事を話し始めました。

プラグを集めているとか電池のコレクションは相当なものだとかなどです。バーノン叔父さんもアーサー氏の事を奇人だと思ったようです。ペチュニア叔母さんを隠すようにほんの僅か右のほうにそろりと体を動かしたのでした。

ダドリーが突然居間に戻って来ました。フレッドとジョージがハリーのトランクを運ぶ音が聞こえて来たのでそれに怯えキッチンから出て来たようです。そしてダドリーもまた父親のバーノン叔父さんの陰に隠れようとしました。

しかし残念ながら巨大過ぎて隠れる事ができません。するとアーサー氏が何とか会話を成立させようと「ああ。この子が君の従兄か。そうだねハリー?」と勇敢にも突っ込みを入れハリーは「そう。ダドリーです」と答えました。

ハリーはロンと目を見交わし急いで互いに顔を背けました。吹き出したくて我慢できなくなりそうでした。ダドリーは相変わらず尻をがっちりガードしていました。アーサー氏はそれを見てダドリーの事を心底心配したようです。

アーサー氏が次に口を開いた時その口調に心配する気持ちが表れていました。しかし残念ながらアーサー氏がダドリーを思いやる気持ちはそのダドリーには伝わりませんでした。低く悲鳴を上げると尻のガードを強めたのです。

フレッドとジョージがハリーのトランクを持って居間に戻って来ました。入るなり部屋を見渡しダドリーを見つけると2人は揃って悪戯っぽく笑いました。フレッドとジョージが戻って来たのを見てアーサー氏はこう言いました。

「あーでは。そろそろ行こうか」

アーサー氏はローブの袖をたくし上げて杖を取り出すと暖炉があった壁の穴に杖を向けて「インセンディオ!燃えよ!」と唱えました。アーサー氏が杖を取り出すのを見てダーズリー一家は一塊になって壁に張り付いたのでした。

瞬時に炎が上りパチパチと楽しげな音を立てました。アーサー氏は小さな巾着袋を取り出し中の粉を炎の中に投げ入れました。すると炎はエメラルド色に変わり前にも増して高く燃え上がりました。アーサー氏はこう言いました。

「さあフレッド行きなさい」

フレッドは「今行くよ」と言って炎に飛び込もうとしました。ところが「あっしまった。ちょっと待って」と言って炎の中に飛び込むのを止めてしまいました。ポケットから菓子袋が落ちて床に散らばってしまったからでした。

フレッドは急いで中身を掻き集めポケットに突っ込むとダーズリー一家に愛想良く手を振って今度こそ炎の中に飛び込んで「隠れ穴!」と唱えました。それを見てペチュニア叔母さんは身震いをしながらあっと息を呑みました。

「よし。次はジョージ。お前とトランクだ」

アーサー氏がこう言ってジョージがトランクを炎の所に運ぶのをハリーが手伝いました。トランクを縦にして抱えやすくしました。今度はジョージが「隠れ穴!」と叫んで姿を消しました。そしてロンも炎の中に姿を消しました。

残るはハリーとアーサー氏の2人になりました。

そこでだったのです。

3-3.助けようとしているのに
ハリーはダーズリー一家に「それじゃ。さよなら」と挨拶をして炎に向かって歩きました。ところがハリーが暖炉に近づいた所でアーサー氏がそれを止めてしまいました。アーサー氏は唖然としてダーズリー一家を見ていました。

「ハリーがさよならと言ったんですよ。聞こえなかったんですか?」

ダーズリー一家がハリーに挨拶を返さなかった事を怒っているのです。そんなアーサー氏にハリーは「いいんです。本当にそんな事どうでもいいんです」と言いました。しかしアーサー氏はハリーの肩を放そうとはしませんでした。

「来年の夏まで甥ごさんに会えないんですよ。もちろんさよならと言うのでしょうね」

アーサー氏は軽い怒りを込めてバーノン叔父さんにこう言いました。叔父さんは顔を激しく歪ませました。居間の壁を半分吹き飛ばした男から礼儀を説教される事にひどく屈辱を感じているのです。でもその男の手には杖がある。

叔父さんは杖をチラッと見ると口惜しそうに「それじゃ。さよならだ」と言いました。ハリーは「じゃあね」と答えエメラルド色の炎に片足を入れました。暖かい息を吹きかけられるような心地よさです。ところがだったのです。

突然背後でひどく吐く声が聞こえペチュニア叔母さんがまたしても悲鳴を上げました。ハリーが振り返るとダドリーがコーヒーテーブルの脇に膝をついて30センチほどの紫色の何かを口から突き出しながら咽込んでいたのでした。

一瞬「何だろう?」と当惑しましたがハリーはすぐに紫色のそれがダドリーの舌だと判りました。そして色鮮やかなヌガーの包み紙がダドリーのすぐ前の床に落ちているのを見つけたのです。それを見てペチュニア叔母さんは?

ペチュニア叔母さんはダドリーの脇に身を投げ出すと舌の先を掴んでもぎ取ろうとしました。当然ダドリーは喚き前にも増してひどく咽込みました。そして母親を振り放そうとしてもがきました。そんな事をされては堪りません。

バーノン叔父さんが大声で喚くわ両腕を振り回すわでアーサー氏は何を言うにも大声を張り上げなければなりませんでした。アーサー氏は「ご心配なく。私がちゃんとしますから!」と叫ぶとダドリーに近づいて行ったのでした。

しかしアーサー氏が杖を掲げたのでペチュニア叔母さんはますますひどい悲鳴を上げました。そしてダドリーに覆い被さってアーサー氏からダドリーをかばおうとしました。それを見てアーサー氏は困り果ててこう説明しました。

「本当に大丈夫ですから!簡単な処理ですよ。ヌガーなんです。息子のフレッドが。しょうのないやんちゃ者で。しかし単純な肥らせ術です。まあ私はそうじゃないかと。どうかお願いです。元に戻せますから」

アーサー氏がこう言ってもダーズリー夫妻は納得せずますますパニック状態に陥りました。ペチュニア叔母さんはヒステリーを起こして泣き喚きながらダドリーの舌をちぎり取ろうとしてがむしゃらに引っ張り続けたのでした。

ダドリーは母親と自分の舌の重みで窒息しそうになりバーノン叔父さんは完全にキレて陶器の置物を掴んでアーサー氏に投げつけました。アーサー氏は怒り杖を振り回しました。そして2人にこう言ったというわけなんですよね。

「全く!私は助けようとしているのに!」

アーサー氏が「ハリー行きなさい!いいから早く!私が何とかするから!」と言うのでハリーは「こんな面白いものを見逃したくはない」とも思ったものの結局はアーサー氏に任せたほうがいいと判断したので行く事にしました。

こうしてハリーは「隠れ穴」に向かって旅立ったのでした。

今日の最後に
アーサー氏にしてみればこれを機会にダーズリー一家と仲良くしたいとそう思っていただけに極めて残念な形でプリベット通り4番地を去る事になってしまいました。ダーズリー一家の魔法に対する恐怖心が強過ぎたからでした。

今にして思えばアーサー氏はダーズリー一家のこの魔法に対する半端ないほどの恐怖心を和らげる努力をすれば良かったとそう思います。例えばペチュニア叔母さんに魔法で花束と花瓶を作って贈れば良かったと私は思いますね。

魔法とて使い方次第で毒にも薬にもなる。それを理解して貰えればダーズリー一家の魔法に対する誤解も少しは解けたでしょう。でも結局はフレッドとジョージがダドリーに仕掛けた悪戯でその努力も台無しになったでしょうね。

やはりウィーズリー一家とダーズリー一家が友好関係を結ぶのは最初から無理だったというわけなんですよね。

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