FC2ブログ
アイルランドのチェイサーの怒涛の攻撃で点差が開いた事で試合展開は荒れ気味になり反則が相次ぐようになりました。さらにマスコットのレプラコーンとヴィーラの騒ぎが混乱に拍車をかけました。そんな最中にスニッチが見つかったのです。スニッチを捕ったのはクラムだったのですが・・・(全3項目)

3-1.反則の後に
度重なる失点でブルガリアのキーパーはついに堪忍袋の緒が切れたようです。一瞬の事で何が起こったのかはハリーには分りませんでしたがアイルランドの応援団から怒りの叫びが上りモスタファーがホイッスルを鳴らしました。

長く鋭く吹き鳴らしたのでハリーは今のは反則だと判りました。バグマン氏がキーパーがしたのは「ロビング」という過度な肘の使用という反則だと観衆に向かって解説しました。するとレプラコーンがこう文字を描きました。

「ハッ!ハッ!ハッ!」

それを見て今度はピッチの反対側にいたヴィーラが立ち上がり怒りに髪を打ち振りながら踊り始めました。ウィーズリー家の男子とハリーは即座に指で耳栓をしましたがハーマイオニーは笑って「審判を見てよ!」と言いました。

ハリーが見下ろすと審判のモスタファーが踊るヴィーラの真ん前に降りて腕の筋肉を盛り上がらせたり口髭を撫でつけたりしていました。バグマン氏は「これは放ってはおけません」と言いながらも面白くて堪らないようでした。

バグマン氏が「誰か審判をひっぱたいてくれ!」と言うと魔法医の1人が大急ぎで駆けつけ自分は指で耳栓をしながらモスタファーの向こう脛を思いっ切り蹴飛ばしました。これでようやくモスタファーは我に返ったのでした。

モスタファーはそれはもうバツの悪そうな表情でヴィーラを怒鳴りつけていました。ヴィーラは踊るのを止めて反抗的な態度を取っていました。ところがモスタファーはヴィーラを怒鳴りつけるだけでは済まなかったのでした。

「さあ私の目に狂いがなければモスタファーはブルガリア・チームのマスコットを本気で退場させようとしているようであります!」

こんな事は前代未聞。面倒な事になりそうだ。バグマン氏がこう言っていたらモスタファーは本当にヴィーラを退場させてしまいました。そんな事をされてブルガリアの選手は黙っていられずモスタファーに抗議をしたのでした。

すると?

3-2.試合終了!
「アイルランドにペナルティ・スロー2つ!」バグマン氏がこう叫ぶとブルガリアの応援団は当然怒りました。しかしバグマン氏が言うようにブルガリアは抗議を続ければ自分で自分の首を絞める事になるので箒に乗りました。

試合はこれまでに見た事がないほど凶暴になって来ました。ビーターは両チームとも情け容赦なしの動きでした。特にブルガリアのビーター2人は棍棒をメチャメチャに振り回しブラッジャーや選手に当たっても見境なしでした。

そして再びブルガリアの選手が反則をしました。わざとぶつかるように飛んだのです。アイルランドの応援団が次々と立ち上がり一斉に「反則だ!」と叫びました。バグマン氏もそれに続くように「反則!」と言ったのでした。

レプラコーンがまた空中に舞い上がり巨大な手の形になってヴィーラに向かって下品なサインをしてみせました。これを見てヴィーラは自制心を失いピッチの向こうから火の玉のような物をレプラコーンに投げつけ始めました。

これでヴィーラが正体を表しました。それを見てハリーはヴィーラが「どう見ても美しくない」という事が判りました。顔は伸びて鋭い獰猛な嘴をした鳥の頭になり鱗に覆われた長い翼が肩から飛び出しているという姿でした。

「ほらお前たちあれをよく見なさい。だから外見だけにつられては駄目なんだ!」

下の観客席からの大喧騒に負けない声でアーサー氏がこう叫びました。魔法省の役人がヴィーラとレプラコーンを引き離そうとしていましたが試合はその騒ぎとは関係なく進んでいました。ハリーも試合のほうに注目をしました。

何せクアッフルが弾丸のような速さで手から手へと渡るのであっちへこっちへと首を振らなくてはならなかったからです。そしてまたアイルランド・サポーターが歓声を上げました。アイルランドがまたも追加点を加えました。

しかしその歓声も下での騒ぎやブルガリア・サポーターが怒り狂う声でほとんど聞こえません。そんな最中にアイルランドのビーターがブラッジャーを大きく打ち込みクラムめがけて力一杯叩きつけそれがクラムに当たりました。

クラムは負傷し血がそこいらじゅうに飛び散っていました。ところがモスタファーはヴィーラが投げた火の玉が当たって箒の尾が火事になっているのに気を取られていてクラムが怪我をしている事に気づく余裕がなかったのです。

ハリーもロンもそしてブルガリア・サポーターはもちろんアイルランド・サポーターさえも同じ気持ちのようでした。クラムの負傷に気づいてタイムにして欲しい!ところがここでアイルランドのシーカーが急降下を始めました。

これはウロンスキー・フェイントなんかじゃない。ハリーには確信がありました。今度は本物だ。観衆も半分がその事に気づきました。アイルランド・サポーターは立ち上がるとチームのシーカーに大声援を送っていたのでした。

2人のシーカーは一対になって再びピッチに突っ込んで行きました。ハーマイオニーが金切り声で「2人ともぶつかるわ!」と言いロンが大声で「そんな事ない!」と言いました。ハリーは「リンチがぶつかる!」と叫びました。

ハリーの言う通りでした。またもリンチは地面に激突しました。チャーリーがスニッチはどこだと叫びました。それにハリーが「捕った。クラムが捕った。試合終了だ!」と叫び返しました。クラムがゆっくり舞い上がりました。

赤いローブは血に染まっていました。クラムは高々とこぶしを突き上げました。その手の中に金色の煌きが見えました。しかし勝ったのはブルガリアではなくアイルランドでした。スコアは終わってみれば「170対160」でした。

3-3.ゆっくりと盛り上がる歓喜
スニッチを捕ったのはビクトール・クラム。でも勝ったのはアイルランド。観衆の大多数は事の状況が分っていないようでした。そのため時間をかけてゆっくりとアイルランド・サポーターのざわめきが大きくなって行きました。

アイルランド勢と同様バグマン氏もこの試合の終わり方には度肝を抜かれていました。だからこそ「何たる事。誰がこれを予想したでしょう」と言ったのです。160点もリードをされていたのに何故クラムはスニッチを捕った?

こう叫ぶロンにハリーは「絶対に点差を縮められないって判ってたんだよ。アイルランドのチェイサーが上手過ぎたんだ。クラムは自分のやり方で終わらせたかったんだ。きっと」と叫び返したのでした。するとここで・・・

「あの人とっても勇敢だと思わない?」

ハーマイオニーがこう言ってクラムが着地する所を見ようと身を乗り出しました。そこでは魔法医の大集団が戦いもたけなわのレプラコーンとヴィーラを吹き飛ばして道を作りクラムに近寄ろうとしていました。その様子は?

ハーマイオニーが「めちゃくちゃ重傷みたいだわ」と言うのでハリーは万眼鏡を目に当てました。レプラコーンが大喜びでピッチを飛んでいるのでなかなか見えませんでしたが何とか魔法医に取り囲まれたクラムを見つけました。

前にも増してむっつりした表情で医師団が治療しようとするのを撥ねつけていました。その周りではチームメートががっかりした様子で首を振っています。その少し向こうではアイルランドの選手たちが狂喜して踊っていました。

レプラコーンが金貨のシャワーを浴びせていました。観客席ではそこいらじゅうで国旗が打ち振られ四方八方でアイルランド国歌が流れていました。ヴィーラは意気消沈して惨めそうでしたが今は元の美しい姿に戻っていました。

するとハリーの背後で沈んだ声で「まあ我々は勇敢に戦った」と訛りのある英語で言うのが聞こえて来ました。振り返って見ると何と声の主はブルガリアの魔法大臣でした。それを聞いてファッジは怒ってこう言ったのでした。

「ちゃんと話せるんじゃないですか!それなのに一日中私にパントマイムをやらせて!」

ブルガリアの魔法大臣は肩をすくめて再び訛りのある英語で「いやぁ本当に面白かったです」と言ったのでした。ここでバグマン氏がアイルランド・チームがウイニング飛行をしている間に優勝杯が運び込まれると説明しました。

突然白い光が射してハリーは目が眩みました。貴賓席の中が観客によく見えるように魔法の照明が点いたのです。目を細めて入口のほうを見ると2人の魔法使いが息を切らしながら巨大な金の優勝杯を運び入れて来る所でした。

それがクィディッチ・ワールドカップの優勝杯でした。優勝杯はコーネリウス・ファッジに手渡されました。

今日の最後に
試合終了後のビクトール・クラムは前にも増してむっつりした表情で医師団が治療しようとするのを撥ねつけていた。私はクラムは「ブルガリアが負けたのは全て自分のせいだ」と強い自責の念に駆られていたとそう思いますね。

160点もの点差があって逆転できないのに何故クラムはスニッチを捕ったんだ?こう訊くロンにハリーはアイルランドのチェイサーが上手過ぎて点差を縮められないとクラムは判っていた。だからスニッチを捕ったと言いました。

しかし私はクラムがウロンスキー・フェイントをやった事でむしろ試合の流れはアイルランドのほうに行ってしまったとそう思います。クラムのウロンスキー・フェイントの後にアイルランドが一気に得点を重ねたんですよね。

だから試合終了後のクラムは前にも増してむっつりした表情で医師団の治療を撥ねつけていたと私は思いますね。私はむしろこんなビクトール・クラムを見て大変責任感が強く生真面目な人なんだろうなあとそう思いましたね。
Secret

TrackBackURL
→http://tokimekiboy.blog43.fc2.com/tb.php/2076-f668611d