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シリウスとヒッポグリフのバックビークを助けてから一夜が明けハリーたち3人は昼には担ぎ込まれた病棟から退院する事ができました。ところがハグリッドからルーピン先生が今朝一番で辞めたと聞かされたのです。それを聞いてハリーはルーピンの部屋に向かったのでした。(全3項目)

3-1.一夜明けて
ダーズリー一家と別れて名付け親のシリウスと暮らす。ようやく真実を知って「叫びの屋敷」から戻る道すがらでシリウスからそう持ちかけられて喜びを大爆発させたハリーだったのですが残念ながらそれは実現しませんでした。

その日は何と満月だったのです。一行が校庭に戻って来た所で雲が切れ月が姿を現わしました。ルーピンは硬直していました。そして手足が震え出したかと思うと一同が見ているその前でルーピンは狼に変身して行ったのでした。

この機会を逃がさなかったのがペティグリューでした。ルーピンの落とした杖に飛びつきクルックシャンクスとロンに何らかの呪文をかけるとネズミに変身して逃走して行きました。さらにそこに姿を現わしたのが吸魂鬼でした。

百体の吸魂鬼が真っ黒な塊になってハリーたちに襲いかかって来ました。ハリーは守護霊を創り出そうとしましたが駄目でした。もはや自分もシリウスも吸魂鬼に魂を吸い取られて生きた屍になるのか?そう覚悟した時の事です。

何かが吸魂鬼を追い払っている。実を云うと吸魂鬼を追い払う守護霊を創っていたのはハリー自身でした。ハリーはハーマイオニーが持っていた逆転時計で3時間前に戻りシリウスとヒッポグリフのバックビークを助けたのです。

必要なのは時間じゃ。首尾よく運べば君たちは今夜1つと云わずもっと罪なき者の命を救う事ができるじゃろう。ただし誰にも見られてはならんぞ。ハリーとハーマイオニーはダンブルドアにこう言われて3時間前に戻りました。

そこでハグリッドの小屋の裏庭に行って処刑寸前のバックビークを助け出し3時間待って守護霊を創って自分自身を救いました。そしてバックビークの背中に乗って吸魂鬼に魂を吸い取られる寸前のシリウスを助け出したのです。

ハリーたち3人は翌日の昼には担ぎ込まれた病棟から退院する事ができました。その日はホグズミード行きが許可されていましたがロンもハーマイオニーも出かける気にはなれず校庭を歩きながら前夜の大冒険を語り合いました。

するとそこに姿を見せたのが・・・

3-2.ハグリッドが来て
3人はシリウスにバックビークは今頃どこにいるのだろうと思案を巡らせました。湖のそばに座りふと向こう岸に目をやったハリーは感慨に耽って会話の糸口を見失いました。あそこから守護霊が駆け寄って来たのは昨日だった。

ハリーたち3人の上を影がよぎりました。見上げると虚ろな目をしたハグリッドがテーブルクロス大の巨大なハンカチで額の汗を拭いながら笑顔で見下ろしていました。そしてハリーたちにこう言ったというわけなんですよね。

「喜んでちゃいかんのだとは思うがな。何せ昨晩あんな事があったし」

3人とも昨晩「何が起こったのか?」については十分に知っていました。でも3人ともいかにも聞きたいようなふりをして「なーに?」と訊いたのでした。するとハグリッドはバックビークが逃げた事を3人にこう報告したのです。

「ビーキーよ!逃げおった!あいつは自由だ!一晩中お祝いしとったんだ!」

するとロンが「実は僕たちバックビークがどうやって逃げたのか知っているんだ」と言いたげに今にも笑い出しそうな顔をしたので咎めるような目で見ながらハーマイオニーが「凄いじゃない!」と相槌を打ったというわけです。

するとハグリッドは校庭の向こうのほうをうれしそうに眺めながら「ああ。ちゃんと繋いどかなかったんだな」と言ったのでした。でも朝になって「ルーピンと校庭のどっかで出くわしたのでは?」と心配になったんだそうです。

だけどルーピンは「昨日の晩は何も食べていない」と言っているんだそうです。それを聞いてハリーがすぐさま「何だって?」と訊いたのでした。するとハグリッドは「何と。まだ聞いとらんのか?」とハリーに言ったのでした。

ハグリッドの笑顔が陰りました。周りには誰もいないというのにハグリッドは声を落として3人に告げました。スネイプが今朝スリザリン生全員にルーピン先生は狼人間だと話したんだそうです。しかもそれだけではありません。

昨日の晩はルーピンは野放し状態だったとも言ったのだそうです。そのためルーピンは当然今頃は荷物をまとめているとの事でした。ハリーが驚いて「荷物をまとめてるって?どうして?」と訊くとハグリッドはこう答えました。

「いなくなるんだ。そうだろうが?今朝一番で辞めた。またこんな事があっちゃなんねえって言うとった」

何故辞めるのかなんて訊くのはおかしいじゃないかという顔でハグリッドはこう言いました。ハリーは慌てて立ち上がるとロンとハーマイオニーに「会いに行って来る」と告げ取り急ぎルーピンの部屋に向かったというわけです。

3-3.ルーピンの部屋に
でももし辞任をしてしまったんなら私たちにできる事はないのでは?ロンとハーマイオニーにこう言われたハリーだったのですがそれでも構わない。とにかく会いたいんだと2人に言うとハリーはルーピンの部屋に向かいました。

ルーピンの部屋の扉は開いていました。荷造りはほとんど済んでいます。水魔の水槽が空になっていて使い古されたスーツケースがそのそばに蓋を開けたままでほぼ一杯になって置いてありました。そしてルーピンはと云えば?

「君がやって来るのが見えたよ」

ルーピンは机に覆い被さるようにして何かをしていましたがハリーが扉をノックすると顔を上げてこう言いました。ルーピンは微笑みながら今まで熱心に見ていた羊皮紙を指しました。ルーピンが見ていたのは「忍びの地図」です。

「今ハグリッドに会いました。先生がお辞めになったって言ってました。嘘でしょう?」

するとルーピンは再び片付けを始めながら「いや本当だ」と答えました。どうしてなんですか?魔法省はまさか先生がシリウスの手引きをしたなんてそう思ってなどいませんよね?ハリーのこの問いにルーピンはこう答えました。

「いいや。私が君たちの命を救おうとしていたのだとダンブルドア先生がファッジを納得させてくださった」

でもその事でスネイプは堪忍袋の緒が切れてしまったんだそうです。マーリン勲章を貰い損ねたのが痛手だったのだろう。そのためスネイプは今日の朝食の席でルーピンが狼人間だという事をついうっかり漏らしたんだそうです。

「たったそれだけでお辞めになるなんて!」

ハリーがこう言うとルーピンは自虐的な笑いを浮かべました。そしてハリーにこう言いました。明日の今頃には親たちからの手紙が届き始めるだろう。それは誰もが自分の子供が狼人間に教えを受けるなんて事は望まないんだよ。

それにルーピンは「昨夜の事があって私もその通りだと思う」と言うのです。何故ならハリーたちの内の誰かを噛んでしまっていたかもしれなかった。そんな事は二度と起ってはならない。だからやはり自分は辞めるべきなんだ。

しかしそれでもハリーの説得は続きます。

今日の最後に
さて!ふと気づいてみたら本日の記事は背景説明だけで終わってしまいました。今にして思えばこの時のルーピンは無念の思いで一杯だったんでしょうね。自分があの薬を飲んでさえいればペティグリューを逃がす事はなかった。

「あの薬」とは満月の一週間前から飲み続けていれば姿は狼になっても自分の心を保つ事ができるという魔法薬の事です。ルーピンもまたシリウスと再会して事の真相を知るまではペティグリューは死んだとそう思っていました。

しかし12年ぶりにシリウスと再会してポッター夫妻の「秘密の守人」がピーター・ペティグリューだったと知った。同時にシリウスが無実だったと知った。ところが自分が犯したミスのためにシリウスの無実を証明できなかった。

ルーピンの気持ちはシリウスに対する申し訳なさでも一杯だったんでしょうね。
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