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ここリトル・ウィンジングのマグノリア・クレセント通りに吸魂鬼が現れたという事でびっくり仰天したと思ったら今度は近所に住むフィッグばあさんがスクイブの魔女と知ってハリーは驚愕させられる事になりました。ところがプリベット通り4番地に帰るとさらに今度はペチュニア叔母さんが・・・(全3項目)

3-1.ペチュニア・ダーズリー、その1
4年生の学期末にヴォルデモート卿の復活を見届けたハリーは夏休みにプリベット通り4番地に帰って来てからというもの苛立ちを募らせていました。その理由は「日刊予言者新聞」の一面にその記事が一向に載らないからでした。

ところが1ヵ月余りが経ったその日ハリーの身にはそんな苛立ちなど吹き飛ぶような驚くべき出来事が次々と起きました。まず最初に起きたのはここリトル・ウィンジングのマグノリア・クレセント通りに吸魂鬼が現れたのです。

ハリーは吸魂鬼を追い払うために「守護霊の呪文」を使わなくてはなりませんでした。するとその直後にフィッグばあさんが姿を現わしたのでハリーは慌てて杖を隠しました。ところがそこでフィッグばあさんがこう言いました。

「馬鹿そいつをしまうんじゃない!まだ他にもその辺に残ってたらどうするんだね?」

ハリーは「えっ?」と言って唖然茫然としました。ハリーが「おばあさんが魔女?」と訊くとフィッグばあさんからは自分は出来損ないのスクイブだからハリーが吸魂鬼を撃退するのを助けてやれないとの答えが返って来ました。

リトルウィンジングのマグノリア・クレセント通りで吸魂鬼に出くわしたのもハリーはショックでした。しかし近所に住む変人で猫ばかり飼っているフィッグばあさんが吸魂鬼を知っていたというのも同じぐらいショックでした。

しかしプリベット通り4番地に帰ってからも新たな驚きの出来事がハリーを待ち受けていたのです。バーノン叔父さんに「小僧!こっちへ来い!」と言われてハリーは恐れと怒りが入り交じった気持ちでキッチンに入りました。

やったのは僕じゃない。やったのは吸魂鬼だ。ハリーが何度も繰り返しダドリーをそうしたのは自分ではなく吸魂鬼だと言っても叔父さんは聞く耳を持ちません。ところがその吸魂鬼は一体全体何だと叔父さんが訊いた時でした。

「魔法使いの監獄の看守だわ。アズカバンの」

その問いにこう答えたのはペチュニア叔母さんでした。

3-2.ペチュニア・ダーズリー、その2
言葉の後に突然耳鳴りがするような沈黙が流れました。ペチュニア叔母さんはまるでうっかりおぞましい悪態をついたかのように手で口を覆いました。フィッグばあさんもだが何故ペチュニア叔母さんが吸魂鬼を知ってるんだ?

バーノン叔父さんも驚いたようで目を丸くして自分の妻を見たのでした。ハリーもまた唖然として「どうして知ってるの?」と訊きました。ペチュニア叔母さんはそう口走ってしまった自分自身にぎょっとしているようでした。

おどおどと謝るような目で夫のバーノン叔父さんをチラッと見て口から少し手を下ろし「聞こえたのよ。ずっと昔。あのとんでもない若造が。あの妹にそいつらの事を話しているのを」とぎくしゃくとした口調で答えたのでした。

「僕の父さんと母さんの事を言ってるのならどうして名前で呼ばないの?」

ハリーは大声でこう訊きましたがペチュニア叔母さんは無視しました。ひどく慌てふためいているようでした。ハリーは呆然としていました。以前にたった一度だけペチュニア叔母さんはハリーの母親を奇人呼ばわりしました。

それ以外にペチュニア叔母さんが自分の母親の事に触れるのをハリーは聞いた事がありませんでした。普段は魔法界が存在しないかのように振舞う事に全精力を注ぎ込んでいるペチュニア叔母さんが何と吸魂鬼の事を口にした。

魔法界についての断片的情報をこんなに長い間ペチュニア叔母さんが覚えていた事にハリーは驚愕していました。それはバーノン叔父さんも同じで「吸魂鬼とは一体全体何なんだ?」という問いの答えが妻から返って来たのです。

バーノン叔父さんはまるで話し方を思い出すのに四苦八苦しているかのように口を閉じたり開いたりしました。そしてようやく言葉を途切れがちにしながらその吸魂鬼とかいうのは本当にいるのだなと訊いたのでした。すると?

ペチュニア叔母さんは頷きました。バーノン叔父さんはペチュニア叔母さんからダドリーそしてハリーと順番に見ました。まるで誰かが「エイプリルフール!」つまり冗談だと叫ぶのを期待しているようでした。誰も叫びません。

しかしバーノン叔父さんは次の言葉を考えずに済みました。ハリーの元に今夜三通目の手紙が届けられたからです。それは魔法省からでダンブルドア校長との話し合いの結果ハリーの退校は取り消しになったと書かれてありました。

ところがここで問題になったのが今夜プリベット通り4番地に届いた最後の手紙でした。そのふくろうは煙突を急降下して勢い余って床にぶつかり大声で鳴きながら再び飛び上がりました。ハリーは手紙を受け取ろうとしました。

ところがふくろうは・・・

3-3.ペチュニア・ダーズリー、その3
それは「吼えメール」でした。ハリーはふくろうが持って来たのだから当然自分に来たものとそう思い手を上げて真っ赤な封筒に入った手紙を取ろうとしました。しかしふくろうはハリーの頭上をまっすぐ飛び越して行きました。

そしてペチュニア叔母さんのほうに一直線に向かいました。ペチュニア叔母さんは悲鳴を上げ両腕で顔を覆って身をかわしました。ふくろうは「吼えメール」をペチュニア叔母さんの頭に落とすと元来た煙突に戻って行きました。

ハリーは手紙を拾おうと飛びつきました。しかし手紙を拾ったのはペチュニア叔母さんでした。でもどちらが拾おうと結果は同じだという事をハリーは知っていました。だからハリーはペチュニア叔母さんにこう言ったのでした。

「開けたきゃ開けてもいいよ。でもどうせ中身は僕にも聞こえるんだ。それ吼えメールだよ」

真っ赤な封筒を見てバーノン叔父さんはペチュニア叔母さんに「手を離すんだ!触るな。危険かもしれん!」と言いました。しかしペチュニア叔母さんはバーノン叔父さんに声を震わせながらこう言ったというわけなんですよね。

「私宛だわ。私宛なのよバーノン。ほらプリベット通り4番地。キッチン。ペチュニア・ダーズリー様」

ペチュニア叔母さんは真っ青になって息を止めました。封筒が燻り始めたのです。ハリーは「開けて!済ませてしまうんだ!どうせ同じ事なんだから」とそう言ったのでした。でもペチュニア叔母さんは「いやよ」と言いました。

手を激しく震わせながらペチュニア叔母さんはどこか逃げ道はないかとキッチン中を見回しましたが手遅れでした。封筒が燃え上がりました。ペチュニア叔母さんは再び悲鳴を上げて封筒を取り落としました。聞こえて来たのは?

「私の最後のあれを思い出せ。ペチュニア」

テーブルの上で燃える手紙から恐ろしい声が流れ反響しました。ペチュニア叔母さんは気絶するかのように見えました。両手で顔を覆いダドリーのそばの椅子に沈むように座り込みました。沈黙が恐ろしいほどに張り詰めました。

バーノン叔父さんがどう問いかけてもペチュニア叔母さんは何も答えません。ハリーも呆気に取られて見つめるだけでした。するとペチュニア叔母さんが顔を上げました。まだ激しく震えています。ごくりと生唾を飲むと・・・

「この子。この子はバーノンここに置かないといけません」

ペチュニア叔母さんは重々しく言いました。息子のダドリーに危害が及ぶ可能性がある以上ハリーはこの家を出て行かなくてはならない。そう言う自分の夫バーノン・ダーズリーに向かってペチュニア叔母さんはこう言うのです。

驚愕して「何と?」と訊くバーノン叔父さんにペチュニア叔母さんは「ここに置くのです」と答えました。ペチュニア叔母さんはハリーの顔を見ないで言いました。そして再び立ち上がるとペチュニア叔母さんはこう言いました。

「私たちがこの子を放り出したとなればご近所の噂になりますわ。面倒な事を訊いて来ますよ。この子がどこに行ったか知りたがるでしょう。この子を家に置いておくしかありません」

ペチュニア叔母さんはまだ青い顔をしていたものの普段の突っけんどんでぶっきらぼうな言い方を急速に取り戻していました。断固とした口調で取り付く島がない自分の妻の物言いにバーノン叔父さんは意気消沈して行きました。

「お前は自分の部屋にいなさい。外に出てはいけない。さあ寝なさい」

ペチュニア叔母さんは今度は夫のバーノン叔父さんを無視してハリーのほうを向くとこう言ったのでした。ハリーが「吼えメールは誰からだったの?」と訊くとペチュニア叔母さんは「質問はしない」とぴしゃりと答えました。

ハリーが「叔母さんは魔法使いと接触してるの?」と訊いても「どういう意味なの?最後の何を思い出せって?」と訊いてもペチュニア叔母さんは寝なさいと言うだけでした。ハリーに対しても取り付く島がありませんでした。

「叔母さんの言う事が聞こえないの!さあ寝なさい!」

最後の一言もこれでした。

今日の最後に
あの怖がりようを見ればペチュニア叔母さんが「吼えメール」を受け取ったのは初めてではないという事は明々白々です。この事についてはこの場面を取り上げる毎に言って来ました。でも今回は新たに気づいた事がありました。

ペチュニア叔母さんが恐れていたのは「吼えメール」そのものではなくて「手紙が何と言うのか?」つまりは内容だったのではと私はそう思います。この場にはハリーも息子のダドリーも夫のバーノン叔父さんもいたんですよね。

ペチュニア叔母さんは手紙の内容を聞かれまいと必死でした。その理由は3人には決して知られたくない内容がこの「吼えメール」には含まれているのではとペチュニア叔母さんはそれを恐れていたのではと私はそう思いますね。

ペチュニア叔母さんは夫のバーノン叔父さんにさえ打ち明けていないであろう重大な秘密が過去にありますからね。
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