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不死鳥の騎士団の本部に滞在する事になってハリーはスネイプの顔を何度か見かける事となりましたが話す機会はありませんでした。そのため会話を交わす事になったのはやはり学期が始まってからの「魔法薬学」の授業の時という事になりました。でもその内容はハリーにとっては最悪でした。(全3項目)

3-1.本日の授業を始める前に
こうしてハリーはロンドンのグリモールド・プレイス12番地の不死鳥の騎士団の本部に入ったその日にスネイプの顔を見る事となりました。その後スネイプは12番地には数回慌しく出入りしましたがハリーとは会いませんでした。

8月12日に魔法省で行われた懲戒尋問も被告側の証人として出廷したダンブルドアのお陰で無罪放免となりハリーはめでたく今学期も生徒としてホグワーツに戻る事になりました。ロンとハーマイオニーは監督生になりました。

そういう事だったのでハリーとスネイプは学期に入って最初の「魔法薬学」の授業で顔を合わせる事になりました。スネイプは地下牢教室の扉を閉めると冷たく「静まれ」と言いました。静粛になどと言う必要はありませんでした。

「本日の授業を始める前に忘れぬようはっきり言っておこう。来る6月諸君は重要な試験に臨む。そこで魔法薬の成分・使用法につき諸君がどれほど学んだかが試される」

「このクラスの何人かは確かに愚鈍であるが我輩は諸君にせいぜいふくろう合格すれすれの可を期待する。さもなくば我輩の不興を蒙る」

スネイプはマントを翻して教壇に立つと全員をじろりと見た後にこう言い渡しました。そして言い終わると今度はネビルを睨みつけました。このクラスではネビルが群を抜いて断トツの問題児だったからというわけなんですよね。

「言うまでもなく来年から何人かは我輩の授業を去る事になろう。我輩は最も優秀なる者にしかNEWT(いもり)レベルの魔法薬の受講を許さぬ。つまり何人かは必ずや別れを告げるという事だ」

こう言うとスネイプはハリーを見据えて薄ら笑いを浮かべました。来年になると「魔法薬学」を辞められる。ぞくっとするような喜びを感じながらハリーはスネイプを睨み返したのでした。むしろそのほうが大歓迎だからです。

「しかしながら幸福な別れの時までにまだ1年ある。であるからNEWT(いもり)テストに挑戦するつもりか否かは別として我輩が教える学生には高いふくろう合格率を期待する。そのために全員努力を傾注せよ」

こうして今学期最初の「魔法薬学」の授業は始まったのでした。

3-2.出された課題は?
授業の前にハリーたち3人は今学期最初の授業ではスネイプがどんな課題を出すだろうと話し合いました。2ヵ月の休みで生徒が緩んでいる所を襲うという目的で何か極端に難しいものを出すだろうという事で意見が一致しました。

「今日は普通魔法使いレベル試験にしばしば出て来る魔法薬の調合をする。安らぎの水薬。不安を鎮め動揺を和らげる。注意事項。成分が強過ぎると飲んだ者は深い眠りに落ち時にはそのままになる」

「故に調合には細心の注意を払いたまえ」

ハリーの左側ではハーマイオニーが背筋を正して細心の注意そのものの表情をしていました。スネイプは「成分と調合法は」と言うと杖を振りました。そして「黒板にある」と言うと成分と調合法が黒板に現れ出でたのでした。

次に「必要な材料は全て」と言うとスネイプは再び杖を振り「薬棚にある」と言いました。するとその薬棚が開きました。そして最後にスネイプは「1時間半ある。始めたまえ」と生徒たちに呼びかけたというわけなんですよね。

事前にハリーたちが予測した通りスネイプが出した課題は「これ以上七面倒臭い厄介な薬はあるまい」というものでした。材料は正確な量を正確な順序で大鍋に入れなければならず混合液は正確な回数掻き回さなければならない。

初めは右回りでそれから左回りにして煮込むと最後の材料を加える前に炎の温度をきっちり定められたレベルに下げて定められた何分間かその温度を保たなくてはならないのです。あと10分という時にスネイプがこう告げました。

「薬から軽い銀色の湯気が立ち昇っているはずだ」

ハリーは汗びっしょりで絶望的な目で地下牢教室を見回しました。ハリーの大鍋からは灰黒色の湯気が立ち昇っていました。ロンの大鍋からは緑の火花が上りシェーマスは鍋底の消えかかった火を杖で必死に掻き起していました。

しかしハーマイオニーの液体からは軽い銀色の湯気が立ち昇っていました。スネイプはそばを通り過ぎると上から見下ろしましたが何も言いませんでした。文句のつけようがなかったからです。でもハリーのは違ったんですよね。

「ポッターこれは何のつもりだ?」

スネイプがハリーに向かってこう言い放つと教室の前に陣取っているスリザリン生がここぞとばかりに一斉に振り返りました。スリザリン生たちは我らがスネイプ先生がハリーを嘲るのを聞くのが大好きというわけなんですよね。

ハリーが頑なに「安らぎの水薬です」と答えるとスネイプは猫撫で声で「教えてくれポッター。字が読めるのか?」と訊きました。それを見てドラコ・マルフォイが笑いました。その問いにハリーは「読めます」と答えました。

「ポッター調合法の3行目を読んでくれたまえ」

そこにはこう書かれていました。

「月長石の粉を加え右に3回撹拌し7分間ぐつぐつ煮る。その後バイアン草のエキスを2滴加える」

3-3.騎士団員なのに
ハリーは落胆しました。7分間煮た後にバイアン草のエキスを加えずに4行目に移っていたからです。スネイプが「3行目を全てやったか?ポッター?」と訊くのに対してハリーは小声で「いいえ」と答えるしかありませんでした。

さらにスネイプが「答えは?」と言って来たのでハリーは少し大きな声で「いいえ。バイアン草を忘れました」と答えました。するとスネイプはハリーに対して情け容赦ない言葉と措置に打って出て来たというわけなんですよね。

「そうだろうポッター。つまりこのごった煮は全く役に立たない。エバネスコ!消えよ!」

ハリーの大鍋の液体が消え去りました。残されたハリーは空っぽになった大鍋のそばに馬鹿みたいに突っ立っていました。ハリーの水薬を消し去ったその後にスネイプはハリー以外の生徒たちに向かってこう言い渡したのでした。

「課題を何とか読む事ができた者は自分の作った薬のサンプルを細口瓶に入れ名前をはっきり書いたラベルを貼り我輩がテストできるよう教壇の机に提出したまえ」

さらにスネイプは「宿題。羊皮紙30センチに月長石の特性と魔法薬調合に関するその用途を述べよ。木曜に提出」とも言い渡しました。他の生徒たちが細口瓶を詰めている時ハリーは煮えくり返る思いで片付けをしていました。

それはハリーが作った水薬が決して群を抜いて出来が悪いというわけではないからです。それなのに今日の課題で零点がつくのは自分だけだなんて理不尽の極みというわけです。終業ベルが鳴るとハリーは一番で教室を出ました。

「本当に不公平だわ。あなたの魔法薬はゴイルのほどひどくなかったのに。ゴイルが自分のを瓶に詰めた途端に全部割れちゃってローブに火が点いたわ」

ロンとハーマイオニーが追いついた時にはハリーは既にもう大広間で昼食を食べ始めていました。ハリーの隣に座るとハーマイオニーがこう言ってハリーを慰めました。それに対してハリーはこう言葉を返したというわけです。

「うん。でもスネイプが僕に公平だった事なんかあるか?」

ロンもハーマイオニーも返す言葉がないようでした。するとハーマイオニーが失望したように「今年は少し良くなるんじゃないかと思ったんだけど」と言いました。ハーマイオニーは周囲に人がいない事を慎重に確かめて・・・

「スネイプは騎士団員だし」

こう言うハーマイオニーにロンは「毒キノコは腐っても毒キノコ」だ。スネイプを信用するなんてダンブルドアはどうかしているとそう思っていたとロンは言うのです。ヴォルデモートのために働くのを辞めたという証拠がない。

「あなたに教えてくれなくとも。ロン。ダンブルドアにはきっと十分な証拠があるのよ」

この事でロンとハーマイオニーは意見がいつも一致せず口喧嘩になってしまうというわけなんですよね。

今日の最後に
「本当に不公平だわ」ハーマイオニーもまたハリーに対するスネイプの情け容赦ない仕打ちに失望したようです。それと言うのもハーマイオニーはスネイプは騎士団員だから今年は少しはマシになるとそう思っていたんですよね。

でもそれはないと私はそう思いますね。ハリーたちはスネイプの「魔法薬学」の授業をスリザリン生と一緒に受けています。つまり当然スリザリン生の中には親が死喰い人だという生徒が多数含まれているというわけですよね。

その生徒たちは親から聞いてヴォルデモートが復活したという事を知っています。スネイプが下手にハリーに対する態度を変えたりすれば生徒たちは手紙でそれを親に伝えてスネイプは闇の陣営から疑念を持たれるかもしれない。

だからそんな事などできないというわけです。
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