ヴォルデモートは予言の全容を知る事ができませんでしたが予言はダンブルドアに告げられていたのでハリーは知る事ができました。しかしハリーはロンとハーマイオニーにすら予言の事を打ち明けていませんでした。そしてハリーがハグリッドに会おうと玄関ホールに下りて来ると・・・(全3項目)

3-1.予言の内容を知って
こうしてヴォルデモートは13年間の沈黙を余儀なくされた予言の全容を知る事はできませんでした。一方ハリーのほうはシビル・トレローニーによって成されたこの予言がダンブルドアに告げられていたので聞く事ができました。

その予言によれば7月の末に闇の帝王つまりヴォルデモートの力を打ち破る赤ん坊が生まれて来る。そしてヴォルデモートはその者を自分に比肩する者として印すだろう。それがハリーの額に刻まれた稲妻形の傷というわけです。

さらに予言によればハリーはヴォルデモートの知らぬ力を持つのだそうです。一方が他方の手にかかって死ななければならない。つまりは最後にハリーとヴォルデモートは互いの命を賭けた戦いをする運命にあるというわけです。

そしてその翌日ハリーは病棟にいました。ロンとハーマイオニーが魔法省に於ける死喰い人たちとの戦いで入院していたからです。さらにその場には肩を並べて戦ったネビルにジニーとルーナの3人も一緒にいたというわけです。

「僕に言わせりゃあの科目自体が無駄だよ」ロンが「占い学」の事をこう言うとハーマイオニーが「どうしてそんな事が言える?本物の予言が存在するって判ったばかりじゃない?」とこう言葉を返したというわけなんですよね。

ハーマイオニーはどうやら本物の予言が存在すると知ってトレローニー先生に対する認識を新たにしたようです。そしてそんなハーマイオニーの言葉を聞いてハリーは思わず心臓の鼓動の高鳴りを感じたというわけなんですよね。

それと言うのもハリーはロンとハーマイオニーにすら予言の事を話していなかったのです。自分が死ぬのか?あるいはヴォルデモートが死ぬのか?それ以外に道はないという事をもし話したらみんなはどんな顔をするのだろう?

ハリーはまだその顔を見るだけの気持ちの余裕がありませんでした。だから誰にも打ち明けていなかったというわけです。そのためにハリーは唐突に立ち上がってロンから「どこに行くの?」と言われてしまったというわけです。

3-2.玄関ホールで顔を合わせたのは?
ハリーが立ち上がったのでロンが驚いたような落胆したような顔をしました。どこに行くと訊かれハリーはハグリッドの所だと答えました。会いに行ってロンとハーマイオニーがどうしているか教える約束をしたとも言いました。

もちろんとっさについた嘘というわけです。誰かと一緒にいたいのかどうか?ハリーにはよく分りませんでした。誰かと一緒だとどこかに行ってしまいたいと思い1人になると人恋しくなったからです。複雑な心理状況ですよね。

でも帰って来てからまだ一度もちゃんと話をしていなかったので本当にハグリッドを訪ねてみようとハリーはそう思いました。すると玄関ホールへの階段の最後の一段を下りたちょうどその時に右側の扉から3人が出て来ました。

ドラコ・マルフォイにクラッブとゴイルでした。ハリーが足を止めるとマルフォイたち3人も足を止めました。マルフォイはあたりに目を走らせました。誰か先生の姿がないのかを確かめているようです。そしてこう言いました。

「ポッターお前は死んだ」

こう言われてハリーは眉を少し吊り上げると「変だな。それなら歩き回っちゃいないはずだけど」と言葉を返しました。マルフォイがこんなに怒るのをハリーは見た事がありませんでした。ハリーは冷めた満足感を味わいました。

つけを払う事になるぞ。僕がそうさせてやる。お前のせいで父上はアズカバン送りになった。こう言おうとしたマルフォイの言葉を途中で遮るとハリーは3人に向かって皮肉たっぷりにこのように言ったというわけなんですよね。

「そうか。今度こそ怖くなったよ。お前たち3人に比べればヴォルデモートなんてほんの前座だったな。どうした?」

ハリーが最後に「どうした?」と訊いたのはマルフォイにクラッブとゴイルの3人が「ヴォルデモート」という名前を聞いて一斉に衝撃を受けた顔をしたからでした。そんな3人に対しハリーはこう言ってみせたというわけです。

「あいつはお前の父親の友達だろう?怖くなんかないだろう?」

ヴォルデモートの事を「あいつ」呼ばわりしたのでマルフォイはクラッブとゴイルに両脇を護られながら「自分を何様だと思ってるんだ」と言いながらハリーに迫って来ました。そしてハリーに向かってこう言って来たのでした。

「見てろ。お前をやってやる。父上を牢獄なんかに入れさせるものか」

こう言うマルフォイにハリーは「もう入れたと思ったけどな」と言い返しました。すると今度はマルフォイは「吸魂鬼がアズカバンを棄てた。父上も他のみんなもすぐ出て来る」と言いました。これにハリーはこう反論しました。

「ああきっとそうだろうな。それでも少なくとも今は連中がどんなワルかって事が知れ渡った」

マルフォイは杖に手を飛ばしました。しかしハリーのほうが早くマルフォイの指がローブのポケットに入る前にハリーは既にもう杖を抜いていました。すると玄関ホールに「ポッター!」とハリーを呼ぶ声が響き渡ったのでした。

声の主はセブルス・スネイプでした。

3-3.遥かに超えた憎しみ
スネイプが自分の研究室に通じる階段から現れました。その姿を見てハリーはマルフォイに対する気持ちなど遥かに超えた強い憎しみが押し寄せるのを感じました。ダンブルドアが何と言おうとも絶対にスネイプを許すものか!

「何をしているのだポッター?」

ハリーに向かって相変わらず冷たい声でこう言いながらスネイプは大股で4人に近づいて来ました。ハリーは激しい口調で「マルフォイにどんな呪いをかけようかと考えている所です。先生」と答えました。するとスネイプは?

「杖をすぐしまいたまえ。10点減点。グリフィ」

「グリフィンドール」と言うのを途中で辞めスネイプは壁の大きな砂時計を見るとにやりと笑いました。そして「ああ点を引こうにもグリフィンドールの砂時計にはもはや点が残っていない」とそう言ってみせたというわけです。

「点を増やしましょうか?」

最後にスネイプが「それなれば。ポッターやむをえず」と言うとマクゴナガル先生が正面玄関の石段を上がって来てこう言いました。タータンチェックのボストンバッグを片手にもう1本の手では歩行用の杖にすがっていました。

しかしそれ以外は至極元気そうな様子でした。スネイプは勢いよく進み出ると「マクゴナガル先生!これはこれは聖マンゴをご退院で!」と言いました。マクゴナガル先生はそれに「すっかり元通りです」とそう答えたのでした。

マクゴナガル先生はまずはクラッブとゴイルに荷物を持たさせると追い払いました。そしてハリーとロンにジニーとネビルさらにハーマイオニーの5人にそれぞれ「50点」を与えました。そしてルーナにも「50点」を与えました。

「スネイプ先生いかがでしょう?」とマクゴナガル先生が言うとスネイプは「何が?」と噛み付くように訊き返しましたが完全に聞こえていたとハリーには判っていました。何故ならこの後にはこう答えたからというわけです。

「ああ。うむ。そうでしょうな」

さらにハリーとマルフォイの2人には「こんな素晴らしいお天気の日には外に出るべきだと思いますよ」と元気よく言ったのでした。このようにしてマクゴナガル先生は帰って早々にはその場を収めたというわけなんですよね。

最後に
ハリーは苦悶していました。シリウスが死んだのは自分のせいだ。自分がヴォルデモートの仕掛けた罠に嵌って魔法省の神秘部に行ってしまいシリウスはその場に駆けつけてベラトリックス・レストレンジに殺害されてしまった。

この恐ろしい罪悪感から何とかして逃れようとハリーはスネイプを責め立てました。でも心の片隅の自分の良心が「それは違うだろう」とハリー自身を責めていた。それがためにハリーは心が落ち着かなかったと私は思いますね。

他の人といると1人になりたくなる。1人になると人恋しくなる。こういう心理状況になったのもハリーの中に罪悪感から逃れたいという気持ちと同時にスネイプを責めるのは間違っているという気持ちが入り交じっているからだ。

だからだと私はそう思いますね。
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