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シビル・トレローニー先生はその生涯に二度に渡って本物の予言を言いました。そのいずれもがハリーの人生に大きく関わる事となりました。そこで今週と来週の2週間をかけて「どう実現するに至ったのか?」を改めて振り返ってみる事にします。(全3項目)

3-1.学期末試験の際に
ハリーにとっては何故か担当教師のスネイプが自分の事を毛嫌いし目の敵にして来る「魔法薬学」が群を抜いて苦手で大嫌いな科目でした。ところが3年生になると「占い学」という新たに嫌いな科目が増えてしまったのでした。

この科目を教えるトレローニー先生は最初の授業のお茶の葉占いでハリーに死神犬が取り憑いていると言ってハリーに死の予告をしたのを皮切りにして手相占いでは生命線がこれまで見た中で一番短いとハリーに告げたのでした。

要するに事ある毎にハリーは早死にすると言って来るのです。ハーマイオニーに至ってはもう我慢がならないしさらにはトレローニー先生はインチキ婆さんだとそう言って学期の途中で履修をするのを辞めてしまったほどでした。

ところがそれは学期末試験の時でした。試験が終わってハリーが帰りかけると背後から太い荒々しい声で「事は今夜起こるぞ」と言うのが聞こえて来ました。ハリーが振り返るとトレローニー先生が虚ろな目をしていたのでした。

さらにトレローニー先生は口をだらりと開け肘掛け椅子に座ったまま硬直していました。明らかに様子がおかしい。ハリーは医務室に駆けつけるべきかどうか迷いました。トレローニー先生は今にも引きつけの発作を起しそうです。

「闇の帝王は友もなく孤独に朋輩に打ち棄てられて横たわっている。その召使いは12年間鎖に繋がれていた。今夜真夜中になる前その召使いは自由の身となりご主人様の下に馳せ参ずるであろう」

「闇の帝王は召使いの手を借り再び立ち上がるであろう。以前よりさらに偉大により恐ろしく。今夜だ。真夜中前。召使いが。そのご主人様の下に馳せ参ずるであろう」


トレローニー先生は先程と同じ太い荒々しい声でこう言いました。しかも自分が言った事を全く覚えていませんでした。ひょっとしたら自分はトレローニー先生の本物の予言を聞いてしまったのかとハリーはそう思ったのでした。

3-2.それならその召使いは?
シリウス・ブラックはヴォルデモートの一の子分だった。シリウス・ブラックはハリーの命を狙っている。ハリーを亡き者にすればヴォルデモートの権力が戻って来ると思っている。ハリーはこれらの事を耳にしていたのでした。

さらにハリーは実は自分の両親のジェームズにリリー・ポッターは何と父親の無二の親友のそのシリウス・ブラックの裏切りによってヴォルデモートに殺害されたという事実を知る事となってしまったというわけなんですよね。

ハリーのお父さんのジェームズ・ポッターは誰よりもシリウス・ブラックの事を信用した。それはホグワーツを卒業したその後も変わらなかったんだそうです。シリウスはジェームズが結婚する際には花婿付き添い人を務めた。

さらにハリーが生まれた時には名付け親にした。そのためダンブルドアがヴォルデモートがジェームズとリリーの2人の命を狙っているので「忠誠の術」で身を隠すよう勧めた時は「秘密の守人」をシリウスにしたのだそうです。

「忠誠の術」とは1人の生きた人間の中に秘密を魔法で封じ込める。選ばれた人は「秘密の守人」として情報を自分の中に隠す。かくして「秘密の守人」が情報を暴露しない限りはその情報を見つける事は不可能となるそうです。

「秘密の守人」が口を割らない限りヴォルデモートがジェームズとリリーの隠れている村を何年探そうとも見つける事はできない。たとえ2人の家の居間の窓に鼻先を押し付けるほど近づいても2人を見つける事は決してできない。

ハリーのお父さんのジェームズ・ポッターはシリウスなら自分たちの居場所を教えるぐらいなら死を選ぶだろうと思いました。さらにシリウスは自分自身をも身を隠すつもりだとダンブルドアに伝えたそうです。ところがでした。

ダンブルドアはポッター夫妻に近い誰かが2人の動きをヴォルデモートに通報しているという確信があったんだそうです。少し前から味方の誰かが裏切ってヴォルデモートに相当の情報を流しているとダンブルドアは疑っていた。

その裏切り者こそがトレローニー先生が予言で言った12年間鎖に繋がれていた召使いというわけです。当然の如くハリーもアズカバンを脱獄して来たシリウス・ブラックだとそう思ったんですよね。ところが違っていたのでした。

ポッター夫妻を裏切り2人の「秘密の守人」になってヴォルデモートにジェームズとリリーの居場所を教えたのはピーター・ペティグリューでした。世間では死んだと思われていましたが実は何と驚く事に生きていたのでした。

ハリーのお父さんにシリウスとピーター・ペティグリューは未登録の「動物もどき」でした。ペティグリューはネズミに変身します。そこでネズミのスキャバーズとしてウィーズリー家に潜り込んでいたというわけなんですよね。

3-3.逃走!
こうしてハリーの両親ポッター夫妻を死に追いやったのはピーター・ペティグリューだという結論が出てシリウスとルーピンがペティグリューを殺害しようとしたその時の事でした。ハリーは何とそれを辞めさせたんですよね。

こんな私を助けてくれてありがとうと感謝の言葉を発したペティグリューにハリーはお前のために止めたんじゃない。僕の父さんは親友がお前みたいな者のために殺人者になるのを望まないと思っただけだとそう言ったのでした。

ペティグリューはアズカバンに行けばいいんだ。あそこがふさわしい者がいるとしたらこいつしかいない。ペティグリューは縛られさるぐつわを噛まされて吸魂鬼に渡される事になりました。ところがそれは校庭に出た時でした。

雲が切れて突然校庭にぼんやりとした影が落ちました。一行は月明かりを浴びていました。シリウスは立ちすくみ片手をさっと上げてハリーとハーマイオニーを制止しました。ルーピンは硬直して手足が震え出していたのでした。

シリウスが低い声で「逃げろ。逃げろ!早く!」と言いました。よりによってその日は満月だったのです。恐ろしい唸り声がしてルーピンの頭が長く伸び体も伸びました。背中が盛り上がり見る見る内に毛が生え始めたのでした。

狼に変身したのです。この機会を逃がすペティグリューではありませんでした。ルーピンが落とした杖に飛びつくとロンとクルックシャンクスに何らかの魔法をかけました。ハリーはペティグリューに杖を向けてこう叫びました。

「エクスペリアームス!」

ルーピンの杖は空中に高々と舞い上がり見えなくなりました。ハリーは前方に向かって走りながら「動くな!」と叫びました。しかし既にもう手遅れでした。ペティグリューはネズミに変身をして草むらを走り去って行きました。

さらにこんな最悪の事態に追い打ちをかけるような出来事が起きてしまいました。百体もの吸魂鬼がハリーたちに襲いかかって来たのです。ハリーは何とか守護霊を創り出そうとしましたが上手く創り出す事ができませんでした。

もはやこれまでかとそう思われた時でした。何かが吸魂鬼を追い払っている。吸魂鬼が去って行く。暖かさが戻って来ました。ハリーはその姿が何かを見極めようとしました。それはまるでユニコーンのように輝いていました。

ハリーはそれを誰かが迎えているのを見ました。その人はそれを撫でようと手を上げていました。何だか不思議に見覚えのある人だ。しかしハリーは気を失っていました。次に目覚めた時には病棟のベッドに横たわっていました。

ハリーが見たのはハーマイオニーが持っていた「逆転時計」で3時間前から戻って来たハリー自身でした。ハリーが守護霊を創り出して吸魂鬼を追い払い自分自身とシリウスを救った。そういう事だったというわけなんですよね。

今日の最後に
先週までの記事で紹介したようにシリウスとハリーは好きになった人の事は半端なくとことん好きになるという性格が共通しています。だからこそ判り合えた後のシリウスとハリーは極めて強固な相思相愛状態になりましたよね。

その一方ハリーもシリウスも嫌いになった人の事も半端なくとことん嫌いになってしまいます。ハリーの両親ポッター夫妻を裏切り2人の居場所をヴォルデモートに教えたピーター・ペティグリューの事もとことん嫌いになった。

だからシリウスはあの手この手でホグワーツそしてグリフィンドール寮に侵入しペティグリューを殺害しようとした。要するにシリウスはピーター・ペティグリューの事を半端なくとことん嫌いになったというわけなんですよね。

そういう事だったんですよね。
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