シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(4)(8回シリーズ)

ハリーとセドリックはクラウチ・ジュニアが「移動キー」にした優勝杯に連れられてリドル・ハングルトンの教会墓地にやって来ました。セドリックは即座に殺害されてしまいました。そしてハリーはヴォルデモートが復活する所を目前で見せつけられる事になったのでした。(全3項目)

3-1.傷痕に激痛
こうしてハリーとセドリックの2人は「移動キー」になった優勝杯によってリトル・ハングルトンの教会墓地に連れて来られました。当然2人とも何故に優勝杯が「移動キー」になっていたのかもここがどこなのかも知りません。

突然ハリーが「誰か来る」と言いました。暗がりでじっと目を凝らすと間違いなくこちらに人影が近づいて来ます。顔を見分ける事はできませんが歩き方や腕の組み方から何かを抱えているらしいという事だけは何とか判りました。

その影は2人から僅か2メートルほど先の丈高の大理石の墓石のそばで止まりました。一瞬ハリーにセドリックとその小柄な姿が互いに見つめ合いました。その時の事です。何の前触れもなしにハリーの額の傷痕が痛み出しました。

これまで一度も経験した事のない激しい痛みでした。両手で顔を覆ったため指の間から杖が滑り落ちハリーはがっくりと膝を折って地面に座り込んでしまいました。痛みで全く何も見えず頭が割れるかと思うほどの激痛でした。

余計な奴は殺害しろという甲高い声が聞こえたかと思うと「アバダケダブラ」と唱えるのが聞こえました。そして緑の閃光がハリーの閉じた瞼の裏で光りました。ハリーが目を開けると恐ろしい光景が目に飛び込んで来ました。

セドリックがハリーの足下に大の字になって倒れていました。何と死んでいました。一瞬が永遠に感じられました。信じられない。受け入れられない。感覚が麻痺していました。そんなハリーを誰かが引きずって行ったのでした。

フードを被った小柄な男がハリーを無理やり後ろ向きにするとその背中を墓石に押しつけました。フードの男は杖から頑丈な縄を出しハリーを墓石に縛りつけ始めました。男の手は指が1本欠けていてハリーはそれで判りました。

「お前だったのか!」

それはワームテールでした。

3-2.包みの中身は?
ワームテールはハリーを墓石に縛りつけると縄目の硬さを確かめるのに余念がありませんでした。結び目を触るワームテールの指は止めようもなく小刻みに震えていました。それが終わるとハリーの口に黒い布を押し込みました。

ハリーが赤ん坊だと思った包みは墓のすぐ前にありました。包みを見つめるとハリーの額の傷痕が再び焼けるように痛みました。その時ハリーは包みの中身が一体何なのかに気づきました。包みの中身は見たくないと思いました。

ワームテールの荒い息遣いが一段と大きくなって来ました。ワームテールは何か重たい物を押し動かしているようです。それは何か水のような物で満たされた石の大鍋でした。とても巨大で大人1人が入れるほどの大きさでした。

ワームテールは今度は鍋の底の所で杖を使い忙しく動いていました。突然鍋の底に火が燃え上がりました。鍋の中の液体はすぐに熱くなり沸騰しただけでなく液体自身が燃えているように火の粉が散り始め湯気が濃くなりました。

ハリーの耳に「急げ!」と再び甲高い冷たい声が聞こえて来ました。今や液面全体が火花で眩いばかりでした。ワームテールが「準備ができました。ご主人様」と言うとその冷たい声が「さあ」と言うのがハリーに聞こえました。

ワームテールが地上に置かれた包みを開き中にある物が露わになりました。それは縮こまった人間の子供のようでした。ただし「こんなに子供らしくない物は見た事がない」というそれはもうおぞましい姿の子供だったのでした。

髪の毛はなく鱗に覆われたような赤剥けのどす黒い姿をしていました。手足は細くてのっぺりと蛇のような顔で赤い目が怪しげに光っていました。それを大鍋まで運ぶ時にワームテールの顔には激しい嫌悪感が浮かんだのでした。

ワームテールはその生き物を大鍋に入れました。溺れてしまいますようにとハリーはそう願いました。するとワームテールが何やら言葉を発しているのが聞こえて来ました。声は震え恐怖で分別もつかないかのように見えました。

「父親の骨。知らぬ間に与えられん。父親は息子を蘇らせん!」

ハリーの足下の墓の表面が割れるとワームテールの命ずるままに細かい塵などが宙を飛んで静かに大鍋の中に降り注ぎました。すると液面が割れて四方八方に火花を散らしたかと思うと液体は鮮やかで毒々しい青に変わりました。

「下僕の肉喜んで差し出されん。下僕はご主人様を蘇らせん」

ワームテールは悲痛な泣き声を上げながら細長い短剣を取り出しました。ワームテールは何度も何度も言葉を途切れがちにしながらこう言いました。その泣き声は今度は恐怖に凍りついたような啜り泣きに変わって行きました。

ワームテールは右手を前に差し出しました。指が欠けているほうの手です。ハリーはワームテールが何をしようとしているのか事の直前に悟りました。ハリーは両目をできる限り固く閉じましたが耳を塞ぐ事はできませんでした。

3-3.復活したヴォルデモート
ワームテールは苦痛に喘ぎ呻き続けていました。その苦しげな息が顔にかかってハリーは初めてワームテールが自分の目の前にいる事が判りました。そんな再びハリーのそばにやって来たワームテールはこう唱えていたのでした。

「敵の血。力ずくで奪われん。汝は敵を蘇らせん」

あまりにも硬く縛り付けられていたのでハリーにはどうする事もできませんでした。ワームテールはハリーの右腕の肘の内側にまたも手を震わせながら短剣を差し込みました。そしてガラスの薬瓶を取り出して傷口に当てました。

ハリーの血を取るとワームテールはよろめきながら大鍋に戻って鍋の中にハリーの血を注ぎ入れました。鍋の液体は下僕の肉を差し出した時には燃えるような赤になりましたが今度は一転して目も眩むような白に変わりました。

大鍋は煮え立ち四方八方にダイヤモンドのような閃光を放っていました。しかし何事も起こりません。溺れてしまえ。失敗しますようにとハリーは再びそう願いました。すると突如として大鍋から出ていた火花が消えたのでした。

その代わりに濛々たる白い蒸気がうねりながら立ち昇って来ました。濃い蒸気はハリーの目の前にある全ての物を隠すほどでした。何も見えない。失敗したんだとハリーは思いました。しかしそれは虚しい願いだったんですよね。

大鍋の中からゆっくり立ち上がったのは骸骨のように痩せ細った背の高い男の黒い影でした。それはハリーの氷のような恐怖を掻き立てました。蒸気の向こうから「ローブを着せろ」と言う冷たくて甲高い声が聞こえて来ました。

ヴォルデモートがついに復活したのです。

今日の最後に
ヴォルデモートはアルバニアの森を出てリトル・ハングルトンの父親と祖父母が住んでいた館に来た時ワームテールに「お前には褒美を授けよう。俺様のために1つ重要な仕事を果たす事を許そう」とこう言っているんですよね。

それは実は復活する際に短剣で手を切り自分の肉を差し出すという仕事だったんですよね。どんな仕事ですかと訊くワームテールにヴォルデモートは「せっかく驚かしてやろうという楽しみを台無しにする気か?」と言いました。

でもそれは言ってしまえば必ずやワームテールは自分の下から離れて行く。つまりただでさえ自分の下に戻って来た事を後悔しているというのに言うわけにはいかないとヴォルデモートは思ったのです。それは当然の事ですよね。

楽しみなんてよく言いますよね。とにもかくにもトレローニー先生の予言通り召使いの手を借りてヴォルデモートは復活したというわけです。
コメント

更新頑張って下さい

ファンタスティックビーストをみて、ハリポタ熱が再び到来している者です。
書籍を読み返して、作者の伝えたいことや意味などを考察している日々なので、
こちらのブログ大変参考になります!

数少ない最新情報のあるブログなので、応援してます!頑張って下さい

まだまだ頑張ります!

ニュートスキャマンダーさん初めまして!ですよね?コメントありがとうございました!

既にもう第7巻「死の秘宝」の日本語版が出てから8年半の歳月が経っているので今も定期的に更新しているブログ・サイトなんて珍しいですよね。

これからも新しい記事の内容が思い浮かぶ限り更新頑張って行くつもりなので当サイトをご贔屓によろしくお願いしますね。(笑)
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