シビル・トレローニー先生の予言~どう実現するに至ったのか?(6)(8回シリーズ)

ヴォルデモート復活の記事を掲載した「日刊予言者新聞」は一転してハリーを褒めそやすようになり加えて「選ばれし者」とも書き立てたのでハリーは女子生徒から羨望の眼差しで見られるようになりました。さらにダンブルドアがハリーに個人教授を受けて欲しいと申し入れをして来て・・・(全3項目)

3-1.予言を巡って
魔法大臣コーネリウス・ファッジの圧力に屈してハリーとダンブルドアを誹謗中傷する記事ばかり載せていた「日刊予言者新聞」はヴォルデモート復活の記事を掲載した後は内容を一転してハリーを褒めそやすようになりました。

そのためハリーには「生き残った男の子」に続き「選ばれし者」という新たな称号が加わり新学期初日のホグワーツ特急内では白眼視されたり陰口を叩かれる事もなくなり女子生徒から羨望の眼差しで見られるようになりました。

さらにハリーは夏休み中にダンブルドア校長から驚くべき申し入れをされる事となりました。何とダンブルドアがハリーに個人教授を施してくれると言うのです。その第1回は学期が始まって最初の土曜日に行なわれたのでした。

ダンブルドアが言うにはハリーが予言の内容を知ったからにはハリーが生き残るために何らかの情報を与える時が来たとそう判断したからだそうです。その授業はヴォルデモートの生涯を祖父の代から振り返るという内容でした。

ヴォルデモートの祖父マールヴォロ・ゴーントは狂信的な純血主義者で何世紀にも渡って純血だという事を誇りにしていました。そんなマールヴォロと息子のモーフィンに娘のメローピーはサラザール・スリザリンの末裔でした。

ところがそんなメローピー・ゴーントが山の向こう側の館に住んでいるマグルのトム・リドルに思いを寄せ「愛の妙薬」を飲ませて駆け落ち結婚をしました。そして後のヴォルデモートになる男の子を産んだというわけですよね。

しかしメローピー・リドルは夫に「愛の妙薬」を飲ませるのを辞めてしまったようでした。その理由はあまりにも夫を深く愛していたので魔法で夫を隷従させ続ける事に耐えられなくなったというのがダンブルドアの見解でした。

トム・リドル・シニアはメローピーを捨て1人でリドル・ハングルトンの館に戻って来ました。メローピーはロンドンに1人取り残され息子に「トム・マールヴォロ・リドル」という名前をつけた直後に亡くなったんだそうです。

3-2.クリスマス休暇明け最初の授業で
一方が他方の手にかかって死なねばならぬ。何となれば一方が生きる限り他方は生きられぬ。ハリーが生き延びるためには敵方のヴォルデモートの事を十分に理解しなければならないというのがダンブルドアの授業の目的でした。

そんなダンブルドアの個人教授でしたが何と驚くべき事にクリスマス休暇明け最初の授業でハリーに宿題が出されました。その授業でハリーは今年度から「魔法薬学」の教職に復帰をしたホラス・スラグホーンの記憶を見ました。

しかしその記憶は改竄されていました。そこで改竄されていないスラグホーンの記憶を回収するというのがハリーに出された宿題の内容でした。ハリーは翌日にロンとハーマイオニーに相談したのですが2人の意見は分れました。

ロンはスラグホーンはハリーに惚れ込んでいる。お気に入りの生徒なんだからハリーが頼めば断ったりはしない。今日の午後の授業の終了後に残って訊いてみればいいとそう言って極めて楽観的な見解をハリーに言ったのでした。

一方ハーマイオニーのほうは悲観的でした。ダンブルドアが聞き出せなかったのならスラグホーンはあくまでも真相を隠すつもりに違いない。その情報を聞き出すのは一筋縄ではできないとハーマイオニーはそう言ったのでした。

残念ながらハーマイオニーのほうが正解でした。ダンブルドアの出した宿題をやり遂げるのには困難を極めました。そもそも何せダンブルドアが出した宿題なのですからそんなにも簡単にできるわけがないというわけなんですよね。

ハリーが宿題をやり遂げる事ができたのはフェリックス・フェリシスのお陰でした。スラグホーンの最初の授業で12時間分が入っている小瓶をハリーが貰い受けたのです。これは飲めば何をしても幸運になるという魔法薬でした。

ハリーはロンとハーマイオニーに「じゃ行くよ」と言うと慎重に量の見当をつけて飲みました。ハーマイオニーに小声で「どんな気分?」と訊かれてもハリーは暫くの間は答えませんでした。そして徐々に効果が表れて来ました。

やがて無限大の可能性が広がるような高揚した気分がゆっくりと確実に体中に染み渡りました。何でもできそうな気がしました。そして突然スラグホーンから記憶を回収する事が可能だとそればかりか容易な事と思えて来ました。

それからは何もかもがハリーに都合よく事が進みました。城の中でもフィルチにもミセス・ノリスにもポルターガイストのピーブズにも出くわしませんでした。玄関ホールに到着すると正面の扉には鍵がかかっていませんでした。

スラグホーンとは野菜畑で出会いました。その日はハグリッドが長年飼っていた巨大蜘蛛のアラゴグの葬儀が行なわれる日でした。ハリーとスラグホーンはアラゴグの葬儀に出席するためハグリッドの小屋で会う事になりました。

そこでハリーはスラグホーンの記憶を回収しました。こうしてようやくダンブルドアの宿題をやり遂げる事ができたのでした。

3-3.ホークラックス
城に戻る途中ハリーはフェリックス・フェリシスの幸運の利き目が徐々に切れて行くのを感じました。4階ではピーブズに出くわしましたしグリフィンドール寮の入口に到着すると「太った婦人(レディ)」の機嫌は最悪でした。

合言葉は真夜中に変わった。腹が立つなら校長先生に抗議しなさいとレディが言うのでハリーが「ダンブルドアが学校にいるなら抗議しに行くよ」と言っているとゴーストの「ほとんど首なしニック」がハリーにこう言いました。

「いらっしゃいますぞ。ダンブルドア校長は1時間前に学校に戻られました」

何でもニックは「血みどろ男爵」から聞いたんだそうです。ダンブルドアが校長室にいるとニックに聞いてハリーはレディに背を向けて合言葉が変わったというのは嘘だと言うレディを無視して校長室に向かって駆け出しました。

この回収をしたスラグホーンの記憶で明らかになったのはホークラックスすなわち分霊箱の事でした。ホークラックスとは人がその魂の一部を隠すために用いられる物を指す言葉で分霊箱の事を言う。魂を分断するのだそうです。

魂の一部を分断しその部分を体の外にある物に隠す。そうすれば体が攻撃されたり破滅しても死ぬ事はない。何故ならその魂の一部は滅びずに地上に残るからだ。この説明を聞いてハリーは2年前に聞いた言葉を思い出しました。

「俺様は肉体から引き裂かれ霊魂にも満たないゴーストの端くれにも劣るものになった。しかし俺様は生きていた」

さらにヴォルデモートはスラグホーンに魂は1回しか分断できないのでしょうか?もっと沢山するほうがより確かで強力になれるのではないでしょうか?つまり例えば「7」という数字は一番強い魔法数字ではと訊いていました。

ヴォルデモートがスラグホーンに訊きたかったのは「複数の分霊箱を作った魔法使いはどうなるのか?」という事だったとダンブルドアは言うのです。全ての分霊箱を探し出し破壊しないとヴォルデモートを滅ぼす事はできない。

これがダンブルドアが個人教授でハリーに教えたかった事というわけなんですよね。

今日の最後に
クリスマス休暇明けの授業でハリーが宿題を出されて校長室を出る際にフィニアス・ナイジェラスが「あの子が君より上手くやれるという理由が分らんね」と言うとダンブルドアは「わしも君に判るとは思わぬ」と答えています。

それは多分フィニアス・ナイジェラスはハリーがフェリックス・フェリシスを持っている事を知らない。一方ダンブルドアのほうはそれを知っている。だからダンブルドアはフィニアス・ナイジェラスにそう言ったんでしょうね。

つまりダンブルドアはハリーに宿題を出した時からハリーはフェリックス・フェリシスを使えば宿題ができるとそう考えていた。でも絶妙のタイミングで使わせるよう助言をできるのはロンとハーマイオニーだとそう考えていた。

だから敢えてハリーに「フェリックス・フェリシスを使えばできる」とは言わなかった。そういう事だと私は思いますね。(笑)

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