ハリポタ通の館(やかた)
ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。最近更新する時間が微妙に遅くなり申し訳なく思っています。
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アルバス・ダンブルドア「死の秘宝」編、その1(1)(52回シリーズ)
今日から13週間「52回」に渡って第7巻「死の秘宝」のアルバス・ダンブルドアを取り上げる事にします。昨年度末にアルバス・ダンブルドアを葬り去り残る脅威はハリー・ポッターのみとなった事を受けてヴォルデモートはハリーを始末するためにと・・・(全3項目)

3-1.セブルス・スネイプとヤックスリー
月明かりに照らされた狭い道にどこからともなく2人の男の姿が同時に現れました。2人の間はほんの数歩しか離れていませんでした。姿を現わした瞬間2人の男は互いの胸元に杖を向けたままでした。身じろぎもしませんでした。

しかし相手が誰だか判ると2人とも杖をしまい足早に同じ方向に歩き出しました。一方の背の高い男が「情報は?」と訊くともう一方の男は「上々だ」と答えました。2人の男の名前はセブルス・スネイプとヤックスリーでした。

小道の左側には茨の潅木がぼうぼうと伸び右側にはきっちり刈り揃えられた高い生垣が続いていました。2人の男は先を急ぎました。先を急ぎながらヤックスリーのほうが「遅れてしまったかもしれん」とスネイプに言いました。

「思っていたより少々面倒だった。しかしこれであの方もお喜びになるだろう。君のほうは受け入れていただけるという確信がありそうだが?」

スネイプは頷いただけで何も言いませんでした。右に曲がると小道は広い馬車道に変わりました。その先には壮大な鍛鉄の門がありました。高い生垣も同様に右に折れ道に沿って門の奥まで続いています。2人とも止まりません。

2人は無言のまま左腕を伸ばして敬礼の姿勢を取り黒い鉄がまるで煙であるかのようにそのまま門を通り抜けてしまいました。そこで再びヤックスリーは杖を抜いてスネイプの頭越しに狙いを定めました。何かを感じたようです。


3-2.来たる土曜日の日暮れ
ヤックスリーに杖を抜かせたのは単なる孔雀で生垣の上を気位高く歩いていました。ヤックスリーは孔雀とはルシウスの奴は相変わらず贅沢な趣味だと言うとフンと鼻を鳴らしながら杖を収めました。馬車道の奥の暗闇でした。

そこに瀟洒な館がありました。1階の菱形の窓に明かりが煌いています。生垣の裏の暗い庭のどこかで噴水が水音を響かせていました。2人が玄関へと足を運び近づいて行くと人影もいないのに玄関の扉が突然内側に開きました。

明かりを絞った広い玄関ホールは贅沢に飾り立てられ豪華なカーペットが石の床をほぼ全面に渡って覆っています。壁にかかる青白い顔の肖像画たちが大股に通り過ぎる2人の男を目で追いました。その先の部屋が目的地でした。

一瞬の逡巡の後にスネイプが木の扉のブロンズの取っ手を回しました。そこは客間でした。装飾を凝らした長テーブルは黙り込んだ人々で埋まっていました。普段置かれている家具は無造作に壁際に押しやられていたのでした。

スネイプとヤックスリーは暫くの間は客間の入口に佇んでいました。部屋を照らしていたのが暖炉の火だけで薄暗かったからです。やっと目が慣れて来ると2人はその場の異様な光景に引きつけられ思わず視線を上に向けました。

テーブルの上に逆さになって浮かんでいる人間がいました。どうやら気を失っているようです。まるで見えないロープで吊り下げられているようです。ゆっくりと回転する姿が暖炉上の鏡と磨かれたテーブルにも映っていました。

人々は誰1人としてこの異様な光景を見てはいません。ただ唯一真下に座っている青白い顔の青年だけはほとんど1分おきにちらちらと上を見ずにはいられない様子でした。するとテーブルの一番奥から2人を呼ぶ声がしました。

「遅い。遅刻すれすれだ」こう言う声の主は暖炉を背にして座っていたので到着したばかりの2人には当初は黒い輪郭しか見えませんでした。しかし2人が近づいて行くと薄明かりの中にその男の顔が浮かび上がって来ました。

その男つまりヴォルデモートは自分の右手の席を示し「セブルスここへ」と言いヤックスリーには「ドロホフの隣へ」と言いました。2人は示された席に着きました。ほとんどの目がヤックスリーではなくスネイプを追いました。

「我が君。不死鳥の騎士団はハリー・ポッターを現在の安全な居所から来たる土曜日の日暮れに移動させるつもりです」

ヴォルデモートが「それで?」と最初に声をかけたのもスネイプでした。問われたスネイプはヴォルデモートにこう答えました。するとテーブルの周辺がにわかに色めき立ちました。緊張する者もいればそわそわする者もいます。

「土曜日。日暮れ」ヴォルデモートがこう繰り返しました。その赤い眼がスネイプの目を見据えました。その視線のあまりの烈しさに傍で見ていた何人かが凶暴な視線が自分の目を焼き尽くすのを恐れて目を背けるほどでした。

しかしスネイプは静かにヴォルデモートの顔を見つめ返しました。ややあってヴォルデモートの唇のない口が動き笑うような形になりました。ヴォルデモートが「そうか。よかろう。情報源は」と言いスネイプはこう答えました。

「打ち合わせ通りの出所から」

ところがここでヤックスリーがこう言って来ました。

「我が君。私の得た情報は違っております」

3-3.偽情報?
「闇祓いのドーリッシュが漏らした所ではポッターは17才になる前の晩すなわち30日の夜中までは動かないとの事です」ヤックスリーはヴォルデモートの反応を待ちましたが黙ったままなので自分の得た情報をこう報告しました。

「我輩の情報源によれば偽の手掛かりを残す計画があるとの事だ。きっとそれだろう。ドーリッシュは錯乱の呪文をかけられたに違いない。これが初めてではない。あやつはかかりやすい事が判っている」

するとスネイプがにやりと笑ってこう反論しました。それにヤックスリーは「畏れながら我が君。私が請け合います。ドーリッシュは確信があるようでした」と言いました。それに対してスネイプはこう言ったというわけです。

「錯乱の呪文にかかっていれば確信があるのは当然だ。ヤックスリー我輩が君に請け合おう。闇祓い局はもはやハリー・ポッターの保護には何の役割も果たしておらん。騎士団は我々が魔法省に潜入していると考えている」

スネイプのこの言葉を聞いて初めて2人以外の誰かが口を開き「騎士団も1つぐらいは当たっているじゃないか。え?」と言うと笑い声を上げました。それを聞いて一堂に会した人々もまたつられたように笑い声を上げたのでした。

しかしヴォルデモートは笑いませんでした。テーブルの上でゆっくりと回転している宙吊りの姿に視線を漂わせたまま考え込んでいるようでした。それを見てヤックスリーはドーリッシュから入手した情報をこう述べたのでした。

「我が君。ドーリッシュは例の小僧の移動に闇祓い局から相当な人数が差し向けられるだろうと考えておりますし」

ヤックスリーがここまで言った時でした。

ヴォルデモートは?

今日の最後に
知っての通りアルバス・ダンブルドアは昨年度末にセブルス・スネイプに「死の呪文」を放たれて死亡しました。しかし校長室には歴代校長の肖像画の1枚としてダンブルドアが加わってスネイプに対して指示を送っていました。

その第一弾がヴォルデモートにハリーがプリベット通り4番地を離れる正確な日時を知らせよという指示でした。スネイプは騎士団員の1人のマンダンガス・フレッチャーからハリーの移動日を聞き出したというわけですよね。

何故ダンブルドアはスネイプに対してハリーの正確な移動日時をヴォルデモートに知らせろと言ったのか?それはそうしなければヴォルデモートがスネイプに「十分に情報を掴んでいない」との疑念を生じさせるからだそうです。

アルバス・ダンブルドアを殺害した事で死喰い人たちとヴォルデモートのスネイプに対する信頼は絶対的になりました。ところが実を云うとスネイプは校長室の肖像画のダンブルドアの指示に従っていたというわけなんですよね。

スネイプはとても優れた閉心術士でヴォルデモートも死喰い人たちも闇の陣営の人間は誰もそれを見抜けなかったのです。
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