またしてもヴォルデモートの魔の手から逃れたハリーはハグリッドと共に「隠れ穴」に戻って来ました。ところが何とハリーとハグリッドが一番乗りだったのです。予定通りならハリーとハグリッドは三番目だったんだそうです。その直後にルーピンとジョージが戻って来て・・・(全3項目)

3-1.2人が「隠れ穴」に到着すると
「隠れ穴」の裏庭に着いたハリーは光らなくなってもはや用無しになった「移動キー」のヘアブラシを放り投げ少しよろめきながら立ち上がりました。ハグリッドもハリーと同様に着地で倒れどっこいしょと立ち上がる所でした。

叫び声を上げたのはウィーズリーおばさんとジニーで勝手口から階段を駆け下りて来るのが見えました。おばさんはハリーに「ハリー?あなたが本物のハリー?何があったの?他のみんなは?」と矢継ぎ早に質問をして来ました。

「どうしたの?他には誰も戻っていないの?」

ハリーが喘ぎながらこう訊くとおばさんの青い顔に答えがはっきりと刻まれていました。ハリーはまずはおばさんに「死喰い人たちが待ち伏せしていたんだ」と口火を開いて何が起こったのかの事の次第の説明を始めたのでした。

飛び出すとすぐに囲まれた。奴らは今夜だという事を知っていたんだ。他のみんながどうなったか自分には分らない。自分たちも4人に追跡され逃げるので精一杯だった。それからヴォルデモートに追いつかれてと説明しました。

ハリーは自分の言い方が弁解がましいのに気づいていました。それはおばさんの息子たちが「どうなったのか?」を自分が知らないわけを理解して欲しいという切実な気持ちからでした。でもおばさんはこう言ってくれました。

「ああ。あなたが無事で本当に良かった」

そしておばさんはハリーを抱き締めました。ハリーは「自分にはそうして貰う価値がない」とそう感じていました。引き続き「7人のハリー・ポッター作戦」に同意してポリジュース薬に髪の毛を提供した引け目があったからです。

一方ハグリッドはおばさんに「ブランデーはねえかな」と言いました。気付け薬用だそうです。それを聞いておばさんは家に走って戻って行きました。ハリーはおばさんの後ろ姿を見て「顔を見られたくないんだ」と思いました。

「呼び寄せ呪文」を使えば走って家に戻る必要などないからです。ハリーはジニーを見ました。すると「様子が知りたい」というハリーの無言の願いをジニーは汲み取ってくれました。そして本来の予定を説明してくれました。

3-2.本来なら三番目だった
何でもジニーの説明によればロンとトンクスが一番に戻るはずだったけど「移動キー」の錆びた油注しだけが戻って来た。それから父親のアーサー氏とフレッドがボロボロのスニーカーが「移動キー」で戻って来るはずだった。

そしてハグリッドとハリーは三番目で間に合えばジョージとルーピンがあと1分ほどで戻るはずとの事なんだそうです。そこにウィーズリーおばさんがブランデーの瓶を抱えて再び現れハグリッドに手渡したその直後の事でした。

暗闇に青い光が現れ段々大きく明るくなりました。ルーピンとジョージが独楽のように回りながら現れたかと思うと倒れました。何かがおかしいとハリーはすぐに気づきました。ジョージは顔が血だらけで気を失っていました。

それをルーピンが支えていました。ハリーは駆け寄りジョージの両足を抱え上げました。ルーピンと2人でジョージを家の中に運び込み居間のソファに寝かせました。ランプの光で照らし出すとジョージの片方の耳がありません。

おばさんがジョージの上に屈み込んだ直後でした。ルーピンがハリーの二の腕を掴んで強引に引っ張り台所に連れ戻したかと思うと突然質問して来ました。ハグリッドは憤慨し「おい!ハリーを放せ!放さんか!」と言いました。

「ホグワーツの私の部屋をハリー・ポッターが初めて訪ねた時に隅に置いてあった生き物は何だ?答えろ!」

ルーピンは憤慨するハグリッドを無視してハリーにこう言いました。ハリーが水槽に入ったグリンデロー水魔だと答えるとルーピンはハリーを放しました。ハグリッドが「何のつもりだ?」と怒鳴るとルーピンはこう答えました。

「すまないハリー。しかし確かめる必要があった。裏切られたのだ。ヴォルデモートは君が今夜移される事を知っていたし奴にそれを教える事ができたのは作戦に直接関わった者だけだ。君が偽者の可能性もあった」

「そんなら何で俺を調べねえ?」と訊くハグリッドにルーピンは「君は半巨人だ。ポリジュース薬は人の使用に限定されている」とそう答えました。そんなルーピンにハリーは疑う事さえ厭わしいとばかりにこう言ったのでした。

「騎士団のメンバーがヴォルデモートに今夜の移動の事を話すはずがない」

何故ならヴォルデモートは最後のほうになって自分に追いついた。最初は誰が本物なのかあいつは知らなかった。あいつがこの作戦を知っていたなら自分がハグリッドと一緒だと当初から判っていたはずだとハリーは言いました。

「ヴォルデモートが君を追って来たって?何があったんだ?どうやって逃れた?」

それを聞いてルーピンは声を尖らせてハリーにこう訊いて来ました。ハリーはかいつまんで説明をしました。

するとルーピンは?

3-3.愚かな行為だった?
自分を追っていた死喰い人たちが本物だと気づいて追跡を急に中止した。ヴォルデモートを呼び出したに違いない。そして安全地帯のトンクスの実家に到着する直前ヴォルデモートが現れた。ハリーはルーピンにこう説明しました。

「君が本物だと気づいたって?しかしどうして?君は何をしたんだ?」

するとルーピンはハリーにこう訊いて来ました。そこでハリーは「夜の騎士(ナイト)バス」の車掌だったスタン・シャンパイクを見て「服従の呪文」にかかっているのが明らかなので「武装解除の呪文」をかけたと答えました。

それを聞いてルーピンは呆気に取られたような顔をしました。そして武装解除の段階はもう過ぎた。あいつらは君を捕らえて殺害しようとしているんだ!殺害するつもりがないなら少なくとも失神させるべきだったと言うのです。

ハリーはあんな何百メートルもの上空でスタンを失神させたら「死の呪い」を使ったのと同じ事になっていた。スタンはきっと落ちて死んでいたと抗議をしました。そんなハリーにルーピンは必死に自制しながらこう言いました。

「その通りだよハリー。しかもその場面を大勢の死喰い人が目撃している!こんな事を言うのは悪いが死に直面したそんな切迫した場面であのような動きに出るのは全く普通じゃない」

ハリーは復活直後のヴォルデモートと対決した際に「武装解除の呪文」を使って無事ホグワーツに戻る事ができました。それを聞いた上でルーピンは今夜また同じ行動を繰り返すのはまさに自殺行為だとハリーにそう言うのです。

それじゃ自分はスタン・シャンパイクを殺害するべきだったと言うんですか?ハリーが憤慨してこう訊くとルーピンは「武装解除の呪文」は役に立つ。しかし死喰い人はそれが君を見分ける独特の動きだとそう考えているようだ。

だからそうならないようにしてくれと言うのです。つまり「武装解除の呪文」は死喰い人がハリーを見分けるのに役に立つ。ルーピンのこの言葉を聞きハリーは自分の愚かしさに気づきましたがルーピンにはこう言ったのでした。

「たまたまそこにいるだけで邪魔だから吹き飛ばしたりするなんて僕にはできない。そんな事はヴォルデモートのやる事だ」

ハリーがルーピンにこう言ったのは自分の愚かさに気づいてもまだ僅かに反発したい気持ちがあったからでした。

今日の最後に
ハリーは6年生の時クリスマス休暇は「隠れ穴」に滞在して過しました。そしてアーサー氏からスタン・シャンパイクと面接した魔法省の役人は全員がスタンは絶対死喰い人じゃないという意見で一致するとそう聞かされました。

さらにダンブルドアがスタンの事で魔法大臣ルーファス・スクリムジョールに直接抗議しようとしたとも聞いているんですよね。だからハリーはスタン・シャンパイクが無実なのにアズカバンに入れられていた事を知っていた。

だからハリーは「死なせちゃいけない」ととっさに思い「武装解除の呪文」を使った。しかしこの事で本物のハリーと死喰い人に見破られてしまい危うくヴォルデモートに殺害されそうになりルーピンにもその行為を咎められた。

でもハリーは自分の愚かさに気づいてもまだ僅かに反発したい気持ちがあった。これが最後の最後にヴォルデモートと対決するのに当たってこの「武装解除の呪文」が勝負を決する魔法になるという伏線になっているんですよね。
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